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B-37 マカク属霊長類における感染症抵抗性の多型とゲノ
ム進化
安波, 道郎
霊長類研究所年報 (2012), 42: 110-110
2012-10-04
http://hdl.handle.net/2433/171554
Right
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Departmental Bulletin Paper
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Kyoto University
い 。 先 行 研 究 で は 性 皮 色 測 定 に カ ラー チ ャ ー トを用 い る こ とが 多 く 、 こ の 方 法 で は 環 境 光 の 影 響 、評 価 時 の観 察 者
の 主 観 を 排 除 で き な い 。 こ う した 潜 在 的 影 響 を 除 外 す る た め に 、本 研 究 で は 分 光 測 色 計(MINOLTACG-411C)を
用 い 、CIELAB色 空 間 で 評 価 した 。CIELAB色
mulatta)9頭
とニ ホ ンザ ル(Macacafuscata)5頭
空 間 は3軸(赤 一緑 、青 一黄 、明一暗)で 構 成 され る 。ア カ ゲ ザ ル(Macaca
を検 索 対 象 と し、 非 発 情 期(7月)と
発 情 期(10.月)に
、同一個
体 の 性 皮 色 を測 定 した 。 ア カ ゲ ザ ル とニ ホ ンザ ル で 異 な る色 変 化 が 見 られ 、CIELABの
「青 一黄 」 軸 に お け る増 加
が 、 ア カ ゲ ザ ル の み で 有 意 で あ っ た(t検 定 、有 意 水 準5%)。
これ は ア カ ゲ ザ ル の 血 流 変 動 が ニ ホ ンザ ル よ りも 大
き い こ と を 示 唆 す る 。 血 流 の 増 大 は 紅 潮 の み な らず 腫 脹 に つ な が る た め 、 ニ ホ ン ザ ル の 血 流 が 変 動 しな い こ とは 、
寒 冷 適 応 との 関連 か ら興 味 深 い 。分 光 測 色 計 を用 い 、性 皮 色 変 化 をCIELAB色
縁 な マ カ ク種 間 で 紅 潮 の 違 い を 検 出 で き た。
B-37マ
空 間 に お い て 客 観 的 に表 示 で き 、近
カ ク属 霊 長 類 に お け る感 染 症 抵 抗 性 の 多 型 と ゲ ノ ム 進 化
安 波 道 郎(長 崎 大 ・熱 帯 医 学 研 ・臨 床 感 染 症 学)所
内 対 応 者:平 井 啓 久
マ カ ク 属 霊 長 類 は種 分 化 の過 程 で 棲 息 環 境 の影 響 下 に そ れ ぞ れ の ゲ ノ ム を進 化 させ 続 け て い る と考 え られ る 。感
染 因 子 の 地 理 的 分 布 は ゲ ノ ム 多 型 の 地 理 的 相 違 生 成 の 原 動 力 と考 え られ 、そ の 解 明 は 生 物 種 が い か に 効 果 的 に 感 染
因子 に 対 処 し て い る か の 理 解 を 深 め る こ とに つ な が る。 本 研 究 で はToll様 受 容 体TLR2、TLR4、TLR9の
変 異や 多
型 が ヒ トや マ ウ ス で は 病 原 微 生 物 由 来 の 物 質 の認 識 を変 化 させ る こ とか ら、マ カ ク 属 霊 長 類 に つ い て そ れ らの 塩 基
配 列 を解 析 し 、種 内 お よ び 種 間 で の 非 同 義 置 換 を評 価 した 。 そ の う ちTLR2に
関 して ニ ホ ンザ ル で は コ ー ド領 域 の
全 般 に 亘 っ て 非 同 義 置 換 は 頻 度 が 低 い傾 向 に あ る の に 対 し て ア カ ゲ ザ ル で は 、膜 蛋 白 の 細 胞 外 部 分 に 相 当 す る領 域
の 一 部 に 局 所 的 に 非 同 義 置 換 の 集 積 す る部 分 が認 め られ 、多 様 性 獲 得 進 化 の 寄 与 が 推 定 され た 。 ニ ホ ン ザ ル と ア カ
ゲ ザ ル の 問 で326番 目 の ア ミ ノ酸 が そ れ ぞ れ チ ロ シ ン 、ア ス パ ラ ギ ン に 固 定 して お り、 こ の 部 位 は ヒ トの 分 子 構 造
解 析 か ら リガ ン ド結 合 に 関 与 す る と され て い る こ とか ら こ の 変 化 が ア カ ゲ ザ ル で の 多 様 性 の 積 極 的 な 蓄 積 を も た
ら し て い る と推 測 し 、 分 子 モ デ リ ン グ に よ る分 析 を行 な っ た 。(1)ま た 、 サ ル マ ラ リア 原 虫Plasmodiumcoatneyi
の 実 験 感 染 に お い て 高 感 受 性 で あ る ニ ホ ン ザ ル と抵 抗 性 で あ る カ ニ ク イ ザ ル の 種 問 に お い て マ ラ リア 色 素 を 認 識
す るTLR9の
遺 伝 子 に 複 数 の 非 同義 置 換 を認 め た 。 これ らが 個 体 レベ ル で の感 受 性 の 相 違 を 説 明 す る か を 検 討 して
い る。 〔
文 献 〕1.TakakiA,etal.Immunogenetics64:15-29(2012).
