北九州・京築地区の設備投資は、先行きの需要見通しが一頃

2016 年 7 月 1 日
日本銀行北九州支店
管内企業・事業所の 2016 年度設備投資計画(2016 年 6 月調査)について
調査期間:2016 年 5 月 16 日~6 月 30 日
調査企業・事業所数:131 社(管内の主要調査対象企業および事業所・出先工場)
有効回答社数:90 社(回答率 68.7%)
、うち 製造業 43 社 非製造業 47 社
※本文中、
「1.」
、
「2.」
、
「4.」については、今回調査に回答がない企業についても、各年度
の計数について過去の調査で一度でも回答があれば、直近の回答値を集計対象としてい
「3.」についても、各年度の最初の調査回から 1 年間(3 月調査~12 月調査)
る。また、
を集計年度とみなし、この間の回答については同様の処理を行っている。
調査方法:郵送によるアンケート調査。
*本調査は「企業短期経済観測調査(短観)
」とは別に北九州支店独自で行ったものです。
(全体感)
○ 北九州・京築地区の設備投資は、先行きの需要見通しが一頃に比べるとやや慎重で
あることなどを背景に、幾分弱含んでいる。
1.設備投資計画
(1)金額ベース
○ 16 年度の設備投資額は、全産業で前年比▲10%と、前年を下回る計画。内訳をみる
と、製造業は同▲4%、非製造業は同▲30%となっている。
―― 製造業については、15 年度実績が同▲32%(前年に一部先が大型更新案件を計
上した反動の影響を除くと同▲6%)となったのに続き、2 年連続の前年割れとな
る計画。中身をみると、一部の大手先において大口の維持更新案件や効率化投資
が剥落することを主因に、前年を下回る見込みとなっている。
―― 非製造業は、4 年振りの前年割れとなる計画。一部の小売業やサービス業の新
規出店投資等が、前年度が比較的高水準だったこともあって、現時点では減少の
見込みとなっている。
▼
設備投資額の前年比推移
《16 年度の金額ウェイトは、製造業が 81%、非製造業が 19%》
80
(前年比、%)
60
40
20
0
-20
-40
11年度実績
12年度実績
13年度実績
14年度実績
15年度実績
(6月調査)
16年度計画
(6月調査)
全産業
-6%
7%
-2%
54%
-24%
-10%
製造業
-17%
11%
-3%
63%
-32%
-4%
非製造業
31%
-11%
4%
19%
18%
-30%
1
○ 設備投資額の修正状況をみると、製造業の 15 年度実績は、一部先における効率化投
資等の上振れを主因に、前回調査時点に比べて前年比マイナス幅が 5%ポイント縮小
した。16 年度計画が今回調査で前年比マイナスに転じたのは、15 年度実績が上振れし
た影響が大きい。
―― なお、16 年度計画について同一社数ベースで前回調査時点と比較すると、若干
の下方修正(▲1%)となっている。
○
非製造業でも、15 年度実績は一部先の新規出店投資が大幅に上振れて着地したこと
を主因に、前年比プラスに転じた。16 年度計画については、15 年度実績が上振れした
影響から、前年比マイナス幅が前回調査に比べて拡大している。
―― なお、16 年度計画について同一社数ベースで前回調査時点と比較すると、上方
修正(+4%)となっている。
▼
設備投資額の修正状況
(北九州・製造業)
100
(前年比、%)
24
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
2016年度
80
16
40
12
(全国・製造業)
2012年度
2013年度
2014年度(旧ベース)
2014年度(新ベース)
2015年度
2016年度
20
60
20
(前年比、%)
8
8%
0
4
-4%
-20
-28%
-22%
-32%
-25%
-40
-37%
0
-32%
-4
3月
6月
9月
12月
見込
実績
3月
6月
9月
12月
見込
実績
(資料)日本銀行「全国企業短期経済観測調査」
(全国・非製造業)
(北九州・非製造業)
80
(前年比、%)
16
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
2016年度
60
(前年比、%)
2012年度
2013年度
2014年度(旧ベース)
2014年度(新ベース)
2015年度
2016年度
12
8
40
4
18%
20
0
0
-9%
-20
-8%
-4%
-10%
-4
-9%
-14%
-8
-30%
-40
3月
6月
9月
12月
見込
-12
実績
3月
6月
