ANNUAL REPORT 2015 目次 代表挨拶.................................................................. 4 HLAB TOKYO 2015....................................... 23 HLAB2015 開催概要......................................... 5 運営委員長挨拶..................................................... 24 参加者統計............................................................. 5 事前準備.................................................................. 25 HLAB World Wide Community.................... 6 日別振り返り......................................................... 25 HLAB 卒業生の進路 (2011 - 13) セミナー一覧......................................................... 30 メンター大学生 (SL/HL) の在籍校 セミナー詳細(一部) .......................................... 31 (2011-14) フォーラム............................................................. 32 主催団体・企画・運営団体................................ 8 ■ HLAB TOKYO 2015 ■ HLAB OBUSE 2015 HLAB TOKYO のフォーラム 登壇者一覧 フリーインタラクション.................................... 34 ■ HLAB TOKUSHIMA 2015 HLAB TOKYO のフリーインタラクショ ■ TOMODACHI HLAB TOHOKU ン 2015 supported by TOMODACHI フリーインタラクションゲストリスト コンビニ基金 全体協賛 開催地実施概要..................................................... 9 ワークショップ..................................................... 36 その他企画............................................................. 37 参加者について..................................................... 40 HLAB2015 フォーラム講演者一覧................ 10 参加者内訳 HLAB2015 ゲスト一覧..................................... 11 高校生の声 About HLAB........................................................ 14 HL の声 WHY HLAB SL の声 WHAT WE DO 運営委員の声 全地域共通プログラム 大学生名簿 セミナー 終わりに.................................................................. 46 フォーラム フリーインタラクション ワークショップ 事前合宿.................................................................. 16 HLAB OBUSE 2015....................................... 47 運営委員長挨拶..................................................... 48 事前準備.................................................................. 49 All EC(運営委員)合宿 日別振り返り......................................................... 49 HL MTG(ハウスリーダーミーティング) セミナー一覧......................................................... 52 イントロ.................................................................. 17 セミナー詳細(一部) .......................................... 53 アウトロ.................................................................. 18 フォーラム / フリーインタラクション........... 54 嵯峨野プログラム................................................. 18 HLAB OBUSE のフォーラム / フリーイ 高校生選考............................................................. 19 ンタラクション 今年の高校生選考の特徴 選考スケジュール スピーカー / ゲスト一覧 ワークショップ..................................................... 55 応募資格 2 日目 SHOKU ワークショップ 選考課題 5 日目 SHOKU ワークショップ 奨学金制度............................................................. 20 6 日目 プレイフル・ラーニング メディア掲載......................................................... 21 その他イベント..................................................... 57 参加者について..................................................... 60 参加者内訳 高校生の声 SL の声 運営委員の声 大学生名簿 2 終わりに.................................................................. 63 HLAB TOKUSHIMA 2015........................... 64 運営委員長挨拶..................................................... 65 日別振り返り......................................................... 66 セミナー一覧......................................................... 69 セミナー詳細(一部) .......................................... 69 フォーラム............................................................. 71 HLAB TOKUSHIMA のフォーラム フォーラムスピーカー一覧 フリーインタラクション.................................... 72 HLAB TOKUSHIMA のフリーインタラ クション フリーインタラクションゲスト一覧 ワークショップ..................................................... 73 ワークショップ一覧 その他イベント..................................................... 74 参加者について..................................................... 75 参加者内訳 高校生の声 HL の声 SL の声 運営委員の声 大学生名簿 終わりに TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015..... 79 運営委員長挨拶..................................................... 80 事前準備.................................................................. 81 日別振り返り......................................................... 81 セミナー一覧......................................................... 85 フォーラム............................................................. 86 TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 のフォーラム フリーインタラクション.................................... 87 TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 のフリーインタラクション フリーインタラクションゲスト一覧 ワークショップ..................................................... 88 その他イベント..................................................... 89 参加者について..................................................... 89 参加者内訳 高校生の声 HL の声 SL の声 運営委員の声 大学生名簿 終わりに.................................................................. 94 3 代表挨拶 「怖かったけど、本当に楽しかったよ。 」高校1年の メンター、そして各界の支援者から、地元の方々ま 夏、留学と言う全く得体の知れないオプションを前 でを巻き込み、HLAB の提唱するリベラル・アーツ に、迷っていた僕を後押ししてくれたのは、高校の の形は、日本全国へ広がりつつあります。 先輩のそんな言葉でした。 HLAB の出身者には、留学に踏み出し後輩としてハー そして3年後にハーバード大学へ。驚くべきことに、 バードに進学する者も、あるいは日本の大学で活躍 寮生活を通して得た経験も、全く同じでした。同級 の場を見いだす者も、はたまた大陸を変えプロの写 生や学部の先輩を見て「こんなやばい同世代に負け 真家を目指す者も。研究に励む者も、コンサルタン てられない」と感じ、大学院生に教えを受ける中で、 トとしてグローバル企業の課題解決に取り組む者も、 研究者としての生活を垣間見、社会人経験者と食事 英語教師になった者も。ただ共通して言えるのは、 に行きながら進路と人生を考えさせられる・・・。 彼らが自分の属するコミュニティで輝き、その経験 を持って HLAB の場に戻ってき続けているというこ 時には将来を選択する情報源に、時にはその一歩を とです。 踏み出す励みに。身近にいる人たちからの言葉以上 の学びのリソースはないのです。同じコミュニティ 国境や言語に限らず、世代や地域、様々なコミュニ にいるから受ける影響。自分に近い、でもかっこい ティ間を隔てる「ボーダー」を全く気にせず、世界 いお兄さん、お姉さんの影響。これが、HLAB の提 中どこでも活き活きと活躍し、お互いに刺激し続け 唱する「リベラル・アーツ教育」の本質です。 るコミュニティ。HLAB は、サマースクールを越え た存在に成長してきました。 そんな思いを胸に、震災直後、勇気を持って日本に 足を踏み入れてくれた 20 名の学友と、日本での準備 この場を借りて、ご支援をいただきました皆様に感 で奮闘した学友、その姿勢を見て、まだ企画書だけ 謝の気持ちを改めて申し上げると共に、HLAB から しか存在しない段階で多大なる支援を決めてくれた 巣立った者の活躍を 10 年、20 年と楽しみに見守っ 方々。その全員の思いは受け継がれ、今年で HLAB ていただけますよう、お願い申し上げます。 は 5 年目を迎えました。 当初の東京に加え、小布施、徳島、そして東北へと。 高校生、13 カ国 63 大学に広がった国内外の大学生 4 一般社団法人 HLAB 代表理事 小林 亮介 HLAB2015 開催概要 ■ HLAB TOKYO 2015 場所:鳳明館(東京都文京区) 2015 年 8 月 14 日 ( 金 )~22 日 ( 土 ) 参加者 : 高校生 80 名 / 海外大学生 23 名 / 日本人大学生 36 名 ■ HLAB TOKUSHIMA 2015 場所:牟岐少年自然の家(徳島県・牟岐町) 2015 年 8 月 15 日 ( 土 )~21 日 ( 金 ) 参加者 : 高校生 49 名 / 海外大学生 14 名 / 日本人大学生 25 名 期間中ボランティア 25 名 計 164 名 期間中ボランティア 9 名 計 97 名 ■ HLAB OBUSE 2015 ■ TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 場所:小布施町役場(長野県・小布施町) 2015 年 8 月 14 日 ( 金 )~20 日 ( 木 ) 参加者 : 高校生 50 名 / 海外大学生 12 名 / 日本人大学生 22 名 期間中ボランティア 19 名 / 計 103 名 supported by TOMODACHI コンビニ基金 2015 年 8 月 14 日 ( 金 )~21 日 ( 金 ) 場所:ELFARO / フューチャーセンター Camass 女川小学校(宮城県・女川町) 参加者 : 高校生 60 名 / 海外大学生 14 名 / 日本人大学生 24 名 期間中ボランティア 8 名 計 106 名 参加者統計 参加高校生合計:239 名 運営大学生合計:170 名 期間中ボランティア:61 名 5 HLAB World Wide Community HLAB 卒業生の進路 (2011 - 13) ★日本 ★アメリカ ★イギリス 東京大学 ハーバード大学 シェフィールド大学 京都大学 イェール大学 ウォーリック大学 一橋大学 プリンストン大学 インペリアル・カレッジ 筑波大学 ブラウン大学 レスター大学 東京工業大学 ペンシルバニア大学 東京外国語大学 コーネル大学 ★カナダ 東京医科歯科大学 ジョージタウン大学 マウント・アリソン大学 九州大学 ジョージ・ワシントン大学 ビリティッシュコロンビア大学 横浜市立大学 ミシガン大学 モントリオール大学 大阪市立大学 タフツ大学 マギル大学 秋田国際教養大学 ウィスコンシン大学マディソン校 トロント大学 徳島大学 カリフォルニア大学ロサンゼルス校 琉球大学 ロチェスター大学 ★オーストラリア 慶應義塾大学 ニューヨーク州立大学バッファロー校 クイーンズランド大学 早稲田大学 ジョージア工科大学 クイーンズランド工科大学 上智大学 ウースター大学 明治大学 ウェズリアン大学 ★フランス 国際基督教大学 スワースモア大学 パリ政治学院 法政大学 ハヴァフォード大学 青山学院大学 ポモナ大学 立教大学 ウィリアム・アンド・メアリー大学 学習院大学 デアンザ大学 同志社大学 ドラリー大学 関西学院大学 プラット・インスティテュート * 2011 年 (1 期生 ) 〜 2013 年 (3 期生 ) の内、 既に卒業している 134 名のデータ。 *交換留学や合格のみは含まない。 フェリス女学院大学 * 2014 年 12 月 09 日現在。 津田塾大学 東京女子大学 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 6 メンター大学生 (SL/HL) の在籍校 【日本】 【アメリカ】 【イギリス】 東京大学 ハーバード大学 オックスフォード大学 京都大学 イェール大学 シェフィールド大学 一橋大学 プリンストン大学 ウォーリック大学 東京工業大学 ブラウン大学 インペリアル・カレッジ 東京外国語大学 ペンシルバニア大学 ユニバーシティ・カレッジ・ 東京医科歯科大学 コーネル大学 ロンドン 東京学芸大学 コロンビア大学 レスター大学 大阪大学 ジョージタウン大学 エジンバラ大学 名古屋大学 スタンフォード大学 バーミンガム大学 九州大学 カーネギーメロン大学 LSE(ロンドン・スクール・ 横浜国立大学 イリノイ大学 オブ・エコノミクス) 大阪市立大学 ミシガン大学 ダーラム大学 秋田国際教養大学 タフツ大学 シェフィールド大学 信州大学 オレゴン大学 SOAS(ロンドン大学) 岡山大学 ミネソタ大学 マンチェスター大学 島根県立大学 ニューヨーク大学 トリニティー大学(ダブリン) 愛媛大学 ワシントン大学 徳島大学 ロチェスター大学 琉球大学 ウェルズリー大学 慶應義塾大学 シカゴ大学 早稲田大学 ウィスコンシン大学 上智大学 カリフォルニア大学 明治大学 ロサンゼルス校 国際基督教大学 バークレー校 法政大学 サンディエゴ校 青山学院大学 メリーランド大学 立教大学 フロリダ州立大学 学習院大学 ジョンズ・ホプキンズ大学 お茶ノ水女子大学 ウィリアムズ大学 立命館大学 ウェズリアン大学 同志社大学 スワースモア大学 同志社女子大学 ハヴァフォード大学 愛知教育大学 カールトン大学 鳴門教育大学 ウィリアム & メアリー大学 大阪教育大学 バックネル大学 津田塾大学 ローレンス大学 アメリカ創価大学 セント・ジョンズ大学 マカレスター大学 【カナダ】 クイーンズ大学 ビリティッシュ・コロンビア 大学 マギル大学 トロント大学 【ヨーロッパ】 パリ政治学院(フランス) カ・フォスカリ大学(イタリア) ハイデルベルク大学(ドイツ) ベルリン自由大学(ドイツ) 【アジア】 シンガポール国立大学 シンガポール・マネジメント大学 香港大学 北京大学 復旦大学 ソウル国立大学 清華大學 *2011 年〜 2014 年現在 7 主催団体・企画・運営団体 ■ HLAB TOKYO 2015 全体協賛 主催 : 一般社団法人 HLAB 協賛 ( 法人正会員 ) 共催 : 政策研究大学院大学 三菱商事株式会社 株式会社ピー・アンド・イー・ディレクションズ 企画運営 : HLAB TOKYO 2015 運営委員会 代表者 : 塘田明日香 ( 東京大学教育学部 3 年 ) 助成 : 一般社団法人東京倶楽部 独立行政法人国際交流基金 公益財団法人双日国際交流財団 ■ HLAB OBUSE 2015 主催 : 長野県小布施町 後援 株式会社アサヒネット 株式会社日本経済新聞社 共催 : 長野県教育委員会 一般社団法人 HLAB 企画運営 : HLAB OBUSE 2015 運営委員会 代表者 : 渡部寛史 ( 岡山大学医学部 5 年 ) ■ HLAB TOKUSHIMA 2015 助成 米日財団 主催 : 徳島県教育委員会 一般社団法人 HLAB 企画運営 : HLAB TOKUSHIMA 2015 運営委員会 代表者 : 広瀬ないる(東京外国語大学国際社会学部 2 年) ■ TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 supported by TOMODACHI コンビニ基金 主催 : 公益財団法人 米日カウンシル TOMODACHI イニシアチブ 共催 : TOMODACHI コンビニ基金 株式会社ローソン 株式会社ファミリーマート 一般社団法人 HLAB 企画運営 : TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 Supported by TOMODACHI コンビニ基金 運営委員会 代表者 : 谷口優太 ( 明治大学商学部 4 年 ) 協力 : 女川町 特定非営利法人アスヘノキボウ TOMODACHI イニシアチブとは、公益財団法人 米日カウンシル - ジャパンと東京の米国大使館が主導する 官民パートナーシップで す。東日本大震災後の日本の復興支援から生まれ、教育、文化交流、 リーダー シップといったプログラムを通して、日米の次世代のリー ダーの育成を目指します。 このプログラムは、在日米国大使館と米日カウンシルが主導 する日米両国の若者育成を目的とした官民 パートナーシップ、 TOMODACHI イニシアチブの趣旨に賛同した TOMODACHI コン ビニ基金 ( 株式会社 ローソン、株式会社ファミリーマート ) が支援 します。 8 開催地実施概要 2015/8/10 (月 ) ~ 8/28 (金) HLAB TOKYO HLAB 事前合宿 HLAB OBUSE HLAB 事後合宿 (イントロ) HLAB TOKUSHIMA (アウトロ) TOMODACHI HLAB TOHOKU ■ HLAB TOKYO 2015 ■ HLAB TOKUSHIMA 2015 開催日程 : 開催日程 : 2015 年 8 月 10 日 ( 月 )~13 日 ( 木 ): 事前合宿 ( 東京 ) 2015 年 8 月 10 日 ( 月 )~13 日 ( 木 ): 事前合宿 ( 東京 ) 2015 年 8 月 14 日 ( 金 )~22 日 ( 土 ): HLAB TOKYO 2015 2015 年 8 月 13 日 ( 木 )~15 日 ( 土 ): 事前合宿 ( 徳島 ) サマースクール本期間 ( 東京 ) 2015 年 8 月 15 日 ( 土 )~21 日 ( 金 ): HLAB TOKUSHIMA 2015 年 8 月 22 日 ( 土 )~24 日 ( 月 ): 合宿 ( 東京 ) 2015 サマースクール本期間 ( 徳島 ) 2015 年 8 月 21 日 ( 金 )~22 日 ( 土 ): 事後プログラム ( 徳島 ) 宿泊施設 : 鳳明館・森川別館 2015 年 8 月 22 日 ( 土 )~24 日 ( 月 ): 事後合宿 ( 東京 ) 施設協力 : 政策研究大学院大学 . ARK HILLS CLUB 宿泊施設 : 徳島県立牟岐少年自然の家 アカデミーヒルズ 施設協力 : 東京大学本郷キャンパス 牟岐町海の総合文化センター 参加者 : 参加者 : 高校生 80 名 / 海外大学生 23 名 / 日本人大学生 36 名 高校生 49 名 / 海外大学生 14 名 / 日本人大学生 25 名 期間中ボランティア 25 名 計 164 名 期間中ボランティア 9 名 計 97 名 ■ HLAB OBUSE 2015 ■ TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 開催日程 : supported by TOMODACHI コンビニ基金 2015 年 8 月 10 日 ( 月 )~13 日 ( 木 ): 事前合宿 ( 東京 ) 開催日程 : 2015 年 8 月 13 日 ( 木 ): 事前合宿 ( 長野県上高井郡小布施町 ) 2015 年 8 月 10 日 ( 月 )~13 日 ( 木 ): 事前合宿 2015 年 8 月 14 日 ( 金 )~20 日 ( 木 ): HLAB OBUSE 2015 ( 東京 ) サマースクール本期間 ( 長野県上高井郡小布施町 ) 2015 年 8 月 13 日 ( 木 ): 事前合宿 ( 女川 ) 2015 年 8 月 21 日 ( 金 )~22 日 ( 土 ): 事後プログラム 2015 年 8 月 14 日 ( 金 )~21 日 ( 金 ): TOMODACHI HLAB ( 長野県上水内郡信濃町 ) TOHOKU 2015 サマースクール本期間 ( 女川 ) 2015 年 8 月 22 日 ( 土 )~24 日 ( 月 ): 事後合宿 2015 年 8 月 21 日 ( 金 )~22 日 ( 土 ): 事後プログラム ( 女川 ) ( 東京 ) 2015 年 8 月 22 日 ( 土 )~24 日 ( 月 ): 事後合宿 ( 東京 ) 宿泊施設 : 小布施町役場 / 小布施町福祉施設老人福祉セン 宿泊施設 : ELFARO /MORIUMIUS ター・桃源荘 施設協力 : 施設協力 : 小布施町役場 女川フューチャーセンター Camass 小布施町北斎ホール 女川町立女川小学校 小布施町立図書館まちとしょテラソ 女川温泉ゆぽっぽ おぶせミュージアム・中島千波館 あがいんステーション 小布施町立栗ガ丘小学校 参加者 : 参加者 : 高校生 60 名 / 海外大学生 14 名 / 日本人大学生 24 名 高校生 50 名 / 海外大学生 12 名 / 日本人大学生 22 名 期間中ボランティア 8 名 計 106 名 期間中ボランティア 19 名 計 103 名 9 HLAB2015 フォーラム講演者一覧 黒川清氏 青沼 愛氏 田村真菜氏 政策研究大学院大学客員教授 株式会社ファーストリテイリング 株式会社 meguri 共同代表取締役 CSR 部ソーシングチーム 納富信留氏 大藤 剛宏氏 石塚彩氏 慶應義塾大学文学部教授 岡山大学臓器移植医療センター 国際協力機構 (JICA) 教授 関美和氏 鎌田 千瑛美氏 大南信也氏 翻訳家 peach heart 代表 グリーンバレー理事長 Roderick Jemison 氏 合田 圭介氏 山崎亮氏 学校法人インターナショナル 東京大学大学院理学研究科教授 studio-L 代表 横山匡氏 関和亮氏 小松洋介氏 アゴス・ジャパン代表取締役 映像ディレクター 特定非営利活動法人アスヘノキ スクール・オブ・アジア軽井 沢 初代校長 10 フォトグラファー ボウ代表 山崎繭加氏 小泉進次郎氏 遠藤謙氏 Harvard Business School 衆議院議員、内閣府大臣政務官 Assistant Director 兼復興大臣政務官 ソニーコンピュータサイエンス研究所 研究員 HLAB2015 ゲスト一覧 ■ HLAB TOKYO 2015 (順不同) 【フォーラムスピーカー】 黒川清氏.....................政策研究大学院大学 客員教授 納富信留氏.................慶應義塾大学文学部 教授 関美和氏.....................翻訳家 Roderick Jemison 氏 ... 学校法人インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢 初代校長 横山匡氏.....................アゴス・ジャパン代表取締役 遠藤謙氏 ...................... ソニーコンピュータサイエンス研究所 研究員 【フリーインタラクション】 小笠原知洋氏.........株式会社ピー・アンド・イー・ディレクションズ / 経営コンサルタント 菊森猛氏..................学校法人産業能率大学総合研究所 志賀アリカ氏.........国際基督教大学 3 年 / 認定 NPO 法人 Free the Children Japan Youth 理事 辻芳樹氏..................学校法人辻料理学館理事長 中岡晃也氏..............フリーランス(ダイアログプランナー、ファシリテーター、ライター) 西堀祐大朗氏.........株式会社インテリジェンス 納富信留氏..............慶應義塾大学文学部 教授 / 日本学術会議連携会員 林雄一氏..................プリモジャパン株式会社 取締役副社長 堀江敦子氏..............スリール株式会社 代表取締役社長 水野友貴氏..............千葉県議会議員 横山匡氏..................JAOS 理事 / アゴス・ジャパン代表取締役 / 一般社団法人 HLAB 監事 江藤愛氏..................株式会社 TBS テレビアナウンサー 加藤重治氏..............国立研究開発法人 理化学研究所 理事 辰野まどか氏.........一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)専務理事/事務局長 二重作将人氏.........日本 GE 株式会社 リスク管理統括 リスクコントロール本部 与信管理部長 松田悠介氏..............認定 NPO 法人 Teach For Japan CEO 水野貴允氏..............株式会社ピー・アンド・イー・ディレクションズ / 経営コンサルタント 村田博信氏..............株式会社ファーム・アルファ代表取締役 事業プロデューサー / イノベーションコンサルタント 渡辺知行氏..............米日財団 在日代表 小澤真生氏..............株式会社ピー・アンド・イー・ディレクションズ / 経営コンサルタント 鈴木悠平氏..............株式会社 LITALICO 人材開発部 高橋祥子氏..............文部科学省官民協働 海外留学創出プロジェクト トビタテ!留学 JAPAN プロジェクトメンバー 中野生子氏..............学校法人インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢 職員 吉岡利代氏..............国際 NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチ 上級プログラムオフィサー 星野 達彦氏............JAOS 理事 武藤康平氏..............株式会社 LITALICO 人材開発部 安居俊裕氏..............農林水産省 山崎奈都子氏.........内閣総理大臣官邸・国際広報室(マッキンゼー・アンド・カンパニーから出向) 荒畦悟氏..................文部科学省 官民協働海外留学創出プロジェクト トビタテ!留学 JAPAN 11 ■ HLAB OBUSE 2015 【フォーラム / フリーインタラクション】 青沼愛氏..................株式会社ファーストリテイリング CSR 部ソーシングチーム 大藤剛宏氏..............岡山大学臓器移植医療センター教授 鎌田千瑛美氏.........peach heart 代表 合田圭介氏..............東京大学大学院理学研究科教授 関和亮氏..................映像ディレクター、フォトグラファー 田村真菜氏..............株式会社 meguri 共同代表取締役 【ワークショップ】 市村多喜子氏.........和菓子いちむら 清水律男氏..............リトルパンプキン 小山洋史氏..............穀平味噌代表 勝山貴代氏..............教育委員会「こども教室」指導員 鈴木宏道氏..............鈴木農園 桜井昌季氏..............桜井甘精堂社長 上田信行氏..............同志社女子大学 特任教授 堀田樹氏..................ゲストハウス LAMP 支配人 山田崇氏..................塩尻市役所企画課シティプロモーション係 正能茉優氏..............株式会社ハピキラ FACTORY 社長 山本峰華氏..............株式会社ハピキラ FACTORY 副社長 佐藤孝幸氏..............小布施町役場 企画政策課定住交流係 小林秀樹氏..............IRONCROW 共同体 代表 トータルプロデューサー 吉岡利代氏..............国際人権 NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチシニアアソシエート 藤代健介氏..............株式会社 prsm 代表取締役 松澤佑紗氏..............箏奏者 ■ HLAB TOKUSHIMA 2015 【フォーラムスピーカー】 石塚彩氏..................国際協力機構 (JICA) 大南信也氏..............グリーンバレー理事長 山崎亮氏 ................studio-L 代表 永島岳氏..................ハーバード大学大学院物理学部 甚上直子氏..............学校法人インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢 【フリーインタラクション】 兼松文子氏..............TMとくしま日本語ネットワーク代表 志田雅美氏..............多摩美術大学美術学部統合デザイン学科 岡田元一氏..............有限会社三八代表 近森由記子氏.........特定非営利活動法人 TICO 事務局長 田村航也氏..............徳島県海部郡海陽町 城満寺住職 西川昌徳氏..............