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成果報告書要約版
平成26年度地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助金 構想普及支援事業(Ⅰ事業化可能性調査)
伊平屋村における地産地消エネルギー事業可能性調査
事業者名: ★
○◎
伊平屋村
株式会社アール・イー・アイ
株式会社ケーイーシー
対象地域:沖縄県島尻郡伊平屋村
実施期間:平成27年9月~平成28年2月
1.事業の背景・目的
本事業は、沖縄の離島において村全体で新しい再生可能エネルギーの地産地消事業
に取り組み効率よく再生可能エネルギーを活用することで、村民の生活向上が図られ
、観光など村内の産業活性化に寄与できるエネルギー事業の可能性を検討するもの
である。
沖縄県では再生可能エネルギーの系統接続可能量が上限に達しつつあるため、今後
は村内での自家消費を前提にシステムを構築する必要が生じている。
また、沖縄県は自然災害に起因する停電が本土より多く、住民は停電のない生活を希
望している。
そこで、再生可能エネルギー発電導入時に家庭用蓄電池を大量導入することで、平時
には電力需給のバランスを調整しつつ、非常時には蓄電池の電気を利用することで災
害に強い村を実現させる。
2.補助事業の概要
1.実測調査(島内の一般家庭、商業施設、公共施設、産業設備等の電力消費値、稼
働状況)
2.アンケート調査(家電・設備機器の利用状況、ニーズとサービス適合性調査、節電
に関する意識調査)
3.実態調査(系統電源の接続状況、電力供給状況、島内送電システム、)
4.再生可能エネルギーの賦存量調査と導入実績調査
5.電力需要制御のモデル化、シミュレーション
6.事業モデルの策定並びに比較検討
3.調査の結果
事業化の可否の結論:村で予算化できれば可
検討項目
①EMSの構成
事業化予定時期:2017年度
実施方法
検討結果
電力消費量実測
アンケート調査
シミュレーションによる推定
電力需給管理システム
太陽光 33基 計 440kW
小風力 16基 計 50kW
蓄電池 300台 計 1,500kWh
シミュレーションによる推定
非常時の電力確保
経費節減効果
電力需給調整効果
以上3点が確認できた
シミュレーションによる推定
太陽光発電 年間発電電力量
225,824,600 kWh
小水力発電 年間包蔵水力量
58,926 kWh
実態調査
蓄電池設置が強靱化対策等で予算化
できれば事業化可能
官民による合弁会社または、公設民営
体制で2016年度事業計画策定後、
2017年度事業開始を想定
②EMSの効果
③再生可能エネル
ギーに関する調査
(任意)
④事業実施体制・事業 アンケート調査
スキーム・スケジュー シミュレーションによる推定
ル
事業計画案に基づく、
シミュレーションによる推定
NPV 9,400千円(割引率4%)
IRR 4.5%
実態調査
シミュレーションによる推定
系統線が簡潔で、災害による停電が
多発し、地域の電力系統線への再エ
ネ接続が上限に達している地域、特に
沖縄県の離島等に展開可能性がある
実態調査
シミュレーションによる推定
①
②
③
⑤事業採算性評価
⑥他地域への展開
⑦今後の展望・課題・
対策
域電力会社との話し合い・調整
さらなるデータ収集の必要性
事業予算の調達方法確定
4.地産地消型エネルギーシステムの概要
◎ 第一ステージ <家庭用蓄電池による村内電力備蓄・電力需要制御>
村民の生活に影響を与えず、村内の電力需要を能動的に調整するために、3年間で村内需要
家宅に最大300台程度の5kWh固定型蓄電池を設置し最大1500kwhの電力を村に「備蓄」する
事業を実施する。設置した蓄電池を新規に立ち上げるエネマネサービス事業者が一元的に管
理・運営し、地域内の電力需要を制御する。
需要家は電力会社と時間帯別電力料金契約を結び、深夜に蓄電した安価な電力を昼間利用
することで今よりも安い電気料金が実現できることから、電気料金値下がり分の一部を需要家
から徴収し事業運営費とする。
電力料金の節減効果については月額使用量が400kWh以上、昼間(7時から22時)の電力消費
量が70%以上であれば蓄電池設置による料金節約効果が検証できているが、個々の利用状況
によって効果が異なるため、蓄電池設置希望者はまずスマートメータを設置していただき、半
年から1年間の電力消費量を測定した後、節減効果を提示し納得していただいた後に蓄電池を
設置する。そのため、蓄電池の導入率は村全世帯のうちの約6割程度と想定している。
◎ 第二ステージ <再生可能エネルギー自家消費>
村内での蓄電池の普及を進めた後に、村内に再生可能エネルギーの増設を行う。同時に蓄電
池の最適な制御を行うことができる蓄電池制御システムを開発して、村内に設置した蓄電池と
太陽光発電機をネットワークでつないで発電量を把握しながら、村の電力需要を蓄電池の制御
によってコントロールする。村内で再生可能エネルギーの発電量が電力需要を超えそうな時に
は前日夜から午前中にかけて村内の蓄電池を放電し、日中村内で発電される電力を充電する
ことで需給をコントロールする。(下記モデル図参照)その制御は自動的に行い、利用者はその
都度操作をする必要はない。
蓄電池導入開始の翌年から4年間で村内に最大約490kWの再生可能エネルギー発電を目指
す。年間の想定発電量は約660MWhで、これは伊平屋村の年間電力消費量(7,127MWh)の約9
%に相当する。現時点では、太陽光発電440kWに加え50kW程度の小風力発電を設置する計
画である。
【エネルギーマネジメントシステムの構成】
アイテム
対象需要
EMSシステム
電源・
熱源
設備概要(出力、容量、用途、台数等)
導入予定時期
(既設or新設)
制御可能電力量 1,500kWh
蓄電池管理システム、電力需給管理システム
太陽光
4 kW
20基設置、20kW
風 力
2 kW
10基設置、5 kW
8基設置、40kW
6基設置
(計
H.29年度、H.31年度
5基設置
50kW)
(計
440kW)
H.29-32年度
H.29-32年度
バイオマス
水 力
コジェネ等
蓄電池
その他
固定 5kWh 300台設置
(計
1,500kWh)
H.29-31年度