1 (全体感) 北九州・京築地区の設備投資は、一部に計画進捗の遅れが

2016 年 4 月 1 日
日本銀行北九州支店
管内企業・事業所の 2015・2016 年度設備投資計画(2016 年 3 月調査)について
調査期間:2016 年 2 月 10 日~3 月 31 日
調査企業・事業所数:131 社(管内の主要調査対象企業および事業所・出先工場)
有効回答社数:97 社(回答率 74.0%)
、うち 製造業 43 社 非製造業 54 社
※本文中、
「1.」
、
「2.」
、
「4.」については、今回調査に回答がない企業についても、各年度
の計数について過去の調査で一度でも回答があれば、直近の回答値を集計対象としてい
「3.」についても、各年度の最初の調査回から 1 年間(3 月調査~12 月調査)
る。また、
を集計年度とみなし、この間の回答については同様の処理を行っている。
調査方法:郵送によるアンケート調査。
*本調査は「企業短期経済観測調査(短観)
」とは別に北九州支店独自で行ったものです。
(全体感)
○ 北九州・京築地区の設備投資は、一部に計画進捗の遅れがみられるほか、先行きの
需要見通しが全体としてやや慎重化していることを背景に、幾分弱含んでいる。
1.設備投資計画
(1)金額ベース
○ 15 年度の設備投資額は、全産業で前年比▲32%と、マイナスでの着地となる見通し。
内訳をみると、製造業は同▲37%、非製造業は同▲4%となっている。
―― 製造業は、14 年度に一部先が大型更新案件を計上した反動が大きく影響してい
るが、これを除いても製造業で同▲11%(前回調査時点:同+2%)、全産業で同
▲9%(前回調査時点:同▲1%)となっている。
○
16 年度については、全産業で前年比+3%と、前年の水準を幾分上回る計画。内訳
をみると、製造業は同+8%、非製造業は同▲14%となっている。
―― 製造業は、一部先が 15 年度から進捗が遅れている大型更新案件の実施を計画し
ている影響が大きく、これを除けば概ね横ばい圏内の計画となっている。
―― 非製造業は、人材確保の困難化等が引き続き投資の制約要因となる中で、一部
の先が 15 年度末にかけて用地購入を行った反動も加わって、16 年度は過去数年
と比較しても低めの発射台となっている。
▼
設備投資額の前年比推移
《16 年度の金額ウェイトは、製造業が 81%、非製造業が 19%》
80
(前年比、%)
60
40
20
0
-20
-40
11年度実績
12年度実績
13年度実績
14年度実績
15年度見込み
(3月調査)
16年度計画
(3月調査)
全産業
-6%
7%
-2%
54%
-32%
3%
製造業
-17%
11%
-3%
63%
-37%
8%
非製造業
31%
-11%
4%
19%
-4%
-14%
1
○ 15 年度の設備投資額(前年比)について、前回調査時点と比較すると、製造業では
▲5%ポイント下方修正された一方、非製造業では+5%ポイント上方修正された。
―― 前述のとおり、製造業では一部の先で大型更新案件が 16 年度に後ずれした一方、
非製造業では、年度末にかけて一部先が用地購入を行った影響が大きい。
▼
80
(前年比、%)
設備投資額の修正状況
(北九州・製造業)
24
(前年比、%)
(全国・製造業)
2013年度
2014年度(旧ベース)
2014年度(新ベース)
2015年度
2016年度
20
60
16
40
12
20
8%
8
0
2013年度
2014年度
2015年度
2016年度
-20
-22%
-25%
-40
3月
6月
-28%
9月
0
-37%
-32%
12月
4
見込
-0.9%
-4
実績
3月
6月
9月
12月
見込
実績
(資料)日本銀行「全国企業短期経済観測調査」
(北九州・非製造業)
80
(全国・非製造業)
(前年比、%)
16
2013年度
2014年度
2015年度
2016年度
60
2013年度
2014年度(旧ベース)
2014年度(新ベース)
2015年度
2016年度
12
8
40
4
0
20
0
-8%
-9%
-20
(前年比、%)
-4
-4%
-10%
-9%
-6.8%
-8
-14%
-12
3月
6月
9月
12月
見込
実績
3月
6月
9月
12月
見込
実績
(資料)日本銀行「全国企業短期経済観測調査」
(注 1)今回調査と前回調査では回答企業が異なる。以下同様。
(注 2)全国については、短観の調査対象企業の定例見直しに伴い、2014 年 12 月について新旧両ベー
