い~な 診療所 あまみ 中 中 央 事務局 研究所 しらさぎ つなぐの さくら 大阪+知的障害+地域+おもろい=創造 知の知の知の知 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 2329 号 2015.2.18 発行 ============================================================================== 読売新聞 2015 年 2 月 17 日 認知症の人に日常生活でどんなことに 困ったかを尋ねたところ、半数以上が「現 金をどこにしまったか忘れてしまう」と答 えたことが、国際大(本部・新潟県)が行 ったアンケート調査で分かった。 研究チームは「本人を対象にした初の全 国調査。結果を認知症の人が住みやすいま ちづくりに生かしたい」としている。 調査は昨年10~12月に行われた。認 知症の家族会や支援団体、グループホームなどを通じて調査票を配布し、認知症の人自身 のほか、家族やケアマネジャーなどに本人から聞き取って記入してもらい、全国292人 の当事者から回答を得た。 その結果、最多は「現金をどこにしまったか忘れてしまう」の51%で、記憶力の低下 が原因のトラブルが上位に入った。 「駅で迷う・バス停が見つけられない」(50・7%) など外出中に迷う心配を抱えている人も多かった。駅の券売機や自動改札、現金自動預け 払い機(ATM)などの操作に苦労している実態も浮かび上がった。また、希望する対策 としては、 「商品選びや支払いを手伝ってくれる買い物サポーター」(65・4%)や、 「ス ーパーのレジの支払いに時間をかけてもよい『スローレーン』の設置」 (60・3%)が目 立った。 認知症の悩みトップは「現金どこに」…半数以上 「悪意」投稿4人に1人 スマホからネットへ 共同通信 2015 年 2 月 17 日 携帯端末を使ってブログや短文投稿サイト「ツイッター」などへ投稿した人の4人に1 人が、他人や企業の悪口などの「悪意のある投稿」をした経験のあることが 17 日、独立行 政法人情報処理推進機構(IPA)の調査で分かった。若年層に倫理意識の低下傾向が見 られ、担当者は「教育の必要性が高まっている」としている。 調査は昨年 10 月、インターネット上で匿名で実施した。 携帯端末のスマートフォン(スマホ)やタブレットの利用者 3500 人のうち、投稿経験が あるとしたのは 1850 人。 「他人や企業の悪口」「下品な言葉を含む」「さげすんだり、けな したり」 「人格を否定」など、IPAが例示した 14 種類の悪意のある投稿をしたことがあ るとした人は、そのうち 26.9%に上り、前年から 3.4 ポイント増えた。 投稿理由(複数回答)では「反論したかった」 「投稿やコメントを見て不快になった」 「非 難・批評するため」が 30~20%台と多かった。 「仕返しするため」は前年より 5.4 ポイント 増えて 13.2%となり、 「炎上させたくて」は4ポイント増えて 6.8%だった。 投稿後の心理では「気が済んだ、すっとした」が 31.9%で最多となった。ほかは「何も 感じない」 (27.6%) 、 「後悔した」 (13.6%)などだった。 年代別では、20 代の 36.8%が最も多く、次は 10 代の 30%。30 代以降は年齢が上がるに つれて減少した。 一方、パソコンでネット投稿した約 1900 人のうち、悪意のある投稿をしたのは 22.2%で、 前年より 4.2 ポイント減った。IPAの花村憲一主任は「悪意のある投稿をした割合が携帯 端末利用者で増え、パソコン利用者で減った理由は今後詳しく調べる」としている。 障害者スポーツ推進…「モデル地域」で体験教室 読売新聞 2015 年 02 月 17 日 政府は2015年度から、障害者スポーツの裾野拡大を目指して、自治体と連携した新 たな取り組みを開始する。 