2016.4.1|権利と真実について

東京ジャーミイ金曜日のホトバ
2016 年 4 月 1 日
権利と真実について
尊敬すべき信仰者の皆様!
ある日、神の使徒 (彼の上に平安あれ)が、
教友たちにこうお尋ねになりました。 「あな
た方は、破産者とはどのような人であるかを知
っていますか」。教友の一人が答えました。
「私たちにとり破産者とは、金も土地も持たな
い者のことです」。すると私たちの愛すべき師
は、本当の破産について説明されました。「私
の共同体にいる破産者とはこのような人です。
彼は自分の行なった礼拝や断食、喜捨を持って
審判の日にやって来ます。ところが彼のそうし
た善行は、すべて使い果たされている。他人を
ののしったり、中傷したり、他人の財産を不法
に食いつぶしたり、他人の血を流したり、傷つ
けたりしてきたためです。それで審判の日、彼
は自分が破産者になってしまっていることを知
るのです。彼の善行は、苦しんでいる人々に分
け与えられます。それで清算しきれないような
ら、罪が借金として残ります。こうして彼は、
地獄に送り込まれることになるのです」。
栄光の使徒が語るこの聖なる言葉は、信仰や意
図、言葉や倫理に対する配慮のない人物が、大
いなる審判の日、どれほど失望することになる
かを強調するものです。
兄弟、姉妹の皆様!
何よりもまず私たちは、真実と公正の証言者と
なるためにこの地上へ送られてきています。も
のごとの根源かつ所有者であり、真理と現実の
決裁者である全能の神は、 「あなたがた信仰
する者よ,アッラーのために堅固に立つ者とし
て,正義に基いた証人であれ(食卓章 8 節)」
と命じたまい、 またすべての信仰者に対して
真理を認め、事実を述べ、正義を育んでいくよ
うにと勧めておられます。
私たちは信仰と、ムスリムの証明であるシャハ
ーダにより、私たちの主の存在とその唯一性、
その限りなき偉力、そして世界に対する恩寵と
して主から遣わされた使徒ムハンマド・ムスタ
ファ(彼の上に平安あれ)の預言者性の、証言
者たるように義務として課せられています。言
うまでもなく、それは単なる言葉の上でだけの
お題目などではなく、この聖なる証言をもって
私たちは、大いなる責任を引き受けているので
す。主が私たちに託したもう真理と現実の証言
者としてこれを支え、保持することを誓ってい
るのです。
兄弟、姉妹の皆様!
イスラームにおいて禁じられているあらゆる行
ない –– あらゆる種類の共有の財産の浪費に
始まり、賭博や横領、詐欺や強盗、詐欺や偽装、
密輸や違法な取引、陰口や中傷、嘘や風評、殺
人、暴力、そしてテロリズムに至るまで ––
これらは実に、神の権利と人類の権利の両方に
対する侮辱であり不正であります。ムスリムな
ら、このような事態に関われないはずです。ム
スリムなら、このような悪しき行ないと共に語
られるなどできないはずです。信仰者は、決し
て他の人々に強要しません。同時に信仰者は、
不正や不法、不当な行ないを見過すことはでき
ません。抑圧に対しては、無関心ではいられま
せん。無慈悲な仕打ちに、加担することはでき
ません。何故なら、私たちの預言者の言葉を借
りるならば信仰者とは、他の者たちがその舌と
手を恐れない者であり、安心して生命や財産を
任せられる者のことだからです。
兄弟、姉妹の皆様!
私たちは本当に、公正と法秩序を世界に確立し、
正義を推奨する文明の担い手の一員であります。
私たちは知っています、不正も抑圧も永遠には
続きません。そして私たちは悪が私たちを傷つ
けることはできないと心から信じています。私
たちが真実を掲げ続け、真実と正義の源である
聖なるクルアーンと預言者(彼の上に平安あ
れ)のスンナに従い続け、「私こそが真理であ
り、私の他に現実を把握している者はいない」
などと言い出さず、私たちの宗教が教えている
通りに、真理に対する鋭敏な気持ちを保ち、そ
れを広めようと努力する限りにおいては。
以下の祈りの言葉を捧げ、ともに「アーミー
ン」と唱えることによって本日のホトバを終え
たいと思います。
「神よ!私たちに真実を知らしめて下さい、真
実と共にあれるように。私たちに誤りを知らし
めて下さい、それを避けられるように」
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