わが子を私立に進ませる意味を今一度考えてみましょう

× 安田教育研究所
2 0 1 2 年 オ リ ジ ナ ル 編 集 タ イ ア ッ プ 企 画
第5回
ホット メッセージ
中学受験の保護者に送る 安田教育研究所 代表 安田 理
わが子を私立に進ませる意味を
今一度考えてみましょう
秋だというのに本人に一向に受験生の自覚がない、模試の結果が帰ってきたら偏差値が急落していた、
中学受験を意識したときに望んでいた学校には到底は入れそうにない・・・・・・そんなシビアな現実に直面
すると、しんどい思いから逃げ出したくなります。実際「中退」してしまう受験生・ご家庭が少なからずいます。
そうならないために、公立でなく私立にわが子を進ませる意味を、今一度考えてみましょう。
まず、ご家庭が、公立ルートではなく、私立の中高一貫校に進ませたいと考えた背景を整理してみましょう。
〇人間教育の蓄積がある
私立学校は、どこも創立者が「こういう人間を
育てたい」という思いで始めていますから、
それぞれに人間(人物)を育てることについては
リ ー ジ ュ の 精 神 を 養 う」「社 会 に 貢 献 で き る
ざまな工夫をしていますが、そのうちのほんの
「自主性豊かな人間をつくる」「ノブレスオブ
私立は学校ごとにその教育活動においてさま
人 間 に 育 て る」「芸 術 を 通 じ て 豊 か な 人 間 性 を
いくつかを紹介してみましょう。
育 て る」・・・公 立 の 学 校 で は こ う し た 特 色 を
打 ち 出 せ ま せ ん が、私 立 に は わ が 子 の 個 性 を
伸ばしてもらえる学校があります。
○海外研修に行けるのは私立だから
公 立 中 学 で は 経 費 の 理 由 か ら 海 外 へ の 修 学
・高校受験を回避できる
積めるのは私立ならではです。グローバル社会を
・課外活動にもさまざまな工夫が凝らされている
貴重な経験になります。
・選抜された一定以上の学力レベルの子ばかりなので、学級崩壊、授業崩壊の心配がない
・教育熱心な家庭ばかりで、育児放棄のような家庭の子がいないので安心。
子どもが悪い道に誘惑される心配をしなくて済む
見据え、早い時期から外国人に慣れておくことは
研 修 だ け で な く、女 子 校 を 中 心 に、使 え る
実用英語の学習に大変力を入れていることも
私立の大きな特色です。
〇ユニークな教育も私立の特権
公立ではごく一般的な教科(国語・社会・数学・
といったことが挙げられるのではないでしょうか。
併せて、そのほかの私立の魅力を取り上げてみましょう。私立というと大学合格実績にばかり注目する
人がいますが、私立にはその他にも魅力的な部分がたくさんあります。
教養や趣味など)にあてている学校もあります。
〇きめ細やかな神経が行きわたる私立
ご く 限 ら れ て い ま す。中 学 段 階 で 海 外 経 験 を
・学校説明会に足を運べば、高邁な教育理念が語られる
教授の講義、カルチャーセンターのような多様な
長い経験を有しています。
旅 行 は も ち ろ ん、語 学 研 な ど に 行 け る 学 校 は
・公立よりレベルの高い授業(英数などの時間数が多い、教材もハイレベル)
学校があります。また土曜日は特別な講座(大学
理科・英語など)で時間割が組まれていますが、
・10 も の「カ ウ ン セ リ ン グ ル ー ム」が あ る。
本気で子どもの抱える問題に取り組もうとして
いる学校の姿勢がうかがえます。
・最近の生徒は先生とも人間関係を作るのが苦手。
そ こ で「共 同 担 任 制」を と っ て い る 学 校 が
あ り ま す。ク ラ ス 担 任 と い う の は な く、い ろ
んな教科、年齢もバラバラな学年の先生全体で
生徒を見ていこうというシステムです。これ
な ら「担 任 と 合 わ な い」と い う こ と で、疎 外
感を味わうということもなくなります。
・やはり人間関係ですが、中1は 3 日に 1 回席替え。
小さなグループにまとまらないよう、生徒が
多くの友だちと触れ合うよう、そこまで心を
砕いている学校もあります。
私 立 中 学 は、人 間 と 同 じ で、付 き 合 い が
深まれば深まるほど、魅力がわかります。また
多くの学校を比較すると見えてくるものがあり
ます。ぜひたくさんの学校を訪れ、ご自分の目で
私立の中には正規の時間割の中に、
「聖書」「園芸」
学校ごとの良さを発見してください。
リ ン な ど)」・・・な ど の 時 間 が 組 み 込 ま れ て い る
ともども取り戻してください。
「礼法」「茶道(男子校で)」「弦楽器(琴、バイオ
そうして今一度受験へのモチベーションを親子