ドイチェ・ロシア・レポート

ドイチェ・ロシア・レポート
投資環境資料
2016年12月8日発行
プーチン大統領来日!日露首脳会談の注目点①
~北方領土と日露関係~
インベロ アドバイザーズ株式会社
代表取締役 アブジケエフ・タメルラン
11月19日(現地時間)、アジア太平洋経済協力会議
実現可能で、且つ期待すべきベストなシナリオは、1956年
(APEC)首脳会議出席のためペルー・リマを訪問した安倍
の「日ソ共同宣言」を出発点とし、平和条約の締結、そして
総理大臣は、ロシアのプーチン大統領と日露首脳会談を
北方領土の歯舞、色丹の2島について具体的な検討を開始
行った。会談は、12月15日に予定されているプーチン大統
する道筋をつける、というプロセスを確認することであろう。
領の山口県訪問に向けた準備状況を両首脳で直接話し合
そうすることで、「8つの項目からなる協力プラン *」に沿って
う最後の機会となった。
経済交流の促進、北方四島での共同経済活動等、相互信
12月15日の日露首脳会談で実現すべきことは、将来の平
和条約の締結に向け、その「出発点」と「プロセス」について
合意することである。「北方領土問題」に関しては、11月19
日の会談では確かに大きな進展は無かった。しかし現状
「北方領土問題」の討議を開始するためのルールすら作ら
頼を深めていくための事業の重要性が更に強調され具体化
されるであろう。2018年の大統領選での再選を目指すプー
チン大統領にとって、国民の納得のいく説明を行い、国民の
支持を得るためにも、その道筋を付けることは必要であろう。
つまり、12月15日の首脳会談に期待すべきことは、まず、
れておらず、法的な準備自体も未だに整っていない。そのた
日露間で1956年の「日ソ共同宣言」を出発点として認識し、
め、大きな進展が無かったのは当然のことであり、また、現
これまでのように互いの意見を主張するだけではなく、討議
段階で日露間での具体的な討議を開始するためのフレーム
開始に向けたフレームワークを作り、今後のプロセスを円滑
ワークが整っていない以上、安易な期待はすべきではない
に行うためのスタートを切ることである。この第一歩を踏み
と考える。
出すことは充分に価値のあることであろう。また、将来の日
今後、日露間の議題となり得る大きな問題は、ロシア軍の
露間の平和条約の締結に向けて、締結までの「出発点」と
基地についてであろう。仮に、「北方領土」が部分的に日本
「プロセス」を合意することで初めて、具体的な「経済協力」
に返還されたとしても、ロシア軍の基地が撤退することは考
に向けた進展が期待できるであろう。
えにくい。ロシアからすれば、日本に米軍の基地が存在する
中で、北方領土にあるロシア軍の基地を撤退させるところま
で譲歩する可能性は高いとは言い難い。
*8つの項目からなる協力プラン
(1)健康寿命の伸長、(2)快適・清潔で住みやすく、活動しやすい都
市作り、(3)中小企業交流・協力の抜本的拡大、(4)エネルギー、(5)
ロシアの産業多様化・生産性向上、(6)極東の産業振興・輸出基地
化、(7)先端技術協力、(8)人的交流の抜本的拡大
コラムニスト
アブジケエフ・タメルラン
インベロ アドバイザーズ株式会社 代表取締役
現ロシア連邦モスクワ州立大学卒業。米ステート・ストリート銀行、PIMCO等、米大手金融機関のアジア、米国、欧州拠点において複数
の業務に従事した後、2010年に東京にて投資戦略コンサルタント業務を手がけるインべロ アドバイザーズ株式会社を設立。
また、同年には、サン・インベストメント・合同会社へもパートナーとして参加し、プライベート・エクィティ業務に従事し、現在に至る。
英オックスフォード大学にて、国際関係学修士課程修了。
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