自転車冒険家 坂東幸輔氏..............建築家 三村誠二氏..............徳島県立中央病院救命救急センター長 坂野晶氏..................AIESEC モンゴル代表 長谷川友紀氏.........CHU CHU CHURROS CAFE 店長 12 水上友理恵氏.........London School of Economics 梶川奈津子氏.........広告会社勤務 高田修太氏..............コンサルティングファーム勤務 林祐太氏..................コンサルティングファーム勤務 水野愛子氏..............慶應義塾大学文学部 岸田侑氏..................徳島市市民活力開発センター統括マネージャー ■ TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 supported by TOMODACHI コンビニ基金 【フォーラムスピーカー】 小松洋介氏..............特定非営利活動法人アスヘノキボウ代表 山崎繭加氏..............ハーバード・ビジネス・スクール日本リサーチ・センター 小泉進次郎氏.........衆議院議員、内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官 【フリーインタラクション】 浅原 光貴氏............国内金融機関 荒木 駿一氏............株式会社 P&E Directions 幾竹優士氏..............株式会社 P&E Directions 伊藤守康氏..............明治神宮 大友将矢氏..............株式会社ゆうちょ銀行 亀井潤氏..................TEDxTohoku Co-Founder 佐藤柊平氏..............株式会社ココロマチ / 東北ふるさとづくりパートナーズ 中山寛喜氏..............株式会社ピー・アンド・イー・ディレクションズ 水野貴允氏..............株式会社ピー・アンド・イー・ディレクションズ 森田修弘氏..............三菱商事株式会社 門崎泰輔氏..............明治神宮 横山匡氏..................株式会社アゴス・ジャパン 泡渕栄人氏..............復興庁宮城復興局石巻支所 伊藤俊氏..................株式会社オーテック 大橋雄介氏..............NPO 法人アスイク 城井恒氏..................女川町役場 高橋正樹氏..............株式会社高政 / 女川水産加工研究会 / 復幸まちづくり女川合同会社 中條賢太氏..............読売新聞東北総局 長尾純子氏..............米日カウンシル TOMODACHI イニシアチブ 永田和奈氏..............NPO 法人 Youth for 3.11 伴場賢一氏..............一般社団法人 Bridge for Fukushima 宮地俊充氏..............株式会社ベストティーチャー 渡辺一馬氏..............一般社団法人ワカツク 渡邊洸氏..................認定 NPO 法人カタリバ東北復興事業部女川合向学館 Virginia Lavallee 氏 ... 石巻クリスチャンセンター 藤田恵一氏..............大阪府警察本部 平井良樹氏..............東京大学 【ワークショップ】 世羅 侑未氏............チェンジ・エージェント 13 About HLAB WHY HLAB 進路や将来の選択肢は、知らず知らずのうちに、周囲の環境によって狭まりがちです。 親の職業や、育った地域や、通ってる学校によって、自然と「当たり前」が作られてしまいます。 なんとなく、 「受験する」 「大学に行く」ことが当たり前で、目的が持てない。 漠然と留学に行きたくても、周りには経験者は少なく、学校の先生の理解もなく、情報もない。 怖い。大学で何を勉強して、将来どんな道を歩みたいか、イメージ出来ない。 都内の進学校にいても、地方の学校にいても、インターナショナルスクールにいても、高専にいても。 こうした状況や不安は変わらないと思います。 このような「当たり前」をどのように変えればよいのでしょうか。 WHAT WE DO 多様な人が集い、語り合う、寮生活こそが、 「リベラル・アーツ教育」の本丸です。 そんな寮生活を再現することで、HLAB は「ピア・メンターシップ」の機会を創出します。 「ピア」とは、自己を投影できるような、近い世代、身近なロールモデルのこと。 時には、刺激を与えてくれる源、時には、助け合い共にゴールを目指す仲間、またある時には、ジャンルを 越えて「負けていられない」と危機感を抱かせてくれるライバル、そんな存在です。 世界中から一歩先を歩く大学生や社会人の先輩、そして、高専、インター、地方、様々な背景から集まる同期。 国境も、言語も、世代も越えて、互いが互いの「メンター」となれる教育環境を提供するのが、普段の学校 とは一味違うサマースクール、HLAB です。 そこにあるのは、 「授業」からの学びではなく、 「人」からの学び。多様な出会いを通じて、自己を見つめなおし、 将来を真剣に考えられる。そんな「リベラル・アーツ教育」が、次世代の日本の教育に、求められているの ではないでしょうか? 14 全地域共通プログラム セミナー フリーインタラクション リベラルアーツ・セミナーは、高校生により幅広く フリーインタラクションは、サマースクールに社会 なるプログラムです。ハーバード大学を初めとした 話を創出する場です。 自己の関心を探してもらうリベラルアーツの根幹と 海外大学の学生 ( 以下 : セミナーリーダー ) が中心と なり、各自の専攻や最も興味のある分野において、 高校生を対象としたセミナーを設計します。文献や 作文等の事前課題含め、セミナーは全て英語で行わ れますが、各セミナーリーダーには、日本語と英語 が堪能なバイリンガル学生であるハウスリーダーが ペアとして付きます。セミナーの中の通訳等の語学 人ゲストの方々をお迎えし、大学生、高校生との対 個性豊かなバックグランドや、多様なご職業、ご専 門を持った方々と、世代を越えた交流を行います。 高校生がより幅広い視野を持って自分の興味関心を 考えるきっかけとなることを目指します。また、そ れぞれの分野に精通した人々による生の声を、より 近い距離でお話を聞くことができます。日頃なかな か出会うことができない方々と、肩書き関係なくざっ 面でのサポートや、セミナー設計の補助を行います。 くばらんに交流ができる場を提供しています。 より深い理解と学生の積極的な参加の場を追求する ため、授業は少人数で行われます。 フォーラム 各日午後の時間帯には、政治、経営、物理、芸術等 様々な分野のトップで活躍されている有識者の方々 をお招きし、御自身のライフストーリーを含む「今、 高校生に伝えたいこと」をテーマにご講演頂き、質 疑応答を行いました。講演で語られる彼らの経験や、 ワークショップ 自らの能動性を思う存分発揮し、参加者が協同で学 びを得るのがワークショップです。参加者間の交流 や日本文化の理解を共通の目的としながら、各開催 地の特色を活かしたワークショップを実施します。 熱いメッセージを通して、参加者にとって新しい価 値観との出会いや将来を考察するきっかけとなるこ とを目的とします。 15 事前合宿 All EC(運営委員)合宿 HL MTG(ハウスリーダーミーティング) 全地域運営委員会合同の合宿は、10 月・1 月・3 月 全地域ハウスリーダー合同の合宿は、6 月 13 日 -14 の 3 回開催しました。 日の 2 日間にわたって開催されました。セミナーリー 10 月は HLAB2015 の立ち上げメンバー(運営委 ダーとハウスリーダーが協力して作成するセミナー 員過去経験者数名・2015 運営委員)で小布施にて のシラバスへの相互フィードバックを行ない、サマー 1 泊 2 日の合宿を行いました。HLAB の 5 年間の経 スクールのプログラムの一つである「リフレクショ 緯 / あゆみを監事横山・代表理事小林から共有があ ン」についての講習を受けたのち、HLAB TOKYO り、HLAB2015 の今後の進め方について考えるこ の宿泊施設である鳳明館へ移動しました。 とを始め、何よりサマースクールの一開催地小布施 の「場」を感じたり、 地元の方たちと交流することが、 鳳明館ではまず地域別に分かれ、それぞれのチーム HLAB2015 を作り上げる大きなモチベーションと で運営委員・ハウスリーダー全員でのアイスブレイ なりました。 クを行ったのち、サマースクールの具体的なタイム ライン(日程)の説明を行いました。夜には全地域 1 月は、新たに迎えた HLAB2015 コア運営委 で懇親会を行い、地域を超えた繋がりや一体感を全 員(4 地域のサマースクール全体を見るコアメン 大学生で実感する機会となりました。翌朝は各地域 バー)での 1 泊 2 日の合宿を東京の市ヶ谷にある の代表者(運営委員・ハウスリーダーのどちらか) HLAB オフィスにて行いました。初顔合わせのメン による TED 形式のスピーチを行いました。大学生・ バーも多かったため、親睦を深めた後に、広報・会 高校生間だけでなく、大学生間でも刺激し合える環 計など各部署チームに分かれて今後の進め方を決 境を作る HLAB ならではの企画であり、高校生に めるミーティングを行いました。この合宿により とってロールモデルとなる運営委員、ハウスリーダー HLAB2015 運営委員の結束が深まったと同時に、 のモチベーションを上げる合宿となりました。 サマースクールに向けて本格的なスタートダッシュ を切ることになりました。 更に新たに 4 地域別に運営委員を増員した後に開催 した 3 月の合宿は、HLAB についての説明や 3 月ま での活動を紹介した後に、地域別の時間を設けて各 地域で自由に時間を過ごしてもらいました。この合 宿により、地域別で今後の進め方を考え、親睦を深 めたことも勿論ですが、HLAB2015 として地域を 越えた一体感を醸成できたことが何より大切だった ように思われます。 16 イントロ サマースクールの本期間前に東京、小布施、徳島、 東北の 4 地域の日本人大学生と海外大生が東京に集 い、 3 泊 4 日の事前合宿(イントロ)が行われました。 目的としては、4 地域の大学生の意識統一、共通プ ログラムの一つであるセミナー演習、日本文化体験 などです。全員が一箇所に集う機会が初めてのなか、 お互いのことを知り、HLAB についての思いを共有 しました。 セミナー演習では、ほとんどのセミナーリーダーと ハウスリーダーが初めて顔をあわせ、4 ヶ月かけて 準備してきたものを実演し、最終確認を行いました。 実際の高校生を想定し、セミナーのレベルや内容に ついてのフィードバックをお互いに行いました。 日本文化体験では、明治神宮訪問、茶道体験、日本 食についての講演、森美術館訪問など、日本の古来 から現代までの文化を経験しました。明治神宮では、 神主様より明治神宮ができた経緯や特徴などをお話 し頂いた後に実際に参拝をしました。また、御祈願 祭への参加や、雅楽の演奏を聴きました。多くの海 外大生が明治神宮境内の美しさやその裏に隠された 文化的背景に魅了されていました。 茶道体験では、裏千家淡交会青年部の方々のご協力 のもと、お茶会に参加し、実際に自分たちでお茶を たてる経験をさせて頂きました。お茶の心である和 敬清寂にも触れ、一期一会であるお茶会を楽しみま した。 日本食についての講演では、辻調理師専門学校の辻 芳樹様より、日本食から学ぶことができる文化や歴 史、また世界における日本食のあり方についてお話 して頂きました。日本人学生も毎日日本食を口にし ながらも考えたことのなかった話を聞くことができ、 これからの日本食、そして日本のあり方について考 えるきっかけとなりました。 森美術館では、森アーツセンターの壬生基博のご協 力を頂き、東京を一望できる展望フロアや、アート を通してベトナム戦争の実情を表現した展覧会に参 加しました。東京の象徴である東京タワーやスカイ ツリーは美しく、景色を楽しむことができました。 ベトナム戦争を記録したディン・Q・レ展では、教 科書では見ることのできなかったベトナム戦争の別 の側面を目の当たりにしました。 17 アウトロ 嵯峨野プログラム 2 泊 3 日のディブリーフィング(アウトロ)では 8 4 地域のサマースクールが終了したのちに、海外大 月 22 日の夜は全地域の運営委員、ハウスリーダー、 セミナーリーダーが東京に再集合し、サマースクー 生と日本人大学生延べ 24 名が、京都府立嵯峨野高 校とのコラボレーションプログラムに参加しました。 ルが無事に終了したことを祝いました。 嵯峨野高校と HLAB のコラボレーションは昨年度か 23 日には HLAB 2015 の報告会が開催されました。 や日本人大学生との交流を通して、自分の進路選択 黒川清 (HLAB 理事 / 政策研究大学院大学客員教授 ) による開会の挨拶に続いて、スポンサーと支援者の 方々を代表して株式会社ピー・アンド・イー・ディ レクションズの水野様、及びに三菱商事株式会社特 別顧問の槇原稔様より祝辞を頂き、各地域の共同運 営委員長によるプログラム紹介に加えて各地域 2 〜 3 人の参加高校生のプレゼンテーションを行いまし た。その後、参加セミナーリーダー・ハウスリーダー が各地域から数名ずつ期間中に印象に残った場面を 選び発表するフォト・プレゼンテーションを行いま した。HLAB 事務局長の山瀬より、今年度より始まっ た会員制度の説明の後、代表理事の小林亮介が総括 と閉会の言葉を述べました。多くの支援者や関係 者、アラムナイの方々に参加いただき盛会のうちに ら実施され、参加する高校生にとっては海外大学生 の幅を広げることを大きな目的としています。一方、 運営側の海外大学生にも「京都」という日本古来か らの由緒正しい町に行き、様々な体験をすることで、 日本についてより深く知ってもらうことを狙いとし ています。 8 月 25 日の午後から、「世界で最も居心地のよい ユースホステル」に選ばれている、「宇多野ユースホ ステル」を会場にプログラムは開始されました。プ ログラム冒頭はカジュアルな形で大学生と高校生が 夕食をとりながらアイスブレイクが実施されました。 その後のセミナーでは、高校生から ”What is your favorite Kyoto.” というテーマでプレゼンテーショ ンをしてもらい、それに対して大学生がフィードバッ HLAB 2015 の幕を下ろすことができました。 クをするセッションが設けられました。その後は、 24 日は各地域ごとに集まり本期間を振り返る時間 外大学ではどのようなことを勉強するのか?」「どん を設けました。怒涛のような本期間での経験をお互 カジュアルに大学生と高校生が膝を交えながら、「海 な高校生だったか、高校生のうちにやっておくべき いに共有し、翌年に引き継げるよう活発な意見交換 ことは何か?」などのテーマでワールドカフェ形式 各々が経験し、感じたことを深夜まで話し合う大学 校生の中には「ネイティブのイングリッシュスピー が行われました。ディブリーフィング期間を通じて、 のディスカッションを行いました。参加したある高 生の姿が多く見受けられました。そして約 3 週間寝 食を共にした大学生たちは解散しました。近いうち に再会することを約束しつつ、世界各地に散ってい く仲間たちとの別れに告げ、HLAB 2015 の全日程 が終了しました。 カーとこんなにも長く話すことは初めてだったけれ ども、思った以上に自分の思いを伝えられた。でも まだまだ悔しさもいっぱいある!」と語ってくれま した。 翌日には朝食を済ませたあと、京都の天龍寺を訪れ ました。天龍寺では、禅についての講習を受け座禅 体験を行いました。座禅は高校生にとっても大学生 にとっても初体験であることが多く、戸惑いながら も僧侶の方々の座り方を真似していました。体験後 は嵐山周辺へフィールドワークに行き、嵐山エリア をどのように活性化するのか、もしくは、海外の観 光客をどう増やすかなどのディスカッションが行わ れました。最後には「未来の京都、嵐山」というテー マでプレゼンテーションを実施し、拍手とともにプ ログラムは終了しました。 18 高校生選考 今年の高校生選考の特徴 選考課題 今年度の高校生選考の特徴は以下の 2 つの言葉に集 4 地域の運営委員会がプログラムに求める高校生像 約されると言えます。1 つ目に挙げられる言葉は「多 を策定し、以下のように選考問題が作成されました。 様性」です。高校生の応募は、北海道から沖縄の全 国各地からはもちろん、アメリカ、カナダ、イギリス、 1. Why do you want to participate in HLAB 香港など全世界からも届きました。また、地域的な 2015? What do you hope to gain from this バックグラウンドだけではなく、普通科の高校をは summer school? Please answer in English.(な じめ、工業科、商業科、英語科など、様々な専攻を ぜあなたは HLAB2015 に参加したいですか? 持つ高校生が集まりました。今年度は、過去 5 年間 HLAB2015 から何を得たいかも交え、英語で答え で最大の応募者を記録しただけではなく、例年に並 てください。) ぶ多様な高校生が集まったことが伺えます。2 つ目 は「越境性」です。全国 4 地域で開催されたサマー 2. あなたが、今一番興味があることを一つ挙げてく スクールですが、サマースクール間の高校生の越境 ださい。その際、それに対してなぜ関心を持ち、自 が特徴的なものとなりました。長野県出身の高校生 分なりにどのように考え、日頃どのような努力や活 が東京のサマースクールに参加する、東京出身の高 動を行っているかを交えながら答えてください。 社 校生が徳島県のサマースクールに参加するなどの傾 会問題でも、学問分野や教科でも、スポーツや芸術 向が見られました。このような傾向は昨年度までに でも、あるいは、より個別具体的な日常の疑問や課 は見られなかったもので、参加した高校生が、友人 題でも構いません。 や後輩に HLAB の経験や体験が受け継がれている様 子を伺い知ることができました。 3. HLAB の最大の財産は、高校生、大学生を問わず、 参加する一人ひとりにあります。あなた自身の興味 選考スケジュール 5 月 25 日 ( 月 ):Early Action 締切 6 月 5 日 ( 金 ):Early Action 合格者発表 6 月 6 日 ( 土 ):Regular Decision 締切 ※東北のみ Rolling Admission 制度を導入し、7 月 15 日 ( 水 ) まで募集を行いました。 7 月 1 日 ( 水 ):Regular Decision 合格者発表 応募資格 1.2015 年 5 月 1 日時点で、日本・海外の高等学校、 高等専門学校、インターナショナルスクールに在籍 する高校生であること。 2. 参加を希望するプログラムの全日程に参加可能で あり、かつ参加にあたり保護者の同意を得られてい ること。 関心や、個人の考え、人生経験が、他の参加者の学 びとなります。あなた自身の経験を踏まえ、HLAB に参加する自分以外の高校生や大学生にどのように 貢献しますか? / A range of academic interests, personal perspectives, and life experiences adds much to the educational mix of HLAB. Given your personal background, describe what and how you can contribute to the other participants of HLAB community. 4. 過去の経験や現在の関心、趣味や特技などを踏ま えながら、自由に自己紹介と自己アピールをしてく ださい。A4 用紙 1 枚に収まる範囲であれば、表現 形式は何でも構いません。なお、画像や音声、手書 き資料などの添付ファイルがある場合は、別途送信 してください。 3. 期間中の活動、事前・事後活動に責任をもって取 り組めること。 19 奨学金制度 HLAB2015 では、2013 年度から継続していくつ かの奨学制度を設けておりました。奨学制度は「参 加費のハードルを下げることで、より多くの高校生 に HLAB サマースクールに参加する機会を提供する こと」を目的として設立されました。TOMODACHI HLAB TOHOKU では、2013 年度より継続して支 援をいただいている米日カウンシル TOMODACHI イニシアチブからのサポートを元に、今年度も東北 3 県(岩手、宮城、福島)の高校生を対象に奨学金 制度を設立しました。TOMODACHI イニシアチブ は東日本大震災後の日本の復興支援から生まれ、教 育、文化交流、リーダーシップといったプログラム を通して、日米の次世代のリーダーの育成を目指す 公益財団法人米日カウンシルと在日米国大使館が 主導する官民パートナーシップです。また、HLAB OBUSE、HLAB TOKUSHIMA でも、町内、県内の 高校生の参加を促進するために参加費の一部補助な どが実施されました。 20 メディア掲載 【WEB】 2015/4/14 女川フューチャーセンター Camass 「女川町を舞台に高校生を対象にした 7 泊 8 日間の サマースクールが開催されます!」 2015/5/17 AWALOG (WEB) 「高校生必見! 話題のサマースクールが今年も徳島 で開催されるぞ!!!!」 http://www.awalog.com/ 高校生必見! - 話題のサ マースクールが今年も徳島 / http://www.onagawa-future.jp/?p=1052 2015/9/7 LAWSON (WEB)「日本の高校生向けに 2015/4/14 Global Edu (WEB) 「 【サマースクール 2015】 「HLAB TOKYO 2015」 開催されたサマースクール「TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015」を支援しました!」 8/14 ~ 22 開催(6/6 日〆切) 」 http://www.lawson.co.jp/company/activity/topics/ http://globaledu.jp/hlab-tokyo2015-10632.html detail/104884.html 2015/4/22 Global Edu (WEB) 2015/9/24 FamilyMart (WEB)「ファミリーマート 「 【サマースクール 2015】 「HLAB OBUSE 2015」 夢の掛け橋募金(TOMODACHI コンビニ基金)によ 8/14 ~ 20 開催(6/6 日〆切) 」 るプログラム TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015」 http://globaledu.jp/hlab-obuse-2015-10723.html http://www.family.co.jp/company/eco_topics/ hc0g7400002r59ny-att/hc0g74000030b0g1. 2015/4/27 Global Edu (WEB) 「 【サマースクール 2015】徳島県主催「HLAB TOKUSHIMA」8/15 ~ 21 開催(6/6 日〆切)」 http://globaledu.jp/hlab-tokushima2015-10337. html pdf#zoom=100 【新聞】 2015/3/22 徳島新聞 「英語村での交流が刺激に 牟岐、参加高校生が成果発表 」 2015/5/1 海外子女教育振興財団 (WEB) 「高校生対象:ハーバード流リベラルアーツ体験」 2015/4/16 朝日新聞 徳島版 「徳島サマースクー http://www.joes.or.jp/kikanshi/contents.html ル 高校生・保護者対象 18・19 日に説明会」 2015/5/9 一般社団法人日本ギャップイヤー推進機 2015/5/1 高校生新聞 「日米の大学生らと学ぶサ 構協会(WEB) マースクール」 「私を変えた夏がやってくる!~今年は 240 名の高 校生を迎えるサマースクール!」 2015/5/10 日本経済新聞 日刊 「米ハーバード大 http://japangap.jp/essay/2015/05/240.html 生ら、高校生に教養教育 8月に日本で」 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG09H66_ 2015/5/11 Rosemom (WEB) Z00C15A5CR8000/ 「 【夏休み】ハーバード生らが高校生を指導、東京・ 長野などで開催」 2015/5/13 徳島新聞・地方面(読売・朝日・毎日・産経・ http://resemom.jp/article/2015/05/11/24446.html 四紙)県庁便り 2015/5/11 livedoor NEWS (WEB) 2015/5/15 日本経済新聞 朝刊 「挑む平成時代 「 【夏休み】ハーバード生らが高校生を指導、東京・ 国際経験が広げる選択肢」 長野などで開催」 http://sp.kahoku.co.jp/tohokune http://news.livedoor.com/article/detail/10098714/ ws/201505/20150515_15041.html 2015/5/15 河北新報 「高校生被災地で学ぼう あ すサマースクール説明会 」 2015/5/16 朝日新聞 長野版 「米の大学生と日本 の高校生合宿」 21 2015/5/18 朝日中高生新聞 「日本で、世界に触れ て、自分を知る」 7/18/2015 AERA 増刊号 「留学をあきらめない / 官 民挙げて、高校生の海外留学を支援」 2015/5/21 小布施 市民タイムス 「高校生必見! サマースクールで世界を体感」 2015/8/16 徳島新聞 朝刊「海外学生と英語で交流 牟岐 サマースクール開講」 2015/8/21 徳島新聞 朝刊「空き校舎 活用考える 牟岐 サマースクール 高校生 英語で発表」 2015/8/22 徳島新聞 朝刊「高校生 成長を実感 徳島サマースクール終了」 2015/8/22 日本経済新聞 日刊 東北版「東北復興 になう人材育て 高校生、米大学生と交流 女川で 【ラジオ】 2015/5/15 FM 徳島 2015/5/26 J-WAVE [JAM THE WORLD] 2015/8/14 女川さいがい FM 【TV】 2015/4/17 NHK 徳島 (TV) 「サマースクールの募集 開始」 2015/8/24-28 須高ケーブル おぶせチャンネル サマースクール」 「全国から高校生が集合 サマースクール HLAB」 2015/9/5 朝日新聞 長野版「知のトレーニング 高 【町報・町内広報誌】 校生挑んだ 7 日間」 2015/9/7 日本経済新聞「 「ハーバード流」夏の白熱 合宿 国内4カ所、高校生向け 講師は海外大学生/多様性 の中で学ぶ 」 http://www.nikkei.com/article/ 2015/4/20 町報おぶせ 4 月号「HLAB OBUSE(小 布施サマースクール)の参加者を募集します」 http://www.town.obuse.nagano.jp/uploaded/ attachment/3254.pdf 2015/5/20 町報おぶせ 5 月号「HLAB OBUSE(小 DGKKZO91358590U5A900C1TCP000/ 布施サマースクール)の参加者を募集します」 2015/9/7 日本経済新聞「米の寮生活再現 運営側に attachment/3325.pdf も刺激 HLAB・小林代表理事」 http://www.nikkei.com/article/ http://www.town.obuse.nagano.jp/uploaded/ 2015/5/21 小布施 市民タイムス 「高校生必見! DGKKZO91358590U5A900C1TCP000/ サマースクールで世界を体感」 2015/9/7 LAWSON (WEB)「日本の高校生向けに 2015/7/20 町報おぶせ 7 月号 「『HLAB OBUSE』 開催されたサマースクール「TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015」を支援しました!」 2015/9/24 FamilyMart (WEB)「ファミリーマート 夢の掛け橋募金(TOMODACHI コンビニ基金)によ るプログラム TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015」 【雑誌】 2015/5/1 あわわ 6 月号 ( 雑誌 ) 「高校生必見!サ マースクールで世界を体感」 2015/5/1 Geen 6 月号 ( 雑誌 ) 「話題のサマース クールで世界と未来を体験しよう!」 22 が今年も開催されます」 http://www.town.obuse.nagano.jp/uploaded/ attachment/3472.pdf 2015/9/20 町報おぶせ 9 月号「HLAB OBUSE 2015」 http://www.town.obuse.nagano.jp/uploaded/ attachment/3545.pdf HLAB TOKYO 2015 23 HLAB TOKYO 2015 運営委員長挨拶 『世界と出会い、自分と出会う。』 した。こうして全ての参加者が各々の立場でしか味わえ ない多様な気づきを得られたのも、様々な形でご協力・ 自分の今の考え方や価値観に縛られず、日本の中心東京 ご支援してくださった皆様のおかげと存じております。 だからこそ集まる多様な価値観に出会い、自分の価値観 とりわけいつも親身に学生の相談にのっていただいた理 と照らし合わせることを通して、自分自身と向き合う 事会メンバーの竹内弘高氏・黒川清氏・横山匡氏、温か きっかけをつかんで欲しい。 いご支援をいただいた株式会社ピー・アンド・イー・ディ 自分自身と向き合った上で、改めて卒業後に限らない将 レクションズの皆様・三菱商事株式会社の皆様、素敵な 来の進路について再考して欲しい。 場でサマースクールを実現することを可能にしてくだ 高校生に限らず、大学生も含めた参加者全員にそういっ さった政策研究大学院大学の皆様・ARK HILLS CLUB の た機会を提供したい。 皆様・アカデミーヒルズの皆様、参加者の事前事後にわ たる交流の場を提供してくださった株式会社朝日ネット 私自身の高校や大学での経験からそんな思いを抱いて、 の皆様、全国の高校生に HLAB を知ってもらう機会を 共同運営委員長・11 名の運営委員・24 名ずつのハウス 作ってくださった日本経済新聞社の皆様、そしてご多忙 リーダー・セミナーリーダーと共に、サマースクールの の中でサマースクールにわざわざご足労いただいたご講 裏方として、1 年間かけて HLAB TOKYO 2015 という 演者・ゲストの皆様、心より感謝申し上げます。本当に 高校生のための舞台をつくってきました。 ありがとうございました。 5 年目を迎え少しずつ軸を確立し始めた HLAB TOKYO 8 月 14 日 ( 金 ) 〜 8 月 22 日 ( 土 ) の 9 日間、高校生 80 名、 ですが、サマースクールも含めたこの 1 年間は決して 大学生 60 名、関わってくださった社会人の方々と共に 順風満帆ではありませんでした。 つくり上げた HLAB TOKYO 2015... このサマースクー 昨 年 か ら の 流 れ で あ る、 過 去 参 加 者 が 何 ら か の 形 で ルがどのようなもので、その中で参加者たちがどのよう HLAB に帰って来るというサイクルは引き継ぎながら なことを感じ考えたのかは、後に続く参加者がそれぞれ も、サマースクールを企画運営する運営委員に関して昨 の立場から綴った言葉をご参照いただき、少しでも感じ 年度までからは一新したこともあり、文字通り試行錯誤 取っていただければ幸いです。 しながらの準備となりました。 それでもサマースクールに関わる一人ひとりが自分自身 にしかできない貢献の仕方を探りながら、当事者意識を 持ってがむしゃらに取り組んだ結果、例年にしばられな い、Team TOKYO 2015 にしかできない 9 日間のサマー スクールをつくることができたのだと思います。 「高校生のため」のサマースクールですが、この 1 年間 は私を含めた大学生にとっても大きな学びの場となりま 24 HLAB TOKYO 2015 運営委員長 塘田 明日香 事前準備 HLAB TOKYO 2015 運営委員会としては、5 月・ との親睦会を行い、2 回目は直前合宿として、日別 7 月・8 月(2 回)の計 4 回合宿を実施いたしまし タイムラインの最終確認と、タイムラインには収ま た。5 月の合宿では、主にサマースクール中の企画 らない細かいところの詰めを行いました。一回一回 を詰めるべく、各企画担当者がブラッシュアップし の合宿で、サマースクールに向けて運営面での手ご てきた企画案を持ち寄って、運営委員会内でフィー たえを感じていたのは勿論ですが、何よりミーティ ドバックをすることをメインに行いました。