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平成26年度地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助金 構想普及支援事業(Ⅰ事業化可能性調査)
成果報告書要約版
未病政策と連携した総合エネルギーサービス事業可能性調査
事業者名:日本電気株式会社・株式会社ブルックスホールディングス
対象地域:神奈川県足柄上郡大井町株式会社ブルックスホールディング
ス大井事業所および周辺地域
実施期間:平成27年8月~平成28年2月
3.調査の結果
事業化の可否の結論:充分可能
検討項目
実施方法
検討結果
①EMSの構成
①熱源設備の種類、②熱源設
備の配置という2つの観点を基
に9つのシナリオを設定してシ
ミュレーションを行い、費用を最
小化するシステムを検討した。
コージェネレーションシステムを新設す
るとともに既存のターボ冷凍機を利用
し、本館および工場、食堂を熱導管で
繋ぐことによって費用を最小化できる
試算結果がでた。
②EMSの効果
上記シナリオと全館に個別空調 以下の結果が得られた。
を設置した場合の効果を比較検 省エネルギー性 5.1%
討した。
CO2削減量
6.3%
1.事業の背景・目的
株式会社ブルックスホールディングスは所有する大井事業所に
おいて、未病政策に関わるヘルスケア等の情報発信拠点の建設を
はじめ、健康・医療に関わる工場・研究施設の設置等の開発計画
を進めている。
本調査ではこの開発計画に合わせて、当該敷地内にガスコジェ
ネレーションシステム(熱電併給システム)等の分散型エネルギ
ーシステムの設置、および最適なエネルギーマネジメントシステ
ムの構築を検討した。また、エネルギーの供給に付随して未病政
策に関わるヘルスケア等の付帯サービスを一元して提供すること
により、全国に先駆けた総合エネルギーサービス事業の立ち上げ
を検討した。
さらに、将来的に当該のサービスを他地域に拡大することを検
討し、本モデルを普及拡大させることを目指す。
2.補助事業の概要
ブルックス大井事業所開発計画において計画されている施設群
のエネルギー需要を推計し、エネルギー需要の平準化を検討する
とともに、当該のエネルギー需要を賄うエネルギー元として分散
型エネルギーシステムであるコジェネレーションシステム(熱電
併給システム)の検討を行った。また、その導入効果を、通常の
一般電力から買電する場合と比較し、コスト面・環境面から検討
を行った。さらに、当該敷地内において温泉施設を設立する予定
があることから、地中熱の活用可能性も合わせて検討した。
事業化予定時期:平成31年度以降
③再生可能エネル
ギーに関する調査
(任意)
対象地域には温泉施設を含む
ため、温泉排熱を活用した地中
熱の利活用に関してポテンシャ
ルを調査検討した。
温泉排水の熱エネルギーをヒートポン
プで冷房&暖房&給湯&温泉加温に
利用可能である。開発計画の策定を
受けて施設用途が決定し、熱需要が
確定すれば詳細な地中熱の利用検討
が可能である。
事業にあたって有効な事業実施 ㈱ブルックスホールディングス、特別
体制と事業スキームおよびその 目的会社、アウトソーシング等がエネ
④事業実施体制・事業
実施に伴うスケジュールを検討 ルギー事業者となることが考えられる。
スキーム・スケジュー した。
事業の開始は平成31年度からを目指
ル
す。
毎年のランニングコストメリットは43,
000千円程度という試算結果であり、
単純回収年数は13年となった。補助
⑤事業採算性評価
金としては「地産地消型再生可能エネ
ルギー面的利用等推進事業費補助
金」等の活用が考えられる。
次の2つの観点から、他地域へ エネルギー需要量が同程度で需要地
の展開の可能性を検討した。 が近接し、エネルギー融通にあたって
事業者間での交渉コストがかからなけ
①負荷形態の類似性
⑥他地域への展開
れば、事業展開の可能性が考えられ
②EMSの付帯サービス
る。付帯サービスは未病いやしの駅へ
の横展開が考えられる。
今後の展望・課題・対策を検討 本事業実現のためには施設のエネル
ギー需要の確定が重要である。また、
した。
コジェネを活用した面的なエネルギー
⑦今後の展望・課題・
システムによって費用最小化できると
対策
いう本調査の知見を施設検討にフィー
ドバックし、生かしていくことも重要で
ある。
次の2つの観点から、事業採算
性を評価した。
①投資回収期間
②補助金の取得
4.地産地消型エネルギーシステムの概要
本調査において対象とした地域のエネルギーマネジメントシステムは左図のようになる。また将来的な展開である総合エネルギー事業についても右図に記載した。
【エネルギーマネジメントシステムの構成】
アイテム
対象需要
EMSシステム
電源・
熱源
設備概要(出力、容量、用途、台数等)
導入予定時期
(既設or新設)
◆第1期
電力:10,700,000(kW/年) 給湯:16,000,000(MJ/年) 暖房:10,500,000(MJ/年) 冷房:20,000,000(MJ/年)
◆第2期
電力:7,500,000(kW/年) 給湯:2,200,000(MJ/年) 暖房:10,000,000(MJ/年) 冷房:22,000,000(MJ/年)
◆第3期
電力:3,000,000(kW/年) 給湯:1,300,000(MJ/年) 暖房:1,900,000(MJ/年) 冷房:6,500,000(MJ/年)
◆第1期
平成29年度~31年度
◆第2期
平成32年度
◆第3期
平成33年度以降
面的エネルギー利用の対象地における需要データ収集、需要予測、運転管理(コジェネの運転に関しては直接的な制御を想定)
平成31年度
太陽光
-
-
風 力
-
-
バイオマス
-
-
水 力
-
-
コジェネ等
平成31年度
370kW×2台
蓄電池
-
-
地中熱
第2期に設置が予定されている温泉施設の温泉排熱を活用した地中熱の利用
平成32年度
熱導管
エネルギーセンターを中心に約300m敷設
平成31年度