U. D. C.624. 191. 57 西松彊設技報 VOL 4 NATMによる立坑掘削 要 島田 豊 喜 狩野 満 弓* * * * 阿部 直 ** 約 電源 開発㈱ 下郷 発電所 の ,深 さ 1 3 5mの 2本 のサ ー ジタ ンク立坑掘 削」二事 で,我 が園最 初 の NATMを採 用 L. この程 成功 裡 に終 了させ るこ とがで きた。 本報 文 は NATM採 用 に踏 み切 るまでの経緯 と工 事実績 につ いて報告 す る もので あ る。 特記 事項 としては次 の数 点が挙 げ られ る。 1)中央 パ イロ ッ ト孔 は大 口径ボー リングマ シンを用 いて,1. 4 5m¢で掘削 し, これ を ズ1 )落下 シュー トと自然換気孔 として利 用 Lf J。 2)NATMの探J 机 こよ り, 当初設 計の掘 削i i L l 二 径は1 6m¢か ら1 3. 6m¢ に,掘削断面積 は,2 0 1. 0 6m か ら1 4 5. 2 7m2 へ と7 2. 2 5% に減 少 させ るこ とがで きた0 2 3)坑 壁 を撞 なわないこ と,連続掘削 が可能 な こ と, 吹付」二 や ロ ックボル ト工 との並行 作 業がで きるこ と等 の利 点 を有す る油圧 ブ レー カに よ る硬岩の無 発破掘削 に成功 し た。 4)大 規模 なスカ フ ォー ドを用 い るのが 普通で あ る立坑 開削で, 人界坑及 び計測用 とし て, ビルデ ィング外壁掃 除用 の ゴン ドラを使 用 した。 5) その他, 可能 な限 りの新 鋭機 械 の導 入,省力及 び多能技 能」二の雇 入れ と徹 底的 な教 育 を行 なった。 これ らによ り, 全」二 事 の ク リテ ィカルパ ス と目されていたサ ー ジタ ンク立坑 は,工 期 を 大幅 に短縮 す るこ とがで き, その塵 を他社 の 工区 に譲 るこ とがで きた。 ク リー トダ ム( 有効 貯 水容量4 4. 5 ×1 06m3 , 流域面積 8 25. 6 1 § 1. まえが き k m2大川 ダ ム) を下 部 貯水池 として,」 T池間 に得 られ §2.工事 概要 8 7mを利用 して,散 大. t 旧] 1, 0 0 0, 0 00k Wの る有効 落差 3 §3.施工実績 発電 を行 な う純揚 水式 発電所で あ る。 本立坑 の掘 削 は, §4.計測 上記発電 所主要構 造物 の内,調 庄水槽 ( 制水乱 単胴 聖) 2m ( 掘削 内径1 3, 6m)高 の掘削で ,仕上 り寸法 は内径 1 §5.あ とが き さ1 3 6. 2 5mが §1. まえが き 2基 で あ るOこの調庄水槽 の位 置す る場所 は,大川 羽鳥 損立 自然 公園内の急峻 なI L J の斜面 にあ り, 電源 開発㈱下郷 発電所 は,福 島児南会 津郡下 郷町 に位 EL.8 41m) かつ 当発電所構 造物 の内で は一 番 高い所 ( 置 し,阿賀野川水系小野川 に高 さ 1 0 2mの ロックフ ィル で あ る。 そのた め,坑 口までの資崩搬 入, 人員輸送 用 と 6×1 0 6m 3( 流域面積 ダ ムを築造 して,有効貯水量 1 して イン クライン設備 を含 む大 規模 な仮 設備 が計画 され 3. 7 k m2)の調 整池 を設 け, これ を上 部調整 池 ( 大 内調 整 池) 3 年度 ,5 4 年度 ( 冬期 間 1月∼3月は休 止 ) は, た。昭 和 5 とし, 阿 賀川 に建 設省 の築造す る高 さ7 8mの重 力式 コン 仮 設 に著 したた めに,立坑掘削 は昭和 5 5 年度 に開始 され るこ とになった。 