20年の東京五輪・パラリンピックに向け、障害者のスポーツ参加を促すとともに、広 く障害者スポーツへの国民の理解を深めることが狙いだ。 柱の一つとして、文部科学省が全国の都道府県・市町村に呼びかけ、3月末をめどに2 5自治体を「モデル地域」に指定し、小中学校を中心に総合学習の時間などを利用し、障 害者スポーツへの理解を深める体験や交流を推進する。具体的には、パラリンピック選手 の出前授業の実施や、近隣の特別支援学校の子どもと一緒にブラインドサッカーや車いす 卓球などを体験することなどを想定している。 もう一つは、全国の都道府県・政令市単位で、自治体や地域のスポーツ団体、社会福祉 協議会、病院、学校などの代表者をメンバーとする「実行委員会」(仮称)を設け、障害者 スポーツに関係する団体間の連携を強化する。団体間で協力して、障害者スポーツの指導 者の交流を図るとともに、運動施設の共用を進め、障害者スポーツに取り組みやすい環境 を整える。体験教室や市民講座も開催する。実行委の設置は、スポーツ団体と福祉団体の 連携が十分ではないとの指摘を改めるためのもので、初年度は、20程度の自治体が応じ ると想定している。 日常重ねたアート 読売新聞 2015 年 02 月 18 日 ◇奈良で福祉施設利用者作品展 障害者福祉施設で働く職員らが魅力的だと感じた施設利用者のアート作品を紹介する 「ちょっとみてみて!―福祉施設職員が出会った表現と日常展―」が17日、奈良市の「ア ートスペース上三条」で始まった。22日まで。 障害者のアート活動を支援する同市の一般財団法人「たんぽぽの家」の呼びかけで、県 内の6社会福祉法人が参加。各施設の利用者が毎日描いているイラストなど、20人の2 4作品を職員のコメント付きで紹介している。 上牧町の施設「アトリエ創佳舎」を主宰する小野寺聡さん(51)は利用者の高田千恵 子さんが毎日80個以上作る5~10センチほどの折り紙作品を2年分集めて展示。「以前 は捨てられていたが、たくさん集めると迫力のある作品になった。一つ一つが節足動物の ような不思議な形をしているので見てもらいたい」と話した。 入場無料。27日~3月1日には、橿原市の市立かしはら万葉ホールでも展示を行う。 問い合わせはたんぽぽの家(0742・43・7055)。 綾羽高「近江3貫盛り」V 読売新聞 2015 年 02 月 18 日 草津市西渋川の私立綾羽高生が手がけた握りずし「近江3貫盛り」が、愛媛県八幡浜市 で開かれた「第3回ご当地グルメ甲子園2015in八幡浜」で優勝した。県特産の近江 牛、赤こんにゃく、丁字麩の素材本来の味を追究したアイデアで審査員を魅了した生徒た ちは「接客やチームワークを学べた。経験をシェフになる夢に生かしたい」と喜んでいる。 (藤井浩) 県特産の食材を使った「近江3貫盛り」 (綾羽高提供) イベントは、同県新居浜市で町おこしや障害者らの就 労支援に取り組むNPO法人「eワーク愛媛」が、地元 食材を使った料理の開発・販売を通して、高校生に郷土 愛を深めてもらおうと企画。 11、13年の1、2回目は同県内の高校生が対象だ ったが、今回から全国に拡大。全国25校の生徒が今月 11日、工夫を凝らした料理やスイーツを調理・販売し、 来場した約1万5000人が味わった。順位は、来場者 の投票結果と八幡浜市長ら7人が独創性や味、地域性などを審査して合計点で決めた。 綾羽高は、食物調理科の3年藤岡健也君(18)らが昨年12月、「滋賀を全国に発信し たい」と出場を決意。友人の3年森下明紀君(17)らに声をかけ、2、3年計5人のチ ーム「近江寿司綾羽」を結成した。 リーダーとなった藤岡君は、全国的に有名な近江牛のほか、特産ながら県外では食べら れる機会が少ない赤こんにゃくと丁字麩を使ったメニューを検討。