EURO EXPRESS 臨時レポート 2016年4月8日 足元のギリシャ情勢について 【ギリシャ債務問題の足元の状況】 足元、ギリシャ情勢を懸念する声が市場で上がり始めています。これは、ギリシャに対し、欧州連合(EU)等の債権者が 第3次金融支援継続の条件としている構造改革(年金給付の削減、農家への所得税減免見直し法案制定等)の進展や 債権者側との債務軽減交渉に遅れが生じているためであり、2016年7月20日の国債償還(元本約23億ユーロ)に対する 資金繰りを懸念する動きが見られるためです。仮に、ギリシャ政府が国債を償還できず、また欧州中央銀行(ECB)がギ リシャの市中銀行への緊急流動性支援(ELA)を打ち切れば、ギリシャの決済システムに影響を及ぼすばかりか、ギリ シャ経済にも悪影響を与えるとの市場の不安が背景にあるためと考えられます。 【今後の焦点】 金融市場においては、7月20日にギリシャ国債が無事償還を行えるかが最も重要であると考えます。仮にギリシャ議会 が追加財政赤字削減措置を可決できずに、議会が解散した場合(5月または6月に総選挙)国内の政治情勢が混乱する ことが想定されますが、債権者であるユーロ圏諸国の政府がギリシャに金融支援を実施することを決断すれば、国債償 還は可能となります。 更に、ギリシャは中東等からの難民の玄関口となっていることから、仮にギリシャ経済が不況に陥ることになれば、ギリ シャを経由してEU域内に難民がさらに押し寄せるリスクをドイツをはじめとする欧州諸国は認識していると考えられるた め、難民危機対策の観点から見ても、既述の7月20日の直前はユーロ圏諸国とギリシャ政府が一定の妥協を示すこと が予想されます。また、市場でもこのような見方が主流となっているように見受けられます。 【欧州周縁国への影響と今後の見通し】 2016年6月後半になってもギリシャ政府が償還に必要な原資を確保できていない可能性もあり、6月以降ギリシャ問題が 市場のリスク回避姿勢を高める要因となる可能性があります。こうなった場合、周縁国、中でも金融セクターにおいてマ イナスの影響が大きくなると考えています。 一方、市場関係者はこれまでの経験から影響は限定的と見込んでいます。また、ECBやEU、国際通貨基金(IMF)の支 援体制が従来通りに続けば大きなサポート材料となると考えています。 2016年7月中旬までに、ギリシャ議会が追加財政赤字削減措置に関する法案を可決し、第3次金融支援の枠組みにお いて2回目の融資が実施され、ギリシャ政府が7月20日の国債償還の対応を完了するという一連のプロセスが実現され ることが期待されます。 【図表】欧州周縁国の2年国債利回りの変化幅 (2015年12月31日と2016年4月6日の比較) (%) 4.50 4.03 3.50 2.50 1.50 0.51 0.50 0.03 0.01 イタリア スペイン -0.10 -0.50 ギリシャ ポルトガル アイルランド 出所:Bloombergのデータを基にドイチェ・アセット・マネジメント㈱が作成 ※データは記載時点のものであり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。 当資料は、情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものではありま ■レポートの作成・配信は せん。当資料は、信頼できる情報をもとにドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が作成しておりますが、正確 性・完全性について当社が責任を負うものではありません。当資料記載の情報及び見通しは、作成時点のもの であり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。当資料に記載されている個別の ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社 銘柄・企業名については、あくまでも参考として記載したものであり、その銘柄・企業の株式等の売買を推奨する ものではありません。 D-160408-1 1/2 EURO EXPRESS 臨時レポート ご留意事項 ●投資信託に係るリスクについて 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし投資元本が保証されていな いため、当該資産の市場における取引価格の変動や為替の変動等により投資一単位当たりの価値が変動し ます。したがってお客様のご投資された金額を下回ることもあります。 また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異な ることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご購入に際しては、事前に最新の投資信託説明書(交付 目論見書)や契約締結前交付書面の内容をご確認の上、ご自身で判断して下さい。 ●投資信託に係る費用について 【お申込みいただくお客様には以下の費用をご負担いただきます。】 購入時に直接ご負担いただく費用・・・購入時手数料 上限3.78%(税抜3.50%) 換金(解約)時に直接ご負担いただく費用・・・信託財産留保額 上限1.0% 投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用・・・運用管理費用(信託報酬) 上限2.0404%程 度(税込) その他費用・・・上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。 投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等でご確認下さい。 ≪ご注意≫ 上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率に つきましては、ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が運用するすべての投資信託のうち、徴収するそれぞ れの費用における最高の料率を記載しております。投資信託の運用による損益は、すべて受益者に帰属しま す。投資信託は、金融機関の預貯金と異なり、元本および利息の保証はありません。投資信託は、預金また は保険契約ではないため、預金保険および保険契約者保護機構の保護の対象にはなりません。登録金融機 関を通じてご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。投資信託に係るリスクや 費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご購入に際しては、事前に最新の投資信託説明書(交 付目論見書)や契約締結前交付書面の内容をご確認の上、ご自身で判断して下さい。 なお、当社では投資信託の直接の販売は行っておりませんので、実際のお申込みにあたっては、各投資信託 取扱いの販売会社にお問合せ下さい。 ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第359号 加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会 当資料は、情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものではありま ■レポートの作成・配信は せん。当資料は、信頼できる情報をもとにドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が作成しておりますが、正確 性・完全性について当社が責任を負うものではありません。当資料記載の情報及び見通しは、作成時点のもの であり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。当資料に記載されている個別の ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社 銘柄・企業名については、あくまでも参考として記載したものであり、その銘柄・企業の株式等の売買を推奨する ものではありません。 D-160408-1 2/2
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