この立坑掘削 の進捗状 況如何 に よって は, 当下郷 発電所新 設工事 全体 の工程上の ク リテ ィカル 東北 ( 支)下郷 ( 出)所 長 出)副所長 東北 ( 支)下郷 ( 東北 ( 支)下郷 ( 出) 係長 128 パ ス とな る懸念が あ り, そのた め, いか に早 く安 全 に立 坑掘削 を施工す るかが,最 大 の詔題 となった。 率 い昭和 西松 建設子 支報 VOL 4 NATMによる立坑掘削 図- 1 卜郷発 船 中耕 乱 日 用乾要 図 図- 2 、 l ' l 汁I J kL L . 沌l 州く l 5 4 年度 に,調庄7 1 q暫下部へ適ず る水平 トンネル をNAT §2.工事概要 Mで施 工 して,良 い結果が得 られた と同時 に,調庄水槽 2-1 概要 地点の岩の状況等 も把握で き, この立坑掘削 もNATM 昭和 5 3 年 3月の契約時 には,立坑の掘削切拡 げは手 合巻 で施工す るのが最良で あ る とい う結論 に達 し,昭利5 5 年 コンク リー トを打設 しなが ら,順次上部か ら下部へ掘削 の各期間 に本社土木設計部 に協力を願 い,施工罰画 を立 してい く在来工法 を予定 していたが, この工法では,工 案 した。 程的 に満足で きない とい う結論 に達 し,掘削 と同時 に吹 本報告書 は, その計画,施工過程及び結果 について述 べて,問題点及び今後の対策等 について言及 した。 付 コンク リー トとロックボル トで壁面 をイ 対寺させ るNA TM工法 を採用 し,施工速度 を速 め るこ とに した。 次 に,立坑掘削 まで に至 る施工順序の大要 を簡単 に述 べ る。 まず立坑の坑 口付近が,県立 自然公園内であ り, 129 NATMによる立坑掘削 西松建設枝報 表-1 工 掘 l ' : l l 硝姑7 . . 1 号立坑 種 削 V OL4 2号立坑 合 計 1 9, 9 6 9rn3 1 9, 9 7 0m3 3 9, 9 3 9ma コンクリー ト吹付 5, 4 3 3m2 5, 49 6m2 1 0, 9 2 9m.. ロ ッ ク ボ ル ト 3, 1 45本 3, 2 3 2 本 6, 3 77本 写真 - 1 、 J r _ f J t施1 . 状況 帰の放帯がで きないた糾 こ,循搬出用の先進立坑 ( 1. 4 5 部の水平 トンネル までボー リング ( BM-1 0 0 m¢) を ド を使用)で貫通 させたO この立坑 には 1. 3m¢ケー シン ロ ックボ ルト 打設パターン グを挿入,七メンテング して同定 させた ( 1. 4 5mめの孔 に対 して,1. 3mめのケー シングパ イプ挿 入は,非常に困 難で 1 . 2-1. 2 5mが適 当である) oその孔 を適 し, 叩‖)描 出し,EL.841. 0 0盤に立 坑 坑 Hを取 り付 ける平面 を整形 した。次 に, 立 坑 坑日に シー トパ イル ( Ⅰ H型)をr 招羊1 4mで円形状 に打込み,周 削 ( 約1 8, 0 0 0 m3 )を切取 り搬 : 二次吹 付 図- 3 標準 支保 パ ター ン 囲を額縁 コンクリー トで 固定 させ るとともに,将来,立 ガ調 l 伸 二必要なワッシンダゴン ドラ ( 3 60 旋 回 ) のレー 0 ルを取 り付 けた。抗 日レベルに映什 コンクリー ト用プラ ロックボル トは全面接着方式 とし,定着剤は, 1号立 ン ト,揚 垂設備, ゴン ドラ等の仮設備 を完了させ昭 和5 5 坑 にポ リウレタン, 2号立坑 にはポ リエ ステル系の もの 年 5日よ り立坑の据 付E j を日 印J f ; Lた。立坑の掘削は,内径 を使用 した。 1 4mO O Oの円形で深 さ135. 25mあ り,この ような大 口径 地l Mi r . 