7 月の ング外での語らいを通して運営委員、ハウスリー 合宿では、日別タイムラインを詰めはじめるにあた ダー、一人ひとりが絆を深められたことが、サマー り全体タイムラインの最終確認と、運営委員会内で スクール期間中の円滑な運営に結びつき、そして今 の残り 1 か月に向けた意識共有を主に行いました。 後の HLAB TOKYO 2015 コミュニティが続いて 8 月の合宿では、1 回目は運営委員・ハウスリーダー いくことに繋がると考えています。 日別振り返り 8 月 14 日(1 日目): 流れ:開会式/アイスブレイク/ウェルカムディナー /オリエンテーション/リフレクション サマースクールが始まる 1 日目。「全員と仲良くな るぞ!」、「上手くやっていけるかな….」…様々な面 持ちの高校生が開会式の会場 GRIPS に集結しまし た。開会式では、運営委員長の挨拶の後に、スポンサー 代表として株式会社ピー・アンド・イー・ディレク ションズの内村竹志様、そして HLAB 理事会を代表 して監事の横山匡氏にご挨拶いただきました。開幕 を宣言するバルーンパフォーマンスの後は、ハウス ごとに分かれ、ぬいぐるみを用いた自己紹介や共同 でのハウスプレートづくりなどのアイスブレイクを 行いました。開会式では緊張の面持ちだった参加者 の表情も少しずつほぐれ、多くの笑顔が見られまし た。その後のウェルカムディナーでは、ハウスを越 えた参加者間での交流も活発に行われ、参加者たち は互いの持つ価値観の多様性に圧倒されつつも楽し んでいました。 25 HLAB TOKYO 2015 8 月 15 日(2 日目) 流れ:セミナー/フォーラム(納富信留氏)/ Tokyo trip /リフレクション プログラムが本格的に始まる 2 日目。まずは HLAB の 4 本柱の一つのセミナーを行いました。初めての セミナーということで開始前は皆緊張の面持ちでし たが、セミナーを終えると高校生から「難しかった けど面白かった!高校の授業もこんな授業ならいい のに。明日も楽しみ!」という声が各所から聞こえ、 また、大学生も「高校生の『ハッ』とした表情を見 るのが嬉しい」と、やりがいを感じているようでし た。セミナーの後は HLAB の 4 本柱の 2 つ目、 フォー ラムに向いました。哲学を専門とされている教授の フォーラムであったこともあり「Why ?」を問う質 問が多く、納富先生も参加者の活発さに驚かれてい ました。続く Tokyo trip は、普段は気づかない東京 の新しい側面を発見すると同時に、ハウスメンバー の距離をグッと近付ける時間となりました。 8 月 16 日(3 日目) 流れ:セミナー/フォーラム(Roderick Jemison 氏・ 関美和氏・横山匡氏・小林亮介パネルディスカッショ ン)/大学生フリーインタラクション/リフレクショ ン/フリーインタラクション サマースクールに少しずつ慣れ始める 3 日目。前日 のセミナーで感じた満足感あるいは葛藤、煮えきら なさを胸に臨んだ 2 回目のセミナーでは、内容理解 だけではなく、セミナーグループの中で自分がどう 振舞うかということにも意識を向け始める参加者も 多かったようです。続くパネルディスカッションで は、ご自身の原体験や高校生へのメッセージを登壇 者一人ひとりに語っていただいたり、参加者から募っ たトピックについてゲストの皆様に討論していただ いたりしたため、参加者にとって多様な視点を得る 場となりました。その次の大学生フリーインタラク ションは、高校生にとってハウスやセミナー以外の 大学生とも進路相談などしっかり話し込むきっかけ となり、自分が持っていた考え方を揺さぶられた高 校生も多く見受けられました。そして、HLAB の 4 本柱の 3 つ目のフリーインタラクションも初めて開 催されました。最初は社会人に話しかけることを躊 躇っていた高校生ですが、時間が経つにつれ積極的 に話しかけ始め、日常生活における軽い話から人生 に関する相談まで、多岐にわたる会話に花を咲かせ ていました。 26 8 月 17 日(4 日目) 流れ:セミナー/フォーラム(大栗博司氏)/ Dialogue /フリーインタラクション 参加者の意識に変化が起き始める 4 日目。午前中の セミナーでは、1 セット目のセミナーの最終回とい うこともあり名残惜しそうにしていましたが、セミ ナーが終わると「やっぱりこの分野についてもっと 勉強したいと思った!」 「元々全く興味がない分野 だったけど、3 日間本当に面白かった!」といった 声が聞こえ、セミナーで目的としている『自分の興 味を深めること/新しい自分の興味に気づくこと』 が達成された様子でした。ARKHILLS CLUB で行わ れたフォーラムでは海外大学や物理学の理論の一つ である超弦理論についてお話しいただいて、特に超 弦理論については普段馴染みのない参加者にとって は視野の広がる新鮮なフォーラムとなりました。次 の Dialogue は、サマースクール 4 日間を振り返る 中で、自分自身の企画や他参加者への向き合い方を 内省したり、残りの 5 日間をどう過ごしていくかを 考えたりする時間となりました。 8 月 18 日(5 日目) 流れ:Leadership Workshop by Seminar Leaders / Crossing Borders Lunch /自己分析 ワークショップ/ Thinking About The Future 自分と向き合う 5 日目。この日は中日ということで 普段とは異なるスケジュールで、HLAB4 本柱の 4 つ目であるワークショップを中心に動きました。ま ず海外大生(セミナーリーダー)によるリーダー シップに関するワークショップを行いました。この ワークショップを通して参加者は自分なりのリー ダーシップを考えるきっかけとなりました。次の Crossing Borders Lunch は、興味のあるテーマ に 沿って集まった参加者同士で昼食を取りながら交 流するという形をとったため、特定のトピックにつ いての多様な考え方に触れました。自己分析ワーク ショップは普段自力ではなかなか出来ない、自分の 生い立ちや原体験、価値観を見つめ直すという経験 をし、自分と向き合う大切さを感じた様子でした。 自己分析ワークショップを踏まえて自分の未来につ いて話す Thinking About The Future は、自分が 今感じることを言語化する中で明確でなくとも少し ずつサマースクールを終えた後の自分を想像する きっかけとなっていました。 27 HLAB TOKYO 2015 8 月 19 日(6 日目) 流れ:セミナー/タレントショー/リフレクション /フリーインタラクション 自分を魅せる 6 日目。まずセミナーは、2 セット目 の初日ということで、高校生は気を新たに、大学生 もセミナーを更にブラッシュアップさせ臨みました。 GRIPS で開催したタレントショーでは、参加者の普 段の姿からは想像もつかないような多種多様な特技 (タレント)を披露してくれました。舞台上で緊張す る人、誇らしくパフォーマンスする人様々いました が、皆目が輝いていたのが印象的でした。鑑賞して いた参加者も、自分も何かしたい、何かできるので はないかと刺激を受けていました。全員での歌やダ ンスの時間には多種多様なバックグラウンドを持つ 140 名の参加者たちが HLAB TOKYO 2015 メン バーとしての一体感を感じられました。3 回目を迎 えたフリーインタラクションには、期間中最大の人 数の社会人の方に集まっていただき、参加者たちは 熱心に社会人の方と交流していました。 8 月 20 日(7 日目) 流れ:セミナー/フォーラム(遠藤謙氏)/ Homecoming Dinner /リフレクション/フリーイ ンタラクション 終わりを意識し始める 7 日目。セミナーでは調子を 掴んだ様子で、大学生が高校生に教えるのではなく、 皆が一丸となってセミナーを作り上げていました。 アカデミーヒルズで行われたサマースクール最後の フォーラムは、 「フォーラムで何か質問をする」とい うことを一つの目標に掲げていた参加者も多かった ため、終始活発なやりとりが行われていました。 「障 がい」に対して自らが持つ固定観念に改めて気づき、 そこからどう行動できるかを考えさせられるような フォーラムとなりました。HLAB TOKYO アラムナ イとの交流の場となる Homecoming Dinner では、 参加者は自分が HLAB で感じたことをアラムナイに ぶつけたり、アラムナイは自分の体験を参加者に語っ たりと、両者にとって自分の HLAB での経験を見つ め直すきっかけとなりました。フリーインタラクショ ンには、最後ということもありたくさんの高校生が 参加しました。 「フリーインタラクションが一番よ かった」 「○○さんかっこいい、あのような大人にな りたい」といった声も多く挙がりました。 28 8 月 21 日(8 日目) 流れ:セミナー/ House Project / Party Night /リフレクション 集大成の 8 日目。セミナーでは、最後ということも あり皆いつも以上に熱心に取り組んでいました。こ の 8 日間を通して自分の興味が深まった人、ガラッ と変わった人、様々いたことが印象的でした。続く House Project では、サマースクールで苦楽を共に したハウスの仲間と各々のスタイルで時間を過ごし てもらいました。サマースクールの思い出を語り合 う、ムービーづくりなどの共同作業に熱中する、思 いっきり楽しむ、など、ハウスによって様々な時間 の過ごし方が見られました。サマースクールの最後 のイベント Party Night では、各々がお気に入りの 服に身を包み、最後の夜の参加者間での交流を楽し んでいました。最後には高校生が大学生に向けて感 謝の言葉を述べテーマソングを歌う、感動的な場面 となりました。最後のリフレクションでは 9 日間を 経て、初日と比べてハウスメンバーの距離がグッと 近くなっていることを感じさせられました。 8 月 22 日(9 日目) 流れ:閉会式 終わりと始まりの 9 日目。最終日ということで皆興 奮しながらもどこかしんみりとした様子で慣れ親し んだ会場 GRIPS に向いました。閉会式では、高校生・ ハウスリーダー・セミナーリーダー・共同運営委員 長が参加者にメッセージを贈るという形をとりまし たが、特に高校生参加者が自分の思いを自由に述べ るセッションでは、話す側も聴く側も各々の HLAB での 9 日間を反芻し、会場全体が感動の涙に包ま れました。閉会式後の軽食会場では、皆別れを惜し みつつ「また会うっしょ!/ We’ll definitely see each other again!」と、サマースクールで得た絆 を 9 日間で終わらせるのではなくこれからに繋げよ うとしている姿が印象的でした。The best is yet to come, this is just the beginning. 29 HLAB TOKYO 2015 セミナー一覧 Thinking Creatively About Social Change Anne Leahy / Maho Yamanaka Logic: The Art of Thinking Bryan Baek / Taiki Morita The Importance of Mentorship Farhang Hooshmandina / Kanae Otsuki Creative Living Gabriele Gugaite / Moeko Aramaki Leadership and Negotiation Happy Yang / Ayami Kawasaki Are We Logical? James Ho / Naoya Scott Johnson Tactical Urbanism Joshua Jow / Toshiya Kawara Saying “Yes, Let’s!” Kan Yamane / Juri Obata Imperfect Gods Katherine Tobeason / Kia Sadahiro Game Design Maggie Vo / Ryota Mizuno Social Justice and Film Molly Cinnamon / Mizuki Onoma Introduction to Spoken Word Moses Kim / Emi Okabe Education and Social Mobility Mujtaba A.A. Warsi / Arisa Hirabayashi 30 The Key to Undestanding South Asian International Relations: The Pashtun People Nazow Bibi Tarakai / Yuito Ishikawa Realziing Ideas Nhi Ho / Harune Kyo Crimes, Capes, and Crusades Olivia Miller / Miki Tanaka Managing Diversity Oscar A. Rudenstam / Saya Oi Propaganda Rachel Wong / Misa Yamashita Design Solutions for Global Issues Selena Anjur-Dietrich / Takahiro Fujiwara Decide Sindy Tan / Koichiro Matsui Brain Gone Wrong: The Quest for Self and Zombies Suomi Sponton / Yumina Nakane Unfolding the C Words: Capitalism vs Communism Trang Thuy Nguyen / Risa Ishii How to Grow a New Arm Thomas Gilgenast / Masaatsu Kusunoki セミナー詳細(一部) Are We Logical? 「論理的」とは何か。この問いを出発点とし、頻繁に Social Justice and Film 最近あなたを最も唸らせた広告はなんですか? 行われている論理的な虚偽を学習し、それらを用い 広告には、あなたがその商品を手に取りたくなる様々 て実在する議論を観察しました。高校生には新鮮な な工夫が散りばめられています。また、特に CM な 学問であり初めは苦労していましたが、論理学の基 どは、テレビを通し、動画で視覚に訴える媒体で、 礎に触れる事で、より一歩論理的で説得力のある主 大多数に届けられるような広告を制作するのに適し 張の作り方のコツを身につける事が出来たました。 ています。 そこに目を付け、商品ではなくアイディアを視聴 The Importance of Mentorship 者に " 売ろう " とするのが、このセミナーで扱う 夢を実現させるために、自分(メンティー)と支え Public Service Announcement です。 になってくれる人(メンター)の関係をどう構築 映像制作の基礎を学びながら、世の中をポジティブ し、発展させていくかについて、高校生自身の体験 な方向に変化させるような、力強いメッセージを乗 と重ね合わせながら考えていくセミナーでした。ま せた CM を制作することを目標としました。 た、日頃忘れてかけていた自信の取り戻し方も学び、 人間関係、差別、政治、環境などの様々な観点から、 今後の高校生活のモチベーションとなるセミナーに 今高校生たちが世の中に持つ強い意志を、映像とい なったことでしょう。 う形で周囲に届けることにより、自己表現の多様さ と、映像の可能性を伝えることを狙いとしました。 Propaganda 本セミナーの目標はメディア研究の導入を通し、メ Unfolding the C Words: Capitalism vs ディアやポップカルチャーをクリティカルに鑑賞で Communism きるようになることです。セミナーでは映画や音楽 ロシアとベトナム、シンガポールで育ったセミナー を通して、監督の意図や撮影手法の比較などを行い リーダーが自身の経験をもとに、社会主義と資本主 ました。普段見慣れている作品にも、無意識のうち 義の違いについて講義を行いました。セミナーの中 に人々を扇動する手法が使われていることを学び、 では、マルクスや冷戦期のプロパガンダを用いて、 積極的に質問をする生徒たちの表情はとても印象的 過去の社会階級闘争や超大国の力を理解することで、 でした。 特定の経済システムにおける我々の固定観念に気づ き、多角的・客観的に物事を見ることがいかに大切 Brain Gone Wrong: The Quest for Self and かを学びました。 Zombies 日本ではあまり知られていない即興劇 (Improvisation)をテーマにしたゲームをしながら、 セミナー参加者全員で ”Saying Yes/ あらゆる申し 出を受け入れること ” と ”Embracing Failure/ 失敗 を受け入れること ” の意味や重要性を考えました。 体や声を大きく使うようなアクティビティをたくさ ん盛り込むことで、普段の授業では体験できないよ うなセミナーが提供されました。 31 HLAB TOKYO 2015 フォーラム HLAB TOKYO のフォーラム 政治、経営、物理、芸術等様々な分野で社会のトッ や将来を考察する契機となることを目的としていま プリーダーとして活躍されている有識者の方々をお す。また、ご講演頂いた後に、高校生・大学生と講 招きし、ご自身のライフストーリーを含む「今、高 演者の対話を意識した長めの質疑応答や、また講演 校生に伝えたいこと」をテーマに講演と質疑応答を 者と同じ目線で交流・議論できるようなフリーイン 行いました。各日の午後に行われ、政策研究大学院 タラクション等、高校生・日本人大学生・海外大学 大学、ARKHILLS CLUB、アカデミーヒルズ、東京 生といった 3 つのアクターが能動的に参加し、対話 大学工学部 2 号館ホール等の施設を利用しました。 を行うことが可能となる学びの場を創造することを 講演で語られるご講演者の経験や、熱いメッセージ 目指しました。 を通して、参加者にとって新しい価値観との出会い 登壇者一覧 黒川清氏 政策研究大学院大学客員教授 【日時】8/14( 金 ) 12:00-13:00 【場所】政策研究大学院大学 想海樓ホール 【講演概要】現代の社会が抱える闇と光、グローバ ル化が加速するこの世界で我々はどう生きるかとい うテーマで、黒川様の鋭い考察を伺う一時間でし た。ご自身のライフストーリーや『The Matrix』( 1999)、スティーブ・ジョブスのスタンフォード大 学卒業式辞等の馴染みの深い映像を交えての興味深 いお話を聞くことができました。 納富信留氏 慶應義塾大学文学部教授 【日時】8/15( 土 ) 13:00-14:30 【場所】東京大学工学部 2 号館ホール 【概要】リベラルアーツ教育を受けるうえでの道しる べとなるような哲学的なお話や、ご自身のキャリア についてのお話をしていただきました。様々なプロ 32 グラムを通じてリベラルアーツ教育を体験する高校 生たちに、まず始めに物事を考える道筋がどのよう なものか考える機会を与えていただきました。 【パネリスト】 関美和氏 ( 翻訳家 ) Roderick Jemison 氏 ( 学校法人インターナショナ ルスクール・オブ・アジア軽井沢 初代校長 ) 横山匡氏 ( アゴス・ジャパン代表取締役 ) 小林亮介 ( 一般社団法人 HLAB 代表理事 ) 【日時】8/16( 日 ) 13:00-15:30 【場所】東京大学工学部 2 号館ホール 【概要】第 1 部では、関美和氏、Roderick Jemison 氏に、どういった経験が現在のキャリアに繋がって いるか等のライフストーリーや、現在されているお 仕事に関するお話など、お 1 人ずつ、エピソードや 動画を交えながら 20 分ほどのご講演をしていただ きました。第 2 部では、ハウスごとに大学生・高校 生交えてグループディスカッションを行ってもらい、 関氏と Roderick 氏からいただいた全体への質問に 対する回答や、また参加者から講演者に聞いてみた いことなどを考えてもらいました。第 3 部では、小 林亮介がファシリテーターを務め、横山匡氏をパネ リストとしてお迎えし、計 4 名によるパネルディス カッションが行われました。グループディスカッショ ンで集めた回答や質問をもとに、日本の英語教育の 問題点や国際社会で活躍できる人材についてなど、 様々なテーマで会場を巻き込んだ熱い議論が交わさ れました。 大栗博司氏 カリフォルニア工科大学 フレッド・カブリ冠教授 【日時】8/17( 月 ) 14:00-15:30 【場所】ARK HILLS CLUB 【概要】大栗様ご自身の現在に至るまでの経歴につい て、超弦理論やブラックホールなどの最新の物理学 のお話にも触れつつご説明いただきました。これか ら大学進学について考える高校生だけでなく、今後 大学院へ進学や研究者としての道を歩むことを検討 している大学生も多くの刺激を受けており、彼らに とって大変貴重な機会となりました。 33 HLAB TOKYO 2015 遠藤謙氏 ソニーコンピュータサイエンス研究所 研究員 【日時】8/20( 土 ) 14:00-15:30 【場所】アカデミーヒルズ 【概要】遠藤様が取り組まれている義肢についての講 義をしていただきました。健常者と障がい者の違い とは何か、科学技術ができることは何か、という問 いについてを考える講演でした。 「義足をつけたア スリートは健常者の大会には参加してはいけないの か?」などの問題提起に対し、高校生だけでなく海 外大学生も積極的に意見を交わし、深い議論が展開 されました。 フリーインタラクション HLAB TOKYO のフリーインタラクション 【日時】 :8/16( 日 ),17( 月 ),19( 水 ),20( 木 ) いて考えました。ビジネスや政治など様々な分野で 【会場】 :鳳明館森川別館 地下大広間 活躍されている約 40 名のゲストにお越しいただき 【概要】 :社会で活躍する方々をゲストとしてお招き ました。高校生からは、 「学ぶことの意義とは」や「将 して、高校生と語り合える場の提供を目的として行 来、日本の教育を変えていくには何ができるのか」 われました。高校生は普段の生活ではなかなか接す などの率直な思いや疑問がゲストの方に向けられま る機会のない方々との対話を通し、興味や関心を深 した。ゲストの方々もそれらの質問に真摯に応答し めると共に、自分自身が抱えている疑問や将来につ てくださり、終始、活気あふれる企画となりました。 34 フリーインタラクションゲストリスト (順不同) 小笠原 知洋氏........経営コンサルタント 菊森猛氏..................学校法人産業能率大学総合研究所 志賀アリカ氏.........国際基督教大学 3 年 / 認定 NPO 法人 Free the Children Japan Youth 理事 辻芳樹氏..................学校法人辻料理学館 理事長 中岡晃也氏..............フリーランス(ダイアログプランナー、ファシリテーター、ライター) 西堀祐大朗氏.........株式会社インテリジェンス 納富信留氏..............慶應義塾大学文学部教授 / 日本学術会議連携会員 林雄一氏..................プリモジャパン株式会社 取締役副社長 堀江敦子氏..............スリール株式会社 代表取締役社長 水野友貴氏..............千葉県議会議員 横山匡氏..................JAOS 理事 / アゴス・ジャパン代表取締役 / 一般社団法人 HLAB 監事 江藤愛氏..................株式会社 TBS テレビアナウンサー 加藤重治氏..............国立研究開発法人 理化学研究所 理事 辰野まどか氏.........一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)専務理事/事務局長 二重作将人氏.........日本 GE 株式会社 リスク管理統括 リスクコントロール本部 与信管理部長 松田悠介氏..............認定 NPO 法人 Teach For Japan CEO 水野貴允氏..............株式会社ピー・アンド・イー・ディレクションズ / 経営コンサルタント 村田博信氏..............株式会社ファーム・アルファ代表取締役 事業プロデューサー / イノベーションコンサルタント 渡辺知行氏..............米日財団 在日代表 小澤真生氏..............株式会社ピー・アンド・イー・ディレクションズ / 経営コンサルタント 鈴木悠平氏..............株式会社 LITALICO 人材開発部 高橋 祥子氏............文部科学省官民協働 海外留学創出プロジェクト トビタテ!留学 JAPAN プロジェクトメンバー 中野 生子氏............学校法人インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢 吉岡利代氏..............国際 NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチ 上級プログラムオフィサー 星野 達彦氏............JAOS 理事 武藤康平氏..............株式会社 LITALICO 人材開発部 安居俊裕氏..............農林水産省 山崎奈都子氏.........内閣総理大臣官邸・国際広報室(マッキンゼー・アンド・カンパニーから出向) 荒畦悟氏..................文部科学省 官民協働海外留学創出プロジェクト トビタテ!留学 JAPAN 35 HLAB TOKYO 2015 ワークショップ アイスブレイク・ワークショップ 【日時】8/14( 金 ) 【会場】政策研究大学院大学 【概要】初対面の参加者同士の緊張を解くワーク ショップが初日に行われました。前半はお互いのこ とをより知ってもらうもので、後半はハウス内の親 睦を深めるものとなります。前半ではお互いの名前 と特徴に加え、生い立ちの共有もしました。後半で はハウスごとに目標や特徴をまとめた、オリジナル な模造紙を一枚ずつ作りました。明るい雰囲気の 中で、お互いへの信頼感を抱くようになったワーク ショップとなりました。 自己分析ワークショップ 【日時】8/18( 火 ) 【会場】東京大学 【概要】過去の経験や体験を振り返り、 「自分はどん な人なのか」を考えるきっかけをつくるワークショッ プです。前半はフェンシング世界選手権男子フルー レで金メダルを獲得した太田雄貴選手とアゴス・ジャ パン 代表取締役の横山匡氏に対談していて頂き、後 半は自己分析ワークシートを使って高校生同士でペ アを組み、自分について話す場を設けました。最後 にはグループで相手のペアが自分のことを熱く語り、 自分を客観的にも見つめなおす機会となり、また新 たな高校生間の交流の場を創るきっかけにもなりま した。 36 その他企画 開会式 【日時】8 月 14 日 10:45-11:45 【場所】政策研究大学院大学 想海樓ホール 【概要】全国、世界各地から六本木に集まった 80 人 の高校生を出迎える最初のイベントです。共同運営 委員長である塘田明日香と Oscar A. Rudenstam によるスピーチに始まり、式の中では、一般社団法 人 HLAB 代表理事の小林亮介、株式会社ピー・ア ンド・イー・ディレクションズの内村竹志氏から 高校生たちに激励の言葉を頂戴いたしました。また HLAB の監事である横山匡氏からのスピーチでは、 HLAB に臨む上での心構えについて説き、式を更に 盛り上げました。その後高校生代表に「HLAB にか ける思い」を語ってもらい、最後には一人一人の想 いを風船に込めて放つオープニングスパークを行い、 明るく和やかな雰囲気の中、そこから始まる 8 泊 9 日に想いを馳せました。 Tokyo Trip 【日時】8 月 15 日 15:00-20:00 【場所】東京各地域 【概要】東京再発見をテーマに、あえて主要な観光ス ポットではない、夕焼けだんだんや等々力不動尊な どの古き良き東京をハウス(高校生・大学生からな る班)ごとに訪れ課題をこなしてもらうという新企 画フィールドワークでした。この企画の最大のキー となるのが ” くじ引き ”。訪問場所・ハウス内の役割、 全てがくじ引きで決まるため、偶然性を楽しむアイ スブレイクの一貫でもありました。二日目で緊張が まだ残る高校生たちも、割り当てられた役割をこな し達成感を感じられたようで「東京にこんな自然が あったなんて ! もう一度訪れたい」 「ハウスメンバー の意外な一面を見れた」と、9 日間共にするハウス 内で交流する良い機会になったと、沢山の声を聞く ことができました。最後には、全ハウスが写真 や trip 中のインタビューをまとめ、 、模造紙を作成し、 毎日利用する大広間に貼り出しました。体験型プロ グラムの思い出が視覚的なものとなり、それぞれの ハウス色が光る作品たちに、参加者たちは興味深く 見入っていました。 37 HLAB TOKYO 2015 リフレクション 【場所】鳳明館 【概要】リフレクションは一日を振り返り、 「経験」 や「気づき」を「学び」に落とし込むことを目的と しています。ハウス単位で毎晩行われ、高校生と大 学生が年齢、国籍の枠を超えて意見交換をします。 セミナーやフォーラム、毎日の企画の中での気づい たことに加えて、自分の過去の経験や将来の夢につ いて、真剣に向き合ったり、サマースクール期間中 の自分のやハウスの在り方について、参加者全員が 考えられる時間でした。サマースクール 4 日目には 4 日間の学び・反省・振り返りを自分の中に落とし 込む時間をとり紙に書き出しました。その上で、ハ ウス内で共有をすることによって、まずは残りの 5 日間どういうことを吸収し行動していきたいか深め ていくことをコンセプトに「 Dialogue」という企 画を行いました。翌日には、 今までの振り返りを経て、 これからについてをメインに考えることをコンセプ トに「Thinking about the future」という企画を 行いました。対話を重ね、相互理解を深めることに より、ハウス内の絆が密になりました。 大学生フリーインタラクション 【日時】8 月 16 日 16:15-18:30 【場所】鳳明館 【概要】HLAB では、フォーラムやフリーインタラ クションを通して参加者が社会人の方からお話を伺 うような、自らにとって新しい価値観との出会いや 将来を考察する機会は以前から存在していました。 しかし、世界中から集まっている多様な大学生との 交流を増やしたいという想いから、本年度から「大 学生版フリーインタラクション」という企画が誕生 しました。事前に大学生の大学名・専攻・将来設計 等が記載されているプロフィールを配布し、自分の 目指している大学の先輩・自分と同じ夢を持ってい る大学生など、高校生が話してみたい大学生を見つ けるきっかけとしました。実際の企画では、高校生・ 大学生が2グループに分かれ、一つのテーブルを囲 んでざっくばらんに想いを語る場となり、さらに残 りのサマースクール中も気軽に話しかけられるよう な、高校生と大学生の繋がりが生まれる機会となり ました。 38 ホームカミングディナー 【日時】8 月 20 日 17:30-19:00 【場所】東京大学 第二食堂 【概要】2011 年度から 2014 年度までの HLAB TOKYO に参加した高校生・大学生がサマースクー ルに帰ってきて、過去参加者同士の再会や今年度参 加者との新たな出会いを楽しみました。高校生にとっ て過去参加者との交流は様々なきっかけを生む貴重 な機会です。アイスブレイクゲームや過去参加者の 代表によるスピーチといったコンテンツもあり、高 校生自らアラムナイに積極的に話しかけたり会話を 楽しむ姿が見受けられました。 タレントショー 【日時】8 月 19 日 14:00-17:00 【場所】政策研究大学院大学 想海樓ホール 【概要】学問的で対話ベースの企画が多い HLAB で すが、この企画では、学問的な側面にとどまらず様々 な可能性を秘めている高校生の特技(タレント)を 存分に披露してもらいました。ピアノ演奏、マジック、 ダンス、歌など普段の姿からは想像できないような タレントを披露してくれた参加者が多く、鑑賞する 側としては楽しめると同時に刺激を受けられる企画 となりました。また、参加者全員で歌う企画もあり、 HLAB TOKYO 2015 メンバーの絆を改めて確認で きる企画ともなりました。 House Project 【日時】: 8 月 21 日 【会場】: 鳳明館森川別館、本郷周辺 【概要】: 最終日前日に行ったハウス毎のワーク ショップです。内容としては、決められた時間の中 でハウス毎に自由な時間を過ごしつつ、 「Vine」と いう 6 秒動画を撮るアプリを使い、ハウスを表現す る動画をとってもらいました。6 秒の動画を複数撮 り、繋げることによってハウス毎に様々なビデオが でき、12 ハウス分の異なった表情が見ることができ ました。また、自由に過ごせる時間ということでハ ウス毎に思い思いの時間を過ごした貴重な時間とな りました。 39 HLAB TOKYO 2015 閉会式 【日時】8 月 22 日 10:30-13:00 【場所】政策研究大学院大学 想海樓ホール 【概要】8 泊 9 日を過ごしてきた宿である鳳明館に別 れを告げたのち、開会式やフォーラムの会場として 利用されてきた政策研究大学院大学の想海樓ホール にて閉会式を行いました。