9月
12月
見込
実績
(資料)日本銀行「全国企業短期経済観測調査」
(注 1)今回調査と前回調査では回答企業が異なる。以下同様。
(注 2)全国については、短観の調査対象企業の定例見直しに伴い、2014 年 12 月について新旧両ベー
スの計数を併記。
2
(2)社数ベース
○ 16 年度の設備投資額の前年比増減先別の構成比については、全産業では「増加」す
る先と「減少」する先の割合が均衡している。内訳をみると、製造業では「増加」先
の割合が「減少」先の割合を上回っている一方、非製造業では「減少」先の割合が「増
加」先の割合を上回っている。
―― 前回調査時点と比較すると、非製造業を中心に「減少」する先の割合が上昇し
ている。
▼
設備投資増減先別の社数構成比
15年度実績
【今回】
14年度実績
(件数ウェイト<%>)
16年度計画
【前回⇒今回】
増加
不変
減少
増加
不変
減少
増加
不変
減少
全産業<100>
42%
25%
33%
39%
26%
35%
31%⇒33%
41%⇒35%
28%⇒33%
製造業<46>
51%
14%
35%
46%
15%
39%
38%⇒49%
36%⇒22%
26%⇒29%
非製造業<54>
33%
36%
31%
33%
36%
31%
26%⇒19%
45%⇒46%
29%⇒36%
2.設備投資の目的
○ 16 年度の設備投資の目的については、全体として大きな変化はみられない中で、製
造業では、前年に大口案件がみられた反動から「効率化」の割合が幾分低下する計画
となっている。
▼
設備投資の目的(金額ベース)
(製造業)
能力増強
(非製造業)
新製品・製品高度化
効率化
維持・更新
研究開発
その他
2%
3%
13年度実績
12%
14%
11%
31%
30%
13年度実績
6%
69%
11% 7% 9%
58%
14年度実績
12%
7%
73%
10%
13%
24%
38%
15年度実績
(6月調査)
12%
11%
0%
14%
20%
17%
40%
38%
60%
70%
0%
100%
3
20%
40%
8%
60%
80%
6%
1%
1%
16年度計画
(6月調査)
16%
80%
3%
5% 15%
73%
4%
16年度計画
(6月調査)
13%
1%
3%
15年度実績
(6月調査)
4%
4%
4%
14年度実績
1%
18%
19%
100%
3.先行きの需要見通し
○ 投資決定の前提となる先行き(今後 2 年間程度)の需要見通しについては、製造業
を中心に「増加」を見込む先の割合が幾分増加するなど、前回調査時点に比べるとや
や改善している。
―― もっとも、前年同期(15 年 6 月調査)と比較すると、「増加」を見込む先の割
合が▲11%ポイント低下しているなど、一頃に比べるとやや慎重な見通しとなっ
ている。
▼
先行き(2 年間程度)の需要見通し(社数ベース)
大幅に増加
小幅に増加
横ばい
小幅に減少
大幅に減少
製造業
全産業
4%
2%
3月調査
11%
72%
11%
4%
1%
6月調査
16%
3月調査
67%
10%
12%
85%
5%
2%
6月調査
19%
74%
5%
非製造業
7%
5%
3月調査
11%
61%
13%
60%
16%
6%
2%
6月調査
0%
10%
20%
30%
40%
19%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
4.設備投資に伴う資金調達方法
○ 16 年度の設備投資に伴う資金調達方法については、製造業・非製造業ともに、15
年度対比で「キャッシュフローの範囲内」で計画する先の割合が上昇する一方、
「金融
機関借入」を活用する先の割合は低下する計画となっている。
▼
設備投資に伴う資金調達方法(社数ベース)
(製造業)
減価償却の範囲内
キャッシュフロー+金融機関借入
(非製造業)
キャッシュフローの範囲内
その他
減価償却の範囲内
キャッシュフローの範囲内
キャッシュフロー+金融機関借入
その他
3%
13年度実績
36%
14年度実績
33%
29%
41%
24%
7%
13年度実績
24%
6%
14年度実績
35%
16年度計画
(6月調査)
38%
26%
0%
23%
52%
20%
40%
17%
60%
80%
50%
29%
24%
34%
32%
5%
2%
4%
15年度実績
(6月調査)
24%
5%
15年度実績
(6月調査)
26%
16年度計画
(6月調査)
26%
0%
100%
37%
35%
44%
20%
40%
26%
60%
80%
5%
100%
以 上
4