1 辺排水は排水 ドレー ンをコンクリー ト釘等で固 の水槽 を NATMで施工す るのは,我が同では初めてな 定 し,順次延長 した。 ので,安全碓 実性 を優先 して計画 を進 めた。基本的 には, 2-3 地質 機械化 施工 によ り」 二 期の知新i 及び徹底 的 な省力化 を図っ 1) 掘削- ジャイアン トブ レーカ EL8 41-EL8 0 0の問は,細粒砂岩が主で,かな り風 化 している。EL8 00か らEL7 3 0にかけては,硬 い ・節 た。主 に採用 した新 しい ものでは, ( 油圧)・--・ 帝同さ く岩機 UB-7 2 )計測 ・点検 ・榊 年上 ワッシンダゴン ドラ--三精 判ま の発達 した流紋岩が,3 0mの厚 さで貫入 している。 そ の ドば,硬 い砂岩で,節理 もあまり発達 していない ( 図 -4地質図参照) 。 1 0 k g 3 6 0 0 旋回アー ム伏仰型 コンベ ア5 3) ロックボル ト削孔用- 2ブーム ・クローラ ・ド リル--・ 古河さ く岩機 MC-1 1 0C 4 ) 測量 一重l E l . レザー- 0. 5mm W防水型--1 基 当 り6ケ設置 5) 多能技能工の雇入れ及び養成 と管理 §3.施工実績 3-1 主要機械及び施工手順 安全碓 実性 を優先に, また,急速施工と徹底的な省力 化 をはか るために,量新設備 と最新機械 を投入す ること を基本方針 とし表 -2に示す主要機械 を封画 した。 等であ る。 次 に施工手順 を述べ る。 2-2 工事数畳 ① 表 - 1に示す とお りであ るO m,2次吠付1 0 c mとし, 1次 吹付後, 吹付は 1次吹付 5c 4m m ¢×100mmXIOOmm,大 きさ 1mX2mを張った。 1 30 破砕及び〕 矧I J ' J j 油圧ブレー カ UB-7にて岩を破砕 し,次 にアタ ッチメン トをバケ ットに取 り換 え掘削 し,先進立坑 に桶 を投下す る。ピックにて壁面 をコソク・整形す るO NATMによる立坑掘削 西松 建設 枝 幸 P XVOL 4 S 】 27 0 0 N 】 9 0 1 80 こコ ; :. E コ 流 /y 断層 とその走取 /1/ 亀裂 とその走向 / 1 削 バ ックフ ォー シ ョベル 掘 2 吹 付 亀裂の掛 こ多い疑 弱 な個所 能 型 式 日立 UHO 45 2 MC1 1 0C2ブー ム 2 油圧 ブ レー カ 帝 国 さ くk l j i 機 UB7 2 吹付 プ ラン ト ア リバー2 6 0BC6-1 0m3 /h 2 ブー スタポンプ2 0k g / c m ℡ 2 3-3 0旦/ mi n 2 2 簡 易バ ッチ ャープ ラン ト 石川 島 製 強 制練 ミキサ AE5 0 0 日本度簸衝讃 落計量署 賢1 0 0 0 k g 骨材貯蔵 ホ ッパ 5ma 桶 搬 台数 ク ロー ラ ドリル 急結剤 自動供 給 装置 3 傾斜 傾 斜 i ' _ 要機 械 ・ 覧表 性 称 名 離 1号調1 I : . 水 槽地質 r S ( ) 表-2 使 用工種 岩 地 層 の 走 臥 杉… 図- 4 1 l 紋 出 タ イヤ シ ョベ ル / / ダ ンプ トラ ック 4 コンク リー ト コンク リ- トキ ンプ 5 共 通 機 械 コンプ レ ッサ ( 立杭 2基分) ゴ ン ドラ設備 ベ ル トコンベ ア4 00m/mi n 小松JH6 5 2. 3m3 三精 コンベ ア5 1 0kg タ ロ- ラク レー ン 日立U1 0 6 ASL 32 t f タ イヤ シ ョベ ル 小松5 1 0 イン ク ライン設備 材料 1 0 t1 3 7 k W 人車 用7. 5 k 聯 コン トラフ アン 三井 三池 6 00¢1 5k WX2 トラン ス容 量1 8 0 0k W 1 0t f 用 自動 フ ィーダ 内蔵 自動 フ イ-ダ 内蔵 1 1 北 非 製 作 所1 7. 