高校生の卒業証書授与か ら始まった閉会式では、高校生、セミナーリーダー、 ハウスリーダー代表によるスピーチと、一般社団法 人 HLAB 代表理事の小林亮介や理事の横山匡氏か ら HLAB の夏で得られた「つながり」の大切さや、 "This is just the beginning" と参加者へのエールを 込めたスピーチを頂戴しました。そして共同運営委 員長である塘田明日香と Oscar A. Rudenstam か らのスピーチを経て、最後には「メモリアル」とい う形で 8 泊 9 日を通して芽生えたそれぞれの思いを 全体に共有する機会が設けられ、それぞれの思いを 伝え合い、HLAB TOKYO 2015 は終了しました。 参加者について 参加者内訳 < 海外 > < 居住地 > < 性別 > 男子 38 名 北海道 1 名 京都府 2 名 アメリカ 1名 女子 42 名 山形県 1 名 大阪府 2 名 香港 1名 < 高校区分 > 茨城県 1 名 兵庫県 1 名 イギリス 2名 国立 6 名 埼玉県 2 名 三重県 1 名 公立 12 名 千葉県 4 名 広島県 1 名 私立 58 名 東京都 38 名 山口県 1 名 海外 4名 神奈川県 10 名 愛媛県 1 名 群馬県 2 名 宮崎県 1 名 < 学年 > 1 年 26 名 長野県 1 名 佐賀県 1 名 2 年 40 名 静岡県 2 名 沖縄県 1 名 3 年 14 名 愛知県 2 名 40 高校生の声 参加高校生 / 辛直輝 HLAB2015 に参加した、辛 参加高校生 / 舘野 紗良 直輝です。今、みんなと過 私は HLAB に参加する前 ごした九日間をを振り返っ は、他の人と違う意見を てみて、僕の頭の中は、正直、 持つことで向けられる周 まだいろいろ整理がついて 囲からの目を気にして、 いない状態です。それでも、 自分の意見を持っている この頭の中にかかっている のにもかかわらず面倒な ことだと発信せず流れる ように高校生活を送って いました。そんななか参加したわけですが、一番驚 いたことは高校生たちの追求心でした。セミナーや フォーラムでは明らかに年下の高校生たちが例え英 語が出来なくても躊躇することなく、発言し質問す る姿には衝撃を受けました。またフリーインタラク ション時にもそういった光景が多く見られ、彼らの 追求心に只々圧倒され、なにも言えなくなっている 自分がいました。そんな時に助けられたのはリフレ クションの時間でした。そこから意識的に発言をす るようにし、また自分の意見や考えを発信するよう に心がけたところ、幅広い人と話をすることができ、 そして自分と同じ考えの人とディスカッションをす ることで自分の将来を再度見つめ直すことができま した。この経験から次は影響を与える人物になるよ う心がけながら前に進もうと思います。 霞の中で、輝いているもの がいくつかあります。 まずは、サマーキャンプ全体を通じて、真の自分と 向き合えた気がします。自分と全く違うバックグラ ウンドを持つ、同じぐらいの年の人々と、自分の将 来、今持っている夢、世界で起こってる社会問題な どを語り合い、やはり、これが、将来、日本を躍進 させる人たちだと思いました。また 、自分のハウス内では自分のバックグラウンドと特 色を生かし、海外の大学生と日本人高校生との間の 架け橋になれたと思います。良い経験になりました。 僕は、現在、医師を目指しているので、将来、患者 さんと、最適、最新医療の間の架け橋になれるよう にも努力したいと思いました。さらに、フリーイン タラクションで出会った人生の先輩方からは、「ど んな出会いも大切に」、「なんでも自分でやる」、な どの言葉をいただきました。今回の HLAB2015 で の出会いも経験も、全て、将来、良い世の中を実現 していくことに応用していきたいと思います。貴重 HL の声 な体験をさせていただき、ありがとうございました。 参加ハウスリーダー / 石川裕伊登 高校生参加者として 進路選択の重要な時期にいる高校生にとって、選択肢 HLAB2013 に参加してから 2 の先を知る大学生の存在は非常に大きい一方、自分も同 年後、今年はハウスリーダーと 時に高校生と話をするたびに新たな刺激を受けます。そ して再び同じ場に戻ってくるこ の中で自分が目指したのは、共に考える存在です。日本 とができました。140 人の高 で高校まで過ごしたのちアメリカの大学に進学した人間 校生、大学生が一つの場所に集 として、自分は高校の時に何を考え、どのような決断を まり、9 日間を過ごす HLAB。 下したのか問い続ける必要がありました。大学生の存在 このサマースクールは一人一人 理由は「後悔の念」から始まっているともいわれます。 にとって「気づき」の場となっ ているように感じます。様々な言葉と出会う中で、今ま 自分が高校の時に気づくことができなかったことを胸に、 で自分が持っていなかった視点、知識、学問に触れ、新 今の高校生と向き合うのは自分自身の人生選択を改めて たな気づきが生まれます。ハウスリーダーとしてハウス 振り返らせるよいきっかけとなりました。 をまとめる役割の 1 つは、毎晩行われる 1 日を振り返る This is just the beginning. ためのリフレクションの進行です。1 日の中でどんな気 HLAB の閉会式で必ず出てくる言葉です。この「気づき」 づきがあったのか、何を思ったのか、言葉にしてハウス の場であるサマースクールを終えた今、これで終わりで のメンバーと共有することで、「自分とはどんな人間な はなく、この 9 日間で気づいたことを今後どう生かすの のか」見つめることが可能になりました。 かが問われている気がします。 41 HLAB TOKYO 2015 SL の声 参加セミナーリーダー (SL) / Moses Kim I remember getting an email about a two-week liberal arts program for high school students in Japan and leaping at the chance to go. To somebody who has lived his life with one foot in Los Angeles and the other in Seoul, cultural understanding has been an ongoing question with no clear answer. In my experience, however, the vast differences in what is valued, assumed, and taken for granted have played out most dramatically in educational spaces: I remember how overwhelmed and out-of-place I felt during high school as someone not quite Korean or American. At Harvard, I have been fortunate to find my voice and a family through the spoken word poetry community, and I wanted to share my experiences with my fellow teachers and students at HLAB. Yet what came next was unexpected: my HL, Emi, approached me, took my hand, and led me into a circle full of newcomers. With each day, I ended up talking to more of the people who on night one had intimidated me; I shared lunchtime discussions on why eggs in Japanese cuisine were often soft-boiled. I talked with my house each night about what in our societies made us angry, what made us hungry for change. I made mind maps with my high school students in class and heard even students who had never written in English before read beautiful poetry about their families, their aspirations, and their emotions. I spent fourteen days of my summer sleeping with my head next to my roommates' feet, each of us occupying a space we had collectively committed to making safe--yet also, in its own quiet way, a brave space as well. I won't speak to the educational benefits of HLAB, at least not the ones that people too The first night I stepped into Homeikan dragging two bags on each arm, my old anxieties came rushing back in stark detail. Seeing a room full of fellow teachers and peers raised the question of whether or not I would be able to contribute something here. often attempt to measure. What I will say is that I saw countless students and peers, myself included, bloom between the walls of Homeikan over those two weeks. And if nothing else, I hope that HLAB will continue to be a space where we plant confidence, compassion, and courage in the youth of today and the citizens of tomorrow. 参加セミナーリーダー (SL) / Anjur-Dietrich A 16-year-old student, never shares his dream with others because he habitual hitchhiker, and thinks they find it unappealing, but that in this member of my HLAB house he wants to talk about it. house sits with his elbows resting on his Another boy, a kick boxer and jokester and knees during reflection, fierce friend, goes next, saying he doesn’t a time where each usually share his dream with others because house comes together it isn’t glamorous enough, in their opinions. to talk about the day He laughs while he tells us what it is, but then that is ending, but also quiets down and his eyes show how seriously whatever they think needs to be said, or heard. The boy raises his hand and tells us that he 42 he believes in it. I won’t share what these two boys dream about, Tokyo, is an escape from all concerns of because those dreams are theirs to hold and reputation and external validation – instead, it nourish, and because at HLAB, we developed is a place that is quiet of that kind of noise and strong trust within just two weeks. What I can that allows students to say out loud what they say is that during my time at HLAB, beyond the really want from their futures, which is the first surprises and joys of being in Japan for the step in making it happen. first time (I’m definitely coming back as soon as I can), I was touched and honored to be a I saw new, supportive friendships being formed listener, not just a seminar leader. In that sense, over every meal, in every hallway, at any age. it was frustrating to know that because of the So beyond having given me the opportunity language barrier between the students and me, to learn about and experience a culture that is I could only ever know a small fraction of their new to me from my Japanese peers, HLAB let characters. me live in an open and sincere house in which I appreciated a new side of my house members HLAB has value to me because of the free every day. Domo arigato gozaimasu! space it creates. It is immediately understood by all students that Homeikan, our home in 参加セミナーリーダー: Farhang Hooshmandnia HLAB fosters a remember being in their shoes once upon a community of time. inquisitive international We entered the stage as teachers. thinkers, and every Over nine days, we rekindled their curiosity to high school student reach for the stars, and fueled their ambition arrives on day one to challenge the world stage. We would chant, determined to make “Don’t let your dreams be dreams. Yesterday, an impact. Yet when prompted with their future ambitions, they you said tomorrow. Just take the first step, and do it!” start somewhere between pensive and paralyzed. We left as mentors. As for most current seminar leaders and HLAB sincerely fosters a mentorship university students, at their age we were no community of talented and passionate different. We acknowledged their overwhelming scholars. From this point on, we acknowledged challenge, and we realized that we were tasked our momentous journey ahead and vowed with an incredible feat. How could we possibly to move together in the fellow company of provide clarity those who are lost when we dreamers. Together we grew stronger; we were just as helplessly lost only years ago? grew wiser. Together we broke through cultural We arrived in Japan wide-eyed and backgrounds, filtered through the noise of wholeheartedly eager. We were set to embark dissidence, and encouraged all to follow your on a journey, and we felt overwhelmingly dreams. United with a strong sense of purpose, privileged to be asked to teach and inspire we were able to develop a powerful support high school students. Largely, however, we network. But most importantly, surrounded felt flattered to have a chance to share our by such a community of big dreamers, never passions and our stories because we could before have I felt to be in such great company. 43 HLAB TOKYO 2015 運営委員の声 HLAB TOKYO 2015 運営委員 / 宇都木大樹 運営委員としての活動期 るかはわかりません。高校生が HLAB をきっかけに、 間に違いはあれど、東京 「何かが変わった」「あの時の出会いや、かけられた チームとして、12 人で 言葉が今も思い出される」といったことに気づくの サマースクールを終了す は、恐らく、HLAB で過ごした期間を客観的に振り る事が出来ました。4 年 返られるようになってからでしょう。その時に何か 前に高校生として参加し、大学生になり運営委員と 1 つでも、ひっかかってくれることがあったのであ して再び参加することなった HLAB TOKYO 2015。 れば、運営委員としてプログラム作成をしてきてよ 高校生参加者として、当時の自分が知りようもな かったなと思えるのかなと思います。参加者 140 人 かった運営する側の大変さとやり甲斐を感じた半年 の意識で完結しがちですが、高校生を送り出してく 弱でした。 「全ては高校生のために」という思いを れた保護者の方々、プログラム作成においてご協力 持ち続けサマースクール終了までを駆け抜けること を頂きました方々、また、HLAB2015 を作り上げ ができたことができたかと言われれば、自分が高校 た、4 地域の大学生とスタッフ。全ての力があった 生の時に見たかっこいい大学生像がぬぐいきれず、 からこその HLAB TOKYO 2015 です。私にとって、 自分の目指すべき大学生としての在り方や、本当に HLAB とは、何年たってもまた帰ってこようと思え 高校生のためになっているのかなど考える事も多く る、素敵な人たちのいる気持ちのよい場であり、何 ありました。正直、HLAB の成功が何によって図れ かが変わり始めるきっかけになる場でもあります。 “This is just the beginning” きっかけ、それは始ま りに過ぎません。 大学生名簿 運営委員 (EC) 山中真帆..................早稲田大学 塘田明日香..............東京大学 荒牧萌子..................慶應義塾大学 千葉馨......................慶應義塾大学 小幡珠里..................東京外国語大学 岩崎亜依子..............青山学院大学 川崎絢未..................一橋大学 後藤大輝..................明治大学 河原俊弥..................東京大学 川端真至..................早稲田大学 許遥音......................The College of Wooster 章雅涵......................東京大学 中根弓那..................九州大学 宮田ひかり..............聖心女子大学 平林ありさ..............University of California San Diego 宇都木大樹..............国際基督教大学 藤原隆寛..................慶應義塾大学 高沖静歌..................津田塾大学 水野量太..................東京大学 山根寛......................Stanford University 石川裕伊登..............College of William & Mary 吉田茉祐..................慶應義塾大学 大井咲彩..................早稲田大学 花岡圭太..................国際基督教大学 小野間瑞季..............Royal Holloway University of London 貞広貴亜..................Brown University ハウスリーダー (HL) ジョンソン直哉スコット ... 国際基督教大学 岡部瑛美..................東京大学大学院 田中美樹..................国際基督教大学 楠正篤......................University of Birmingham 松井浩一郎..............New York University 丹羽一憲..................滋賀大学 森田大基..................Institut d'études politiques de Paris 石井莉咲..................早稲田大学 大槻歌奈江..............国際教養大学 山下実紗..................上智大学 44 セミナーリーダー (SL) Oscar A. Rudenstam................... The University of Pennsylvania Anne Leahy..................................... Trinity College, Dublin Thomas Gilgenast......................... Princeton Univeristy Farhang Hooshmandnia............ The George Washington University Gabriele Gugaite........................... Middlesex University London Rachel Wong.................................. Harvard University Suomi Sponton.............................. University of Regensburg Bryan Baek...................................... Harvard University Happy Yang..................................... Harvard University James Ho......................................... Harvard University Joshua Jow...................................... Harvard Graduate School of Design Mujtaba A.A. Warsi...................... Harvard University Nhi Ho ........................................... Harvard University Olivia Miller ................................. Harvard University Ross Rheingans-Yoo.................... Harvard University Sindy Tan ............................. Harvard University Kan Yamane ................................. Stanford University Maggie Vo ........................... Harvard University Nazow Bibi Tarakai....................... Harvard University Selena Anjur-Dietrich .............. Harvard University Trang Nguyen ............................... Clark University Katherin Tobeason....................... Princeton University Molly Cinnamon ........................... Harvard University Moses Kim ............................. Harvard University 期間中ボランティア 立尾奈都..................青山学院大学 安井ゆり..................早稲田大学 志賀アリカ..............国際基督教大学 稲富賢人..................渋谷教育学園渋谷高校 香本将志..................立命館大学 會田千尋..................洗足学園中学高等学校 立原南美..................津田塾大学 寺田汐里..................実践女子学園高等学校 綱島莉理..................McGill University 似内祐太..................國學院久我山高校 平田晶......................上智大学 能勢佳直..................神奈川県立湘南高校 本田夏菜..................立教大学 三浦千明..................慶應義塾大学 Creative Staff 浅倉颯人..................東京理科大学 宮本翔(映像) .......神戸芸術工科大学 伊藤有沙..................Goldsmiths University of 稲田玲奈(写真) ...慶應義塾大学 London 江口航野..................首都大学東京 遠藤玲希央..............東京大学 岡崎拓実..................東京大学 小野元暉..................早稲田大学 下松由季..................東京大学 玉城義仁..................琉球大学 堀口璃子..................国際教養大学 45 終わりに 長くなりましたが、以上がご報告となります。ここ しかし 6 年目以降安定していくかと言うと、そうい までご拝読いただきありがとうございました。 うわけでもないと思います。 ここに記せたのはサマースクールの中のほんの一側 2016 年以降もきっと、今年と同じようにその年だか 面にすぎませんが、 『世界と出会い、自分と出会う。』 らこその課題を抱え、その課題を乗り越えるべく各々 を目指したサマースクールの中で、参加者一人ひと が挑戦をし、軸はぶらさずともその年のメンバーに りが、所属校・出身地域・性別・年齢といった様々 しかできない HLAB TOKYO をつくる ... そしてサ なボーダーを超えた出会いを通して、多種多様な気 マースクールが終わるとその年ならではの達成感と 付きや学びを得られたことを感じていただけたら幸 後悔を抱え、反省を翌年に引継ぎ、アラムナイも含 いです。 め皆で The best に近付くべくよりよいサマースクー ルづくりが始まる .... そんな繰り返しだと思います “The best is yet to come, this is just the beginning.” し、そうあって欲しいと思っています。 これは私が閉会式の挨拶で贈った、参加者に対する HLAB ◯◯のメンバーがその年なりの Best を実現 メッセージです。140 名の参加者一人ひとりがこの 9 し、サマースクール後の報告書で皆様にまたひと味 日間で感じたことを大事にしつつも、この経験に満 も二味も異なる HLAB をご報告できればと思ってお 足し驕るのではなく、あくまで長い人生における一 ります。 つの「きっかけ」として、謙虚に学び続ける姿勢を 保ち続けながらサマースクール後に続くステップに 最後になりましたが、改めて HLAB TOKYO 2015 繋げて欲しいと切に思っております。 を実現する上で様々な形でご協力・ご支援いただい た皆様、本当にありがとうございました。今後とも、 そしてこの言葉は参加者だけでなく、HLAB 変わらぬご指導・ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願 TOKYO、ひいては HLAB 全体にも当てはまる言葉 いいたします。 です。 最初の挨拶でも述べたように、HLAB TOKYO は 5 HLAB TOKYO 2015 運営委員長 年目を迎え少しずつ軸を確立しつつあります。 塘田 明日香 46 HLAB OBUSE 2015 47 HLAB OBUSE 2015 運営委員長挨拶 旅。 私は高校生 2 年生の時、初めて海外に「旅」をした経 今年で 3 年目を迎える小布施でのサマースクー 験で自分の将来の進路が決まりました。そして大学生に ル。 なり、仲間と一緒に「旅」をした経験で、自分の人生が 昔からの伝統を大切にしながら、常に新しい挑 動きました。 戦を続けている小布施町にふさわしいものに 「旅」という「非日常」の中でで出会う人や文化、新し なるよう、過去 2 年間で築いてきた町の方と い価値観。それらすべての経験は私たちの視野を広げて の関係性を大切しながらも、常に変化し続け新 くれると共に、自分の「あたりまえ」を気づかせてくれ、 しいものを生み出していくことを目標に約半 自分自身を見つめ直す機会を与えてくれます。 年、駆け抜けてきました。途中、多くの困難も ありましたが、総勢 50 名の大学生と一緒に、 こうした「旅」が持つ不思議な力は、人生を変える可能 数え切れないほどの町の方々の協力を得て、こ 性があるのではないだろうか、そしてそんな機会が高校 の「旅」を作り上げることができました。 