行政不服審査法の主な改正概要 行政処分等に関して不服を申し立てる制度を規定した行政不服審査法が、公正 性の向上、使いやすさの向上等の観点から、52年ぶりに改正され、本年4月 1日から施行されました。 <主な改正点> (1)公正性の向上 ア 審理員による審査手続の導入 現行法では、不服申立ての審理を行う者について規定がありません が、改正法では、職員のうち処分に関与しない者(審理員)が、審査 庁から指名され、当該審理員が両者(審査請求人・処分庁)の主張を 公正に審理します。 イ 第三者機関への諮問手続の導入 裁決の公正性を確保するため、武蔵村山市行政不服審査会に諮問す ることにより審査庁の判断の妥当性をチェックします。 【改正後】 【現行】 審査庁 ④裁決 第三者機関 ※審理を行う 者について 規定なし ③審理 ⑤諮問・答申 審査庁 ④裁決の案 (意見書提出) ⑥裁決 ①審査請求 審理員 ③審理 ②主張・ 証拠提出 審査請求人 (住民) 処分庁 ①審査 請求 審査請求人 (住民) ②主張・ 証拠提出 処分庁 ※ 処分庁に上級行政庁がない場合には、不服 申立ては、 「異議申立て」になります。 ウ 審査請求人の権利の拡充 証拠書類等の閲覧に加え、謄写もできるようになるとともに、口頭 意見陳述において、処分庁へ質問を行うことができるようになります。 (2)使いやすさの向上 ア 不服申立て手続を「審査請求」に一元化 現行法では、不服申立ての種類が「異議申立て」と「審査請求」に 分かれ、手続が異なっていましたが、改正法では、 「異議申立て」を廃 止し、「審査請求」に一元化します。 イ 審査請求をすることができる期間を現行「60日」から「3か月」に延長 現行法では、審査請求期間を60日としていましたが、国民の権利 利益の救済の観点から、審査請求の準備に要する期間等を踏まえ、審 査請求期間を3か月に延長します。 【現行】 【改正後】 処 分 ※異議申立てと 審査請求の両 方が可能な場 合は、異議申立 てを経た後でな ければ、審査請 求ができない。 60日 以内 異議申立て (処分庁) 処 分 3月 以内 60日 以内 3月 以内 再調査の請求 (処分庁) 30日 以内 1月 以内 審査請求 ※ 自 由 選 択 (処分庁以外の行政庁:原則は直近上級行政庁) 30日 以内 6月 以内 審査請求 ( 原則は最上級行政庁・ 上級行政庁がない場合は処分庁) 1月 以内 6月 以内 再審査請求 (法律で定める行政庁) 6月 以内 訴 訟 ウ 6月 以内 ※ 自 由 選 択 再審査請求 (法律で定める行政庁) 6月 以内 訴 訟 標準審理期間の設定 審理の遅延を防ぎ、迅速に権利利益の救済を図る観点から、審査請 求が到達してから裁決をするまでの標準的な審理期間を定めることが 努力義務となります。
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