5 t fX1 5m トラ ック クレ- ン 1 2 石川島WN1 1 4 1 8 0k l V ロ ックボル トに併 1式 1 0トン 石川 島PTF9 0SH 要 1 東 洋運搬機 TCM7 5I I I2. 0m3 三脚 デ レ ッキ設備 受電 設備 1 摘 1式 揚 程1 5 0m 2 吹 付 則孔 用 2 2 1 計測用3 6 0 ○旋 回 2 骨材 セ メン ト用 1式 3 1式 1 131 西キ 公建 設技 稚 V OL 4 NATMによる立坑 掘 削 先進 立坑のケ ー シングパ イプは,適時切断す る。 ( 2) ブレーカ工法 について ・安全優先の考 えか ら,ブ レーカ工法で施 工で きる ② 地山排 水処理 壁 面 鉛 直方向に与 勘 二沿って,排水 ドレーンを入れ 0 る ( コンクリー ト釘で国定) 範囲は,で きるだけブレーカで行ない,やむを得な 破工法で施T_ す る訓 画であった。 い場合のみ判 断 離 芭 して, 当初予定 実際 には,ブレーカ 目送のみで、 施」二 ③ コンクリー ト1次晩付 i J , L I ' ・ J 削後ただちに, 5c m厚で,映付コンクリー トを を上廻 って貫通させることがで きた。 これは,大断 施l 二 する ( 地山の挙動 を抑制す るため,掘削後す ぐ であった 面であるため比較的大聖機械の使用が 舶 巨 おこなう) 。吹付プラン トは, ト 部 ステージに設置 L, ことと,上方か ら下 方に掘 り卜げるためブ レーカが 切羽-ホー ス及び鋼管でJ J 送 す る。材料はインクラ 下向 き作業で機能が最大限発揮で きる等の利点があ , 汁 i ステー ジまで運搬す るO イン台車 こよ り, 日' ったため と考 えられる。 ④ ロックボル ト打 設 1次吹付完 (後,長 さ 3mの ロックボル トを打込 以下にその長所及び短所 ( 注意点)を述べ る。 ( A) 長所 J I ' l 仔LL,削孔後項 む0 2ブームクローラ ドリルにてt ( 丑 発破 を使用 しないので,衝撃が少ない。従って, 允材を孔内に挿入 L, ロックボル トをオーガで回転 後で述 べ る計測結果か らわか るように, トンネル させなが ら・ 汀設す る。 の変位が小さ く, トンネル施 Lの安全裾 二とって ⑤ コンクリエ ト2次吹什 以 卜の施 I 1 . が終 ) ' 後, 1次吠伸 l H L より 約 5n l 離 , c して,金網を鉄線 にて固定 し, 2次吹付 を映什厚 1 0 c mで施 「 . す る。 L : 1仁の作業を,1. 0m∼2. 0mご と繰 り返 L施工す る。 設備・使用機 械の接傷 も少な く,作業環境 も発破日去に比べて は,大きな利点であった。 また,仮 良かった。 ② 無発破のため,防護 ・退避 ・換気等の必要がな いので労働時間のロスが少ない。 ③ 掘削申においで も,他の作業が同時にで きる。 従って, l 二 期の短縮 に役立つO 妬榊 i l i ・ のサ イクル を表-3に示す。 3-2 実績 ( 1 ) 一 般 1号l l I . l ' ; 〔 は,昭利5 5年 5日8に苦手 し,1 2 ) 13日 に完 (したO稼動率は,8 6%で,手 揖加 楼如二村す る ④ カ沸 か 少ない。当現場では,精度1 粧l A : 及び省力 化のために, t l . [ 二 坑 1基あた り6ケの レザー 垂庶器 平均 日進は0. 75mであった0 2号、 ' I i . ; ui,昭和5 5年 を設置 Lたことと,発破ではな くブ レーカにより 5日1 3Hに苦 手L,1 2 日5日に完了 Lた。不 豪助率は 掘削 Lたことにより余据猿を少な くで きた。平均 8 5%で,平均 日進 は0. 