生の時に持てるなんてすごく素敵なことではないだろう か、そんな想いのもと、2014 年度からサマースクール この旅がどんなものになったのか、参加した高 運営に関わってきました。 校生がどう感じたのか、それは参加者それぞれ そして、若者のやる気を応援してくださり、時には厳し が記した後節に譲ります。この報告書を通して く時には温かく見守ってくださる、本当に素晴らしい人 少しでも私たちの「旅」の様子を覗いていただ たちで溢れた小布施町。 けたなら、そして、同じように「旅」をしてい 人口 1 万人ほどの小さな田舎町とは思えないほど、優し るような感覚を得ていただけたなら幸いです。 さと活気に満ちたこの町は、自分たちが行う「旅」の舞 台として最適な場所はないのではないかと感じ、2015 年 1 月、運営委員長としてサマースクールを引っ張っ HLAB OBUSE 2015 運営委員長 ていくことを決意しました。 渡部 寛史 48 事前準備 HLAB OBUSE 運営委員会では、5 月〜 8 月にかけ その他にも、毎週 1 回小布施町教育委員会の方と て計 4 回小布施にて合宿を行いました。5 月の合宿 オンラインでの打ち合わせを行って進捗報告やプロ では初めて小布施を訪問する運営委員も多く、まず グラムの相談を行い、必要があれば県内在住の運営 は小布施町を知ること、そして小布施町の方の生の 委員を中心に小布施町を訪問して準備を進めまし 声を聞くことを目的としました。7 月、8 月の合宿 た。 では、町の方との打ち合わせを中心にサマースクー 加えて全 2 回、HLAB OBUSE 実行委員会を開催し、 ル本番に向けて現地でなければできない準備を行い 運営委員の町の方に進捗報告も行いました。 ました。 また、小布施町を知るという意味から町のイベント に参加する運営委員も多くいました。 日別振り返り 1 日目 日本各地から期待と不安を胸に小布施に集まった高 校生たち。まずは小布施町役場の北斎ホールにて開 会式を行った後、アイスブレイク・ワークショップ を行いました。あいにくの雨模様のため室内で行わ れたアイスブレイクですが、少しずつ参加者の緊張 はほぐれ、その後に傘風楼という素敵な雰囲気のレ ストランで行われたウェルカムディナーでは参加者 同士が仲良く会話をする様子が印象的でした。参加 者の緊張がほぐれていくのに合わせ、ウェルカムディ ナーの後にはすっかり雨も上がっていました。 2 日目 セミナーが初めて行われた 2 日目。英語への不安や これから出会う新しい学問への期待など様々な気持 ちを感じている姿が朝食の際に見受けられました。 午後には「SHOKU ワークショップ」と題し、高校 生に「働き方」について具体的にイメージをしても らい、自分らしい「働き方」を考えてもらうきっか 49 HLAB OBUSE 2015 けを与えることを目的としたワークショップを行い ました。総勢 8 名のゲストをお招きし、それぞれ自 分の担当となった講師の方から与えられたお題に頭 を悩ませながら、普段考えることのないようなテー マに必死に向き合っている姿が印象的でした。ワー クショップ後には、講師の方と自由に話をしている 高校生も多くいました。 3 日目 セミナーも 2 回目を迎え、参加者同士の仲がかなり 深まってきた 3 日目の午後には「高校生の心に火を 灯す」というテーマのもとにフォーラムが行われま した。様々な分野の第一線で活躍されているゲスト スピーカーの方を 6 名お招きし、TED のような形で プレゼンテーションを行っていただきました。内容 はもちろん、それぞれの世界観に引き込まれる工夫 がなされたプレゼンテーションに多くの高校生が魅 了されていました。フォーラムの後に行われたフリー インタラクションでは、自分の将来に対して少しで もヒントを得ようと講師の方の話を真剣に聞いてい ました。夜には、高校生同士だけでリフレクション を行いました。どうしてサマースクールに来たのか、 ということを振り返る機会にもなり、感じるものが あった高校生も多くいたようです。 4 日目 サマースクールの中日に当たる 4 日目。この日は、 ゆったりとした時間を過ごすとともに「自由な時間 をどう使うか」ということを考えてもらいたいとい う意図のもと、こちらからは積極的にプログラムを 用意せず、自由に過ごしてもらう時間が多い日とな りました。午前中はやりたいことを決めてグループ を作って行ってもらい、午後は好きな大学生に話を 聞きに行くオフィスアワーを行いました。それぞれ ゆったりとした時の中で、これまでのサマースクー ルを振り返りながら、自由な時間を過ごしていまし た。この日は小布施町の町民の皆様のお宅に宿泊を させていただくホームステイ企画が行われ、それぞ れのご家庭で小布施の文化を体験しながら、いつも とは違う特別な夜を過ごしました。 50 5 日目 ホームステイ先からそれぞれ戻り始まった 5 日目は、 これまでの日と異なり午前中に「食」をテーマにし たワークショップを行いました。全部で 6 つのグルー プに分かれて、当たり前すぎて普段は深く考えない 「食」についてその裏側にある様々な方の思いに触れ る貴重な機会となりました。午後はセミナーを行っ た後、 「Oh!MATSURI」と題して、お楽しみ企画が 行われました。浴衣を着て屋台やパフォーマンスを 楽しんだり、参加者同士で深い話をしたり…それぞ れがお祭りの雰囲気の中で充実した時間を過ごしま した。また、ホームカミング企画にもなっていたた め多くの過去のサマースクール参加者が参加してお り、今年の参加者と過去の参加者の交流も見られま した。 この日の夜は、どうしたら残りのサマースクールで の日々を有意義に過ごすことができるか、参加者同 士が真剣に夜遅くまで語り合っている姿が至る所で 見られました。 6 日目 丸一日皆で過ごせる最終日。3 日間行ってきたセミ ナーも最終日を迎え、それぞれのセミナーが集大成 としてのまとめを行っていました。少しずつ「最後」 を迎える中で同志社女子大学の上田信行先生をお招 きして行われた午後のワークショップでは、それで も限られた最後の時間を楽しむ高校生の姿が見られ ました。夜には流しそうめん、タレントショーが行 われ、参加者同士が様々な形で交流できる機会を設 けました。残りの時間を大切にしながら、夜遅くま で高校生、大学生同士が語り合っている姿はこのサ マースクールを一番よく表している風景だと思いま した。 7 日目 ついに最終日となってしまった 7 日目。様々な想い を持ちながら臨んだ閉会式では、勇気を出して舞台 に立ってスピーチを行った高校生の姿に多くの参加 者が心動かされ、溢れる想いをこらえきれず泣き出 してしまう参加者も多くいました。最後のフェアウェ ルランチでは、みんなの前で自分の想いを伝えたい という高校生の姿が印象的でした。別れを惜しみな がらも小布施駅から電車に乗り込み、それぞれの旅 がまたここから始まっていく、そんな風景が心に染 み入りました。 51 HLAB OBUSE 2015 セミナー一覧 Cinema Paradiso: Dreams, Desires, Gaze, Culture -Wei Jie [SL] , Kensho Tambara [HL] Society and the City -Janice Jia [SL] , Chisaki Iijima [HL] Social Psychology Across Cultures: How people around us Affect the way we Think, Feel, and Act -Saki Kitadai [SL] , Yuna Nakayasu [HL] Fiddling in America Learning Bluegrass, Old Time, and American Folk Music -Axel Snow [SL] , Chika Miyashita [HL] Beyond Borders Understanding the Impact of Japanese Culture in Peru -Deriam Chirinos [SL] , Shosei Koganemaru [HL] Consciousness: Perspectives from Biology, Mathematics, and Philosophy -Eagon Meng [SL] , Daishiro Nishida [HL] The Art and Evolution of Circus:The Modern Business of Performance -Kayla Chen [SL] , Momoko Hachikawa [HL] Infatuated with Japanese Tunes Hisaishi, Sakamoto, and Uematsu -Sam Wu [SL] , Jun A. Shibata [HL] From Higashino Keigo to Dan Brown: A Study in Mystery Fiction -Rohana Gao [SL] , Mikiko Ihara [HL] Journalism for Social Change -Reed McConnell [SL] , Yu Ohno [HL] Learning how to See: The Roman Empire How to do history without history books -Keir Pearson [SL] , Linai Zhou [HL] Popcorn Philosophy: Hark, the HLAB-Signal! -Czi Lim [SL] , Mayu Tanino [HL] How Does Music Treat You?: 3 ways to win his heart -Nene Yamasaki , Saki Murao [SL , HL] 52 セミナー詳細(一部) Fiddling in America Infatuated with Japanese Tunes SL: Axel Snow SL: Sam Wu HL: Chika Miyashita HL: Jun A. Shibata 日本に住んでいると触れる機会の少ないアメリカの 映画やアニメのワンシーンを題材に、脳科学、歴史学、 フィドル音楽。様々な文化の音楽や楽器が組み合わ 政治学、音楽工学の観点から紐解きました。音と映 さっているこの音楽について学び、最終的には演奏 像の効果的な組み合わせを研究しながら、人がどう することを目標としました。まずはアメリカの伝統 いう和音に興奮し、どういう楽器、音階、リズムに 的な音楽の歴史について学び、次に様々なスタイル 流されてきたか。第二次大戦中に各国がどのように での音楽の演奏を試み、最後にはアンサンブルを行 音楽をプロパガンダに利用したかなどを考えながら、 いました。 議論を重ねました。 From Higashino Keigo to Dan Brown SL: Rohana Gao The Art and Evolution of Circus HL: Mikiko Ihara SL: Kayla Chen 高校の授業ではなかなか取り上げられない探偵小説 HL: Momoko Hachikawa について学びました。日本の代表的推理小説家であ サーカスの歴史を遡り、人間が身体芸術や seeming る東野圭吾の「容疑者 X の献身」と、ダン・ブラウ impossible に魅せられる理由を探りました。また、 ンの「ダヴィンチ・コード」を研究することで推理 現代サーカスを例に取り、ビジネスとしての舞台芸 小説に共通するテーマについて考えるほか、日本と 術にも触れ、セミナーの最後には高校生自らサーカ 欧米の文化差がどのように文章に現れるかについて スをデザインし、発表するというインタラクティブ 議論を行いました。 な学びを体験する場にもなりました。 Journalism for Social Change SL: Reed McConnell HL: Yu Ohno 常日頃私たちは言葉に触れて生きています。この言 葉の力をどのように使って世界を変えるのか、ジャー ナリズムにおける記事の執筆・推敲について学ぶこ とで考えました。最終的に高校生はセミナーで学ん だことを生かしてウェブサイトを開設し、自分の関 心を持っている分野について記事を執筆しました。 Learning How to See: The Roman Empire SL: Keir Pearson HL: Rina Shu 高校の歴史の授業といえば、教科書に列挙されてい る年号や事実をやたらと暗記する作業を思い浮かべ ると思います。しかし実際は教科書で事実とされて いることはそこまで確実なものでないこともありま す。ローマ史の勉強を通じて自分で原典を解釈し、 「何 がどこでいつ起こったか」だけでなく「なぜ」も考 える力を培いました。 53 HLAB OBUSE 2015 フォーラム / フリーインタラクション HLAB OBUSE のフォーラム / フリーインタラクション 高校時代に自分自身の可能性を知る ( 広げる ) ため は6名の講演者による 15 分程度のご講演、第二部 に、多様な分野でご活躍されているロールモデルと では講演者とより近い距離でお話を聞くことができ なる社会人の方々と出逢う、そんな目的で開催され るようにフリーインタラクションを行いました。 たフォーラム。今年は、夢について考える中で、自 文系・理系といった壁を乗り越え、また様々な分 分の目指したい姿が具体的にイメージすることが難 野の方々のお話をお聞きすることで、興味・関心の しいと考えられる高校生に向けて、 『高校生の心に火 幅が広がり高校生の心に火が灯ったのではないで を灯す 〜「夢」の可能性を広げ、 「夢」に至るまで しょうか。 の「プロセス」から学ぶ〜』というテーマで第一部 スピーカー / ゲスト一覧 青沼 愛氏 合田 圭介氏 株式会社ファーストリテ 東京大学大学院理学研 イリング CSR 部ソーシ 究科教授。カルフォルニ ングチームにて、人権、 ア大学ロサンゼルス校 環境素材に配慮した調達 工学部教授を兼任。現在 体制の構築に従事してい は細胞検索エンジンの る。 研究開発を行っている。 大藤 剛宏氏 関 和亮氏 岡山大学臓器移植医療セ 小布施町出身。映像ディ ンター教授。4 月には脳 レクター、フォトグラ 死と生体肺の同時移植で ファー。Perfume の ある “ ハイブリッド肺移 ミュージックビデオ監 植 ” を世界で初めて成功 督を手がける。 させている。 田村 真菜氏 54 鎌田 千瑛美氏 株式会社 meguri 共同代 南相馬市出身。震災を機 表取締役。暮らしやいの に、福島女子によるコ ちを支える実践者・専門 ミュニティ団体「peach 家をサポートしている。 heart」を立ち上げ、代 また、狩猟分野でも活動 表となる。他にも様々な し、いのちの循環を感じ プロジェクトに参画して るイベント・場作りや情 いる。 報発信を実施している。 ワークショップ 2 日目 SHOKU ワークショップ 「働く」とはどういうことなのか、またこの世の中に はどんな仕事があるのかを高校生が知ることを目的 としたワークショップ。社会で活躍されている 8 名 のゲストをお呼びし、ゲストの方々が提示するお題 に対してグループで取り組み、ディスカッションを 通し自分達なりの答えをまとめ発表をしてもらいま した。高校生からは「こんな仕事があったなんて知 らなかった。 」 「自分が将来働く姿が少しだが想像で きた。 」などの声が聞かれました。 講師一覧 ゲストハウス LAMP 支配人 堀田樹様 塩尻市役所企画課シティプロモーション係 山田崇様 株式会社ハピキラ FACTORY 正能茉優様 山本峰華様 小布施町役場 企画政策課定住交流係 佐藤孝幸様 IRONCROW 共同体 代表 トータルプロデューサー 小林秀樹様 国際人権 NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチシニ アアソシエート 吉岡利代様 株式会社 prsm 代表取締役 藤代健介様 箏奏者 松澤佑紗様 55 HLAB OBUSE 2015 5 日目 SHOKU ワークショップ コンビニ、ファミレスなどで簡易的な食事が普及し た現在、私たち消費者と生産者の距離がありすぎる ことに疑問を感じ、もっと生産者・加工者の人たち の思いを知ろうというワークショップです。ワーク ショップの内の 1 つである、有機・循環型農法を用 いて果物を栽培している農家にて摂りたての桃を丸 かじり。科学的に「土」などを見て、よりおいしい 果物を作る生産者の熱い思いを高校生たちは心で感 じていました。 各ワークショップの概略 ①和菓子づくりを通じて、日本の文化を学ぼう! 講師:市村多喜子様(和菓子いちむら) ②地元の食材でつくる、おいしい洋菓子(イチゴを もちいたクレープ) 講師:清水律男様(リトルパンプキン) ③お味噌をつくってみよう! -「発酵」という日本 文化を学ぶ 講師:小山洋史様(穀平味噌代表) ④小布施の子供たちと一緒に、長野の郷土料理「お やき」を作ってみよう! 講師:勝山貴代様 (町教育委員会「子ども教室」指導員) ⑤食べ物を無駄にしない循環型農法を学ぼう! 講師:鈴木宏道様(鈴木農園) ⑥小布施の栗菓子ができるまで − 栗畑から栗菓子 屋を見る – 講師:桜井昌季様(桜井甘精堂社長) 56 6 日目 プレイフル・ラーニング “playful” という考え方を大切にされている同志社女 子大学の上田信行先生を講師としてお招きし、楽し みながら学ぶことの大切さとその実現方法を考えら れるようなワークショップを行いました。 様々なアクティビティが用意されており、会場は大 変盛り上がりました。高校生たちはそれぞれに楽し みながら、思考を可視化することや遊びと学びの融 合などを体験し、普段触れることのない多くの学び に刺激を受けていました。 講師 同志社女子大学 特任教授 上田信行先生 その他イベント 開会式 これからはじまる 7 日間の「旅」の幕開けふさわし いワクワクするようなオープニングムービーと運営 委員長である渡部のスピーチと共にサマースクール の幕が開きました。 小布施町の市村良三町長、町議 会議長の大島孝司様から激励の言葉をいただき、さ らには共同運営委員長である Deriam からのスピー チが行われ、高校生代表からはサマースクールの意 気込みを話してもらいました。これから一緒にサマー スクールを過ごす大学生の紹介の後、来賓の方も含 め開会式の参加者全員でサマースクールへの期待と 不安をジェット風船に託し、開会式を閉じました。 1 日目 アイスブレイク ついに顔をそろえた参加者からはやはり、緊張して いる様子が感じられました。そんな気持ちを吹き飛 ばすために、あいにくの雨ながら体育館を用いて体 を多く動かすアクティビティをアイスブレイクとし て行いました。一番盛り上がりを見せたのは、「猛獣 狩りゲーム in English」 。残念ながらグループに入れ なかった人には、進行役の HL から無茶ぶり罰ゲー ムが。短い時間でアイデアを絞り出し、それを表現 する様子にみんなの笑顔もこぼれ、緊張もほぐれま した。 57 HLAB OBUSE 2015 1 日目 ウェルカムディナー 歓迎パーティーの意味も含め、毎年行われるウェル カムディナー。今年の会場は和の小布施の中に一際 存在感のあるおしゃれなイタリアンレストラン「傘 風楼」で行われましした。オレンジジュースの入っ たグラスを片手に乾杯!デザートには、ティラミス やムース、小布施名物の栗を使ったアイスまで。小 布施の食事はおいしい!と高校生たちも満足な様子 でした。 3 日目 Super Reflection Time(SRT) 従来は大学生主導でハウスごとに行われていたリフ レクションを、高校生 50 人だけで行う企画です。 具体的な内容は高校生のみぞ知るところ。それまで 話したことのなかった参加者の夢について知ること ができただけでなく、参加者全員が「ここに来て良 かった」と思い、一体感を感じたとのことでした。 4 日目 Free Time 自由な時間の過ごし方を考えてみようという想いで 企画されました。当日は生憎の雨模様でしたが、小 布施町の中心街に出かけたり、バレーボールをした り、参加者同士で互いに手紙を書いたりと、各々気 の赴くままに時間を過ごしていました。サマースクー ルも中日ということで、前半の学びや心境の変化を 自分の中に落とし込む時間になったようでした。 4 日目 オフィスアワー 欧米の大学で学生が教授にアポイントメントをとり 質問をしに行く制度、 「オフィスアワー」 。高校生と 大学生の対話を増やしたいという想いから、この仕 組みを HLAB の高校生と大学生の二者に置き換えま した。身近なロールモデルである大学生の話を聞い たことで自分の将来や進路選択だけでなく様々な悩 みについて再考するきっかけになったようでした。 また、この企画以降、積極的に人に話しに行き、相 談する高校生が増えました。 4日目 ホームステイ サマースクール参加者と小布施町町民の方との交流 と小布施の文化を肌身を持って体感してもらう箏を 目的とし、4日目の夜に参加者が町民の皆様のお宅 に宿泊させていただく民泊の機会を設けました。 各ご家庭では手料理をふるまって頂いたり、子供た ちと交流を行ったりと非常に充実した時間を過ごす ことができ、小布施の「おもてなし」の心を体験す 58 るとともに、第 2 の故郷として小布施に帰ることの できる場所を各々が見つけることのできた大変貴重 な経験となりました。 5日目 Oh!MATSURI 日本の伝統行事である祭りの雰囲気を楽しんでもら いながら、より参加者同士の深い交流を目的とした 当企画。浴衣を着て、さーけんせってみね会の皆様 にご協力いただいた屋台に舌鼓を打ち、TOMOYAARTS 様による絵のパフォーマンスを楽しみながら 充実した時間を過ごしました。今年はこの企画がホー ムカミング企画にもなっていたため、多くの過去参 加者も参加し、またホームステイを受け入れてくだ さったご家庭の方もお越しくださり、あちこちで再 会を喜ぶ声や近況報告しあう声が聞こえました。 6日目 タレントショー 高校生・大学生問わず、得意なことや趣味など自ら の特技 ( タレント ) を披露する場として6日目の夜 に行われました。ダンスや茶道、歌、ピアノなど様々 な特技が披露されました。会場には前々日の夜にホー ムステイを受け入れてくださったご家族の皆様もお 越しくださり、これまで知らなかった参加者の新た な一面を見ることができました。 今年はセミナーごとの発表も多く見られた他、後半 には皆で舞台に上がって盛り上がりを見せていまし た。 7日目 閉会式 7 日間の思い出と様々な想いを持ってそれぞれの参 加者が臨んだ閉会式。市村良三町長から挨拶をいた だき、セミナーリーダー、ハウスリーダー代表から のスピーチと曲のプレゼント、高校生代表と運営委 員長からのスピーチが行なわれました。閉会式の後 に行われた終了証書授与式では、ハウスごとに壇上 に上がり高校生参加者一人一人に大学生から一言と 共に終了証書が渡され、涙で顔をくしゃくしゃにし ながら抱き合う姿が見られました。サマースクール が高校生にとってかけがえのない時間であることを 示す景色がそこにはありました。 59 HLAB OBUSE 2015 参加者について 参加者内訳 < 性別 > 佐久長聖高等学校 男子 16 名 郁文館グローバル高等学校 伊那弥生ヶ丘高等学校 女子 34 名 開成高等学校 長野日本大学高等学校 Saint Maur International School 伊那北高等学校 < 高校区分 > 福島県立安積高等学校 屋代高等学校 - 長野県内 前橋女子高等学校 長野清泉女学院高等学校 長野高等学校 < 学年 > 須坂高等学校 - 長野県外 長野西高等学校 3 年 13 名 愛知県立豊橋東高等学校 立松本深志高等学校 2 年 23 名 旭丘高等学校 文化学園長野高等学校 1 年 14 名 新潟県立国際情報高等学校 長野吉田高等学校 東京学芸大学附属国際中等教育学校 中野西高等学校 < 居住地 > 巣鴨高等学校 上田高等学校 長野県 28 名 / 東京都 4 名 / 愛知県 7 名 上野学園高等学校 飯山高等学校 京都府 2 名 / 千葉県 2 名 / 神奈川県 1 名 都立工芸高等学校 岐阜県 1 名 / 福島県 1 名 / 大阪府 1 名 新潟県 1 名 / 奈良県 1 名 / 群馬県 1 名 高校生の声 参加高校生 : 一色 寛登 小布施で過ごした一週間 また、大学生や高校生と話していて、こんなにも自 は、様々な経験を得るこ 分の話に興味を持ってくれる人がいるのだと驚きま とが出来た一週間でした。 した。 また、今後に生かせる知 学校では、あまり自分の話しをしないので、周りの 識を多く得ることができ 人のことをあまり知りませんでした。 ました。 でも、自分のことを話すと、相手も自然に相手のこ HLAB OBUSE では、セ とを話してくれるのだとわかり、より深い関係にな ミナーやフォーラム、ワークショップなどを通じて、 れるのだとわかりました。 普段関わる事の出来ない方々とお話をすることでき HLAB OBUSE で色々経験した中で一番思い出があ ます。 るのはハウスです。 他にも、ホームステイや、食のワークショップなど ハウスは 1 週間の生活の基盤として、家族同然の関 で、小布施町の素晴らしさや、小布施町の人々の温 係になれたと思います。 かさ、街並みの綺麗さを感じました。 1 日の終わりのリフレクションでは、その日を振り その中でも、フォーラムスピーカーの方々の話を聞 返り、自分と見つめあいました。 いて、自分のやりたいことをやるのが一番楽しいし、 また、ハウスの人のとても深い話を聞けました。言 一番意味のあることだと思いました。 葉では表せないけれど、ハウスの人は HLAB の中で 特に、合田さんの「only1 になれ」という言葉が印 も特別に大切な人たちです。 象に残っています。 最後に、この HLAB OBUSE に参加して得た知識は、 人間は誰一人として、同じ人生を歩んではいません。 今後に活かすことでその真意を発揮します。 なので、一人一人が違う経験をしています。だから、 なので、HLAB OBUSE を新たなスタートラインと それぞれの人に個性があると思います。 する、人生最高の旅をしていきたいです! そのことを大切にしていけば、自然と自分が何をす べきかわかると思うし、誰でも only1 になれると考 えました。 60 HL の声 参加ハウスリーダー (HL) 村尾沙樹 HLAB OBUSE に参加する高校生を見て、私は「変 もう一人、考え方が360度変わったと言ってい 化」をすることがどれほど難しいことであることか る女の子がいました。最初は「それって、もとの位 身を持って感じました。ある女の子は「私は英語を 置に戻っただけじゃん」と彼女の言いたいことがよ もっと使いたい、上手くなりたい」と言っていまし く分かりませんでした。しかし、3 週間経った今、 た。しかし、もの静かで恥ずかしがり屋なその子は ようやく彼女が言いたかったことが分かりました。 授業で英語を使おうとする素振りは全くと言って良 HLAB は一度立ち止まって、周りをゆっくり見渡す い程見せませんでした。そんな彼女は 3 日目あたり 場であり、普段は真っ直ぐ前しか向けない自分を休 から、たった 2、3 文ではありましたが自分から英 ませ、周囲の状況、自分の状況を見つめ直すことが 語を話しました。私は彼女の変化にとても喜びまし 出来た、そう言いたかったのだと思いました。 た。たった 7 日間の中で 180 度違った人生を歩み もともと HLAB は与える側として参加しようとし 始めるのは不可能に等しいし、今の自分を少しでも ていましたが、実際のところ私の方が考えさせられ 変化させることさえも難しい。それでも、高校生た ることが多くありました。偏った人が多い HLAB の ちは皆、ひとりひとり、今の自分に満足せずにお互 中で Diversity など生めるのかと不安になることも いに刺激し合って変わろうとしていました。HLAB ありましたが、本当の Diversity は高校生達の中に OBUSE は高校生に変化の場を作ってあげられたの 眠っているものだと思い知る 7 日間であったと感じ ではないかと思います。 ています。 SL の声 参加セミナーリーダー(SL) :Axel Snow Despite being a Harvard student for four years and graduating this May, this was my first year doing HLAB, and I think that overall the experience was really rewarding. Particularly the portions that took place in Obuse were great experiences. I decided to lead a seminar on traditional American fiddle music. Half of my seminar was a lecture-discussion format, and the second half of the seminar I dedicated to teaching the students was music by ear. I think the topic really lent itself to the unique seminar format in HLAB. The students were particularly delightful to teach. They told me the hardest part of my seminar was learning songs by ear, but they did learned quickly and were quite enthusiastic. In the overall portion of the Obuse program, the high school students were incredible and eager to learn together and make friends, despite the fact that they came to HLAB for many different reasons. There were students with different levels of English capability, but I think that for the most part they got along well. I think the students enjoyed the unique environment of HLAB where they could learn in a new way without worrying about tests. Many were shy at first, but by the end of the program everyone had become very tight with each other. Outside the seminar, the Obuse town portions were pretty great. We went to an onsen every day, had an awesome day learning about agriculture, and had a fun miniature festival. The homestay I participated in was particularly 61 HLAB OBUSE 2015 fun for me. I enjoyed connecting with a family fellow college students interested in Japan. in the Obuse community and playing with their I had been to Japan several times before two adorable kids. We had a few workshop this program, so I was not expecting to be events that were successful, I thought, though surprised with how productive and inspiring not always interesting to me- though it the HLAB Obuse program would be. It turned appeared that the high school students got a out to be enjoyable, memorable experience lot out of these events. thanks to the enthusiasm of the organizers, Before HLAB, I assumed it would be a normal the college students, the high school students, experience and a good chance to meet some and the town members of Obuse. 運営委員の声 HLAB OBUSE 2015 運営委員:井上聡太 僕は高校生の時大学生に やっとの思いで迎えた本期間。苦労はしたが自分な 憧れていました。