RFID World Watcher Monthly June 2015 -1- 目次 RFID 関連ニュース ......................................................................... 3 プロダクト .......................................................................................................................... 3 ソリューション ................................................................................................................... 4 企業・規制・標準化・レポート ......................................................................................... 5 -2- RFID 関連ニュース プロダクト [ハードウェア] ブラジルの Von Braun Labs 社は高速道路料金徴収システム向けの UHF パッシブタグのマ ーケティングをアメリカで開始する。同社が開発した RFID チップ 2014B は EPC Gen2v2 準拠で AES 128 ビットの暗号化に対応している。 油圧機器検査機メーカーの Stauff 社は RFID を利用した油圧検査システムを開発した。こ れは、電池不要で動作する油圧センサー機能付きの LF パッシブタグをハンドヘルドリーダ ーで読み取るもの。 [ソフトウェア] Identiv 社は NFC 温度センサータグ uTrust Sense を Android から利用するアプリケーシ ョン uTrust Sense Temperature Tracker の配布を開始した。uTrust Sense はクレジット カード大で 30～90 日の電池寿命を持ち、小ロットでは単価 10 ドル程度。最初に読み取っ た時点から温度センサーの動作が始まる。 Bluetooth ビーコンのベンダーGimbal 社は自社のファームウェアを外販している。同社の ファ ームウェアを 組み込む ことで、 Bluetooth4.0 モ ジュールを 搭載している 機器を Bluetooth ビーコンとして動作させることができる。 オランダのソリューションベンダーLabWerk 社は Bluetooth ビーコンを使ったソリューシ ョンを提供している。同社のソリューションは美術館・博物館の展示のガイドを行うもの で、コンテンツを帰宅後に確認したり SNS でシェアしたりすることも可能。同社のソリュ ーションの顧客にはハーバード大学の博物館やレミーマルタンなどがある。 医療・科学機器のプロバイダーAgilent Technologies 社は実験機材の RFID 在庫管理サービ ス CrossLab の提供を開始した。世界各地に拠点を持つ大規模組織では実験機材の在庫管理 の負担は大きくなるが、CrossLab を利用することでその負担を軽減できる。利用される技 術は UHF パッシブ。 -3- ソリューション [パッシブ] Amazon 社はオーバーン大学 RFID ラボと共同で配送センターでの RFID の活用可能性の 調査を実施する。これはオーバーン大学 RFID ラボの開所式で発表されたもので、同ラボ の学生と配送センターの入庫業務で RFID を活用するための研究を行うもの。 イギリスの大手スーパーTesco 社は店舗内を自動で巡回して商品の RFID タグを読み取るロ ボットを F&F ブランドの衣料品店 5 店舗でトライアル導入している。ロボットには LCD 画面が搭載されており、同社ではこのロボットを経由して店舗の顧客とテレビ電話でコン タクトすることも検討している。このロボットはシリコンバレーのベンチャー企業 RFspot 社が開発したもので、他にも世界中の小売店数社がトライアルを行っているとのこと。 Campbell Soup 社は自社工場の無菌調理システムの検査のために RFID を利用している。 同社では温度センサー付きの LF パッシブタグをサンプルの具材に挿入し、パイプの中にリ ーダーを取り付けることで、食材の内部が想定された温度に加熱されていることを確認す るもの。このソリューションは Phase IV Engineering 社が提供している。 イギリスの Newcastle upon Tyne Hospitals では患者の記録の管理の為に RFID を利用し ている。同院では、患者の記録を収めたファイルに UHF パッシブタグを貼付し、固定リー ダーとハンドヘルドリーダーで読み取って所在を管理する。ソリューションは 6PM Group 社が開発した。 ユタ州交通局はソルトレークシティ市の路面電車の車両管理に RFID を利用している。そ れぞれの車両に Omni-ID 社の UHF パッシブタグ Dura 1500 を貼付し、整備場への入出 場を記録するもの。同局では今後バスなどにも利用を広げていく予定。 自動車のマスコミ向け試乗会の運営会社 Driving Events 社は RFID を利用して試乗会の管 理を行う。このようなイベントでは地元警察に事前申請したドライバーと走行ルートを守 る必要があるが、実際には様々な違反が発生し、かつ誰が違反を起こしたかが分からなく なる。同社では記者に NFC の ID カードを発行し、乗車時にハンドヘルドリーダーで読み 取りを行って管理を行う。 -4- [アクティブ・RTLS] ニューヨークではキタノホテルなど 45 のホテルで RFID を利用した従業員の緊急通報シス テムが利用されている。これは 2 年前にホテル従業員組合が求めた安全要求に応えるもの で、RF Technologies 社が WiFi タグを利用して開発したシステム、HelpAlert が採用され た。 バージニア州ブラックスバーグでは Bluetooth ビーコンを用いたバスの運行情報提供シス テムを導入した。これは、バスとバス停に Bluetooth ビーコンを設置、利用者がスマホに 対応アプリを導入し、自分の目的地を入力することで、バスの時刻表を見たり、到着した バスがその目的地に向かうのかどうかを知ることができるもの。また、どのバス停で何人 の利用者が待っていたかという統計情報も取得することができる。 カナダの金属会社 SCI 社の物流子会社 Progistix 社では銅線ケーブルリールの管理を RFID で行っている。同社は 4 万平方メートルの保存エリアに 3 千個のリールの在庫を持ってお り、それぞれに Guard RFID 社の 433MHz アクティブタグを取り付けて所在の管理を行っ ている。 フランスの通信博物館 Cite des telecoms は 3 千㎡の広大な敷地を持っているす。同館では 来訪客への情報提供のために展示に NFC を用いていたが、使い方が良く分からないという 来館者の声があった、この状況を改善するため同館では iBeacon の利用も検討したが、測 位精度が不足していた。最終的に同館では UWB RTLS タグを貼付したタブレットを来館者 に貸し出し、情報を提供することにした。 企業・規制・標準化・レポート 調査会社 Frost & Sullivan 社が小売向け RFID 市場のレポート"Analysis of the Global RFID Market in Retail"を発行した。このレポートによると、2014 年に 7.38 億ドルだった 小売向け RFID 市場は 2020 年には 54.09 億ドルとなり、年率 38.9%で成長する。現在主な 導入は欧米で起こっているが、今後はインドや中国が伸びるとしている。 オーバーン大学 RFID ラボの開所式が 5 月に開催された。これは 2005 年に Bill Hardgrave 教授がアーカンソー大学で Arkansas RFID Research Center として開設した施設で、同教 授のオーバーン大学への移籍に伴いオーバーン大学に移ったもの。開設式には Macy's 社、 Target 社、Saks Fifth Avenue 社、Lockheed Martin 社、Boeing 社などから 200 名以上が 出席した。 -5-
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