7 7mであった。 5. 3 c mで,ほぼ 設計余掘旋1 5 c mに抑 える 余据厚は1 ことがで きた。 ⑤ 先進 ) 雄 が 確でつ まる咽 巨 性が小 さい ( 岩を小 さ く砕 くことがで きる) 0 ( Ⅰ 壬 )如, j叶 ( 注意点) ① 点検 ・整備が重要である。 当現場では,毎J j 第 1, 第 3〔 川針 Ⅰ に整備士による点検 を行なったが, それで もアキュームレ-タの故 障等 によ り,立 坑 の作業が 判 Jf : F , ) I . ス トップすることが, 3-4回あ った。 図-5 ′ ) 雄t ' 進行図 擁二 坑 夫5人/ 方 と, 作業日は1号, 2号立坑 各切) 両立坑 共通入貢 として,プラン ト運転,重機運 転 閲搬出等2 5 人配置 した。昼夜作業で行なったが∼昼 番作業で、 必要な資材は全て, 卜部ステージまで運搬 Lてお き,夜番作業員はで きるだけ少な くなるよう にした。 132 ② ブ レーカ及びその部品,バ ックホーの消耗品が 高 価である。 また, 1日申ブレーカで岩を破砕 L f l j 粍が敵 Lい ( 例 えば, でいる過酷な状態なので,r 1 本も ブレーカのタガネは, 1, 2号両 立坑で,1 使用 した) 0 ③ 適応岩質の範囲がせ まい。当現場の地質は竪岩 であ るが,節理が亨 む窒Lでいたので,ブレーカに よ り掘削で きたが,実状 に応 じて他の工法 を検討 西松建設 子 支栽 V OL 4 NATMによる立坑掘 削 表 -3 サ イクル表 (1E , 3 . ' I 二 坑j 柚川̀サ イクル) 時間 二 l 二 種 抜 7 8 9 1 0 ll 1 2 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7 1 8】1 9 20 21 2 2 23 2 4 1 2 3 4 1 次 吹 付 吹 付 6 7 l 取 ブレーカー掘削 バ ケ ッ ト掘 削 2 次 5 】 】 ロックボル ト 】 網 金 地 山 周辺 排 水 ケーシング拙析 ト Lなければな らない。 また,水平坑では利 用で き 庄弁 を設け, 水 圧 を調整したO ロッド及び ビットの ない と思 う。 消耗度合は,ロッドは,223m/本, ビットは,157m ④ /本であった。 肖 嘱L 時間は,機械の移動 も含めて 1本 作業者は, 多能な有資格者を必要 とす る。 以上,長所 ・如 叶があ るが, トンわ レ施_ i . の安全 あた り ( 長さ 3m) 約1 0 分であった。 ロックボル ト 性 ・ L期の知新 i 等,当現場では有効な方法であった。 1 本, 2 立坑で1 5 本 の引抜 き強度 は, 1号立坑で2 号 試験 した。 5時間後 と2 4 時間後に試験 したが, 引扱 ( 3) ロックボル ト打設について ロックボル ト削乱用 として,古 河さく岩橡 輔に開 発依頼 Lて,2ブームクロー ラ ドリルを購入 し,投 入 した。 これについて も,毎月第 1 ・第 3r : 湖用 に 定期点検 を行なった。大 きな故障 もな く順調であっ 強度は,使用墳充材,試験時間による差 はあまりな 5 t f であった。 く,約 1 ( 4) 吹付 コンクリー トについて 上部 ステージに設置 した吹什プラン トを図 -6に 示す。 映イ て J 磯 はア 1 )バー 2 6 0型を2台設置 L,立坑 た。 までは,マテ リアルホー スで,立坑内は, 3Bのガ ス管で報 道 した。7 両ま,上部 ステー ジ貯水槽 よ り耐 圧ホー スで∴ 切羽 まで送った。ア リバー位置か ら切 羽 まで、 最高 1 3 5mの高低差があったが, それによっ て,配管内に材料がつ まるということはなかった。 