それは、 りに全力でこの HLAB というプログラムに向き合っ 大学生になれば自分の夢 てきたため何も問題は起きないだろう、そう思って に向かって日々勉強が出 いました。しかし、実際に始まってみるとそのよう 来ると思っていたからで なことはあるはずもなく、トラブルは次から次へと す。しかし、実際に大 起こってしまい、自分の半年間は何だったのだろう、 学生になって待っていた と考えずにはいられませんでした。これでは自分は のは自由すぎる日々であり、特になにをするわけで 半年前と何も変わっていないではないか、そんな考 もなく時間だけが過ぎていく、そんな生活を送って えが頭をよぎりました。その時、一人の仲間が「切 いました。しかし、ある日そんな生活を過ごす自分 り替えて、ここから頑張ろう。」と励ましの声をかけ に危機感を感じ、何かこんな自分を変えてくれるも てくれました。その言葉に励まされ後ろを振り返る のはないだろうかと思った時、たまたま出会ったの と、そこには僕を励まそうと集まってくれた 沢山の が HLAB でした。自分は長野に住んでおり、たまた 高校生・大学生がいました。そんな素敵な仲間たち ま開催地も小布施ということですぐにやってみよう のおかげでとても充実した 6 泊 7 日間を過ごすこと と決めました。そんな軽い気持ちで関わった自分を が出来ました。サマースクールを終えた今、改めて 待っていたのは、苦悩の日々でした。このようなプ 自分と向き合ってみるとやはり自分は人として変わ ログラムに関わったことがないだけでなく、企画の れてはいないと思います。しかし、僕は自分が変わ 運営など一度もしたことのない自分にとって本期間 るということよりも価値のある仲間という最高の「宝 までの約半年間は地獄のような日々で、正直に言っ 物」を手に入れました。この繋がりよ永遠に。 てとても大変な思いをしました。そんなこんなで 大学生名簿 運営委員(EC) ハウスリーダー(HL) 渡部寛史..................岡山大学 飯島千咲..................京都大学大学院 大竹黎......................Harvard University 大野友......................早稲田大学 木口幸祐..................新潟県立大学 小金丸翔世..............国際基督教大学 遠山宏樹..................信州大学 柴田純......................慶應義塾大学 原山悠樹..................早稲田大学 周理奈......................早稲田大学 井上聡太..................信州大学 谷野真優..................国際基督教大学 関瑛理子..................東京大学 丹原健翔..................Harvard University 一色剛輝..................豊田工業高等専門学校 中安優奈..................横浜市立大学 62 西田大士朗..............Williams College Creative Staff 八川桃子..................早稲田大学 迫恭平(写真) .......日本大学 宮下千佳..................同志社女子大学 川原崇大(映像) ...デジタルハリウッド大学 山崎寧々..................University of Cambridge 宮尾昇陽(映像) ...デジタルハリウッド大学 / 伊原三紀子..............国際基督教大学 Canterbury Christ Church University 村尾沙樹..................早稲田大学 セミナーリーダー(SL) 期間中ボランティア Axel Snow........................................ Harvard University 堀内彩花..................長崎大学 Rohana Gao.................................... Wellesley College 笠井 瑛.....................新潟県立大学 Sam Wu............................................ Harvard University 片山 美里................法政大学 Reed McConnell............................ Harvard University 白井 優毅................国際教養大学 Keir Pearson................................... University of Oxford 石山 花.....................北里大学 Xian Lim Czi.................................... UCSI 小山 京佳................立教大学 Saki Kitadai..................................... Tufts University 工藤 千尋................信州大学 Deriam Chirinos............................. Harvard University 指宿 雄大................国際教養大学 Janice Jia.......................................... Harvard University 菅野 気宇................国際教養大学 Weijie Lim......................................... New York University 丸山 拓人................同志社大学 Kayla Chen...................................... Harvard University 本塩 彩衣................信州大学 Eagon Meng.................................... Harvard University 津末 あや................立命館アジア太平洋大学 村上礼央..................University of Wisconsin 福田健太..................東京大学 山崎裕子..................岡山大学 加藤志歩..................国際基督教大学 終わりに さあ、旅をはじめよう。 「あたりまえ」から踏み出す 考えている様子がそこにはありました。 夏を、小布施で。 想定外のことが起きるのも「旅」の魅力の一つであ り、本当の意味でこのサマースクールは「旅」になっ 「旅」という「非日常」な体験を通じて自分の「あた ていたのかもしれない、そんなことを思いながら小 りまえ」から踏み出すことで、今までと違う新しい 布施駅から新たな「旅」に旅立っていく高校生の姿 世界を見てほしい。そして、自分の目の前には無限 を眺めていたのを覚えています。 大の可能性が広がっていることを感じてほしい。 このキャッチコピーには、そんな想いが込められて 最後になってしまいましたが、無理なお願いをいつ いました。 も快く受け入れ協力してくださった小布施町の皆様 をはじめ、スポンサーの方々、サマースクールに関 しかし、プログラムと真剣に向き合う姿や夜遅くま わってくださった全ての皆様に運営委員一同、感謝 で大学生や高校生同士で語り合う姿など、私たちが を申し上げます。本当にありがとうございました。 想定しているよりもずっとずっと多くのものを感じ、 HLAB OBUSE 2015 運営委員長 渡部 寛史 63 HLAB OBUSE 2015 小布施でご協力を頂いた皆さま 【食事でお世話になった方々】 セブンイレブン小布施雁田店様 【医療対応でお世話になった方々】 特定医療法人 新生病院様 丸十ベーカリー様 小布施堂様 【信濃町事後プログラムでお世話になった方々】 いろは堂様 小林義之様(信濃町教育委員会 次長) アップルシティなかの様 竹内康則様(信濃町教育委員会 教育長) 小布施岩崎様 元田和行様(信濃小中学校) ア・ラ小布施様 佐藤宏幸様(信濃町役場 総務課) 味郷様 高橋哲様(信濃町役場 総務課) 来楽様 椙澤恵美様(信濃町役場 住民福祉課) TSUMUGI CAFE 様 小林直美様(信濃町役場 産業観光課) 手打ち百藝おぶせ様 水沢安良様(信濃町役場 住民福祉課) 小栗様 水澤和馬様(信濃町役場 総務課) 桂亭様 高橋博司様(信濃町役場 総務課 課長) delica shimada 様 川口彰様(信濃町役場 総務課) さーけんさってみね会様 棚橋靖様(総合戦略・信濃町みらい創生会議会長・ 10.4 様 有限会社アートミヤジマ代表取締役) 見海勝利様 赤松玄人様(総合戦略・信濃町みらい創生会議副会長・ 山岸茂夫様 信濃町教育委員・長野 森林組合森林づくり推進課長) 日穀製粉株式会社様 斉藤寛紀様(株式会社ログラフ) 北陸コカ・コーラボトリング株式会社 長野支店様 高遠慎悟様(トライト一級建築士事務所) JA 全農様 斉藤寛紀様(株式会社落影農場) 丸善食品工業株式会社 須坂工場様 大澤保博様(ヴァリアスカーズ) 木島薬品様 柳澤光照様(やなぎさわ美容室様) 小渕青果様 安藤陽子様 徳竹美月様 【入浴でお世話になった方々】 あけびの湯様 穴観音の湯様 【お祭りでお世話になった方々】 さーけんせってみね会の皆様(上原様、小山様) TOMOYA-ARTS 様 おぶせミュージアム・中島千波館様(池田様) 小布施教育委員会の皆様 山岸裕始様 商工会青年部の皆様 【ホームステイでお世話になった方々】 梅松寺様 / 関様 / 北村様 / 込山様 / 市川様 畔上様 / 塩野崎様 / 竹節様 / 内山様 / 伊藤様 吉村様 / 関谷様 / 土屋様 / 神林様 / 内坂様 / 山岸様 利根川様 / 田中様 / 中島様 / 中込様 / 久保田様 市村様 / 高野様 / 加藤様 / 高橋様 / 染野様 64 株式会社ファームかずと様 有限会社仁之蔵様 HLAB TOKUSHIMA 2015 65 HLAB TOKUSHIMA 2015 運営委員長挨拶 この報告書の文章を執筆をしている 2015 年 9 月現在、 も、彼らなりに HLAB で得た学びや出会いを活かし HLAB TOKUSHIMA 2015( 徳島サマースクール by てそれぞれの生活の中で変わろうとしている様子が HLAB) の開催から、ちょうど1ヶ月が過ぎました。 伺え、その姿を見たときこそ私たちもサマースクー 本サマースクールは、徳島サマースクール by HLAB ルの成功を感じられます。 実行委員会(徳島県教育委員会、海部郡牟岐町、一 今年度のサマースクールでは、昨年度にも増して 般社団法人 HLAB の三者によって構成)の主催の元、 「どうして徳島、どうして牟岐町なのか」を大切に考 牟岐町民の皆様をはじめとする多くの方々のご協力 えました。その明確な答えは言葉にできなくとも、 により開催されました。昨年度が初開催となり 2 年 このサマースクールに関わった高校生、大学生たち 目となった今年は、高校生参加者が 40 名から 49 名 が、徳島、牟岐の暖かさを肌で感じ、また戻りたい、 に増え、海外大学生、バイリンガル大学生も 20 名程 と思ってくれたなら、その問いと向き合ってきた価 度から 28 名に増えて一人一人の高校生に、より多く 値があると、今自信を持てます。 の出会いの機会を提供できる場と成りました。昨年 最後になりましたが、本サマースクールの開催に 度とはまた違ったメンバーの高校生、大学生が集ま あたり、資金、物資、活動において多大なサポート り、高校生たちは共に過ごした一週間を通して、 「自 をいただきました徳島県教育委員会、牟岐町教育委 分たちは何を求めて参加したのか」 「このサマース 員会、牟岐町の町民の皆様のご協力と、HLAB をご クールでの学びや出会いをきっかけにどう変わって 支援くださる全ての方に感謝の言葉を述べまして、 いきたいのか」など自分に問い、お互いに問い合い ご挨拶とさせていただきます。 ながら答えを探し、一週間が終わる頃には彼らそれ ぞれの「HLAB」を見つけ、持ち帰ってくれたこと HLAB TOKUSHIMA 2015 運営委員長 と思います。期間後の高校生たちの声を聞いていて 広瀬ないる 66 日別振り返り Day1 大多数の高校生は徳島駅前からバスで 90 分、また 徳島県内の一部の高校生は現地に直接来るなどして、 サマースクール開催地である県南部の海部郡牟岐町 に、49 名の高校生が集まりました。1 週間一緒に過 ごすハウスの発表やポロシャツなどのグッズ配布を 行い、開会式を迎えました。開会式後には徳島県知 事飯泉嘉門氏をお招きし、6 人の高校生が登壇して 知事に質問をぶつけました。アイスブレイクでは現 在海外でも注目されている、カラフルなプラスチッ クコップを音楽に合わせて両手で動かしていく「カッ プス」を取り入れ、 ハウス内の一体感が生まれました。 また、それぞれのハウスのパフォーマンスをビデオ に納め夕食後に皆で鑑賞しました。夜のハウスごと のリフレクションではアイスブレイクのゲームなど を行い盛り上がりました。 Day2 朝の 8 時 40 分から、牟岐少年自然の家から車で 10 分程度離れた牟岐町海の総合文化センターにて、セ ミナーリーダーによる 12 のセミナーが開講されま した。参加高校生は普段学校では体験することのな い 90 分間の少人数授業を 2 コマずつ受けます。セ ミナーで頭を使った後は牟岐の婦人会の皆様の手料 理をいただき、午後にはフォーラムが開講されまし た。前半の 90 分間では JICA で働かれている石塚彩 氏、後半の 90 分ではまちづくり(まちをデザイン すること)に精通する山崎亮氏と大南伸也氏のお二 人に対談を行っていただきました。夕方には地元の 社会人の方々をお招きし、フリーインタラクション を行いました。その後牟岐小学校の旧校舎で行われ たお祭りに参加し、高校生も大学生も一緒に阿波踊 りを体験しました。 Day3 午前中は 2 日目同様セミナーを受け、昼食には婦人 会の方の食事をいただき、 午後には「Re: 小学校」ワー クショップを行いました。東京学芸大学卒業後ハー バード大学大学院のデザイン学科を卒業された徳島 出身の建築士、坂東幸輔氏を講師としてお招きし、 廃校舎となった牟岐小学校の旧校舎を今後どのよう に活用できるだろうか、というテーマを元にグルー 67 HLAB TOKUSHIMA 2015 プでディスカッションをし、ポスタープレゼンテー ションとしてまとめました。高校生は大学生ととも にに活発なディスカッションを行い自由でクリエイ ティブなアイディアが多く出されました。プレゼン テーションは全て高校生が英語で行い、坂東氏から の講評をいただきました。 Day4 中日となったこの日は、サマースクール前半で学ん だことを振り返り、後半に生かす目的で、リフレッ シュ日として多くの企画を行いました。午前中は二 つのグループに別れて牟岐の海でのシュノーケリン グあるいは、小さな船で 15 分ほど行った場所にあ る出羽島ツアーを行いました。昼食にはかつおの叩 きを作る工程を体験し、皆で昼食としていただきま した。午後には普段なかなか見る機会のない、ピア ノやダンス、パントマイムや漫才など様々な才能を 披露する「タレントショー」を行いました。夜のリ フレクションは高校生のみで期間中前半を振り返り ました。それぞれ期間中前半で感じてきたことの共 有や HLAB で達成したい目標を再確認し、期間後半 への準備ができました。 Day5 午前中はセミナーを受け、婦人会の方々の美味しい 昼食をいただいた後、午後は HLAB 代表理事小林亮 介とハーバード大学院で物理学を専攻している永島 岳氏から講演をいただいた後、ISAK(International School of Asia, Karuizawa) の甚上直子氏をお招き して MBTI ワークショップを行いました。MBTI とは、 心理学者のユングの理論を元に人を 16 種類のタイ プに分け、自分を知ると共に人との違いを認めるこ とで、人間関係の構築に役立てる自己理解メソッド です。参加者が皆それぞれ、新たな自分の側面の発 見や「人とは違って当然」という事実を改めて確認し、 多様性の面白さを実感していました。 Day6 午前中には、セミナーリーダーやハウスリーダーた ちはセミナーを通して高校生に伝えたかったメッ セージをしっかりと伝えて最後のセミナーを終了し ました。昼食は最後の婦人会の方の手料理でこの日 はサラダ、うどんと炊き込み御飯をいただきました。 午後には徳島の伝統工芸品である行燈(あんどん) を作製するワークショップを行いました。自分のサ マースクールを表す一言を筆を使って半紙に書き込 68 み、行燈に貼り付け、作製した 30 以上の行燈と地 元の行燈を合わせ、夜には浜辺での展示を行いまし た。行燈の光が作り出す幻想的な雰囲気の中で、期 間中に撮影した写真のスライドショーなども行われ ました。最後のリフレクションでは皆自分たちの過 去、現在、未来についてなど熱い気持ちを伝えあい、 サマースクール後も続く強い友情が生まれました。 Day7 自然の家での最後の朝食を、高校生も大学生も共に 食べました。10 時から閉会式を行い、地元の皆様含 め期間中お世話になった多くの皆様がお越しくださ いました。ハウスごとに大学生から高校生へ修了証 書授与を行い、閉会式後には高校生が自由にサマー スクールの感想や他のメンバーへのメッセージを伝 えられる「メモリアル」という時間をとりました。 昼食に地元の商工会の皆さんが用意してくださった、 手作りのお寿司やサンドイッチを頂き最後の別れを 惜しみながら、13 時には高校生を乗せたバスは徳島 市内へ向けて走り去って行きました。涙をこらえら れない中、みんないつかまたどこかで再開を約束し、 最後には笑顔で手を振りました。 69 HLAB TOKUSHIMA 2015 セミナー一覧 Did You Hear That?: "Reading" American Sustainable Development: Let’s Build the Popular Music and Music Videos Future Together Allejah Franco / Akari Takahashi Luis Mayberry / Charles Genki Shimokura Inside a Computer: Intro to IT Fundamental, Nuclear power and destruction: Studying the from Hardware to the World Wide Web political effects of Fukushima and other recent Tiphanie Fuentes / Tenichi Liu nuclear meltdowns Jacquelyn Nakamura / Sho Hayashida Laugh for Life: Or Why We Need Humor to Deal With Life, the Universe and Everything The Japanese American Experience Limor Gultchin / Yoshimi Li Emily Natori / Max Behar Monsters in Literature, Film, and Real Life What we talk about when we talk about Javier Gutierrez / Ayaka Murayama “Gender”: An introduction to contemporary Gender issues Is there one correct way to look at the world?: Jeanne Swee / Mai Saito Islam, Contexts, and Terrorism Qasim Khan / Nana Azuma Understanding Your Teenage Brain: How your brain works and what you can do to support it Freakonomics: Exploring the Hidden Side of Megumi Takada / Takaaki Yoda Everything Gal Koplewitz / Taeko Hamada Science Literacy:A Necessary Skill Miranda Tyson / Kosuke Yamazaki A Day with the Brain: Understanding the brain with a neuroscience and Psychological Croissant, Diversity & French Cultural approach Exception Fiona Lau / Mitsuko Shimizu Yang Xiong / Chiemi Yamamoto セミナー詳細(一部) Did You Hear That? - “Reading” American Is there one correct way to look at the world?: Popular Music and Music Videos Islam, Contexts, and Terrorism Allejah Franco / Akari Takahashi Qasim Khan / Nana Azuma 普段私たちが何気なく聴いている音楽はどのような このセミナーでは近頃ニュースで見ない日がない、 要素から形作られているのか。そしてその一つ一つ イスラム原理主義者によるテロのトピックを扱いま の要素はどういった意味を持つのか。このセミナー した。基盤にあるイスラム教の教え、その捉え方の では、いくつかの具体例を挙げながら、歌詞、伴奏、 違いや、身近な視点からテロ組織がなぜ生まれるの コーラス、ミュージックビデオ等多様な観点からア か、その背景を高校生と一緒に考え、ゲーム理論も メリカにおけるポップミュージックの分析方法を学 踏まえた上でテロを阻止するためのガバナンスを探 びました。 究しました。 70 Freakonomics - Exploring the Hidden Side of Everything Understanding Your Teenage Brain: How your Gal Koplewitz / Taeko Hamada brain works and what you can do to support it 麻薬の売人はなぜ母親と同居し続けるのか?相撲界 Megumi Takada / Takaaki Yoda の八百長疑惑はどのように証明できるのか? 思春期に見られる「リスクを顧みない衝動的行動」 このセミナーはそれらの疑問に回答するために、様々 や「反抗期」は何故、思春期にのみ見られるのか? な社会現象を経済学で使われるデータを用いて分析 このセミナーではこうした年齢的に高校生に身近な し、また様々なケーススタディを使用しながら一見 テーマを、脳科学的観点から学びました。高校生自 難解と思われがちな経済理論を社会学・歴史の観点 身が思春期の脳の状態を理解し知識を得ることで、 からアプローチしていきました。セミナーの後半で より質の高い日常生活を送る一助にすることを目標 は、 「いかにデータが人を騙すのに便利な道具である としたセミナーになりました。 か」をコンセプトに批判的に事例を考察しました。 高校生は Freakonomics を通じて、データを用いて Science Literacy: A necessary skill 社会を観察するスキル、またそれらのデータを批判 Miranda Tyson / Kosuke Yamazaki 的に考察する方法を学びました。 情報社会が発展するとともに、科学リテラシーは非 常に大切なスキルの 1 つになってきました。科学リ Sustainable Development: Let’s Build the テラシーとは何を指すのでしょうか?メディアから Future Together 得る情報は常に正しいと言えるのでしょうか?この Luis Mayberry / Charles Genki Shimokura セミナーでは、実際に、東洋医学や遺伝子組み換え 「持続可能な開発とは、未来の世代の利益や要求を自 作物を題材にディスカッションを行い、各個人が科 ら満たす能力を損なうことなく、現在の世代の利益 学的に物事を分析するトレーニングを行いました。 や要求をも満たす開発である」 。21 世紀の世界にお 情報が錯綜する現代社会の中で、科学とどのように けるキーワードの一つである「持続可能な開発」。環 接するのかを考える貴重な経験になりました。 境科学、工学、法律学、経済学、公共政策学など多 様な専門分野が複雑に絡み合うこのトピックについ て、そのコンセプトはなにか、 「持続可能性」を測る 基準はなにか、などを考えたうえで、ブラジルの実 例をもとに、ディスカッションを通じて政策を立案 する体験ができました。 What we talk about when we talk about “Gender”: An introduction to contemporary Gender issues Jeanne Swee / Mai Saito ジェンダーとはなんなのでしょうか?そもそも、" 男 "、" 女 " ってなんでしょう?最近アメリカで同性 婚が合法となったことからも分かるように、世の中 には単純に " 男性 ”、" 女性 " にあてはまらない人々 がいます。このセミナーでは、ジェンダーに関わる 諸問題や、どのようにしてジェンダーという概念が 作られたかを、ジェンダー平等やゲイライツに絡め てディスカッションを交えながら学びました。 71 HLAB TOKUSHIMA 2015 フォーラム HLAB TOKUSHIMA のフォーラム 様々な分野で社会のトップリーダーとして活躍され ている有識者の方々をお招きし、8 月 16 日、19 日 の午後に海の総合文化センターのホールにて行われ ました。講演で語られる経験や、熱いメッセージを 通して、参加者にとって新しい価値観との出会いや 将来を考察する契機となることを目的としています。 また、ご講演いただいた後に、高校生・大学生と講 演者の対話を意識した長めの質疑応答や、また講演 フォーラムスピーカー一覧 石塚彩氏 / 国際協力機構(JICA)講演 【日時】8/16( 日 ) 13:30-15:00 【場所】海の総合文化センター ホール 【概要】ご自身の生い立ちや現在の国際協力に関す るお話をしていただきました。これまでネパール、 ハイチ、モザンビークなどで AIDS、結核やマラリ アの感染症対策に関わり、現在は JICA で西アフリ カ諸国の保健システム強化事業に従事されており、 写真とともに国際協力の実際を伺うことができまし た。 大南信也氏 / グリーンバレー理事長 山崎亮氏 / studio-L 代表 対談 【日時】8/16( 日 ) 15:10-16:40 【場所】海の総合文化センター ホール 【概要】お二人の学生時代の話やどんなことを考え てどのように行動してきたか、また専門分野である 72 者と同じ目線で交流・議論できるようなフリーイン タラクションを設けるなど、高校生・大学生・社会 人といった 3 つのアクターが能動的に参加し、対話 を行うことが可能となる学びの場を創造することを 目指しました。 地方活性化に関してやコミュニティデザインのお話 をしていただきました。 「生き方」について考えさせ られると同時に、飾らない言葉での講演に高校生は 興味を持って耳を傾けていました。 小林亮介 / 一般社団法人 HLAB 代表理事 講演 永島岳氏 / ハーバード大学大学院生 講演 【日時】8/19( 水 ) 13:30-14:30 【場所】海の総合文化センター ホール 【概要】小林からは自身の生い立ちに加え、HLAB の 歴史や理念についてスピーチを行いました。永島氏 はご自身の生い立ち、なぜハーバード大学へ進学す ることに決めたのか、また現在取り組まれている研 究について紹介していただきました。 甚上直子氏 / 学校法人インターナショナルスクー ル・オブ・アジア軽井沢 ワークショップ 【日時】8/19( 水 ) 14:40-16:40 【場所】海の総合文化センター ホール 【概要】MBTI®(Myers-Briggs Type Indicator®) と 呼ばれるメソッドを用いた自己分析ワークショップ が行われました。自分自身と改めて向き合い、自己 を理解し、自分をより活かすヒントを得ることがで きました。16 のタイプ別にグループに分かれること で、互いの良さを知り、認め合うこともできました。 フリーインタラクション HLAB TOKUSHIMA のフリーインタラクション 【日時】 8 月 16 日(日) 、8 月 18 日(火) 、8 月 19 日(水) 【会場】 牟岐町海の総合文化センター 牟岐少年自然の家 【概要】 フリーインタラクションでは、徳島県内でご活躍中 の方、また徳島出身で全国各地でご活躍されている 方を中心にゲストとしてお越しいただきました。徳 島で生まれ育ち、県内・日本全国・世界各地でご活 躍されているゲストの方々のお話は、県内の高校に 通う生徒にとっては特に身近に感じられたようで、 「自分自身も将来は何らかの形で徳島に貢献できれ ば」と話す高校生もいました。高校生の中では漠然 としたイメージでしかなかった「大学生」や「社会人」 というものが、この企画を通して、自分の将来に関 連させて考えられるようになった様子でした。 73 HLAB TOKUSHIMA 2015 フリーインタラクションゲスト一覧 ( 敬称略 , 順不同 ) 兼松文子氏..............JTMとくしま日本語ネットワーク代表 志田雅美氏..............多摩美術大学美術学部統合デザイン学科 岡田元一氏..............有限会社三八代表 近森由記子氏.........特定非営利活動法人 TICO 事務局長 田村航也氏..............徳島県海部郡海陽町 城満寺住職 西川昌徳氏..............自転車冒険家 坂東幸輔氏..............建築家 三村誠二氏..............徳島県立中央病院救命救急センター長 坂野晶氏..................AIESEC モンゴル代表 長谷川友紀氏.........CHU CHU CHURROS CAFE 店長 水上友理恵氏.........London School of Economics 梶川奈津子氏.........広告会社勤務 高田修太氏..............コンサルティングファーム勤務 林祐太氏..................コンサルティングファーム勤務 水野愛子氏..............慶應義塾大学文学部 岸田侑氏..................徳島市市民活力開発センター統括マネージャー ワークショップ ワークショップ一覧 「アイスブレイク」 本企画の目的は、サマースクール初日で緊張し、他 の仲間との自己表現の共同作業の中で生まれる会話 を通して、凝り固まった体と心をほぐすことでした。 企画内では「カップス」という、音楽に合わせてコッ プを操るゲームを行い自然と会話が弾み、笑顔あ ふれる HLAB TOKUSHIMA のサマースクールのス タートになりました。 「Re: 小学校」 徳島県出身でハーバード大学大学院を卒業され、現 在建築家として活躍されている坂東幸輔氏の指導の もと、廃校になった旧牟岐小学校の校舎の活用案を 考え、グループでプレゼンテーションを行いました。 限られた条件の中で自分のアイデアをどう表現して いくのか、そのアイデアをどのようにまとめ説得力 のあるプレゼンテーションを行うのかを学びました。 高校生からグランドを農園にし、収穫したもので給 食を作り校舎で販売するなどの面白いアイデアが出 てくるワークショップになりました。 74 「あんどんワークショップ」 牟岐町の伝統である行灯(あんどん)を「牟岐あん どんの会・娃佳哩」の皆さん、牟岐で習字の先生を している方々の指導のもと、3 人で 1 つの行灯を作 りました。行灯の和紙には習字で自分の将来を一言 で表し、夜には浜に地域の方が作った行灯と合わせ て 300 個の行灯を並べリフレクションを行いまし た。ワークショップを通じ、参加者が牟岐の伝統と 自分の将来について考えるきっかけとなりました。 その他イベント 「シュノーケリング・出羽島訪問」 シュノーケリングか、出羽島訪問を選択できるアク ティビティを行いました。シュノーケリングを選ん だ人は自然の家周辺の海に入り牟岐の海を堪能しま した。出羽島訪問を選んだ人は船に乗り込み 20 分 ほど行ったところにある古風な街並みが残る小さな 島で牟岐町教育委員会の方に島の案内をしていただ いた後、島の婦人会の方々に作っていただいた心太 (ところてん)を食べ、島の景色を楽しみました。島 で食べた心太は絶品で参加者にとって忘れられない ものになりました。 「お祭り」 牟岐のお祭りに参加し、実際に阿波踊りを踊ったり、 焼きそばやかき氷を食べ、牟岐のお祭りを楽しみま した。