素材が持つ本来の味と 食感を知ってほしいと、すしねたとしての形や大きさ、煮込む時間、ソースの味などで試 行を重ね、近江牛のローストビーフ、カツオと昆布だしで煮込んだ麩、ゴマみそをのせた 赤コンニャクの握りずし「近江3貫盛り」を完成させた。 イベントでは、高橋和也教諭らの引率で5人が調理や仕上げ、接客などを分担し、1食 500円で計750食を完売。総合得点で、秋田名産の比内地鶏を使った「北秋田の鶏カ レーコロッケ」 (秋田北鷹高・2位) 、愛媛のご当地グルメを生かした「ちゃんぽんコロッ ケ」 (大洲農高・3位)などを抑えて優勝した。 フランス料理のシェフを目指している藤岡君は「完売が目標だったので、とにかくうれ しい。特に麩の味や形を整えるのが難しかったが、試行錯誤し、接客を学べた点が大きい」 と笑顔。イタリア料理の道を目標にする森下君も「5人で苦労したかいがあった。チーム ワークが全てだと思う」と話していた。 NHK ニュース 2015 年 2 月 17 日 東京・北区の高齢者向けマンションで、介 護ヘルパーたちが高齢者をベルトでベッド に固定するなどの身体拘束を日常的に行っ ていたとして、北区は「高齢者虐待に当たる」 と認定し、東京都に報告するとともに、介護 ヘルパーなどを派遣している事業所を運営 する医療法人に対し改善するよう指導しま した。 虐待に当たる行為があったとされたのは、 東京・北区の赤羽西と西が丘にある合わせて3つの高齢者向けマンションです。 去年11月に、「居住者に対し身体拘束が行われている」という外部からの指摘を受け、 北区が当該のマンションを訪問したり、介護ヘルパーなどを派遣している事業所に聞き取 り調査などを行ったりしていました。 その結果について北区は17日に記者会見し、介護ヘルパーたちがこのマンションで生 活する高齢者20人に対して、ベルトでベッドに固定したり、おむつなどを脱がないよう につなぎ服を着用させたりするなどの身体拘束を日常的に行っていたことが確認されたと しました。 そのうえで、区はこうした行為が「高齢者虐待に当たる」と認定し、東京都に報告する とともに、介護ヘルパーなどを派遣している事業所を運営する北区の医療法人、 「岩江クリ 高齢者マンションで拘束介護 虐待と認定 ニック」に改善するよう指導しました。 また区によりますと、ほかに76人の高齢者が虐待を受けていた可能性があるとしてい ます。 一方、医療法人側は、区の調査に対し「医師の指示による拘束なので正当だ」と説明し たということです。 北区介護保険課の道給昌子課長は「高齢者の人権を脅かしていることが分かったので、 一日も早い解決に向けて、都とも連携しながら今後も引き続き調査を進めるとともに、適 切な指導を行っていきたい」と話しています。 医療法人「コメントできない」 虐待が行われていたと認定された高齢者向けマンションを展開する東京・北区の医療法 人「岩江クリニック」は、 「担当者が不在のためコメントできない」としています。 先月には、高齢者に対して身体拘束が日常的に行われているのではないかというNHK の取材に対し、医療法人は「医学的必要性から医師が判断し家族などに指示して行ってい るもので、施設の職員などが行う拘束とは性格が異なる」などと文書で回答しています。 “高齢者の拘束”日常的と証言 虐待に当たる行為があったとされたマンションは、有料老人ホームとしての届け出は行 っておらず、行政の指導や検査の対象にはなっていません。 関係者は「外部の目が届きにくい中で高齢者の拘束が日常的に行われていた」と証言し ています。 NHKが入手したマンション内部の写真では、入居している高齢者が腹部にベルトを着 けられベッドに固定されたり、ミトン型の手袋をはめられて腕をベッドの柵につながれた りしている様子が確認できます。 このマンションには合わせて3棟におよそ160人の高齢者が入居していますが、関係 者によりますと、認知症がある人や自分で体を動かすことができる人にも拘束が日常的に 行われていたということです。 