B-38ニ
ホ ン ザ ル 雌 の 栄 養 状 態 と餌 獲 得 量 の 順 位 格 差 に 関 す る 高 崎 山 群 と幸 島 群 の 比 較
栗 田博 之(大 分 市 教 育 委 員 会 ・文 化 財 課)所
内 対 応 者:濱 田穣
幸 島 で は8月 に 、 高 崎 山 で は9月 に 、 写 真 計 測 法 に よ る 成 熟 雌 の 体 長 計 測 を 行 っ た(幸 島 群:ll頭;高
崎 山群:
10頭)。 高 崎 山群 の 体 長 計 測 は 約10年 分 の デ ー タ が あ り、 成 熟 後 は加 齢 に 伴 う短 縮 が認 め られ な い 傾 向 が わ か り
つ つ あ る が 、 幸 島 群 の 体 長 計 測 は2008年 度 か ら の 開 始 で あ り、 ま だ 調 査 年 数 が 少 な く、 年 齢 変 化 の 傾 向 を 明 らか
にす る に は 至 っ て い な い。
高 崎 山 雌 の 体 重 は 、 自身 に よ る デ ー タ の 蓄 積 を ほ ぼ10年 間 行 っ て き て お り、 高 順 位 雌 は 低 順 位 雌 よ り も重 く、
育 て 上 げ る 子 の 体 重 も重 い こ とが わ か っ て い る。 一 方 、幸 島 雌 で は 、 体 長 計 測 対 象 個 体 に 限 っ て 、 体 重 及 び 繁 殖 成
績 を 京 都 大 学 野 生 動 物 研 究 セ ン タ ー よ りデ ー タ を 借 用 し、分 析 を 行 っ て い る が 、2011年 度 に 明 らか に な っ た こ とは 、
次 の とお りで あ る。
①
幸 島 成 熟 雌 の 体 重 は 著 しい 年 変 動 を 示 す が 、 これ は 個 体 問 で 明 瞭 に 同調 して お り、 自然 食 物 の 豊 凶 が 影 響
して い る こ とが 示 唆 され た 。
②
幸 島雌 の 体 重 は 高 崎 山 雌 の そ れ よ り も有 意 に 軽 か っ た 。
③
ほ とん どす べ て の 年 齢 に お い て 、 高 崎 山 雌 よ りも 幸 島 雌 の 方 が 出産 率 が 低 か っ た 。
ま た 、 餌 獲 得 量 調 査 で は 、 高 崎 山 雌 で は 高 順 位 個 体 は低 順 位 個 体 の 約2.2倍 の カ ロ リー を 餌(コ ム ギ とサ ツ マ イ
モ)か ら得 て い る こ とが 既 に わ か っ て い る。2011年 度 は 幸 島群 に お い て 餌 獲 得 量 の調 査 を 開 始 した が 、台 風 接 近 な
どに よ り2日 間 し か調 査 が で き な か っ た 。 高 順 位 雌 と低 順 位 雌 各1頭
い が 、 幸 島 で も 、 高 順 位 雌 の 方 が 多 くの 餌 を獲 得 して い た 。
ず つ の 餌(コ
ム ギ)獲 得 量 調 査 結 果 に す ぎ な
今 後 、幸 島 群 と 高 崎 山 群 の 間 で の 餌 獲 得 量 ・体 サ イ ズ ・繁 殖 成 績 に つ い て の調 査 を継 続 し、 そ れ ぞ れ の 実 態 を よ
り詳 細 に 解 明 して ゆ き た い 。
<学 会 発 表>
1)栗
田博 之,ほ
か
ニ ホ ン ザ ル 雌 の 体 サ イ ズ と 出 産 成 績 の 年 齢 変 化 一 高 崎 山 個 体 群 と幸 島 個 体 群 の 比 較 一.
日本 霊 長 類 学 会 第27回 大 会2011年7.月
2)栗
田博 之,ほ か ニ ホ ン ザ ル 雌 に お け る体 重 ・体 長 ・出 産 率 の 年 齢 変 化 様 式 の 個 体 群 間 比 較 一 高 崎 山 と幸
島 一.日 本 哺 乳 類 学 会2011年
度 大 会2011年9.月
く論 文 発 表>
KuritaH,etal.(2012)Aphotogrammetricmethodtoevaluatenutritionalstatuswithoutcaptureinhabituated
free-rangingJapanesemacaques(Macacafuscata):apilotstudyPrimates,53(1):7-11.
B-39チ
ン パ ン ジ ー に お け る トラ ッ ク ボ ー ル 式 力 触 覚 デ ィ ス プ レイ を 用 い た 比 較 認 知 研 究
酒 井 基 行(名 古 屋 工 業 大 ・院 ・機 能 工 学),田
業 大 ・情 報 工 学)所
内 対 応 者:友 永 雅 己
中 由 浩,佐
野 明 人(名
一110一
古 屋 工 業 大 ・機 能 工 学),藤
本 英 雄(名
古屋 工