資料6 アベノミクスの成果の活用に向けて 平成28年4月18日 伊藤 元重 榊原 定征 高橋 進 新浪 剛史 1.安定的・継続的な予算が必要な一億総活躍等の重要課題 ○ 一億総活躍の実現等の重要課題、特に、少子化対策や保育士、介護職員の待遇改善、奨学金の拡 充、幼児教育の負担軽減などについては、必要な財源が継続的・安定的に確保されないと、保育士や 介護職員を希望する人や子育て世帯、学生及びその保護者などが将来の展望を持つことができず、結 果として、政策の効果が制約されかねない。 ○ 一定規模の安定的な予算の確保が必要。平成29年度以降も当初予算による確保が求められる(注) 。 (注)「経済・財政再生計画」では「追加的な歳出増加要因(子ども子育て・家族支援等)については、必要不可欠なもの とするとともに、適切な安定財源を確保する」とされている。 図表1.保育士・介護職員の待遇に関する主な希望・不満 図表2.奨学金の延滞が継続する主な理由(平成26年度) 52 本人の低所得 ~賃金を含む労働条件の改善、多様な人材の確保、生産性の向上が重要~ 47 奨学金の延滞額の増加 業務に対する社会的 評価が低い 身体的負担が大きい 有給休暇がとりにく い 仕事内容のわりに賃 金が低い (%) 介護職員 60 50 48.3 42.3 34.9 40 30.4 28.6 30 20 10 0 人手が足りない 勤務シフトの改善 未消化( 有給等) 休 暇の改善 事務・ 雑務の軽減 職員数の増員 給与・ 賞与等の改善 (%) 保育士 70 59.0 60 50 40.4 34.9 31.5 40 27.4 30 20 10 0 本人の借入金の返済 26 親への経済援助による支出増 26 0 図表3.学校教育費(平成26年度) 120 (万円) 100 102 89 80 60 40 32 28 12 20 19 6 13 私立 公立 平均 小学校 私立 公立 平均 幼稚園 7 私立 公立 平均 0 (備考)東京都福祉保健局(平成26年3月)「東京都保育士実態調査報告書」、介護労働安 定センター「平成26年度 介護労働実態調査」により作成。上位5位の回答(複数回答)。 10 20 30 40 50 60 (%) (備考)日本学生支援機構「平成26年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」により 作成。複数選択のうち、上位4つの理由。 中学校 (備考)文部科学省「平成26年度子供の学習費調査」により作成。平均は児童等の総数に占める私立の割合により算出。 学校教育費は授業料、修学旅行・遠足・見学費、学校納付金等(学級費・PTA会費等)、図書・学用品・実習材料費等、 教科外活動費(クラブ活動等)、通学関係費(交通費・制服等)。 2 2.過去3年間の税収の安定的増加 ○ 税収は経済状況によって変動するが、安倍内閣の下での過去3年間、安定的に増加して きた。その最大の要因は、アベノミクスにより、デフレではない状況が生まれ、経済が着実に 底上げされてきたことにある。また、企業の繰越欠損金の減少や納税企業数の着実な増加 など、税収の安定的増加を支える変化も生まれている。 図表4.繰越欠損金翌期繰越額の推移 図表5.利益計上法人数の推移 (万) (兆円) 100 100 90.8 90 90 80 80 69.9 87.6 87.1 70 70 64.0 60 60 50 50 2005 06 07 08 09 10 11 12 13 14 (年度) 2005 06 07 08 09 10 11 12 13 14 (年度) (備考)国税庁「会社標本調査」により作成。 3 3.アベノミクスの成果 ○ 過去3年間、税収は当初予算における見積りを上回って増加し、補正予算時、決算時に は増額修正が行われ、この修正額から特殊要因を除いた金額は翌年度当初予算の歳入見 積りの根拠(土台)となってきた。この部分は、しっかりとした経済成長による実力としての税 収増といえ、税収の「底上げ」に相当すると考えられる。 ○ アベノミクスによる経済再生による失業給付や生活保護の受給者(高齢者世帯を除く)の 減少や、歳出改革の取組による成果など、歳出にもアベノミクスの成果は生まれてきている。 図表6.国一般会計・地方普通会計の税収の推移 (兆円) 120 地方(除く消費 税率引上げ分) 消費税率引上げ分 (国+地方) 93.6 100 80.7 84.9 5.8 98.1 99.5 8.3 8.3 60 37.9 39.2 (兆円) 70 39.6 39.9 40 40 20 43.9 47.0 54.0 43.9 48.7 50.2 51.3 10 国(除く消費税率引上げ分) 47.0 8.2 1.9 56.4 57.6 8.2 8.3 1.9 1.8 8.5 1.6 10.8 16.0 17.1 10.5 11.0 11.7 12.2 9.8 14.0 15.5 16.8 17.6 18.0 (決算) (決算) (決算) (補正) (当初) 8.3 1.5 30 20 所得税 法人税 消費税 相続・贈与税 その他 60 50 80 36.7 図表7.国一般会計の税収の推移 10.4 17.2 0 0 (決算) (決算) (決算) (補正) (当初) 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 (備考))内閣府「中長期の経済財政に関する試算」等により作成。 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 (備考)財務省各年度の予算、決算説明資料により作成。 4
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