はじめに(PDF:158KB)

はじめに
わが国はこれまで人口増という社会状況の中で、経済発展を成し遂げてまい
りました。地方自治においても中央から地方への権限移譲が進み、住民協働な
ど地域と行政との関係が深化してきた過程において、地方自治体は自らの判断
と責任で住民福祉の向上に取り組んできました。
一方、1960 年代の高度経済成長とそれに伴う社会環境の変化への対応などで
かつて全国的に多くの公共施設が整備されましたが、それから約半世紀の時が
流れ、これらの公共施設は全体的に老朽化が進み、施設更新が全国的に大きな
課題となっています。
大田区においても、昭和 30 年代から 50 年代にかけて学校施設を中心に、多
くの公共施設を整備してきました。現在、区が保有する公共施設のうち6割以
上が整備後 30 年以上経過した施設となっており、今後 20 年のうちに多くの施
設が更新時期を迎えることになります。
現在では少子高齢化が著しく進み、区民ニーズも多様化・高度化するなど、
施設建設当時と比べて人口構成が大きく変化し、ライフスタイルも様変わりし
ております。また、伸び続ける社会保障関係費や生産年齢人口比率の低下、右
肩上がりの経済発展の終焉など、今後の区政運営にあたり憂慮すべき状況にあ
ります。
しかし、こうした中にあっても中・長期的な視点のもと、区は将来を見据え
て安定的かつ計画的に公共施設を適正に配置し、利便性の一層の向上に努め、
良質なサービスを提供し続けていかなければなりません。将来の公共施設のあ
り方について様々な角度から検討し、そこで導き出した方針に基づき、公共施
設を配置していくことは、今後の区政を進めるうえで大変重要な鍵になります。
そこで区では、公共施設の現状を改めて把握するため、平成 26 年度に「大田
区公共施設白書」を作成しました。そして、今年度はこの白書を踏まえ、今後
の施設整備の方向性を示し、地域や行政の課題を解決していくためのひとつの
方策としてこの「大田区公共施設適正配置方針」をまとめました。
本方針では、ファシリティマネジメントのもと、効果的で効率的な施設の適
正配置により区民サービスの維持向上を図るために、
「地域ごとの将来のまちづ
くりを見据えた、施設の適正配置の実現」や「施設重視から機能重視への転換
による施設の集約及び有効活用」など5つの柱を定めました。
区では今後、この考え方に基づき、地域の実情なども踏まえつつ、公共施設
の適正配置を進め、将来を見据えた持続可能な公共施設の整備に取り組んでま
いります。
平成 28 年3月
大田区長 松原忠義