雨等によ り,骨材が湿った時は,骨材表面水最が 8 %を超 えれば,つ まって圧送で きな くなることがあ った。 吠什最は 3-4m3/h であったoコンクリー ト の配合及び使用骨材ふ るい分 け試験結果 を表 -4, 図-7に示す。深 さ2 0 c r r L 大 きさ5 0 c mX5 0 c mの箱に コンクリー トを吹付 け, 4週間後にコンクリー ト桐 コア ドリルで、 供試体 をつ くり,強度試験 を行なった 写真 - 2 2ブーム ・クローラー ド1 )ル が,強度は平均 1 86k gf /c m で あった。 i ' 胴L 水 は, 2Bのガス管を立琉 軸 二 配管 し,Jl 部 今回施」二Lてみて, 映付 コンクリー トで注意 Lな ステー ジに設置 した貯水槽 よ り送った。使用水圧は ければな らないのは, その次 厚の管理である。ブ 5k gf /c m J l なので,T.D. 70m ( 立坑深さ)付近 に滅 珊I l レーカで掘 削 Lた とはいえ, どうLで も壁面にl 什 : ・ _ 一 二 . て { 1 : I . 耳骨そ , 三 百 千 蔽ピン 図-6 吹付プラン ト 133 西松 建 設 技 報 VOL 4 NATMによる立坑掘削 秦-4 吠付コンク1 )- 卜配合表 l 暮 i 位 施 ③ 将来の資料 を目的 として行なう。 これを もとに,施工中の岩盤の状 ( k g/m3 ) 態を知 り当初の設計 と比較 し,必要に応 じて現場 に合っ た設計 に修正す るもので, この工法の最 も重要な揮散で あ り,かかせ ることので きない ものである。 4-1 計測方法 6 【 ∃ 月 1 畠 竣実 立坑であるために,任意なl l l 周方向での計 測足場の確 ) 骨材 Z の種声 d ビリ( 7:3 I5年 7 施 日時 昭和5 保を目的 として,当現場では, アー ム仲仰 型 ゴン ドラ ( 3 600 旋軌 高層ビルの窓ふ き用 と同山の もの) を採用 。土木呪場 した ( これは,昇 降及び立坑の点検に も利用) 用は,我国において, 当現場が最 におけるゴン ドラの採 初であったが,有効 にその機能を発揮 した と考 えている。 今後の立坑施工 には大いに採用すべ きものであろう。 0 01 5 03 06 12 25 5 計 測方法の詳細 については,参考文献 1 ) 2) 3) によった。 1 0 2 0 ふるいの寸′ まく E Wl ) 図 - 7 吹付コンクリー ト. 馴 オ粒度曲線 がで きるので, 1次映付を行ない,金網を張った時 点では,金網 と1次吹付面 まで,多い ところで 3 0c m 離れた。 その金網を2次吠付で全部覆 うためには, かな りの吹付厚 になるということがある。 1次吠付 5 c mの規定厚であったが,今回の と2次吹付合せて1 実績 は,1号で1 8. 3 c m,2号で1 9. 8 c mとなった. これ か らの施工 においては,面倒で も数多 くのアンカを 1次吠付に とり (1次吹付施工時,1 2 番線 を細 い塩 写薬 -3 ゴン ドラ足場 を利用 Lf =計 測 ビ管の穴 に差 L込み,先端か ら1 0c m程度番線 を. L hL, 塩 ビ管で番線 をささえるようなかたちで,番線 を 吹 付コンクリー ト中に埋め込む方法 を とった。番線が 固定されれば,塩 ビ管を抜 く。)金網をで きるだけ 1 4-2 計測結果 ( 1 ) 一般 次吠付面 に密着 させ, 吹付厚を小さくす ることが重 表 -5に,今回実施 Lた計 測項 目を示す。 要であると思 う。 内空変位測定の 目的は, ( ∋ 切羽掘削後,可能な限 り男 伸 二 最終変位最を予 §4.