スの計数を併記。
2
(2)社数ベース
○ 15 年度の設備投資額の前年比増減先別の構成比については、製造業・非製造業とも
に、「増加」する先と「減少」する先の割合が概ね均衡している。
―― 前回調査時点と比較すると、製造業を中心に「増加」する先の割合が低下した
一方、「減少」する先の割合が上昇している。
○
16 年度については、全産業では「増加」する先の割合が「減少」する先の割合を幾
分上回っている。内訳をみると、製造業では「増加」先が「減少」先を上回っている
一方、非製造業では「減少」先が「増加」先を幾分上回っている。
―― 15 年度と比較すると、製造業、非製造業ともに「増加」する先の割合が低下し
ている。
▼
設備投資増減先別の社数構成比
15年度見込み
【12月調査⇒今回】
14年度実績
(件数ウェイト<%>)
16年度計画
【今回】
増加
不変
減少
増加
不変
減少
増加
不変
減少
全産業<100>
42%
25%
33%
40%⇒37%
30%⇒26%
30%⇒37%
31%
41%
28%
製造業<46>
51%
14%
35%
50%⇒43%
15%⇒15%
35%⇒43%
38%
36%
26%
非製造業<54>
33%
36%
31%
31%⇒33%
43%⇒36%
26%⇒31%
26%
45%
29%
2.設備投資の目的
○ 16 年度の設備投資の目的については、全体として大きな変化はみられない中で、製
造業では安全対策投資等を含めた「維持・更新」の割合が幾分高まる計画となってい
る。
▼
設備投資の目的(金額ベース)
(製造業)
能力増強
(非製造業)
新製品・製品高度化
効率化
維持・更新
研究開発
6% 2%
3%
13年度実績
12%
14%
11%
31%
30%
その他
13年度実績
69%
11% 7% 9%
58%
14年度実績
12%
7%
73%
10% 11%
23%
37%
15%
15年度見込み
(3月調査)
14%
16年度計画
(3月調査)
6%
68%
12%
0%
11%
20%
41%
18%
40%
60%
80%
0%
18%
1%
4%
16年度計画
(3月調査)
13%
1%
3%
15年度見込み
(3月調査)
4%
0%
4%
4%
14年度実績
1%
18%
71%
0%
100%
3
20%
40%
3%
8%
0% 2%
18%
60%
9%
80%
100%
3.先行きの需要見通し
○ 投資決定の前提となる先行き(今後 2 年間程度)の需要見通しについては、製造業・
非製造業ともに「増加」を見込む先の割合が低下するなど、前回調査時点に比べてや
や慎重化している。
―― 製造業では、新興国経済減速の影響を懸念する声が目立っている。
▼
先行き(2 年間程度)の需要見通し(社数ベース)
大幅に増加
小幅に増加
横ばい
小幅に減少
大幅に減少
全産業
4%
0%
12月調査
20%
65%
11%
4%
2%
3月調査
11%
72%
11%
製造業
2%
12月調査
23%
0%
6%
68%
0%
3月調査
10%
0%
5%
85%
非製造業
6%
0%
12月調査
17%
62%
15%
7%
3月調査
5%
11%
0%
61%
10%
20%
30%
40%
16%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
4.設備投資に伴う資金調達方法
○ 16 年度の設備投資に伴う資金調達方法については、製造業・非製造業ともに、15
年度対比で「CF の範囲内」で計画する先の割合が上昇する一方、「金融機関借入」を
活用する先の割合は低下する計画となっている。
▼
設備投資に伴う資金調達方法(社数ベース)
(製造業)
(非製造業)
減価償却の範囲内
CFの範囲内
減価償却の範囲内
CFの範囲内
CF+金融機関借入
その他
CF+金融機関借入
その他
3%
13年度実績
36%
33%
24%
7%
13年度実績
24%
50%
24%
6%
14年度実績
29%
34%
32%
15年度見込み
(3月調査)
27%
36%
32%
5%
14年度実績
29%
41%
24%
15年度見込み
(3月調査)
28%
40%
30%
2%
6%
16年度計画
(3月調査)
19%
0%
50%
20%
40%
16年度計画
(3月調査)
25%
60%
80%
32%
0%
100%
20%
42%
40%
5%
21%
60%
80%
以
4
5%
100%
上