演習3 I. 極限値 log(1 + x) − x x→0 x2 A = lim を計算したい。 (i) log(1 + x) を x のべき級数であらわせ。 (ii) log(1 + x) − x を x のべき級数であらわし,極限値 A の値を求めよ。 x2 log(1 + x) − (a0 + a1 x + a2 x2 ) が 0 でない実数となるよう x→0 x3 に実定数 a0 , a1 , a2 を決定せよ。またそのときの極限値を求めよ。 II. 極限値 lim 1 III. e 10 の小数近似を 5 次近似 x2 x5 1 e =1+x+ + ··· + + 2! 5! 5! ∫ x et (x − t)5 dt x 0 を利用して求めよ。誤差の評価も適切に与えること。 ———————————————————————1 , I. (i) log(1 − x), log(1 + x) の x に関するべき級数はそれぞれ、 1−x の幾何級数展開を積分してつくれるのだった。 実際, log(1 + x) = x − (ii) 分子は (x − x2 2 + x3 3 1 1+x x2 x3 x4 + − + ··· 2 3 4 2 − · · · ) − x = − x2 + x3 3 − · · · であるから log(1 + x) − x 1 x x2 =− + − + ··· x2 2 3 4 1 よって x → 0 として A = − である。 2 II. 考え方は I の (ii) とおんなじ。分母が x3 だから分子のほうも x の2次 以下の部分がなくなって丁度 3 次の項から始まるように a0 , a1 , a2 を決め ればよい.つまり a0 = 0, a1 = 1, a2 = − 12 とすれば極限値は 13 である。 1 III. 講義中に説明した通り。5 次誤差は ( )6 1 1 1 ± · e 10 · 5! 10 1 で評価できる。さらに適当に e 10 < 54 などをつかってより具体的な有効桁 数を決定すればよい: ( )6 1 5 1 1 1 1 1 1 · · = · · 6 ≤ · 7 = 0.0000000125 5! 4 10 24 4 10 8 10 であって,5 次近似の値の方は 1+0.1+0.005+0.000166666 · · ·+0.00000416 · · ·+0.0000000833 = 1.10517091 · · · (各項の桁をそろえて和を縦書きにすると計算しやすい)。上の誤差評価 と照らし合わせてみると,小数点以下 7 桁まで正しいことがわかる。 2
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