ミュージアム・マネージメント

ミュージアム・マネージメント (教員名) <松永 久>
Museum Management 都市経済・地域政策研究分野 探究科目 1単位 前期集中 Ⅰ 科目の主題と目標 運営と経営は、言葉は似ていますが、意味は大きく違います。国内のミュージアムの中で、公立のミ
ュージアムのほとんどは運営をしていますが、経営はしていません。本講義では、国内のミュージアム
が運営から経営を志向するためには、どのような知識と活動が必要かについて、事例と演習を中心に展開
します。 Ⅱ 授業計画または科目内容の要旨 第 1 回 わが国のミュージアムの現状と直面する課題(ミュージアム経営の視点から) *運営と経営はどう違うのか、わが国におけるミュージアム概論、 15 回の授業のあらまし、成績評価の方法に関するガイダンス 第 2 回 ミュージアム経営におけるポイント I(人について) *来館者の体験学習プログラム、職員の人材育成プログラム など 第 3 回 ミュージアム経営におけるポイント II(もの、情報について) *事物の展示、情報発信、ミュージアムシアター など 第 4 回 ミュージアム経営におけるポイント III(お金について) *ファンドレイジング、スポンサー制度、友の会、ミュージアムショップ など 第 5 回 ミュージアム経営におけるポイント IV(住民、国民理解/リスク対策について) *税金投入に関する住民の理解をどのように得るか、 ミュージアムにおけるリスクマネージメント など 第 6 回 ミュージアムにおける指定管理者制度の現状と課題(国内の事例をもとに) *ミュージアムの指定管理者制度に関する三菱総合研究所主任研究員とともに(案) 第 7 回 ミュージアムにおける PFI(PrivateFinaceInitiative)の導入可能性(国内の事例をもとに) 第 8 回 海外のミュージアムに見る経営の工夫(ボランティアガイド、アウトリーチ活動) 第 9 回 観光とミュージアム(訪日外国人観光客 2000 万人時代への対応) *神戸夙川学院大学観光学部田邊文彦教授(元三菱総合研究所主任研究員)をゲストに招いた
ディスカッション 第 10 回 過去に携わった海外の博物館案件(エジプト、スリランカの例) 第 11 回 演習 I グループディベート(1) *ディベートテーマ:市町村における博物館の廃止に関して(ある地方自治体において博物館
の廃止が議論されたという前提で、廃止派と継続派に分かれてディベートを行う。) 第 12 回 演習 II グループディベート(2) *ディベートテーマ:博物館の直営、民間委託に関して(公共が建設した博物館の運営について
直営派と委託派でディベートする。) 第 13 回 演習 III グループワーク(1) *ワークテーマ:ミュージアムへの来館者を促すキャンペーンを企画しよう!(人気回復のため
に地域住民向けキャンペーンを展開するという設定でのワーク) 第 14 回 演習 IV グループワーク(2) *ワークテーマ:日本の伝統文化を伝える子供向け体験学習プログラムをつくろう! *チルドレンズミュージアム専門家の染川香澄さんをゲストに招いたワーク 第 15 回 まとめ *14 回にわたって行った授業を振り返って(質問、意見なども受付) Ⅲ 成績評価の方法 評価は、自己評価と教員評価の両方で行うことを想定しています。第 15 回の最後に自己評価票を配布
し、記入後に、教員評価を書き込みます。評価は、授業に対する積極性、特に演習における積極性、内
容理解の正確性などを元に評価します。なお、当日の欠席者については、メールなどにより別途送付で
きるようにします。 Ⅳ 教科書・参考書 『ミュージアム・マネージメント事典(平成 26 年 6 月発売予定) 』 日本ミュージアム・マネージメント学会 Ⅴ その他、履修にあたっての指示・注意事項
自己紹介の際に、自分がこれまで行ったことがあるミュージアムの中で一番好きなミュージアムとその
理由を話していただくことを考えています。