新潟県警察におけるワークライフバランス等 の推進のための取組計画 平成28年4月 新潟県警察本部 はじめに 1 県警察においては、平成17年4月から、次世代育成支援対策推進法に基づく特定事業主 として「仕事と子育ての両立支援のための新潟県警察特定事業主行動計画」(以下「次世 代計画」という。)を策定し、職員が安心して出産や子育てができる環境の整備に向けて 取り組んできたほか、平成23年6月からは、県警察における男女共同参画社会の実現と将 来に向けた人的基盤の強化を図るための基本的取組を策定し、女性職員の職域・登用(採 用)の拡大、教養の推進、厚生制度の整備、施設の充実等の施策に取り組んでいます。 2 この度、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号、以下 「女性活躍推進法」という。)が施行されたことを踏まえ、県警察においては、同法に基 づく特定事業主として、これまで以上に県警察の女性職員が活躍し、全職員が仕事と生活 の調和(ワークライフバランス)の取れた健康で豊かな人生を送ることができる組織づく りを目的に、次世代計画を改正して、女性活躍推進法に基づく特定事業主行動計画を兼ね るものとして、 「新潟県警察におけるワークライフバランス等の推進のための取組計画」 (以 下「取組計画」という。)を策定したものです。 新潟県警察におけるワークライフバランス等の推進のための取組計画 第1 概要 取組計画の策定に当たっては、女性活躍推進法に基づく特定事業主行動計画の策定等 に係る内閣府令に基づき、県警察における女性職員の活躍に関する状況把握・課題分析 を行い、その結果を勘案した上で、県警察におけるワークライフバランスの推進と女性 職員の活躍に向けた「3つの目標と5つの重点」を策定しました。 県警察における女性職員の活躍に関する 状況把握・課題分析 【新潟県警察におけるワークライフバランス等の推進のための取組計画】 【3つの目標】 全職員が年間8日以上の 年次有給休暇取得 配偶者出産休暇の 定員のおおむね10%を目 100%取得 指した女性警察官の採用 【5つの重点】 育児や介護等と両立 して活躍できる改革 働き方改革 ハラスメント防止 対策の推進 全ての職員が働きやすい 勤務環境等の整備等 第2 女性の採用拡大 と育成 計画期間 平成28年4月1日から平成33年3月31日までの5年間とします。 第3 推進体制等 取組計画については、県警察において推進している「新潟県警察女性職員コミットメ ント10年プロジェクト」の関連委員会を中心に、進捗状況の分析・評価等を行い、必要 に応じて見直しを行います。 また、毎年少なくとも1回、取組計画の推進状況を公表します。 第4 達成目標 女性活躍推進法で定量的に定めることとされている目標は、同法に基づく状況把握・ 分析の結果を踏まえ、県警察におけるワークライフバランスの推進と女性職員の活躍に 向けた、以下の3点とします。 -1 - 目標1 積極的・計画的な年次有給休暇の取得 職員の心身のリフレッシュ、健康の維持及び増進、公務能率の向上を 図ることを目的に、「こしひかり休暇」制度(※)の利用、時間休の取得を 積極的に推進し、全職員が年間8日以上の年次有給休暇取得を目指しま す。 ※(こ)功労休暇、(し)シーズン休暇、(ひ)表彰休暇、(か)家族記念日休暇及び(り)旅行 休暇とし、これらを総称して「こしひかり休暇」と呼称しています。 目標2 男性職員の配偶者出産休暇の取得推進 男性職員の配偶者出産休暇(※)について、100パーセントの取得を目指 します。 ※配偶者出産休暇は、最大3日間の取得が可能です。 目標3 女性警察官の積極的な採用 平成33年度までに、女性警察官を警察官定員のおおむね10パーセント とする目標に応じた採用を計画的に行います。 第5 1 目標達成に向けた取組 働き方改革〔主に目標1関係〕 (1) 価値観・意識の改革 ア 働き方に対する意識の改革 育児や介護等の事情により勤務時間や勤務形態に制約のある職員が、両立支援制度 (育児休業、育児短時間勤務、配偶者出産休暇、男性職員の育児参加のための休暇、 家族看護休暇、介護休暇等をいう。以下同じ。 )の利用に引け目を感じずにすむよう、 時間外勤務を当然とする意識を改革し、職員が年次有給休暇をより取得しやすい環境 へと改善するとともに、多様な働き方が受け入れられる組織文化を形成します。 イ 幹部職員に対する指示 業務を管理・監督する幹部職員に対し、会議等の機会を捉えて、働き方に対するこ れまでの価値観を変える必要性や、幹部による休暇取得の率先垂範を指示し、職場全 体で時間外勤務の縮減に取り組みます。 ウ 人事評価への適切な反映 効率的な業務運営やワークライフバランスに資する取組については、適切に人事評 価へ反映させます。特に、幹部職員が、職員のワークライフバランスの推進又は女性 職員の活躍に資する働き方の改革等、業務の合理化・効率化のために取り組んだ行動 等については重視します。 -2 - (2) 職場における仕事改革 ア 業務の合理化・効率化等の推進 業務の見直しや情報システムの構築等により、これまで以上に業務の合理化・効率 化の推進に努めるほか、業務量に応じた定員配置の調整を図ります。 イ 時間外勤務の縮減・休暇の取得促進等 (ア) 時間外勤務縮減対策 ◇ 事前命令の徹底と完全定時退庁日の励行 幹部職員は、職員の超過勤務の必要性について事前確認を徹底し、自ら率先し て時間外勤務の縮減を心掛けるとともに、会議や行事等の見直し、業務の合理化 ・効率化や職場環境の改善、完全定時退庁日の励行等により、部下職員の時間外 勤務の縮減を図ります。 ◇ 産業医による面接指導 長時間の時間外勤務等により健康への影響が懸念される職員に対し、産業医に よる面接指導を実施することにより、職員の健康管理を推進します。 ◇ 子の養育を行う職員への支援 3歳未満の子の養育を行う職員は時間外勤務の免除を、小学校就学前の子の養 育を行う職員は深夜勤務及び時間外勤務の制限を請求することができる制度につ いて、周知・徹底を図ります。 ◇ 週休日の振替制度等の活用 週休日又は休日に勤務を命ずる場合には、週休日の振替制度や休日の代休制度 を活用し、実質的な休日数の確保に努めます。 (イ) 休暇の取得促進 ◇ 所属長宛て取得促進通知 県本部の警務課において休暇等の取得状況について的確に把握し、職員が積極 的に年次有給休暇を取得できるよう、所属長宛て取得促進通知の発出により啓発 を図ります。 また、夏季特別休暇(5日間)及び永年勤続受賞に伴う特別休暇(3日間)に ついても、取得に向けた啓発を図ります。 ◇ 年次有給休暇の取得促進 出産や育児のための取得を促進するとともに、必要な態勢を確保した上で、ゴ ールデンウィークや夏季期間等における連続休暇の取得促進に配慮します。 また、職員個々の事情に応じた時間単位の年次有給休暇の取得促進にも配慮し ます。 (3) 働く時間の柔軟化 育児や介護を行う職員を対象とした、早出遅出勤務制度(※)の周知を図ります。 また、勤務実態に即した勤務制の変更について積極的に推進します。 ※育児や介護を行う職員が、勤務時間である7時間45分を変更することなく、始業時間 を30分単位で選択できる制度をいいます。 2 育児や介護等と両立して活躍できるための改革〔主に目標2関係〕 (1) 制度の周知・啓発 -3 - ア 職員への情報提供と啓発資料の作成 (ア) 部内ネットワーク等を利用した情報提供 新潟県警察WANシステム及びウェブサイトで、職員向けに福利厚生に関する情 報提供を行う「ふれあいひろば」を活用して、出産・育児に関する特別休暇や出産 費用に対する給付等の経済的支援制度について情報提供し、制度の周知・徹底及び 利用・活用を推進します。 (イ) 各種休暇・給付等の制度・手続を解説した啓発資料の作成 出産・育児に関する特別休暇や出産費用に対する給付等の経済的支援制度につい て、これまで以上に分かりやすい啓発資料の作成・発出に努め、職員に制度の周知 ・徹底を図ります。 イ 男性の家庭生活への関わりを推進 (ア) 男性職員に対する意識改革の促進 子供を養育する男性職員を対象とした研修会等を開催し、男性職員が家事・育児 を分担する意識の醸成に努めます。 (イ) 男性職員の育児参加 両立支援制度の活用を呼び掛け、男性職員が育児に参加できる職場環境づくり及 び制度の周知・徹底を図ります。 (2) 職員が育児や介護をしながら活躍できる職場へ ア 産前の女性職員への支援 本人からの請求により、深夜勤務及び時間外勤務が免除されることについて、制度 の周知・徹底を図ります。 イ 育児休業取得前及び取得中における職員への支援 (ア) 産前セミナーの開催 勤務経験豊富なメンター職員が出産予定者の所属を訪問し、出産を間近に控えた 職員を対象とした産前セミナーを開催して、出産・育児への不安解消や各種休暇制 度等の周知・徹底を図ります。 (イ) 悩み相談制度の利用の促進 保健師による健康相談制度や、警察共済組合新潟県支部事業で実施している「心 の健康相談医、カウンセラーによる心の健康相談窓口」の教示、活用等により、出 産や育児に関する不安・障壁や仕事と育児の両立についてのストレス・悩み等が解 消できるよう、制度の周知・徹底を図ります。 (ウ) リフレッシュセミナーの開催 育児休業明け直前(後)の職員に対するリフレッシュセミナーを開催し、復帰後 の勤務に対する不安の解消や、円滑な職場復帰への支援を推進します。 また、育児休業中における定期的な職場の情報提供について、方法・内容に関す る検討を進めます。 ウ 両立支援制度の利用と育児休業復帰後の支援 (ア) 育児休業等の取得の促進 育児休業や部分休業について、これまで以上に理解の促進を図り、取得を希望す る職員が100パーセント取得できるような職場環境づくりに努めます。 (イ) 家族看護休暇の取得の促進 子供の負傷又は疾病のために看護を行うなどの取得事由に該当した場合に、希望 する全ての職員が家族看護休暇を取得できるような職場環境づくりに努めます。 -4 - (ウ) 仕事と育児・介護を両立する職員に対する人事的配慮 所属での個別面談や異動に関する自己申告書により、職員の家庭事情や意向を把 握した上で、可能な限り人事配置等に配慮します。 (エ) 託児施設に係る情報提供 託児施設に関する情報を収集し、職員に情報提供を行います。 3 女性の採用拡大と育成〔主に目標3関係〕 (1) 実効性のあるきめ細やかな広報活動の推進 採用パンフレットや県警察ホームページ等に女性職員を積極的に取り上げ、女性の活 躍情報の「見える化」に配慮するほか、女性を対象とした各種業務説明会を開催するな ど、女性の採用拡大に向けた活動を推進します。 (2) キャリア形成支援による幹部登用等 柔軟な人事管理により、キャリアアップを希望する職員が、育児や介護等による時間 的制約を乗り越えて職務経験を積み、昇任に必要な能力と意欲を向上することができる よう、多様な職務機会、他機関への出向・派遣及び各種研修機会の積極的な付与等のキ ャリア形成支援に努めます。 また、公平な昇任試験制度による幹部登用と、職員の能力と実績に応じた適材適所の 人事配置に努めます。 (3) 研修会等を通じた意識改革の推進 仕事への責任感を堅持する女性職員の育成に向け、ロールモデルを招へいしての講演 会、女性職員同士による意見交換会等により女性職員自身の意識改革を促し、勤務意欲 と昇任意欲の向上を図ります。 (4) 女性職員サポート・メンター制度の実施 勤務経験が少ない職員や育児休業取得職員に対し、経験豊富な職員(メンター)が必 要な助言・指導を行うなどの若手サポート・育児サポートを通じて、職員が職場に円滑 に適応し、高い意欲を持ってその能力を十分に発揮できる職場環境づくりを行います。 4 全ての職員が働きやすい勤務環境等の整備等〔次世代計画から継続〕 「女性の働きやすい職場は、女性のみならず男性にとっても働きやすい職場へとつなが る」という認識の下、勤務環境等の整備・充実に努めます。 特に、警察署や交番等における女性用仮眠室・トイレ等の計画的な整備の推進、女性警 察官の意見を踏まえた装備資機材の開発・改善に努めます。 5 ハラスメント防止対策の推進〔次世代計画から継続〕 相談ホットラインの周知、幹部職員及び相談員を対象とした研修会等の開催、ハラスメ ントに関する職員アンケート調査等により、ハラスメント防止意識の浸透を図ります。 -5 -
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