阿波踊りでは地元の連の方の先導で観客が見 守る中で踊らせていただき、徳島の文化に触れる経 験になりました。また、焼きそばやかき氷を食べ、 お祭りの臨場感を感じることができました。 「タレントショー」 タレントショーとは、セミナーなどでは見えにくい 高校生の特技(タレント)に焦点を当てショー形式 で披露してもらうことで、普段とは違うお互いの意 外な一面を知り相互理解を深めてもらうことを目的 としています。ショーでは、 ピアノ・漫才・リコーダー・ パントマイムなど幅広いタレントが高校生から披露 され、お返しに大学生からはダンスが披露されまし た。このタレントショーを機会に高校生間の打ち解 けもさらに一層進んだようでした。 75 HLAB TOKUSHIMA 2015 参加者について 参加者内訳 < 性別 > < 学年 > < 居住地 > 香川県 1 名 男子 20 名 1 年 22 名 徳島県 30 名 福岡県 1 名 女子 29 名 2 年 17 名 東京都 8 名 3 年 10 名 【海外】 北海道 1 名 アメリカ 2 名 < 高校区分 > 愛知県 1 名 香港 1 名 国立 1 名 奈良県 1 名 公立 27 名 大阪府 1 名 私立 18 名 兵庫県 1 名 海外 3 名 岡山県 1 名 高校生の声 参加高校生:藤本真穂 私が HLAB に参加して てきた。「生きがいは諦める事で見つかる時があ 成長できたことは次の三 る。」「人生何が起こるかわからないのが面白い!」 つだ。 「じっくり考えてみれば?」というアドバイスを貰 1 つ目は、自分とは何 い、自分なりの答えにたどり着いた。「生きがいは か?について考えたこと 見つけるものじゃなくて自然と見つかるものであ だ。それは、5 日目のリ り、挫折も生きがいを見つけるための過程である」 フレクションで「自分を ということだ。 一言で表してハウスのみ 3 つ目は、‘Dive Into The New World’ という んなで誰なのかを当てる」というゲームをしたから 自分のモットーが見つかったことだ。私は自ら希 だ。私は optimistic「楽観主義」と書いた。その日 望せず、全く興味がなかった、「フランスの文化」 の夜に「本当に自分は楽観主義なのか」と考えた。 のセミナーを受けた。フランスの政治、人々、そ すると、悲観的な考え方をしている自分を受け入れ して文化ついて習い討論し、フランスという国の ないようにしていたことに気付いた。今まで、上手 面白さに感銘を受け、もっと知りたくなった。 「やっ くいくと考えたことは良い方向に進んでいた。改め てみなければわからない」という言葉そのものの て、物事をポジティブに捉えて、良い方向に行くよ 体験だった。偏見で物事を決めずに思い切って試 うに考えようと思えた。 してみることが大切だと思った。 2 つ目は、生きがいについてだ。高校 3 年生にな 大学生になっても、新たな世界に積極的に飛び り人生の半分以上の 10 年間所属していた合唱団を 込み、運営委員やハウスリーダーとして HLAB に 卒団したことで生きがいを失くした私は、 「私以外 関わりたい。高校生や他の大学生から刺激を受け、 の人はどんな生き方をしていて、どんな生きがいを 共に成長しながら、自分と向き合いたいと考えて 持っているのか知りたい!」と思っていた。最終日 いる。 のリフレクションで上記の自分の境遇を伝え、 「み んなの生きがいとは」と尋ねると、 意外な答えが返っ 76 たりとした時間が流れていようとも、1 週間の短い HL の声 プログラムでは一瞬一瞬が愛おしいほどに速く過ぎ 参加ハウスリーダー (HL):山本千笑 「目から鱗が落ちました。 ほんとにありがとう。」あ る日の昼食中に一人の高 校生から言われた言葉で す。ハウスリーダーとし て一番に初めに感じた事は、目の前のキラキラした 瞳に対する自分の影響力の大きさでした。「バイリ ンガルで、参加者同士を繋ぐ存在」 「一番身近なロー ルモデル」そんな肩書きを背負って、今の自分に何 が出来るだろうか。セミナーやリフレクション、共 に過ごす日々の中で、自分は高校生に何が伝えられ るのだろうか。期間中、多くのハウスリーダーが同 様の壁にぶつかっていたように思います。思い描い ていた理想に近づけない不甲斐なさに、悩み苦しみ 去っていくのです。その時間の儚さに気付いてから は、今その瞬間に高校生と真正面から向き合いたい、 向き合わなければならないと思うようになりました。 彼らの声に耳を傾け、自分がかつて彼らと同じよう に悩み少しずつ出してきた自分なりの答えを、目一 杯共有し、時間を忘れて語り合いました。すると一 歩ずつですが、ハウスリーダーと高校生という所属 を越えた新しい絆が生まれていくのがわかったので す。「目から鱗が落ちました。」笑顔でそう言ってく れた彼に対して、自分は何かの見本になったわけで も、彼の人生における適切な答えを提供できたわけ でもありません。ただ単純に、彼らのことを知り、 彼らの見ている世界を少しだけ広げる手助けができ たこと。その事実こそが、この夏ハウスリーダーと して得られた大きな喜びとなりました。 ました。ところが、 時間というものは頼んだって待っ てくれません。いくら牟岐の豊かな自然の中にゆっ SL の声 参加セミナーリーダー (Seminar Leader):Limor Gultchin “You did what over the believe I can. “Taught Japanese high The beauty of HLAB is that it’s mostly made and the meaning of world: college kids from all over the world “Do you know passionate about; Japanese college students summer?!” Japanese?” schoolers about humor of things that don’t make sense in the outside life” coming to Japan just to teach a subject they’re who work for hours and hours on end to “Does it seem like I know the meaning of life?” ensure this complicated show can run smoothly doesn’t look too good either” much about it and believe in its importance This is just one example of the kind of post- few more days of a coveted summer vacation, artistic license). How can one explain a one take courses that might prove difficult even for - teach something you simply care about dreams and fears; An incredibly dedicated understand your lofty ideas - in their second mentioned above and makes them all feel at with high schoolers you just met by the ocean very badly). do you explain Mugi’s moms’ taste? How do The real secret of this program is that it’s supportive, enthusiastic local crowd? I don’t about what they can be with some goodwill, “I don’t know about that, but the humor part and seamlessly, only because they care so and value; High school students who give up a HLAB conversations I ran into (ok, with some to speak in their second language for a week, week experience that lets you do just that college students, and talk about their hopes, to incredible students who do their best to local community which embraces all those language? How do you explain stargazing home (even when they dance the awa-odori side, discussing life and the universe? How you explain awa-odori dances in front of a not about what life is or people are — it’s 77 HLAB TOKUSHIMA 2015 curiosity and open-mindedness. Or as they say in Tokushima (or yell, depends on how well the dance is going): Yattosa. Yatto Yatto. 運営委員の声 HLAB TOKUSHIMA 2015 運営委員 (EC): 中野貴博 「HLAB TOKUSHIMA に 参加して、本当に良かっ た。 」 サマースクール最終 日、多くの高校生からこ の言葉を聞いたとき、私 は言い知れない安堵感を 覚えた。昨年に引き続き、 運営委員として HLAB に参加することになったのは 今年の 3 月。2 年目となる今年、昨年以上のサマー スクールにしたいという思いもあった。それからお よそ 4 か月の間、それぞれの準備に取り組んだ。 楽しさや充実感に満たされることもあったが、決 してそればかりではなく、思い通りにならないこと の難しさや自分自身の実力不足に対する悔しさに直 面する場面も多くあった。そんな中で私が常に心に 留めていたのは、HLAB をつくることに対するやり がいだった。参加したすべての高校生、 大学生が「こ の夏 HLAB に来て良かった」と心から思える夏を作 HLAB TOKUSHIMA 2015 運営委員 (EC): 田中美有 今年の 3 月、全く何も知 らないままそして何も持 たないまま飛び込んだ世 界で、私は高校生より一 足先に ”HLAB” を体験し ました。私が初めて経験 した ”HLAB” はひたすら why を問い続けられるこ とでした。 「どうして HLAB にきたの?」 「どうして この大学にはいったの?」そうやって問われ、自分 の中で why を深めていくことで驚くほど自分を知る ことができるようになりました。 心の底にあった気持ちを言語化できる場所、そし てそうやって知った自分を認めてくれる場所、それ が私の中の ”HLAB” となりました。パソコンもでき ない、運営の経験もない私を突き動かしていたのは 78 りたい。この強い思いがあったからこそ、サマース クール本番まで挫けず準備に取り組むことができた。 しかし同時に、私が感じているこのやりがいが、独 りよがりなもので終わってしまわないかという不安 もあった。この不安を最後に払拭してくれたのが冒 頭の言葉だ。すべてがうまくいったわけではなかっ たが、今までやってきて良かったと心から思えた瞬 間だった。徳島県の南に位置する牟岐町という小さ な町で、世界中から集まった高校生と大学生がとも に過ごす 7 日間。ここで得られた刺激は、他では得 られない特別なものだったと思う。 ひとりひとりが違う視点からサマースクールを経 験し、互いに影響を与え合い、また新たな学びにつ ながっていく。こうしたさまを目の当たりにし、そ の場を作り上げる一員として大きな喜びを感じた。 私自身、HLAB を通して、忘れられない感動を経験し、 素敵な仲間にも巡り合えた。本当に充実した時間を 過ごすことができた。この素晴らしいサマースクー ルをともに作り上げてくれたすべての方々に感謝し たい。 「自分にできることはなんだろう、できることは全部 やってやる」という気持ちでした。夏本番も考える ことは変わらず「高校生に対してわたしは何ができ るのだろう」でした。 英語も話せない、専門もない、そんな私に高校生は 何を求めるだろう。そうした気持ちを抱え高校生と 話しているうちに湧き上がってくる気持ちは「自分 を深めたい、伝えたいことを見つけたい」の一心で した。しかし、最後に高校生からもらった手紙には こう書かれていました。 「みゆさんとはなしていると落ち着く。癒される。」 わたしの役目はなにかを伝えることではなく、「寄り 添い、相手の立場に立って考えることができる存在。」 であることだったのかもしれません。高校生からこ うやって教えてもらい気づくこともあり、大学生と 話していて教えてもらうこともたくさんありました。 そうやって HLAB で得たものを糧に日々、笑顔で成 長していきます。 大学生名簿 運営委員(EC) 広瀬ないる..............東京外国語大学 石原翔太..................大阪大学 岡田まどか..............大阪大学 川邊陸......................愛媛大学 倉田芽衣..................慶應義塾大学 佐々木恵梨..............岡山大学 田中美有..................徳島大学 田邊桃佳..................横浜市立大学 鶴原幹......................慶應義塾大学 中野貴博..................大阪大学 與口直樹..................早稲田大学 ハウスリーダー(HL) 斉藤麻衣..................青山学院大学 村山綾香..................大阪大学 吾妻奈々..................早稲田大学 高橋あかり..............東京外国語大学 山崎亘祐..................慶應義塾大学 Behar Max............Princeton University 林田將......................Institut supérieur de l'aéronautique et de l'espace 霜倉チャールズ元気 ......... 大阪大学 山本千笑..................Royal Holloway, University of London 濱田多会子..............SOAS, University of London Creative Staff 三上直美(映像) ...慶應義塾大学 水戸遥介(写真) ...慶應義塾大学 セミナーリーダー (SL) Tiphanie Fuentes.......................... Harvard University Javier Gutierrez............................. Harvard University Miranda Tyson............................... Harvard University Jeanne Swee................................... SOAS, University of London Fiona Lau.......................................... Wellesley College Allejah Franco................................ Harvard University 與田嵩晃..................慶應義塾大学 清水光子..................Soka University of America 李禎み......................東京大学 劉添毅......................Macalester College Jacquelyn Nakamura................... Yale University Qasim Khan..................................... Harvard University Megumi Takada............................. Wellesley College Yang Xiong...................................... Columbia University Gal Koplewitz.................................. Harvard University Emily Natori..................................... Wellesley College Luis Mayberry................................ Harvard University Limor Gultchin............................... Harvard University 終わりに 今年度も HLAB TOKUSHIMA は徳島県教育委員会、 高校生と大学生、社会人との交流は今なお、むしろ 牟岐町教育委員会そして牟岐町民の皆様をはじめとす 期間中よりも活発に続いている様子を見ると、これ る、HLAB TOKUSHIMA を応援してくださる全ての からの HLAB TOKUSHIMA 2015 の未来が息づい 方々の暖かいご支援とご協力によって成り立ち、49 ていることを感じます。ご支援いただいた皆様には 名の高校生と 47 名の大学生スタッフがそれぞれの知 HLAB スタッフ一同より心よりの感謝を申し上げま 識や思いを交流させ、また多くの学びを持ち帰ること す。これからも HLAB TOKUSHIMA を暖かく見守 のできるサマースクールとなりました。この文章を書 り、ご支援くださいますよう、よろしくお願い申し いている現在は 9 月中旬で、サマースクールの 1 週間 上げます。 が終わり早 1 ヶ月以上が過ぎましたが、高校生同士や HLAB TOKUSHIMA 2015 運営委員長 広瀬ないる 79 TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 supported by TOMODACHI コンビニ基金 TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 80 運営委員長挨拶 平素より皆様におかれましては、益々のご健勝のこ 本プログラムでは、女川町や雄勝町と連携した企画 ととお喜び申し上げます。2015 年 8 月 14 日(金) が特徴的となっておりました。女川町の豊富な漁業 から 21 日(金)の 7 泊 8 日間、多くの方々のご 資源を活用した漁業体験では高校生と海外大学生が 支援、ご協力に支えられ、 「TOMODACHI HLAB 女川特産の「ホヤ」の身捌きを体験していました。 TOHOKU 2015 Supported by TOMODACHI コン 一人の海外大学生は、とてもホヤが気に入った様子 ビニ基金」を実施いたしましたことをここにご報告 で自分のハウスの名前をハウス「ホヤ」と呼んでい 申し上げます。本サマースクールが開催できました る様子もありました。また、中日には女川漁港から ことは、主催団体である公益財団法人 米日カウンシ 乗船し、雄勝町の Moriumius という教育型複合施設 ル TOMODACHI イニシアチブ 、並びに共催をい で活動を行いました。自然に触れながらサスティナ ただきました株式会社ファミリーマート、株式会社 ビリティについて体験的に学ぶワークショップや、 ローソンから構成されます TOMODACHI コンビニ キャンプでの宿泊体験は高校生にとってはとても新 基金の皆様のお陰でございます。改めて、ご支援い 鮮な経験となりました。 ただきましたことに対しまして心より御礼申し上げ ます。 「サマースクールが女川で開催されるかもしれない」 本サマースクールが開催された女川町は、全国に誇 HLAB2014 のサマースクールを終え、アメリカのワ るさんまの水揚げや、豊かな漁場を生かしたホヤ・ シントン州立大学に留学していた私がそんな言葉を 牡蠣・ホタテ・銀鮭の養殖業が盛んな港町です。東 聞いたのは、まだ暑さの残る 9 月 17 日のことでした。 日本大震災では、町の建物の約 7 割が津波により倒 実現可能か否かもわからない中、翌週には帰国し、 壊し人口の約 1 割の方が亡くなるという壊滅的な被 東北で活動される多くの方に相談に伺いました。継 害を受けました。千年に一度の被災から立ち直るべ 続してご支援をくださる横山匡様、竹内弘高様、黒 く、今、町の全員が一丸となってまちづくりにチャ 川清様には心より御礼申し上げます。また、企画当 レンジしている、そのような場所でサマースクール 初から真摯にご相談に乗っていただき、忌憚ない意 は開催されました。 「千年に一度」と形容されるよ 見をいただきました山崎繭加様、竹川隆司様、小松 うに、女川町まちづくりは誰もが初めて経験するこ 洋介様、城井久様にはどれだけ感謝してもしきれま とで、そこには国内外問わずたくさんの人が集まり、 せん。ありがとうございました。また、最後になり 出逢いが生まれていました。高校生は女川町という ますが、本サマースクールの実現に向けご尽力いた 町で、そこに生きる人々から多くのことを学んでい だきました関係各所の皆様に心より御礼申し上げま ました。本サマースクールの運営には女川町を始め、 す。ありがとうございました。 宮城県教育委員会の皆様に多大なるご支援をいただ きました。誠にありがとうございました。 TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 supported by TOMODACHI コンビニ基金 運営委員長 谷口 優太 81 TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 supported by TOMODACHI コンビニ基金 事前準備 TOMODACHI HLAB TOHOKU では、サマースクー リーダーによる女川合宿です。女川合宿では、サマー ルに向けた事前準備として以下の 2 つのことを実施 スクール期間中に使用する施設などを見学し、どの いたしました。1 つ目は、運営委員による毎週のミー ように使用するのか、また高校生の誘導方法などに ティングです。対面で顔を合わせられない東北や海 ついて確認をしました。夜には、地元のサマースクー 外在住のメンバーも Skype で参加し、どのようにサ ル運営委員の皆様との交流会を行い、地元の方々が マースクールを運営するのか、タイムスケジュール どのような思いを持って女川で働かれたり、活動さ や人の動きなどについて議論を重ねました。運営委 れたりしているのかを聞きました。翌日には、仙台 員は定例のミーティング以外にも、常に連絡を取り に会場を移し、後援をいただいている一般社団法人 合い、どうすれば高校生に有意義な夏を提供できる アスヘノキボウの小松洋介様より「女川のこれまで のかを考え続けました。2 つ目は運営委員とハウス の復興の軌跡」というテーマでご講演を頂きました。 日別振り返り 8 月 14 日 朝から降り続いていた雨もお昼過ぎには上がり、青 い空の下、女川小学校に 60 名の高校生を迎えま した。開会式では、須田町長にご挨拶をいただい た後に、TOMODACHI イニシアチブの堀田様より TOMODACHI プログラム、アラムナイ制度につい てのご説明をいただき、スポンサーの株式会社 ロー ソン CEO の玉塚様より激励のお手紙をいただきま した。その後のアイスブレイクでは、ダンスを踊り、 ここから 8 日間を過ごす ”House” のメンバーでチー ムのスローガンやイメージを描き入れたフラッグ (旗)を作成しました。ある House ではスローガン に ”Start Storong, Finish Storonger” というスロー ガンを掲げ、決意を固めていました。緊張する様子 が見られた初日でしたが、大学生の高いテンション につられ、高校生もリラックスしてプログラムを開 始できているような様子でした。 82 8 月 15 日 蝉の鳴き声が聞こえるなかでも、少し涼しい中で 2 日目がスタートしました。海外大学生によるセミナー が開始され、朝早くから自分の教室を探す高校生が ELFALO の中を行き来していました。セミナーでは ここから 3 日間どんなことを学んでいくのかが冒頭 に伝えられ、大学生からセミナーの内容が紹介がさ れました。初めてのセミナーを終えた高校生に話を 聞くと「とても楽しかった!」と明るく話す子や、 「内 容が英語で全然わからなかった、つらい」と涙を浮 かべている子もいました。午後には、体育館に移動し、 小松洋介氏と山崎繭加氏のフォーラムに参加しまし た。東北の復興や再建について、震災直後から女川 に身を置き復興活動に取り組む小松氏には「中から 見た女川」 、ハーバードビジネススクールで女川につ いてのケーススタディーを作成された山崎氏には「外 から見た女川」というテーマでご講演を頂きました。 その後、世界経済フォーラム・ダボス会議の 20 代 30 代のリーダーメンバーを中心に選ばれる Global Shapers Community の皆さんにご自身の高校時代 のお話を交えながら、ご講演を頂きました。夜には フューチャーセンター Camass でフリーインタラク ションが開催され、県内外から 15 名ほどのゲスト にお越しいただき、ご自身のキャリアや生き方につ いて高校生と対話をしていただきました。 8 月 16 日 しとしとと降る雨の中での 3 日目。午前中のセミナー では、前日を踏まえ少し発展的な内容に入ってくセ ミナーが多くありました。午後には、会場をフュー チャーセンター Camass に移動し自己分析ワーク ショップを行いました。 「〜好きなものを、探し、出 会い、目指し、近付くために〜」というテーマで開 催されたワークショップでは、高校生が思い思いに 自分らしさや葛藤、悩みなどについてペアになった パートナーに話していました。その後は、船に乗り 込み、雄勝町にある Moriumius(モリウミアス)と いう教育複合型施設に移動しました。モリウミアス では、 「 『ものづくり』に触れ、”Sustainability(持 続可能社会)について学ぶ ”」というテーマで、雄 勝の間伐材を使った椅子を作るワークショップを行 いました。その後、夕食をとり、露天風呂に入浴し た後は、テントに分かれ、ランプを灯しながらリフ レクションを行いました。 83 TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 supported by TOMODACHI コンビニ基金 8 月 17 日 強い日差しが降り注ぐ 4 日目。モリウミアスでは朝 からテントの片付けと朝食を済ませ、前半最後のセ ミナーが行われました。Speak up のセミナーでは、 グラウンドが教室になり、大きな声を出し「自信を 持ってスピーチすること」についての講義が行われ ていました。お昼ご飯をとった後は、再び船に乗り 込み女川町へ向かいました。着船後は女川小学校に 移動し、体育館でタレントショーが行われました。 タレントショーでは K-POP を歌う高校生や書道パ フォーマンスを行うグループもありました。海外大 学生も全員がダンスを行い会場を盛り上げていまし た。ショーの最後には、司会を務めていた誕生日の 大学生にサプライズでハッピーバースデーを歌いま した。 8 月 18 日 サマースクールにも慣れ始め疲れが出始める 5 日目。 話したいテーマごとに分かれお昼を食べる「テーマ ピクニック」が開催されました。参加者は教育、政 治、留学、恋愛など多様性に富んだテーマに分かれ お昼ご飯と対話を楽しんでいました。その後、あが いんステーションに場所を移動し、漁業体験に取り 組みました。漁業体験では女川特産のホヤの加工体 験に挑戦し、なかなか捌けない魚に悪戦苦闘してい る様子でした。また、漁業体験の裏側では、スラッ クライン体験が行われ、高校生は楽しそうに遊んで いました。夜には 15 日同様にフリーインタラクショ ンが実施され、フューチャーセンターとゆぽっぽ(入 浴施設)で、 高校生と社会人の対話が進んでいました。 8 月 19 日 サマースクールも終盤にさしかかってきた 6 日目。 この日はお昼を食べた後、女川小学校の体育館に行 き ”The arts of intuition ワークショップ ” を実施 しました。このワークショップは、サマースクール 期間中、多くの人と出会い、対話し、沢山の情報を 得るなかで、ふと立ち止まり、外からの情報だけで はなく、自分の感情、直感(Intuition)にどう耳を 傾けるのか、ということをテーマにしたものです。 その後は、体育館に女川町の小、中学生を招待し、 「ス リーテン」と呼ばれる、選択と意思決定に関しての ワークショップを行ないました。ワークショップを 行いました。ワークショップ終了後は、フューチャー センターに場所を移動し、海外大学生も交え、女川 の小、中学生とともに夕食をとりました。就寝前に 84 その日 1 日をハウスのメンバーと振り返るリフレク ションでは、お昼のワークショップなどで自分が何 を感じたかを振り返る学生が多く見られました。 8 月 20 日 皆が、終わりを意識し始める 7 日目。午前中には最 後のセミナーが行われ、終了後には記念撮影をする 姿が数多く見受けられました。午後からは、大学生 と高校生を対象にしたフリーインタラクション「my HLAB」が実施され、大学生が思い思いに集まって くる高校生に向けて、自分が大学でどんなことを学 んでいるのか、なぜその進路を選択したのかなどの 話をしていました。その後は、小泉進次郎政務官の フォーラムが開催され、ご自身の高校時代の様子や これからの日本社会の見通し、そして若者に期待す ることなどが述べられました。講演後は、高校生や 海外大学生から忌憚なく質問が飛び、終了後も政務 官を取り囲む輪ができ、質問が止まりませんでした。 ある高校生は政務官に「私は進次郎政務官のような 政治家になりたいです」と夢を語っていました。 8 月 21 日 別れの最終日。慌ただしくも荷物をまとめる高校生 と、それを急かす大学生。みんな最後と分かりなが らもなかなかサヨナラを言えない名残惜しさが溢れ る時間でした。思い出がたくさんできた体育館での 最後の閉会式。村上教育長から「女川に来てくれて ありがとう。本当にありがとう。これからも世界に 羽ばたいて下さい!」との感謝と激励のお言葉をい ただきました。HLAB の横山理事からのご挨拶のな 運営委員をステージに上げ、その頑張りを讃えて下 さいました。その後、高校生、大学生代表から挨拶 がありこれからの決意を述べ閉会式は終了しました。 最後には、皆がこれが「終わり」ではなく新しい「始 まり」だよ、と声を掛け合ってバスに乗り、女川を 去って行きました。こうして TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 は終了いたしました。 かでは、1 年間サマースクールの準備を続けてきた 85 TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 supported by TOMODACHI コンビニ基金 セミナー一覧 1.What the hell is Bangladesh? Zeba Ahmed / Chisato Suematsu 2.The Past, Present, and Future of Space Exploration Benjamin Betik / Chengyu Shi 3.Design Toolkit Sarah Bolivar / Momoka Endo "Design Toolkit” では、セミナーを通じて、高校生 に基本的なランドスケープデザインの方法について 学んでもらうことを目的としています。セミナー中 には実際に女川町にフィールドワークに行き、女川 8.Greek Mythology:Gods and Heroes Jingxiu Jin / Hayato Sawa “Greek Mythology:Gods and Heroes” では、ギ リシャ古代の神々を例に取り上げ、古代から続くギ リシアの教えがどのように今日の人々の生活に影響 を及ぼしているのかについて考えました。セミナー の中では神話の中に隠れている哲学に着目しそれを 日々の生活の中に持ち帰ってもらうことを目的とし ました。 9.How to Persuade People Using Data Mie Mizutani / Akira Nishikawa 町にある土地や木々、川などに着目し実践的に空間 10.A Step into the Complicated World of 際に女川町に自分が建築物を建てるのであれば、と Shen Qiu / Akira Ono デザインについて学びました。また、最終日には実 いうテーマで設計図を作成しました。 