震災再び、私たちができることは・・・ 全国デイ・ケア協会 会長 斉藤 正身

震災再び、私たちができることは・・・
全国デイ・ケア協会
会長
斉藤
正身
デイケアニュースの執筆に取り掛かろうとしている時に、熊本・大分の地震
が発生しました。4月14日は北九州の小倉で、当協会の顧問、浜村明徳先生
に「地域リハビリテーション」のこれからの展開をお聞きしていたところでし
た。夕食会が終わりホテルに戻る車中で、同乗者の携帯から一斉に地震を知ら
せるコールが鳴り響き、5年前のあの場面に引き戻されたような錯覚を覚えま
した。またしても・・・という気持ちと、被災された地域の知人や病院・施設、
そしてデイケアの事業所の安否を確認する術を探り、ホテルでは断続的に続く
余震もあって落ち着かない一夜を過ごしました。翌日には無事に帰宅しました
が、その後の本震によって、このような事態に陥るとは・・・
幾度となく繰り返される災害に対して、今回も経験を生かした活動が求めら
れます。特に当協会は JRAT(大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議
会)を組織する団体の一員としての活動が中心になります。しかしながら、災
害は何処でも同じではありません。その地域の特性や災害の種類・程度を十分
考慮した行動が求められます。東日本の時には、デイケアのスペースが避難所
や事務局、そして入院・入所スペースなど、様々な用途に活用されていました。
地域住民の避難所として利用されていたデイケアで、地域の人たちのための備
蓄があれば・・・という話も聞き、協会で開催される研究大会等では、幾度と
なくデイケアとしての備蓄の必要性を訴えてきました。私たちデイケアを営む
者として、介護保険制度の中だけでなく地域のためにできること、その一つが
「地域住民のための備蓄」だと思います。今からでも遅くありません。もちろ
ん今はまず熊本・大分への支援を、そして地域のための生活必需品を準備する
ことをお勧めいたします。
災害に対する心構えやお願いを挨拶とさせていただきましたが、昨年の介護
報酬改定を受けて、多くの会員が「活動」と「参加」に目を向けたアプローチ
を展開しています。その成果が昨年度末の全国レベルの調査や研究結果に明確
に示されてきていますので、今年度も引き続き積極的な取り組みを期待してい
ます。頑張りましょう!