エクセルから財務システムへの移行 財務管理システム 表計算ソフトから財務システムへ移行する最適な時期はいつでしょうか? 切り替えの効果が出るまでにど のくらいかかるでしょうか? 中規模企業の場合、その効果は思っているより早く現れます。 財務の専門家は、特に中規模市場の企業の場合、表計算ソフトでの作業から財務管理システム (TMS) への投資へ と切り替えるのに最適な時期を見極める必要があります。しかし、その投資の効果が生まれるのはいつなのでしょう か? 当社が最近行った 130 名以上の財務専門家への調査によれば、81%の回答者が運営ワークフローの自動化 により戦略策定の時間に費やせると答えています。 このうち、14%は時間を少なくとも 50%節約できると考えていま す。これは大きな投資対効果です。 他地域への拡大を開始した同族企業の自動車部品メーカーの例は、エクセルから TMS への切り替えプロセスに伴う 状況の良い例となっています。 本社を拠点とする財務専門家は、未だにすべての作業をエクセルでこなしていました。 少数の銀行口座の概要に目 を通すだけで十分であったため、銀行ポータルの各現金残高を把握するのにさほど時間はかかりませんでした。それ でも、会社の現金レベルの正確性を確保するために、完璧な作業が要求されていました。 海外 3 か国で新しく子会社が開設されたため、この財務専門家は現地の 2 銀行との業務を扱うようになりました。 財務専門家のポートフォリオには、新しく 2 つの海外通貨も追加されました。表計算ソフトの表や計算は、かなり迅速 に調整されましたが、数値を更新し、それをユーロに変換するのに少し時間がかかるようになりました。 幸いなことに、 この専門家は子会社の現地会計士のサポートを受けていました。おかげで時間は節約されましたが、バージョンが複 数ある書類を扱う必要が出てきました。その上、どのキャッシュフローが更新されているのかを正確に確認するのは 非常に困難でした。また、外国為替のリスクを回避するため複数の為替先物取引やオプションを購入したため、プラン はさらに複雑なものとなりました。 そして、ついに、新しい子会社のうちの 1 社からの数値更新の遅れが発生しました。 数百万ユーロにも及ぶ為替が入 ってくることを、財務専門家は知らされていませんでした。為替レートが不利であったため、損失は重大なものとなりま した。会社は業績下方修正を発表しなければならず、この時点で CFO は財務管理システムへの投資について再考 するようになりました。 TMS は企業全体の全てのキャッシュフローをカバーした金融取引を可能にし、可視化します。日々の市場データを入 力することによって、キャッシュフローを自動的にグループ通貨に変換しやすくなります。しかも、すべてが完全に記録 されるため、財務専門家は原通貨でのキャッシュフローに遡ることも可能です。FX リスクを回避する際は、金融派生 取引を元のキャッシュフローにリンクすれば自動的に評価が計算されます。また、すべてのキャッシュフローが中央管 理されるため、CFO や監査人向けの解析やレポートもシステム内で容易に作成できます。監査証跡ではデータ変更 も自動的に記録されるため、監査におけるもう 1 つの共通課題も解決します。 財務管理システムは、大企業のみを対象としたものではありません。クラウド技術により、中規模企業も大企業と同様 のコアテクノロジーを、使用方法や予算に合わせて簡単に取得できるようになりました。また、クラウド基盤の財務技 術は、中規模企業による財務システムへの切り替えを可能にしています。IT リソースを当てにしなくても、ブラウザを 使ってサインインすれば、常に自動的に更新される最新バージョンのアプリケーションを利用できます。 財務管理システムがもたらす効率面とセキュリティ面での利点、および時間の節約や解析の可能性を検討する際に は、表計算ソフトによって起こりうる損失可能性も忘れてはなりません。すべてを考慮すると、財務テクノロジーへの投 資による効果は、企業が考えているよりもはるかに早い時期に生まれる可能性があります。 出典: http://www.bobsguide.com/guide/news/2015/Aug/25/making-the-switch-from-excel-to-a-treasury-system.html 本記事の初出は bobsguide です。 This article fist published on bobsguide. 2015 年 8 月 25 日 著者: Helmut Springer (Reval ヴァイスプレジデント)
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