さらに、認知症ではいかいする一部の高齢者の部屋には、外側から鍵をかけ自由に外出 ができないようにしていたということです。 マンションで高齢者の部屋を回って介護サービスを提供している訪問介護事業所のヘル パーのマニュアルには、こうした拘束の手順が写真と共に示され、「高齢者の安全を守るた めにほかに手段がないことを医師が定期的に診察して判断していれば問題ない」とする独 自の見解が記されています。 このマンションは有料老人ホームとしての届け出は行っておらず、行政の指導や検査の 対象にはなっていません。 マンションで高齢者に介護を行っていた元ヘルパーの男性は「虐待になるかもしれない という意識はあったが、医師の指示のもとで行えば合法だと言われて従ってしまった。感 覚がまひしていたと思う。行政が入らない閉鎖された空間で何でもやりたい放題だと思う と恐ろしい」と話しています。 背景に“介護施設の不足” 東京・北区が改善指導を行った医療法人が展開するマンションには、介護が必要になり 自宅で生活するのが難しくなった高齢者が入居しています。 背景には、特別養護老人ホームなどの介護施設が不足している現状があります。 こうしたなか、法律で義務づけられた届け出を行わないまま、空き家などで高齢者に介 護サービスを提供する有料老人ホーム=「無届け介護ハウス」が急増し、NHKの取材で は、先月の時点で東京都内だけでも86か所と、行政が把握している3倍以上に上ってい ます。 一方で、 「無届け介護ハウス」は、行政の指導や検査が行われないため、虐待や事故など の発見が遅れるおそれも指摘されています。 NHKが全国の自治体に行ったアンケート調査では、こうした無届けの施設で、入居者 に対する虐待や事故などが、去年までの6年間に合わせて52件起きていたことが明らか になっています。 「身体拘束」原則は禁止の方針 高齢者をベッドや車いすに縛り付けるなど身体の自由を奪う「身体拘束」は、虐待行為 に当たるとして「高齢者虐待防止法」で禁止されています。 身体拘束を巡っては、医療や介護の現場で、高齢者の安全を確保するための技術の1つ として、やむをえず行われていたこともありましたが、本人に不安や怒りなどの精神的な 苦痛を与えるだけでなく、筋力の低下など身体的な機能を損なう危険性もあるとして、厚 生労働省は15年前の介護保険制度の導入をきっかけに、身体拘束は虐待に当たるとして、 原則として禁止の方針を明確に打ち出し、介護事業者への指導を強化しています。 ただし、 「緊急やむをえない場合」に限って認めるとしていて、その際は、本人や他の利 用者の生命、または身体が危険にさらされる可能性が著しく高い「切迫性」、身体拘束以外 に介護の方法がない「非代替性」 、さらには身体拘束が一時的なものであるとする「一時性」 の3つの要件をすべて満たすことを条件としています。 これらの要件を満たしているかどうかの判断は、施設全体で検討すること、身体拘束を 実施する際は、本人や家族に対して十分に説明し理解を求めることとし、拘束する際は記 録の作成が義務づけられています。 意思表示できない障害者 虐待受けても「話せない」 鈴木洋和 朝日新聞 2015 年 2 月 18 日 松本剛さん(左)と母の幸子さん。 「何があったか分からないままでは 再発防止につながらない」と幸子さんは嘆く=堺市西区 大阪府堺市の障害者施設で、入居者の男性が左目を失明す る大けがを負った。男性は重度の知的障害で、けがをした状 況を説明できず、警察の捜査や民事裁判でも原因がわからな いままだ。意思表示できない障害者が虐待を受ける場合もあ り、厚生労働省は対策に乗り出している。 ■左目失明、いったい誰が 堺の知的障害者 堺市の松本剛(ごう)さん(40)は重度の知的障害で意 味のある言葉を話せず、身体障害もあり、全面的な介護が必 要だ。