計測 l 二 追加の 測 L,安斜 望 三 の検討を行なって, 1次俊二 NATMにおける計測は, ① 日常の施工管理指標 ② 下半掘削等による 1次覆工の安全性の判断資料 ② 計画時の設計 と対比 し,現場への反映資料 ③ 要 ・不要の判断資料 2次覆工打設時期の判断資料 秦 - 5 計 測 項目 計 測 項 目 使 用 計 器 頻 度 目視 .ク1 )ノメータ 全延 長 内空 変位 測 定 ユニテンションメジャ T. D. 5,1 0,20m T. D. 20m以降 は20m ごと 地 中変位 測 定 エクソテンソメータ 4方向/1. 53. 0 1 収 束 す るまで 1回/日 T. D. 2 0, 8 0m4深度 し 4. 56. 0m) それ以降 は20m毎 ロックボル ト軸力測定 メカニカルアンカ 134 計 測 位 置 坑 内観 察調 査 1トト ロ 収 束 するまで 1回/日 それ以降 は1 0m毎 T. D. れ 80m4 4深 方向 度\ [ 2 0. 2 753 51 , . 0 5mノ 1同 上 NATMによる立坑 掘 削 西松 建 設 技 報 VOL 4 られる。 これは,T. D. 4 0mまでは, 2号の岩質が とすることである。 地中変位測定は,地中の半径方向の変櫛 R I J 定を行 1号に比べて風化 しているという現場の状況に合致 ない,地中変位∼アンカー深度関係図を作成するこ している。設計段階において,変位許容値を立坑掘 とにより,おおまかなゆるみ領域を知 るための測定 削径 ×0. 5% ( 1 4mXO. 5%)-70 m mと設定 したが, であ り, ロックボル ト長決定の判断資料 とするもの 実際の変位量はその約%で,設計支保パターンで安 である。 心 して施工で きるという確信を得た。変化が小さか ロックボル ト軸力測定は, ロックボル トの軸力を った原因 としては,地質状況 ・有効な支保パターン 測定 し,許容応力度以内かどうかで, ロックボル ト 等があげられるが,無発破 によるブレーカ工法 も, トンネルの安全性 に大 きく寄与 した と思われる。 の増 し打 ちの必要性の判断資料 とす る。 ロノクボル ト引扱 き試験は, ロックボル トと地山 ( 3) 地中変位測定 地中変位測定結果を,図-1 0 及び1 1 に示す。地中 の定着効果を確認す るものである。 ここでは,代表 ヶ所の計測であるT. D. 20 m・ T. 変位 ∼アンカ深度関係図において不連続な線が現わ D. 8 0mの結果を主にして,各々の計測結果を述べ れた場合, その付近の深度が,地山のゆるみ領域 と るO 支保領域の境を表わす とされている。今回の結果で は,変位 も小さく,明確 なゆるみ領域を確認す るこ とがで きなかった。 また,アンカ最深部 ( ここでは 地 中変 位 I:;I. ド 5 1 0 1 5 2 8切羽進行 0mノ 図 -8 内空 変 佃 則定 (1号 T ・D8 Or n On「 アンカ深度 ア ンカ深度 m ア ンカ深 度 ア ンカ深度 図 -1 0 1号TD8 0mにおける地中変位l 叫(5日後) 症 〇 図- 1 0 1 5 2 0 切 羽進行 m 9 内空変 位測定 (2号T ・D2 0m) ( 2) 内空変位測定 1号立坑の内空変位は,平均収束値, 約 7m m,最大 0 m mであった。2号立坑は,平均収束値約 8m m, 変位 1 最大変位2 1 m mであった。両立坑 とも,収束に要す る 2日で,収束時の計測位置 と切羽 までの 日数は平均 1 距離は1 4. 5m,約 1D ( D-1 4. 0m)であった。 1 号立坑 と2号立坑の変位差は,T. D.0-4 0mでみ I ( ・ ' 図-l l 1号TD2 0mにおける地中変位図(6日後 ) 135 西松 建 設 技 報 VOL 4 NATMによる立坑掘削 6m)が不 動点であるな らば,向いあ う測定位置の 地中変位量の和が,同 じ位置の内空変位 に等 しいと ( 5) ロックボル ト引抜試験 T.D. 2 0m・T.D.6 0m ロックボル ト引抜試験は, いう関係 になるが,( 例 : 450 の地中変位量 +1 3 50 の ・T.D.1 0 0mで,合計3 6 本試験 した。