4.Human Rights Danielle Braun / Shiori Toyama 5.Paradoxes and Probability Steve Buschbach / Monika Iwasaki 6.The Life and Times of Frida Kahlo Yinny Chan / Kotoko Yamada "The Life and Times of Frida Kahlo” では、メキ Finance 11.Human Evolution and Human Origins Taylor Reiter / Yuriko Sekiyama ”Human Evolution and Human Origins” では、私 たち人間がどのように生まれ、このように進化を遂 げてきたのかという問いについてセミナー期間中を 通じて向き合いました。また、セミナーの中では、 今日の世界中で多発している民族問題や人種問題に ついて、人類の進化のプロセスを振り返ることでそ の原因を解明することを目的としています。 シコ出身の画家であるフリダカーロの人生を通して、 12.Journalism and the News Media in the Age たかを学びました。また、芸術におけるテーマ、象徴、 Casey Tolan / Kento Takawa どのようにして彼女が人生の困難を乗り越えていっ 重要な要素を見つけ、その意味を考えられるように なることを目指しました。セミナーの中では自分の 自画像を作成しそれについて説明することで、自己 理解を深めました。 7.Speak Up! Jeremy Chen / Kinuko Tanaka “SpeakUp!!” では、人前で自信を持ってスピーチを するには何が必要なのか、そのマインドセットとテ クニックを身につけることを狙いとしました。姿勢 やジェスチャーm声のトーンや大きさにフォーカス したりと、各日のセミナーの中では異なった視点か らスピーチのスキルなどについて学びました。 of Globalization “Journalism and the News Media in the Age of Globalization” では、今日の加速度的に進化発展を 遂げる世界においてジャーナリズムはどのような立 場に立ち、役割を果たしていくのかについて学びま した。世界中のメディアの情報を受け取ることがで きる現在において、その情報がどのよう意図を持っ て発信され、どのような経路で人に伝わっているの かを知ることは、ジャーナリストに興味がある人だ けではなく、一情報の受信者としても不可欠な物と なることを学びました。 13.Give Math One More Chance Henrique Vaz / Ranmaru Shimoda 14.Magic and Theater Deng-Tung Wang / Kensaku Ishihara 86 フォーラム TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 のフォーラム 〜小松洋介氏 / 山崎繭加 氏〜 サマースクール初日を終え、やっと足が地について きた 2 日目。午後からは女川小学校体育館に場所を 移し小松洋介氏、と山崎繭加氏によるフォーラムが 開催されました。 小松氏には「 『内側』から見た女川と復興」をテーマ にご講演を頂きました。冒頭にご自身がリクルート を退職されたのちに、宮城県で復興支援に関わろう としたきっかけと、その後、被災地支援を行なって いる中で感じることをお話いただきました。 「知っている街が次々に津波にのみ込まれていく ニュース映像を見て涙が止まらなかった。休みを取っ て沿岸部の知人を訪ねて歩くうち、国の復興予算で ハコものをつくるだけでは町は甦らない、それぞれ の町が本当に必要とする産業をおこしてこそ、真の 復興が可能になると感じた」 高校生は被災した当時の女川の状況などを食い入る ように聞きながら、深く頷いている様子でした。 山崎繭加氏には『外側』から見た女川と復興」とい うテーマで、ご自身がハーバードビジネススクール の女川トリップを企画される中で感じたことなどを お話いただきました。 「ケーススタディによる疑似体験だけではなく、直接 的現地に行ってそこの空気を吸い人と交わり肌で感 じる体験をしてもらいたいという狙いがある。」 「何事も自分の目で見て、感じ、考えて欲しい」とい う山崎氏からのメッセージに高校生たちは刺激を受 け、講演後には山崎氏の周りに質問の輪ができてい ました。 〜小泉進次郎 氏〜 サマースクールも残すところ 2 日間。8 月 20 日の を持って、一緒にがんばろうと思ってくれる若い世 午後からは小泉進次郎政務官のフォーラムが開催さ 代が増えてくれたら一番うれしいですね。」 れました。ご自身が高校時代の部活で何を学んだの というメッセージを残してくださいました。高校生 かを踏まえ、翻って今の高校生には何が必要なのか からは「私は今、日本の未来の為に何ができますか?」 をお話いただきました。講演の最後には、講演を締 という質問が政務官に飛び、 「まず、政治に興味を持っ めくくる形で、 「 『この人に託そう』とそう思っても てみてください。遠い世界の話ではなく、自分事と らえるような人になることが自分の中で目標です。 して」と励ましていました。 私の問題意識を少しでもお伝えできて、それを共感 87 TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 supported by TOMODACHI コンビニ基金 フリーインタラクション TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 のフリーインタラクション 東北のフリーインタラクションは 8 月 15 日と 8 月 は主に女川町の方々にゲストとしてお越しいただき、 18 日の 2 日間、フューチャーセンター Camass を 今ご自身が復興に向かう女川町でどのような活動を 舞台に開催されました。15 日には東京、大阪など されているのか、なぜ活動しているのかなどを高校 から様々なゲストの方にお越しいただき、ご自身の 生とお話いただきました。話している内容そのの一 キャリアや仕事観などについて高校生にお話をいた つひとつが面白く、刺激的なものであることは間違 だきました。また、高校生も受け身になり話を聞く いありませんでしたが、それだけではなく、フュー だけではなく、 「高校生の頃はどういうことをして チャーセンターの玄関前に広がる青芝に腰を下ろし、 いましたか?」 「なぜ、その大学に進学しようと考 社会人の方々と高校生、時には大学生が混ざりなが えたのですか?」など、自分から積極的に質問して ら対話し、傾聴し合っている様子は、一言でいわば いる様子が伺えました。参加されたあるゲストの方 HLAB が目指す「学び合える環境」なのではないの は「高校生の熱気に圧倒され、あっという間に 3 時 かと感じました。 間が過ぎていました」と語っておられました。18 日 フリーインタラクションゲスト一覧 浅原 光貴氏............国内金融機関 伊藤俊氏..................株式会社オーテック レクションズ 城井恒氏..................女川町役場 荒木 駿一氏............株式会社ピー・アンド・イー・ディ 幾竹優士氏..............株式会社ピー・アンド・イー・ディ レクションズ 伊藤守康氏..............明治神宮 大友将矢氏..............株式会社ゆうちょ銀行 亀井潤氏..................TEDxTohoku 佐藤柊平氏..............株式会社ココロマチ / 東北ふるさ とづくりパートナーズ 中山寛喜氏..............株式会社ピー・アンド・イー・ディ レクションズ 水野貴允氏..............株式会社ピー・アンド・イー・ディ レクションズ 森田修弘氏..............三菱商事株式会社 門崎泰輔氏..............明治神宮 横山匡氏..................株式会社アゴス・ジャパン 泡渕栄人氏..............復興庁宮城復興局石巻支所 88 大橋雄介氏..............NPO 法人アスイク 高橋正樹氏..............株式会社高政 / 女川水産加工研究 会 / 復幸まちづくり女川合同会社 中條賢太氏..............読売新聞東北総局 長尾純子氏..............米日カウンシル TOMODACHI イ ニシアチブ 永田和奈氏..............NPO 法人 Youth for 3.11 伴場賢一氏..............一般社団法人 Bridge for Fukushima 宮地俊充氏..............株式会社ベストティーチャー 渡辺一馬氏..............一般社団法人ワカツク 渡邊洸氏..................認定 NPO 法人カタリバ東北復興 事業部女川合向学館 Virginia Lavallee.石巻クリスチャンセンター 藤田恵一氏..............大阪府警察本部 平井良樹氏..............東京大学 ワークショップ - アイスブレイクワークショップ 東北では期間中に 3 つのワークショップを実施し ました。1 つ目は、初日に実施されたアイスブレイ クワークショップです。期間中に行動を共にする House のメンバーとともにダンスを踊り、一つのフ ラッグを作成しました。ダンスでは、ファシリテー ターより出された指示を元に「真似る」というテー マでダンスが始まりました。参加者は、House の誰 かが踊りだすダンスと呼吸を合わせ、そのダンスを うまくコピーしていました。このダンスを通じて緊 張している気持ちがほぐれ、顔がほころんでいる様 子でした。その後作成したフラッグには House 一 人ひとりのサマースクールに対しての決意やスロー ガンが記入され、House の結束が強まった様子でし た。 - 漁業体験ワークショップ 漁業体験ワークショップは、8 月 17 日にあがいん ステーションで行われました。あがいんステーショ ンは震災後、女川町の女川ブランドの構築を進め販 路拡大を図り、外貨獲得と域内経済の循環、協業化、 効率化による安定的な財源を確保し、自立した運営 体制のもと女川町の早期復幸のために設立された複 合型漁業体験施設です。 高校生は、女川町の漁業環境の現状や、震災後から の復興の足跡を映像で鑑賞した後に、女川特産のホ ヤの荷捌き作業を体験しました。高校生の多くが生 のホヤを見たことがなく、目を丸くし驚いている様 子でした。 -The arts of Intuition ワークショップ The arts of Intuition ワークショップでは、講師に 世羅由美氏をお招きし、自分の直感に関してのワー クショップを実施しました。冒頭の「サマースクー ルはいろいろなひとと出会い、様々な情報や経験を 得ていく場所、その上で大事なことは、まず自分が 何をしたいのか、どうありたいのかをしっかりと感 じること。そんなことを大切に今日はしていきましょ う」という言葉からワークショップは始まりました。 自分がどのようなことを考えているのかを少しずつ 少しずつ言葉にしながら、ペアになり話し合う高校 生は、自分と向き合い何か、自分の中にいるもう一 人の自分と対話をしているようでした。 89 TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 supported by TOMODACHI コンビニ基金 その他イベント -Moriumius キャンプ TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 では、8 月 16 日から 17 日にかけてワークショップの一 環として、宮城県雄勝町にある、教育型複合施設 Moriumius で 1 泊 2 日のキャンプ体験を実施しま した。女川漁港から乗船し、雄勝町にある桑浜漁港 に渡り、その後、歩いて Moriumius に向かいまし た。モリウミアスでは、 「Sustainability(持続可能性) について学ぶ」というテーマの元、雄勝町の間伐材 などを作った椅子を創るワークショップを実施しま した。ワークショップの中では、英語が得意でない 高校生も片言でコミュニケーションをとりながらと 海外大学生と共同しチームで、1 つの椅子を製作し ていました。また、その後は各ハウスが Moriumius に建てられたテントに分かれ、ランタンを囲み流な がらリフレクションを行っていました。 -myHLAB myHLAB とは、8 月 20 日に行われた、高校生と大 学生とを対象にした企画です。女川小学校の体育館 で実施されました。この企画の目的は、 「大学生と高 校生が、自分の進路選択や人生設計について考え、 対話する場を設けることで、お互いから学び合う大 切さに気づく」というものでした。myHLAB のなか では、自分の高校生の時の経験を話す大学生や、今 自分が悩んでいることを話す高校生などが多く見受 けられました。2 時間を予定していた企画でしたが、 予想を超える盛り上がりを見せ、1 時間延長する形 で終了しました。 参加者について 参加者内訳 < 性別 > < 学年 > < 居住地 > 兵庫県 2 名 男子 28 名 1 年 15 名 宮城県 27 名 北海道 1 名 女子 32 名 2 年 31 名 東京都 12 名 青森 1 名 < 高校区分 > 3 年 14 名 神奈川県 3 名 栃木 1 名 国立 2 福島県 3 名 埼玉県 1 名 公立 31 岩手県 2 名 徳島 1 名 私立 25 千葉県 2 名 アメリカ 1 名 海外 2 愛知県 2 名 カナダ 1 名 90 高校生の声 参加高校生:山本衣里 "DON'T SAY ‘I'M その日のリフレクションでいつものように " ◯◯を NOT GOOD AT してしまった " と問題点の方を言おうとしました。 SOMETHING’" その時、あの言葉を思いました。" 得意じゃないけどっ この言葉は私の House て言うのは禁止 " のセミナーリーダーが初 そう!ここでは誰も自分を否定したり偏見を抱いた 日のリフレクションで りしない。自分にポジティブになろう!そう思いま 言ってくれた言葉です。 した。 Human Evolution のセ 帰ってきた今気付いたことがあります。このサマー ミナーで積極的だった私は自分だけが授業に夢中に スクールに参加する前の私はポジティブはポジティ なり、セミナーメイトの 2 人がずっと黙っているこ ブでも他人に対してポジティブでした。でもあの時 とに 2 回目の授業でやっと気が付きました。 自分自身にポジティブになることができました。こ その時私は彼らに “ もっとこの授業の面白さを知っ のことに気付けたことが大きな成長だと思います。 てもらいたい! ” そう思いました。 期間中ももちろん変化を感じますが大きな変化は期 3 回目の最後の授業で私は 2 人に " 今の分かった? 間後、自分自身で起こすのだと思います。ここで私 ここ◯◯なんだって! " と積極的に声をかけました。 達なりに手にした経験や知識をどこでどう活かすか 完全ではなくとも彼らは理解してくれたのです。で はこれからの私達次第。 も私は " 全部理解するまで説明してあげればよかっ I'm not afraid of my future anymore. What I た " と反省点の方を先に考えてしまったのです。 have to do is DO MY BEST. HL の声 参加ハウスリーダー(HL) :石原健作 私はこの TOMODACHI HLAB TOHOKU におい て高校生を支え、海外の 大学生をサポートし、彼 らと意思疎通を図るハウ スリーダーという立場と して関われたことが良 かったと心の底から感じ ています。このサマースクールを通して私は大別す ると 2 つのことを得ることができました。 1 つ目はかけがえのない友達、仲間です。大学生と 実際に過ごしたのは合計 2 週間ほどでしかありませ んでしたが、彼らとの日々は大変濃いものであり長 年の親友のような感覚で接することができます。準 備期間でより良いセミナーにするためにどうするか という議論や、期間中に意見の相違で考えをぶつけ 合ったことにより大学生の間では強い信頼関係が生 まれました。また、高校生とも良い関係を築けたと 思います。特にハウスの高校生とは文字通り家族 のようになれたと感じています。毎晩行うリフレク ションでは、これまで誰にも相談したことのない悩 昨日よりできたとその日の報告をすることもあり、 リビングで家族と話しているような感覚になること も多々ありました。 2 つ目は、HLAB を通して様々な刺激を受けること ができたことです。海外の大学生と約 2 週間もの間、 朝から夜まで行動を共にし、1 つの企画を成し遂げ るということは普段経験できるようなことではあり ません。英語の能力、母国語以外の言語で話すコツ を得られたことはもちろんですが、彼らとの文化、 価値観の違いに戸惑うこともありました。海外の大 学生だけではなく、日本人の大学生も文理問わず、 様々な分野を専攻している学生と意見を交換できる ことは学校に医学関係の人しかいない自分にとって は新鮮なもので色々な角度から物事を見ることがで きるようになったと感じます。また、高校生と話し ているときでも彼らに尊敬されるような、もっと立 派な先輩であるよう、より一層頑張ろうと鼓舞さ れました。これらのような貴重な体験ができるのは HLAB という素晴らしい企画だからこそであり、最 高の環境を作ってくださった皆様に心より感謝して おります。 みを打ち明けることもあれば、今日はこんなことが 91 TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 supported by TOMODACHI コンビニ基金 SL の声 参加セミナーリーダー(SL) :Casey Tolan When I first arrived in school and college. Tokyo to prepare for my role as a Seminar The most rewarding part of the program for Leaderin TOMODACHI me was the response I got from my students. HLAB TOHOKU , I “Journalism is so cool!” one student told me. wasn’t sure what to Another said he was now thinking of a career expect. But in only in journalism. And when a visiting politician two weeks, I had made asked students what they thought democracy new friends across the globe, learned more meant, another student said “freedom of the about Tohoku and Japan, and got the chance press”—just like we were talking about in the to share some of what I’ve learned in college seminar. with an enthusiastic and brilliant group of high school students. But the seminars are just one aspect of what makes HLAB such a valuable program. The I graduated from Columbia University in New chance to meet new people from a wide variety York in May, and I decided to lead an HLAB of different backgrounds and bond with them seminar in journalism, the field I’m going was a hugely rewarding experience for so into as a career. In small groups of high many of the students, and for me. We enjoyed school students, my House Leader and I led seafood barbecues, stimulating discussions, discussions about what journalism is, why it’s and chatting with important people from important, and how it’s changing due to the around Japan. I hope that in my week teaching internet and social media. Students went out HLAB, I was able to teach students about into the community in the Onagawa town of journalism and share some of my college Tohoku and interviewed local residents who experience. I know that I’ve made memories I’ll had witnessed the 3/11 disaster. They got to never forget and friends I hope to stay in touch learn first-hand about people's experiences with for a long time to come. and the recovery efforts. Just as importantly, they learned how to ask good questions—a Thank you so much, HLAB, for providing me skill that will serve them well throughout high this wonderful opportunity! 92 運営委員の声 TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 運営委員:鈴木拓也 私は高校時代にサマー 「もっと話したかった」という言葉をもらい、少なか スクールに参加したわ らず後悔が残りました。 けでもなければ、過去 2 点目は、大学生である私もサマースクールから に HL を経験したわけで 学ぶことが多いことです。企画の詰めが甘かった点 もなかったのですが、今 や物品の管理が不十分だった点など、私は自分の至 回ご縁があり EC として らなさを幾度となく痛感しました。また、他の EC 参加することができまし や HL、SL とのミーティングや議論を通して、彼ら た。まずは、このような の考え方や価値観に触れたことは私にとって大変貴 素晴らしい経験をさせていただいたことに感謝申し 重な経験でした。もちろん、高校生から学ぶことも 上げたいと思います。 大いにありました。「なぜ現在の大学に進学したので このサマースクールを通して、特に印象に残った すか」「なぜこの専門を選択したのですか」「なぜ留 ことは 2 つあります。 学するのですか」。これらの率直な質問に答えること 1 点目は、EC という役職の難しさです。EC はサ は、同時に自分自身を振り返る重要な機会にもなり マースクールをマネジメントすることが常に要求さ ました。 れます。準備期間はもちろん大変ですが、本番期間 サマースクールを運営することは決して一筋縄で 中は予想外のハプニングやタイムスケジュールの乱 はいきません。しかしながら、終えた時の達成感や れなどに臨機応変に対応しなければなりません。し 充実感はこれまで経験したことがないほど大きいも かしながら、運営に集中しすぎると、高校生と関わ のでした。この経験を無駄にしないためにも、今後 る時間が少なくなってしまいます。本番期間中は、 も何らかの形で HLAB に貢献できればと思います。 このバランスを取ることに大変苦労しました。実際 高校生と交わる機会はあまり多くなく、高校生から 93 TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 supported by TOMODACHI コンビニ基金 大学生名簿 運営委員 (EC) ハウスリーダー (HL) 谷口優太..................明治大学 石成宇......................明治大学 佐藤諒一..................岐阜大学 高輪健人..................Trinity College Dublin 御園生彩花..............慶應義塾大学 岩崎もにか..............Wesleyan University 大橋修吾..................秋田国際教養大学 下田藍丸..................国際基督教大学 柏瀬あすか..............東北大学 山田琴子..................University of Washington 鈴木拓也..................東北大学 外山詩織..................国際教養大学 平井岬......................慶應義塾大学 遠藤桃香..................一橋大学 野地雄太..................Drury University 石原健作..................東京医科歯科大学 余語憲太..................明治大学 小野顕......................東京大学 奥山瑠捺..................仙台大学、宮城教育大学 末松千咲音..............University of WisconsinMadison 運営委員 / ハウスリーダー兼任 関山優理子..............慶應義塾大学 田中絹子..................慶應義塾大学 澤隼人......................早稲田大学 西川輝......................Trinity College Dublin セミナーリーダー (SL) Buschbach Steve.......................... Harvard University Reiter Taylor................................... Harvard University Qiu Shen........................................... Columbia University Henrique Vieira Goncalvez Vaz...Harvard University Bolivar Sarah.................................. Harvard GSD Wang Deng-Tung.......................... Harvard University Jin Jingxiu........................................ Harvard University Betik Ben.......................................... Harvard University Tolan Casey..................................... Columbia University Chen Jeremy.................................. Tufts University Braun Danielle................................ University of Washington Ahmed Zeba................................... Towson University Mizutani Mie.................................... Williams College Ynny Chen....................................... Harvard University 94 期間中ボランティア 早乙女舞..................東北大学 阿井梨花子..............千葉明徳中学高等学校 熊田香......................山形大学 井口春奈..................津田塾大学 松岡大雅..................慶應義塾大学 山下真貴子..............The University of Melbourne Creative Staff 新造真人(写真) .............................. 慶應義塾大学 遊馬奈歩(映像) .............................. 慶應義塾大学 終わりに “This is too much,” ” I have 4 brothers and 3 sisters in my camp. But, we この言葉を私が聞いたのは、私がワシントン州立大 can get meal for just 3 or 4 people. We always share 学に留学生として入学した 2014 年の秋のことでし it with my whole family. And that was first time for た。世界各地から集まった交換留学生を対象にし me to faced such a big food.” た” Welcome Party” で、私は、8 人掛けのテーブル 「お腹いっぱいになる」という経験をしたことが無い 席に、 半ば押し込められるように座らされました。 「ピ 彼にとっては、アメリカの Pizza はカルチャーショッ ザはシェアするもの」という非常に日本的な概念に クだったのかもしれませんが、私にとっては黙々と 22 年間、縛られていた私は、目の前に次々と「一人 Pizza を食べ続ける彼の姿に、私の価値観を揺さぶ に一枚づつ」サーブされてくる XXXL 級のピザを見 られたのです。「食育、家庭科」などの時間に多くの て、 「これがアメリカか!」と驚嘆したことを覚えて ことを学んだつもりでいた私ですが、22 年間を振り います。テーブルにはヨーロッパ、中東、南米と世 返って、自分の食べるということに対する価値観に 界各地から集まる留学生。私の隣には、ジェファー あれほどの衝撃を受けたことはありませんでした。 というパキスタン人が座っていた。食べきれないピ ザに困惑する中、 私より一回り小柄な彼(ジェファー) “where divesity meets learning” は、私が 3 ピース目で完食を諦める中、4 枚目へと 手を伸ばそうとしていました。 ” Do you want my という言葉で形容される HLAB ですが、この言葉は pizza?” と、半ば冗談で声をかけた私に彼は瞬きの 本質を突いていると思います。文化や政治、教育な 隙間も開けずこう言ったのです。 どに対する価値観だけではなく、ただ目の前にいる ” This is too much.” 人の「生き様」から、人は多くのことを学ぶことが 「多すぎるよ!汗」という言わんばかりの表情に思 できます。HLAB は、誰かが教え、誰かが学ぶとい わず「なんでやねん」とっこみそうになる関西人の うプログラムではありません。HLAB は全員が参加 私でしたが、お腹いっぱいの彼が Pizza を食べ続け 者となり「学び合う」ことを主眼に据えたプログラ る様子は、私にとってとても不思議な一面で、” So, ムなのです。「『生き様』から学ぶ」そんな姿勢が来 Let’ s grab a coffee.” と誘わずにはいられませんで 年度以降も続くこと、そして、” This is too much.” した。カフェインとともに冷静になり彼の話を聞く と言わんばかりに「学び合い」が溢れるサマースクー と、 彼はパキスタンの”Refugee camp( 難民キャンプ )” ルになることに期待したいと思います。 からやってきたとのことです。そして彼はこう続け ました。 TOMODACHI HLAB TOHOKU 2015 supported by TOMODACHI コンビニ基金 運営委員長 谷口 優太 95 HLAB ANNUAL REPORT 2015 Design : Tomohiro Kawanami Edit : Kaori Chiba Copyright © 一般社団法人 HLAB 96
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