治験対象の年齢層間に有効性の低下は認められず

この資料は、英国グラクソ・スミスクライン plc が 2015 年 4 月 28 日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、
報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその
解釈については英語が優先します。詳細は http://www.gsk.com をご参照下さい。
2015 年 5 月 28 日
報道関係各位
<2015 年 4 月 28 日 英国ロンドン発>
開発中の帯状疱疹ワクチンが 97.2%の有効性、
治験対象の年齢層間に有効性の低下は認められず
-帯状疱疹は 50 歳以上の成人の罹患リスクが
90%以上と健康保険負担が大きい i,ii,vi
2015 年 4 月 28 日、グラクソ・スミスクライン plc(本社:英国以下 GSK)は、開発中の帯状疱疹予
防ワクチン候補 HZ/su を評価する無作為化第 III 相試験で 50~70 歳以上の年齢層で有効性が
維持されたことを示す詳細なデータを発表しました。このデータは、コペンハーゲンで開催された
第 25 回欧州臨床微生物学感染症学会議(ECCMID)で発表され、同時に New England
Journal of Medicine でもオンラインで公開されました。
主要評価項目の解析から、50 歳以上の成人に HZ/su を 2 回投与した場合、帯状疱疹のリスクを
プラセボと比較して 97.2%減らしたことが示されました(95%信頼区間[CI] 93.7~99.0)。ワクチン
の有効性は治験対象となった各年齢層で維持され、50~59 歳で 96.6%、60~69 歳で 97.4%、
60 歳以上で 97.6%、70 歳以上で 98%のリスク低下が認められました。年齢層間でワクチンの有
効性に有意な差はありませんでした。
重篤な有害事象が認められた被験者、免疫の関与が疑われる疾患が起こった被験者、または死
亡した被験者の割合はワクチン投与群およびプラセボ群で同程度でした。最も多かった局所的な
副反応は、接種部位における疼痛、発赤、腫脹でした。これらの反応が重度であった被験者の割
合は、HZ/su 群が 9.5%、プラセボ群が 0.4%でした。全身性の副反応で多く認められたものは、
筋肉痛、倦怠感、頭痛で、HZ/su 群の被験者のうち 11.4%、プラセボ群の被験者のうち 2.4%が
重度でした。これらの反応はワクチン接種から 7 日以内に生じ、ほとんどが 1~3 日間持続してい
ます。
HZ/suは、帯状疱疹を引き起こすウイルス中のタンパク質であるgEをアジュバントシステムの
AS01B, iiiと組み合わせることで、強い免疫反応を促す不活化ワクチンです.
このほかにも、70 歳以上の高齢者と免疫不全者を対象に HZ/su の帯状疱疹の予防効果を評価
する臨床試験が現在進行中です。これらの試験により、特定の集団に対する HZ/su の安全性や
免疫原性に関する情報や、帯状疱疹後神経痛(PHN)iv としても知られる慢性の神経障害性疼痛
など帯状疱疹の後遺症の予防に対する HZ/su の効果についてさらなる情報が得られる予定です。
GSK Global Vaccines のチェアマンである Moncef Slaoui 氏はこう述べています。「この試験に
より、帯状疱疹予防における有益性が明らかになる可能性があることを大変嬉しく思います。帯
状疱疹は、特に罹患率が高くなる特定の患者さんや高齢者に痛みを起こし、衰弱させてしまう病
気です。私たちは、当社の今後の帯状疱疹プログラムの開発に期待しています。
<参考>
ZOE-50 試験について
ZOE-50(50 歳以上の成人患者の帯状疱疹に対する有効性)試験は、無作為化、観察者盲検、プ
ラセボ対照(生理食塩水)、多施設共同(北米、欧州、南米、アジア太平洋地域)第Ⅲ相臨床試験
であり、50 歳以上の成人 16,160 名が参加しています。この試験は、2010 年 8 月に開始、2014
年 12 月に重大な有効性データが報告されました。ワクチンは 2 回接種で初回と 2 ヵ月後に筋肉
内注射で投与します。この試験の主要評価項目は、プラセボと比較した、帯状疱疹の発症リスク
抑制における HZ/su の各年齢層(50~59 歳、60~69 歳、70~79 歳、80 歳以上)の全般的なワク
チンの有効性(overall vaccine efficacy[VE])です。
HZ/su の第Ⅲ相試験プログラムについて
国際治験として被験者 37,000 人以上が参加する、HZ/su の第Ⅲ相プログラムでは、有効性、安
全性、免疫原性を評価しています。高年齢の成人以外に、HZ/su は免疫不全の患者集団でも評
価が行われており、そのなかには固形がん・血液がん患者、造血幹細胞や腎移植のレシピエント、
HIV 感染者も含まれています。
帯状疱疹について
帯状疱疹は通常、痛みとかゆみを伴う発疹が身体の片側に出現する疾患です。この発疹は、潜
伏していた水痘ウイルス(帯状疱疹ウイルス[VZV])の再活性化によって起きます。VZV に感染
したことのある人は誰でも帯状疱疹を発症するリスクがあり、主なリスク因子には加齢や免疫系
の変化が挙げられます。vi 帯状疱疹の後遺症には、瘢痕、視覚障害、二次感染、神経まひなどが
ありますが、もっともよくみられるのが帯状疱疹後神経痛(PHN)iv です。
各国からのデータによると、成人の 90%以上が野生型 VZV に感染している v ため 、高齢患者
(50 歳以上)は帯状疱疹のリスクが高いとされており、50 歳を超えるとそのリスクは急激に上昇し
ます。PHN や入院などの合併症のリスクも加齢に伴って上昇します。帯状疱疹を発症する生涯リ
スクはおよそ 3 人に 1 人ですが、85 歳以上になるとリスクは上昇し、2 人に 1 人の割合で発症し
ます。vi
<参考文献>
i Shingles (Herpes Zoster) Clinical Overview. US Centers for Disease Control and Prevention, May 1st
2014. Accessed at: http://www.cdc.gov/shingles/hcp/clinical-overview.html on 15th April 2015.
ii Sadzot-Delvaux, et al., 2008; JID (suppl). 197:S185
iii The GSK proprietary AS01 adjuvant system contains QS-21 Stimulon® adjuvant licensed from
Antigenics Inc, a wholly owned subsidiary of Agenus Inc. (NASDAQ: AGEN), MPL and liposomes
iv Johnson, RW et al N Engl J Med 2014;371:1526-33
v Shingles (Herpes Zoster) Clinical Overview. US Centers for Disease Control and Prevention, May 1st
2014. Accessed at: http://www.cdc.gov/shingles/hcp/clinical-overview.html on 15th April 2015.
vi S. Pinchinat et al: Similar herpes zoster incidence across Europe: results from a systematic literature
review. BMC Infectious Diseases 2013, 13:170
GSK – グラクソ・スミスクラインは、研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業
であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを
企業使命としています。詳細は、http://www.gsk.com をご覧ください。
<ジャパンワクチン株式会社について>
グラクソ・スミスクライン株式会社、第一三共株式会社による 50%ずつの出資により、2012 年 7 月 2
日より営業を開始しました。「力をあわせて、未来を守る」をスローガンに、日本国内における予防ワク
チンの臨床開発、マーケティングならびに営業活動を行っています。
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<お問い合わせ先>
グラクソ・スミスクライン株式会社
広報部
TEL:03‐5786‐5030
http://glaxosmithkline.co.jp
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ジャパンワクチン株式会社コーポレートアフェアーズ部門
〒102-0081東京都千代田区四番町6東急番町ビル
TEL:03-5213-2713
URL: http://japanvaccine.co.jp