母の幸子さんは「事件前はよく笑っていたのに、今は ふさぎこみ、すぐ寝てしまう。生きる意欲がなくなったよう です」と話す。「事件」と呼ぶのは6年前のことだ。 大阪地裁堺支部の判決によると、2009年4月13日、剛さんが堺市の福祉施設の一 室で、身体障害のある男性と生活していたときだった。職員は常駐しておらず、午前6時 に、剛さんが左目に失明する大けがをしているのが見つかった。施設はアパート1階で、 3部屋に計5人が暮らし、窓は施錠されていなかった。 剛さんと幸子さんは11年5月、安全配慮を怠ったなどとして施設側を相手取り、地裁 堺支部に提訴。同居の男性が暴力を加えた以外に考えられないと主張。男性には粗暴性が あり、剛さんを一人部屋にすべきだったなどと訴えた。 施設側は、男性に粗暴性はなく、同居していた2年半に暴行を加えたことはなかったと 反論。適切な支援サービスを提供する義務はあったが、身体の安全にまで配慮する義務は 負わない、と主張していた。 判決は、全ての証拠を見ても同居男性の暴行とは認められないと判断。外部からの侵入 者、職員、他の利用者による暴行や自傷事故の可能性も否定できないとし、安全配慮義務 違反とは認められないと結論づけた。施設側が、大けがの事実を2日後に幸子さんに知ら せた点には報告義務違反があったとして慰謝料など15万円を認めたが、それ以外の訴え は棄却した。 剛さん側の代理人、中平史(ふみ)弁護士は「話せないという事情をふまえ、けがや周 囲の状況から、何が起きたのかという可能性を検証し、施設側の責任を判断して欲しい。 このままでは障害が重いほど泣き寝入りせざるを得ない」と指摘。剛さん側は控訴し、大 阪高裁で審理が続いている。 一方、捜査している西堺署は「個別事件については回答を差し控える」とし、一般論と して「被害者の供述は事件を立証する上で重要な要素。特に客観的証拠に乏しい事件にお ける事実認定への影響は否定できない」とコメントした。 自閉症 治療薬に弾み 金大など 新化合物効果確認 中日新聞 2015 年 2 月 17 日 オキシトシンの新しい化合物の研究について語る金沢大の東 田陽博特任教授=金沢市宝町で 開発ベンチャー設立へ 自閉スペクトラム症の研究を進める金沢大(金沢 市)や北海道大(札幌市)などのグループは、愛情 や信頼の気持ちを生み出すといわれる脳内ホルモン 「オキシトシン」の新しい化合物を作り、天然のオ キシトシンよりもその効果が持続することをマウス の実験で確認した。この発見を生かすため、今月中 にも北海道に研究開発型のベンチャー企業を設立す ることが決定。金沢大も連携し、自閉スペクトラム 症の治療薬開発に弾みを付ける。(酒井ゆり) 北海道大は昨年六月、オキシトシンに炭素を加えた新しい化合物を作製。そこで金沢大 は、不安などの感情を左右するとされる遺伝子「CD157」を欠損させたマウスに、天 然のオキシトシンと新しい化合物を与え、ほかのマウスに関心を示す行動量を比較した。 すると、新化合物は天然のものより行動量が30%以上上回ることが確認できた。 この成果は今年一月二十日付のスイスの科学雑誌(電子版)に掲載。金沢大と北海道大 は、新化合物の特許を連名で申請した。 研究成果をもとに、北海道大が主体となり、経済産業省所管の新エネルギー・産業技術 総合開発機構(NEDO)の起業家支援事業に応募したところ、その一つに選ばれた。大 学発の新会社は二月中にも札幌市内に設立される予定。今後は金沢大も研究に加わり、新 しいオキシトシン化合物を用いた治療薬の開発を目指していく。 金沢大などはこれまでも、オキシトシンを使った臨床試験で、自閉スペクトラム症患者 の症状が改善することを確認している。金沢大子どものこころの発達研究センターの東田 陽博特任教授(神経化学)は「オキシトシン治療の実現に向け、会社設立は大きな一歩と なるだろう」と力を込める。 