ψ ψ ψ ψ

量子力学II 定期試験
理工・材料機能工学科
試験時間85分 出題者:岩谷素顕 1枚目/4枚中
学籍番号
氏名
持込許可: 関数電卓・定規
評
点
注意事項:答えを導出する過程(計算式)も記述すること。答えには、必要に応じて単位をつけること。
1. 右の図のように、左から右へ進行する質量mの電子が、真空から金属内に入る状態を考える。この過程を図のようなエネル
ギー状態で考えた時の透過率・反射率を求める。下記の問いに答えなさい。なお、金属は十分に厚く無限遠まで続いていると
して計算しなさい。(合計:20点)
(1) 真空中、金属内のシュレーディンガー方程式を導出しなさい。 ただし、真空中の波動関
エネルギー
数を、金属内の波動関数をとして計算しなさい
真空中
金属内
(2) 真空中、金属内における電子の波動関数の一般解を求めなさい。
質量m
(3) 入射波と反射波の振幅比、入射波と透過波の振幅比を求めよ。
(4) 電子の透過率T,反射率Rを求めなさい。ただし、下記の確率の流れ密度S(x,t)の式を
x
E
使って良い。
 
  x, t 
 * x, t  
O
S x,t  
  x, t 
 * x, t 

V0
2im 
x
x

(5) E=1eV、-V0=-3eV、m=9.11×10-31 kgとした場合の電子の透過率を求めなさい。
-V0
量子力学II 定期試験
理工・材料機能工学科
持込許可: 関数電卓・定規
試験時間85分 出題者:岩谷素顕 2枚目/4枚中
注意事項:答えを導出する過程(計算式)も記述すること。答えには、必要に応じて単位をつけること。
2. 以下の問に答えなさい(各5点×4)
(1) 主量子数・方位量子数・磁気量子数はそれぞれ何を決定する量子数か?説明しなさい
(2) 共有結合とイオン結合を比較すると共有結合の方が結合エネルギーが大きくなる傾向がある。その理由を説明しなさい。
(3) 水素原子モデルでは、極座標表示で解析を行っている。その理由を簡単に説明しなさい。
(4) H2、Li2、B2、C2、N2、O2、F2の中で常磁性を持つ分子はどの分子か?またその理由を各分子の軌道エネルギーと電子配置
を書き説明しなさい。
量子力学II 定期試験
持込許可: 関数電卓・定規
理工・材料機能工学科
試験時間85分 出題者:岩谷素顕 3枚目/4枚中
学籍番号
氏名
注意事項:答えを導出する過程(計算式)も記述すること。答えには、必要に応じて単位をつけること。
3. 水素原子の動径方向の波動関数は以下の式で与えられる。(合計:16点)
3
1
 r  2l 1  2r 
 2  2  n  l  1!  2  2r 

 Ln l 

 
 

Rn ,l (r )  
exp

3
 na 
na
na
na




2
n
n
l
!

0 
 0

 0 
  0
l
Lはラゲールの多項式と呼ばれ
k
 2r 






n
l
!

n  l 1
na0 
k 1

2 l 1  2r 
    1
Ln l 
n  l  1  k !2l  1  k !k!
 na0  k 0
2
と記述される。以下の問に答えなさい。
(1) 水素原子における2s軌道の動径方向の波動関数を求めなさい。(7点)
(2) 2s軌道の電子について存在確率が極大となるrを求めなさい。 (7点)
物理定数表
物理量
記
号
値
単位
電子の静止質量
m0
9.108×10-31
kg
電子の素電荷
e
1.602×10-19
C
プランク定数
h
6.626×10-34
J・s
ボルツマン定数
kB
1.380×10-23
J/K
光速
c
2.998×108
m/s
真空の誘電率
e0
8.854×10-12
F/m
アボガドロ数
NA
6.022×1023
/mol
ボーア半径
a0
5.292×10-11
m
エネルギー換算
1eV =1.6022x10-19J
量子力学II 定期試験
理工・材料機能工学科
持込許可: 関数電卓・定規
試験時間85分 出題者:岩谷素顕 4枚目/4枚中
lˆy
4. –L/2≦x≦L/2で定義された無限に深い量子井戸がある。この井戸内に閉じ込められた質量mの電子が閉じ込められていると
する。この状態を無摂動とした時、基底状態のエネルギー固有値E1と規格化した波動関数φ1(x)0は以下の通りである。
2
E
2
 
2   
(0)
E1
(0)

 
2m  L 
1(x)

L
 cos  x 
L 
∞
この時、図2のように、量子井戸の底がわずかに正弦波的に盛り上がって、ポテンシャルエネ
ルギーが

πx  L
L
V0 cos L   2  x  2 


V(x)  
  x   L ,x  L 
2
2


と変化したとする。。この井戸内に閉じ込められた質量mの電子の基底状態のエネルギー
固有値を一次の摂動法で求めなさい。(12点)
V0
x
L

2
図2
L
2