結果,引抜耐 50 -1 3 50 内空変位量) 今回の結果で の地中変位量 -4 力は,l l -1 7 t f であった。立坑 設音 律庫, ロックボル は, 6m より奥 において も変位があったことを示 し 0 t fと仮定 したが, ロックボル ト トの引抜抵抗力を1 ている。 の定着効果は, その設計を十分満足 している。 また, ( 4) ロックボル ト軸力測定 ロックボル ト軸力測定か らも, その定着力で十分で が 2 及び1 3に示 ロックボル ト軸力測定結果を,図-1 あること 確認された。 0 ,D25 m mの異形 す。今回の ロックボル トは, SD3 4-3 今後の計測のために 鉄筋を使用 したが,図か らわかるように,最 大 軸力 NATMの計測において気づいた点 を述べてお く。 は 7t f で,許容応力度の約半分であった。 この こと ① 切羽作業員 との協力体制 か らも設計支保パターンで十分地山応力を支持 して 今帆 作業員昇 降用のゴン ドラを利用 して計測を いることが確認される。 また, ロックボル ト軸力分 行なったが,計測 に 1-2時間を要 し,作業に支障 布図か らも,L g ) るみ領域 と支保領域の判断が可能 と を与 えることもあった。従 って,計測の重要性 を作 されているが,地中変位測定結果 と同様, 明確 なゆ 業員に も認識 して もらい, 協力体制をつ くることが, るみ領域は確認されなかった。 必要である。 0' ② 計測精度について 宗 具の条件であっ 同 じ場所 ・同 じ時間 ・同 じ測定岩 て も,計測者が異れば,測定値が異った ものになる。 従って,最初か ら最後 まで同一 一 人物で,測定を行な うべ きである。 また,同一 一人物が測定 して も,測定 器が変れば,異った値 となることがあ るので測定器 具は大事 に使用 し,破損 しないように注意すべ きで ある。 ③ 計測には多大の時制がかか るので能率的に行なう 必要がある。 そのためには, 1回 当 りの測定時間の ( r n ) u I O盟 1 8 ( 1 * エ 短縮 と計 測頻度が問題 となる。測定時間の短縮 につ いては,測定方法 ・機器の改良が待たれる.一方, 測定頻度 については,特 に変位が収束 して小 さ くな 図 -1 2 1 号TD8 0mにおけるロックボル ト軸 力分布 った時の測定頻度 を少な くして もよい と判断す るた 図(5日後 ) めの目安又は基準が欲 しいと感 じた。 引治 繋 §5.あとが き 昭和5 3 年の春 より昭和 5 4 年 にかけて,大がか りな仮設 5 年, 日本で初めての NATMによ 工事 を行ない,昭利5 る大 口径立坑 を施工 した。本文にもあ るように,新 しい 工法 ・新 しい機械 を採用 し,無事,貫通す ることがで き 御 鞭達をいただいた関係各位 に感 た。 ここに,御喘 導 ・ 謝する次第である。 参考文献 1) 「 NATM工法設計指 針」 昭和54年 1月電源開発株 式会社 2) 「 NATMの計測指 針に関す る調査研究報告書」 [ 閉口 5 4 年 3月 社団法人日本 トンネル技術協会 3 図 -1 136 2号TD2 0mにおけるロックボル ト軸 力分布 図(6日後) 3) 「 酉松建設 NATM施工規準」昭和5 4 年 8月 西松 建 設 ㈱NATM委員会
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