自閉スペクトラム症 自閉症やかつてアスペルガー症候群と称されていた症状の総称。 先天的な(生まれつきの)脳の障害とされ、独特のこだわりを持っていたり、対人関係や コミュニケーションが苦手だったりする。知的障害を伴う場合もあれば、知能の遅れのな い人もいる。 感染症の公表、患者や施設の利益重視 北九州市の検討会が基準見直し案 朝日新聞 2015 年 2 月 18 日 【山根久美子】 北九州市で昨秋発生した赤痢の集団感染を受けて設置された、市の感 染症の公表基準を見直す検討会の最終会合が16日、市役所であった。 「感染者の性別は原 則公表しない」 「患者や施設の権利や利益を侵害する恐れがある場合は事例を公表しない」 などとした見直し案がまとめられた。 検討会は保育所や幼稚園などの施設関係者、医療機関、感染症の専門家など16人で構 成。岡部信彦・川崎市健康安全研究所長を会長に、計4回の会合を重ね、感染症公表要領 について議論してきた。 昨秋発生した赤痢の集団感染では、市が保護者や報道機関に発生を公表するタイミング が遅れたため、感染が拡大した可能性があるとも指摘されていた。この批判を受け、市は 検討会を設置して基準を見直すとしていたが、検討会では「人権保護が重要」「特定される ような情報を施設としては公表してほしくない」などの意見が多かった。 各地で“振り込め詐欺”撲滅訴える~警視庁 ytv ニュース 2015 年 2 月 18 日 警視庁が、都内各地で振り込め詐欺などの特殊詐欺撲滅キャンペーンを行った。 あきるの市では17日、地元の高校生や市民が集まる中、福生警察署員が振り込め詐欺 の手口を寸劇で披露した。また、高校生が手軽に稼げるバイトとして、振り込め詐欺の受 け子役をして逮捕されてしまうというストーリーのDVDも上映し、高校生に絶対に振り 込め詐欺に手を出さないでほしいと訴えた。 また、北区では王子警察署が地域の金融機関の職員に特製の「たすき」を配布した。銀 行などでは日頃から振り込め詐欺などに注意するよう来店者に声掛けをしているが、「王子 警察署」とプリントされたたすきを掛けることで、職員が声掛けしやすくする狙いがある という。 社説:高齢者への虐待 社会で介護を支えよう 中日新聞 2015 年 2 月 18 日 高齢者への虐待件数が増えている。厚生労働省の調査によると、二〇一三年度は前年度 比4%増の一万六千件だった。認知症に関する知識の普及や、介護を担う家族への支援が 急務だ。 調査は高齢者虐待防止法に基づき〇六年度に開始。一三年度は過去三番目に多かった。 内訳は、特別養護老人ホームなど介護施設の職員による虐待が二百二十一件、残りが家 族や親族などによるものだった。施設職員による虐待件数は前年度比四割増と急増してお り、被害者の八割超が認知症の人だった。死亡したのは二十一人で、いずれも家族らによ る虐待が原因だった。 職員による虐待の内容で最も多かったのが殴る蹴るなどの「身体的虐待」で64%。次 いで暴言や無視などの「心理的虐待」、 「介護放棄」が続いた。 虐待件数が増加している要因について、厚労省は「市町村の取り組みが進んだことに加 え、施設職員の意識の高まりから、虐待が広く拾われるようになったため」と説明。確か にそれも一因だろう。 だが、発生要因は、施設職員の場合、徘徊(はいかい)や妄想など認知症の症状などの 知識不足に次いで「職員のストレス」が多かった。家族らの場合、最多が「介護疲れ・介 護ストレス」だ。 悲劇を防ぐために市町村の取り組みをより強化するべきだ。調査で、介護保険サービス を受けていると、第三者の目が入るため虐待の深刻度が低いということも分かった。在宅 介護サービス事業者、医療機関、警察などと連携し、未然防止や早期発見に努めたい。ま た、虐待する家族はアルコール依存症やうつ病などを患っているケースも多く、家族への 支援も求められる。