ゼオライトとキトサンを用いた金属イオン 除去剤の作製と評価

ゼオライトとキトサンを用いた金属イオン
除去剤の作製と評価
2015 年度月曜班
1.背景
本年度の月曜班では,ゼオライトをキト
とにより,この溶出を防ぐことができたと
考えられる.これにより,両素材のイオン捕
サンで化学修飾することで,「より良い金属
集能を有効に発揮させられたといえる.
イオン除去の性能を発揮させること」,「バ
Ⅱ:金属イオンごとの違い
イオマス素材を原料とした環境問題への対
本実験では亜鉛よりも銅イオンのほうが
策に利用できる材料の開発」の2つのテー
多く除去された.これは,各イオンの水和半
マを基に研究を行う.
径の違いと,イオン化傾向の違いが考えら
れる.
2.実験
同じ価数のイオンの場合,イオンの大き
キトサンを架橋する際の架橋剤としてグ
さが小さいほど,大きな水和イオン半径を
ルタルアルデヒド,グリオキサールを用い
持つことから,銅イオンのほうがゼオライ
た,2種類のキトサン架橋済みゼオライト
トの細孔内にとどまると考えられる.また,
を作製し,未修飾ゼオライトと合わせて3
銅イオンは亜鉛イオンよりもイオン化傾向
種の除去挙動を比較した.
が小さく,銅イオンのほうが細孔内でアル
さらに,金属イオンとして,あまり研究の
なされていない亜鉛,銅,という2種類の金
ミニウムイオンと結合が切れにくい,と考
えることができる。
属イオンで比較した.
また,一般に多く実験が行われている塩
表1 銅イオン除去量
基性条件下ではなく,pH2,4,6というあ
未修飾
GO 修飾
GA 修飾
まり実験の行われていない酸性領域で評価
ゼオラ
ゼオラ
ゼオラ
イト
イト
イト
pH2
0.59
1.00
1.01
pH4
1.09
2.67
2.68
pH6
2.68
2.932
2.932
を行うこととした.
3.評価
本実験では,キレート滴定を用いて金属
イオンの除去量を比較した.銅イオンに対
しては PAN 指示薬を,亜鉛イオンに対して
は XO 指示薬を加え,EDTA 水溶液を用いて
表2 亜鉛イオン除去量
滴定を行った.
未修飾
GO 修飾
GA 修飾
ゼオラ
ゼオラ
ゼオラ
イト
イト
イト
pH2
0.53
0.88
0.89
表1,表2に示したように,金属イオンの
pH4
0.96
2.55
2.55
除去量は pH の上昇に伴い増加した.これは
pH6
2.56
2.85
2.86
4.考察
Ⅰ:金属イオン除去量の pH 依存性
酸の浸食が除去剤を崩壊させることを示し
ている.本研究ではキトサンを架橋するこ