グラフ作成上のポイント 実験データは、表またはグラフにして表すことにより、色々な物理量の間の関係がより 鮮明になる。報告書につけて提出するグラフは、自分にさえわかればよいというものでは なく、実験結果および実験条件等の情報を、他人に適切な方法で示すものでなければなら ない。したがって、グラフの書き方には、報告書を書く人間と報告を受ける人間との間に 共通する、ある一定のルールがある。この学生実験では、電子情報工学の分野で、実験デ ータを扱う上でのルールに沿ったグラフの書き方を学ぶことも、目的の一つとなってい る。以下に、グラフを書く上で注意すべきポイントを示す。 図1に、いくつかのグラフの例を示す。また、表1に注意すべきポイントを分類し、各 項目に分類にしたがって数字を当てている。再レポートのとき、グラフの書き方に対する 注意がこの分類ナンバーによって示された場合、書き方のポイントと、図1、および表1 を参照して直すこと。 * この‘グラフの書き方’は、電気学会、応用物理学会、静電気学会の論文投稿の手引を参考にした。 グラフの書き方のポイント 1) グラフ用紙はA4サイズのものを使用する。 2) グラフは大きく、丁寧に、わかりやすく書く。 3) 測定条件やパラメータを図の中に書き入れる。 4) 軸の書き方、目盛の取り方、目盛線の書き方に注意する。 5) 軸の説明の書き方に気をつける。単位も落とさないように。 6) 図の説明は図の下に、表の題は表の上に書く。 7) 測定した値には、必ず誤差が含まれているのが常識である。プロットの点は誤差の ことも考慮して、小さすぎないように、はっきり書く。 8) 誤差にはランダムな誤差もあるので、測定点を折れ線で結ぶのではなく、滑らかな 曲線を描く。このとき、雲形定規等を用いること。フリーハンドは再レポートの対象 となる。 9) 横長の図をグラフ用紙を横にして書いた場合、報告書に綴じる向きに気をつける。 フリーハンドは不可。 3 2 P = ## [単位] 2 縦軸の目盛り線は軸から はみ出さず、横軸は軸を またいで突き抜ける。 1 1 0 0 0 1 2 3 3 1 2 ○△□ X [単位] -1 ○△□ X [単位] 図× □◇と○△□の関係 図× □◇と○△□の関係 (a) 第1象限のみの時 (b) 第1, 4象限にまたがる時 10 n の目盛り 線は長めに。 閉じ方を逆に すると、縦軸 の説明が見え なくなる。 100 10 1 10 周波数 f [kHz] 100 図※ 抵抗と周波数の関係 (d) グラフ用紙を横に使う時の綴じ方 (c) 対数目盛の時 図1 グラフの書き方 表1 グラフの書き方チェックポイント № ① チェックポイント 分類 № チェックポイント 1 軸の線をはっきり書く 1 目盛は等間隔に(方眼紙の時) 2 軸の線は不必要に長くしない 2 目盛線ははっきりと 3 軸の先に矢印は付けない 4 軸の名称、単位に不備は? 5 軸 ② 2 滑らかな線を引く 3 定規を使って線を引く 3 目盛線は内側に向けて書く 4 目盛線の間隔は適切に 目盛 5 '0' はX軸、Y軸の両方に 縦軸の名称、単位は、軸に沿 って寝かせて書く 1 プロットが小さい ③ 分類 6 目盛の数値の書き方はOK? プ ロ ッ ト ④ 図の題は下、表の題は上 ⑤ 図は丁寧に書く ⑥ グラフの綴じる方向は? 題 全体 綴じ方
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