認知症の人や家族を支援する「認知症サポーター」は現在五百八十万 人が登録しているが、地域での見守りネットワークをさらに充実させたい。 認知症の人は二五年に約七百万人になるという。心配なのは、四月から介護報酬が引き 下げられ、認知症グループホームを含め軒並み報酬減となることだ。事業者が撤退したり 現場の人手不足がより深刻になることが懸念される。四月から実施される介護保険サービ スのカットで介護を担う家族の負担も増大する恐れがある。 政府は先月末、認知症対策の総合戦略で「認知症高齢者にやさしい地域づくり」を宣言 したが、一連の見直しは、その理念に逆行している。 社説:佐世保児相処分/命に関わる仕事の自覚を 河北新報 2015 年 2 月 18 日 よくある職員の処分とやり過ごせることではない。 人の命に関わる事件で、またもやりきれない「お役所仕事」の不祥事が認定された。 昨年7月に起きた長崎県佐世保市の高1女子生徒殺害事件に関連し、佐世保こども・女 性・障害者支援センター(児童相談所)の幹部職員が16日、県から戒告の懲戒処分を受 けた。 加害側の16歳少女に関し、事件前に精神科医から寄せられた情報をきちんと扱わず、 放置していた責任が問われた。 少女を診察した精神科医が「放置すれば(少女が)誰かを殺すのではないか」と踏み込 んで警告していたのに、児相は正式な相談事例として対応せず、必要な調査を怠っていた。 対応していれば事件は防げたかどうかは分からないとしても、事態が警告通りに進んだ ことを考えれば、悔いが残る。 通報と放置は、間違いなく事件の重大な岐路だった。 少女は父親(事件後自殺)を以前バットで殺そうとした容疑も含めて、家裁送致された。 少女自身が抱えた闇の解明など、今後は審理と処分が注目されることになるが、事件に 至る経緯の検証はそれだけでは十分でないことが分かる。 同種の事件を繰り返さないために関係者は、児相の対応こそ詳細に分析し、共有すべき 教訓と受け止める必要がある。 犯罪可能性のある子どもに関する対応の責任は本来、児相だけが負うものではない。児 童福祉法に基づいて、自治体や警察などとともにつくる地域の協議会が、虐待保護などと 同様に対応することになっている。 今回は、精神科医がその協議会で取り上げることも児相に打診していたが、児相は拒否 してしまい、せっかくの問題共有の仕組みは生かされなかった。 放置や拒否の要因として、男性課長が日常的に部下に威圧的態度で接し、通報を受け入 れないよう指示していたことが指摘されている。 「放っておけ」という言葉もあったという。 パワハラ職場の中で相談もできない空気があり、窓口段階で通報は葬られた。事件の重 大性と照らしたときのあまりの卑小さにあぜんとしてしまう。 どんなに立派な組織や仕組みがあっても、職員の問題意識と使命感がなければ動かない。 子どもの未来に関わる仕事の自覚が、佐世保の児相現場には欠けていたと言わざるを得な い。 幼児虐待でも、通報を生かせず、小さな命が守れなかった事例が各地で繰り返される。 通報件数は年々増えて複雑化し、現場の対応が困難になっている事情はあるにしても、 虐待死を防ぐ最前線の覚悟が個々の職員にあれば、対応できたケースは少なくないはずだ。 それはストーカー事案の対応を誤り、殺人事件の発生を食い止めきれなかった警察の不 手際にも通じるところがある。 惰性や萎縮や怠慢を戒め、職務の原点に立ち返ることが必要だ。窓口業 務一つにしても仕事の先には、人の命がある。 月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も 大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行
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