商船三井グループの経営とCSR

商船三井グループの経営とCSR
CSR
(企業の社会的責任)
に対する基本的な姿勢を、グループ企業理念に示しています。
この理念を具現化するため、商船三井グループは日々の事業活動を通じて世界の輸送需要に応えるとともに、経営基盤強化に
そして、その持続的成長をより確実なものとするため、商船三井グループの社員が永続的に継承していく価値観として、
当社グループは国際海運事業を核としグローバルに事
業を展開しているため、ステークホルダーも全世界で多岐
にわたっています。CSRとは、法令、社会倫理、安全、環境、
「MOL CHART」
を2015年4月に制定しました。
人権などにも十分に配慮した経営により、全てのステークホ
ルダーに貢献し、
その支持、信頼を得ながら社会とともに持
商船三井グループの企業理念
2.社会規範と企業倫理に則った、透明性の高い経営を行ない、知的創造と効率性を徹底的に追求し企業価値を
高めることを目指します
また、当社グループ企業理念において、総合輸送グルー
プとして世界経済の発展に貢献していくことを宣言してお
り、
この理念を具現化していくことが、当社グループの取り
3.安全運航を徹底し、海洋・地球環境の保全に努めます
組むべきCSRの基盤となっています。
長期ビジョン
世界の海運をリードする強くしなやかな商船三井グループを目指す
議の下部機関である3つの委員会が中心となってCSRに関
する方針や対策を審議しています。
大局観をもって、未来を創造します
Honesty
正道を歩みます
Accountability
「自律自責」
で物事に取り組みます
内容
CSR・環境対策
委員会
商船三井グループのCSR全般に関する重点
課題
(マテリアリティ)
を特定し、取り組み方
針の審議、目標設定、
レビューを実施
安全運航対策
委員会
当社グループの運航船における安全運航の
徹底に関する基本方針や対策を審議
コンプライアンス
委員会
コンプライアンス体制の整備やその違反に
ついての処置、個人情報保護管理体制に関
する方針や対策について審議
重要課題の特定
企業活動が社会に及ぼす影響が大きくなり、
さらには企
CHARTとは、共有すべき価値観を表す5つの言葉の頭文字
Reliabilityは、お客様から信頼を得るために世界最高水準の
を合わせたもので、同時に進むべき未来を示す
「海図」
の意味も
安全とサービスを提供する、当社グループのコアコンピタンス。
Teamworkは、当社の長い歴史のなかで受け継いできた技
術やノウハウ、お客様との関係をきちんと社員が共有し、次世
代につないでいくこと。
を十分に分析した上で、新たなことに挑戦すること。
商船三井グループの社員一人ひとりが、
この価値観を共有
業の環境・社会側面の取り組み状況が企業経営や企業価値
に及ぼす影響も年々、強まってきています。
当社グループでは、
「安全運航」
「環境保全」
「ガバナンス」
「コンプライアンス」
「人材育成」
の5つを重点取り組み課題に
特定し企業活動を推進しています。
Accountabilityは、何か問題が起きた際に当事者意識を持っ
しながら
「世界の海運をリードする強くしなやかな商船三井グ
インや社内外のステークホルダーの意見、
お客様からのアン
ループ」
を実現します。 ケート調査の内容等も踏まえ、関係部署とのミーティングを
行い、最終的にCSR・環境対策委員会にて審議し、経営トッ
CSR概念図
プの承認を得て行いました。
コーポレート・ガバナンス、
リスク管理、
アカウンタビリティ、公正取引、人権への配慮、
社会貢献活動、人材育成など
ト」
に参加し、人権と労働に関する普遍的原則の支持と実践
http://www.mol.co.jp/csr-j/csrpolicy/molcsr/globalcompact/
また、船員の基本的権利を定めた、2006年の海上の労働
に関する条約
(MLC2006)
では、人権に関して以下の4つを
定めています。
1. 結社の自由及び団体交渉権の実効的な承認
2. あらゆる形態の強制労働の撤廃
3. 児童労働の実効的な廃止
ステークホルダー
からの信頼
事業活動
ステークホルダー
からの支持
●
企業価値向上
●
ステークホルダーへの貢献
●
社会的課題の解決と
社会の持続的成長への貢献
当社船では、船上コンプライアンス規程を定め、上記4つ
の人権の尊重と宗教・国籍・年齢・性別による差別を禁止し、
ハラスメントに対する苦情の受け付け対応手順を定めてい
ます。さらに毎月船内コンプライアンス委員会を開催し、船
員と船上コンプライアンスオフィサーのダイアログを通し、
人権問題・差別・ハラスメントに対する取り組み状況の確認・
評価を行っています。
調達基本方針
お客様のサプライチェーンの一端を担う企業グループと
しての責任を果たすべく、CSR・環境対策委員会の審議のも
と、2012年に
「商船三井グループ調達基本方針」
を策定し
ました。
コーポレート・ガバナンス
当社のコーポレート・ガバナンスの基本理念は、企業理念
[調達基本方針については、Webサイトを参照]
http://www.mol.co.jp/csr-j/csrpolicy/molcsr/procurement/
データ
中期経営計画
MOL CHART
長期ビジョン
企業理念
CSRの取り組み内容
り組みを実施しています。また、
「 国連グローバル・コンパク
社会貢献活動
し、判断の拠り所とすることで、グループの総合力を強化・結集
安全運航、環境保全、
コンプライアンス、
情報の告知、社外講座への参加や人権標語の募集などの取
なお、課題の特定に際しては、国際的なCSR関連ガイドラ
Honestyは、社会規範を遵守し、正々堂々と事業を遂行すること。
て解決策を考え、
ひとりよがりにならずに周囲と協調すること。
人権意識の定着に向け、人権問題についての研修や人権
環境
もってマクロの視点で新しい価値観を生み出すこと、
またリスク
人権への取り組み
人材育成
Teamwork
強い組織を作ります
Challengeは、ただ挑戦することではなく、大局観・歴史観を
[コーポレート・ガバナンス、
リスクの管理については、
アニュアルレポートを参照]
4. 雇用及び職業についての差別の撤廃
お客様の信頼に応えます
併せ持ちます。
経営改革を実施しています。
[グローバル・コンパクトについては、Webサイトを参照]
名称
Reliability
ク管理とコンプライアンス」
を柱とする一連の
コンプライアンス
Challenge
聘」
「経営と業務執行の分離」
「説明責任」
「リス
を表明しています。
CSRに関する方針や対策を審議する委員会
グループ共有の価値観「MOL CHART」
レート・ガバナンスの体制を構築すべく、
「 社外取締役の招
安全運航
CSRの推進については、社長を最高責任者とする経営会
この理念を実現するために、当社に最も適しているコーポ
CSR
1.顧客のニーズと時代の要請を先取りする総合輸送グループとして世界経済の発展に貢献します
続的に発展していくことであると考えます。
ることを目指します」
と、要約されています。
特集
向けたCSRの取り組みを推進することで、社会とともに持続的に成長する企業を目指します。
ない、知的創造と効率性を徹底的に追求し企業価値を高め
CSRに取り組む狙いと体制
に、
「社会規範と企業倫理に則った、透明性の高い経営を行
[中期経営計画については、
アニュアルレポートを参照]
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商船三井グループ 安全・環境・社会報告書 2015
商船三井グループ 安全・環境・社会報告書 2015
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