平 成 27 年 7 月 24 日 進路だより 小千谷市立総合支援学校 前期の実習を終えて 進路指導部 3週間の実習が終わりました。実習中、巡回していると生徒の姿を頼もしく感じるこ とがあります。職場における緊張感からでしょうか、学校での姿より大人に感じること があります。きびきびとした動き、元気の良い挨拶、仕事への集中力、等々。本当に成 長した姿を見ると嬉しいです。学校での学習の成果が、そしてご家庭で育ててくださっ て い る「 力 」が 出 て い る の だ と 思 い ま す 。今 回 も 実 習 に 向 け て 、バ ス の 練 習 や 、送 迎 、お 弁当の用意と様々な面でご協力いただき、ありがとうございました。 さて、保護者の皆様は子どもたちの成長をどのように感じられたでしょうか。 保護者の皆様の声(アンケートより抜粋) Q1 今回の実習でお子さんにどんな成長が見られましたか。 ・いろいろな仕事を経験させてもらえて、子どもも自分のできる仕事とできない仕事 がわかったと思います。 ・1人でバスに乗れるようになった。 ・2箇所行かせていただきました。今回が実習 2 回目のところは、作業上、他の方と の関わりのある所をやらせていただき、流れの中で作業を止めずに行うことの難し さと大変さがわかったようです。もう 1 箇所では、今までやったことのない作業を やらせていただき、とまどいもあったようですが、新しく自分のできることを見つ けられたようです。 ・気持ちの面でいろいろあった時期でしたが、自分で出来ないことを出来ないと伝え られるようになった。また、スーパーで 1 日働くことが大変だということがわかっ た。 ・(接客業として)お客様に対してちゃんと挨拶ができていたようなので良かった。 ・実習に入る前に私とのバスの練習、会社の場所確認、かなり厳しく挨拶、姿勢、態 度、心構え等を教え、期待に応えてがんばってくれました。主人共々、成長を強く 感じました。 ・特に変化は見られませんでしたが、気疲れしたのか、横になると寝てしまいまし た。初めての仕事も嫌がらず、がんばっていたようです。 ・常に時間を気にして動くようになった。 ・思ったより疲れた様子がなかったので、体力がついたのかなと思いました。 Q2 実習を通して、お子さんの将来の生活について考える機会がもてたことと思いま すが、保護者の方が学んだことや感じたことをお聞かせください。 ・今回の実習が終わった後、スーパーに行ったときに店員さんの仕事を見て、「自分 も同じ仕事をしていた」と話してくれたときに、仕事に対しての考え方が変わった と思いました。 ・やはり、繰り返し教えていくことが必要。 ・バスを利用するときの行き先の漢字が読めずに苦労していた。 ・本人がやりたいことと、企業の受け入れと将来的なことを考えると希望だけでは、 どうにもならないかもしれないですし、悩んでいます。 ・自分の事を客観的に見ることが出来、まわりの事を見ることができたなと思いま す。 ・子どもの考えている事が、まだよくわかりません。 ・この現場実習の集中と真剣な態度がとれたことがすごく成長を感じました。が、そ の反面、まだまだメリハリのつけられない自分自身のコントロールが未熟なこと (校内実習で不安定な状況を先生から聞き)不安と今後の成長に 期待を感じるの が、今現在の状況です。 ・実習先に行っても、まだ実習生と思って仕事をしているので、本格的(実際の利 用)になったら不安なところがあります。 ・他のお子さんより手がかかるので、生活介護事業でないと過ごせないと改めて感じ ました。 ・将来は、一般就労で老人ホームで働くことを希望しております。本人の長所を生か せるのではないかと思います。 Q3 今回の実習で気付かれたこと(次回の実習についてや社会参加について思うこと など)をお聞かせください。 ・今回の実習をしてから、子どもにとって仕事が身近に感じられるようになったと思 います。 ・行ったことがある場所には、時間が違っても 1 人で行ってくる自信が身に付いたと 思います。 ・どちらの企業も温かく迎えて、指導してくださったことと、少しずつステップアッ プさせて頂く等の配慮も、とてもありがたかったです。挨拶や礼儀、報告など、現 場によって違うので、とても良い経験になりました。就職に向けて一つ進めまし た。 ・相手の気持ちを考える事ができ、人間関係はうまくできそうですが、もっと自分に 自信をもってほしいです。 ・2週間という現場実習をどれだけ集中し、真剣にやったか、頑張る姿を見せてもら いました。ただ、まだメリハリ(息を抜くときと頑張るときのコントロール)が未 熟なこと、企業就労に向けてやれるのか、福祉事業所での練習が必要なのか、その 可能性を見極めながら今後も考えていき、本人にもそのことを理解させた上で、や らせていきたいと考えています。 ・日中一時支援で利用したり、知っている先輩もいるので、心強く感じています。本 人が環境に慣れることが一番大事かなと思いました。 ・掃除やお年寄りと触れ合う仕事が向いているように思います。 企業まわりで学んだこと 実習を依頼するために企業をまわると様々なことを学びます。ある会社の人事担当の 方に、こんなことを言われました。 「学校からの実習の評価項目は、仕事ができたかどうかがほとんどだけど、仕事をす る上で大事なのは、それ以外に次のこと。会社の中で相談や気楽な話が出来る人がいる ことと、休みの日にリフレッシュできること。」 全くその通りだと思いました。まじめな人は、一生懸命働きます。ただ、職場の人間 関係や余暇の息抜きが上手にできないと長く働き続けることはできません。ポイントは 人間関係づくりと余暇です。 1 人間関係づくり わからないことを質問する、それだけでも立派な人間関係づくりです。まず、「何で も良いので話しかけること」、が最初だと思います。親しい人に話しかけられる→親し い人に質問できる→人に話しかけられる→人に質問できる、と段階をふんで、上手に話 しかけられる人になってもらいたいです。 2 余暇について 余暇の過ごし方に関しては、まじめな人ほど、下手だったりします。だからこそ、在 学中に子どもと一緒に考えたいと思います。人によって、リフレッシュできる楽しいこ とは違います。一人で遊ぶことが好き、人と接するのが好き 、スポーツが好き、音楽が 好き、絵や写真を見るのが好き、本を読むのが好きなど様々です。学校でも、校外学習 やお楽しみ会などを利用して、考えていきますが、ご家庭でも、いろんな場所に行った り、いろんな遊びをさせたり、学校の友だちと休みの日に遊ぶなど、 様々な経験をさせ て、何がその子にとって楽しいことなのか(卒業後にもできそうか)を見極め、支援し ていただけると助かります。卒業後の幸せな生活を考える上で、様々なことが相互に関 連していることを痛感したお話でした。 保護者の皆様へのお願い 1 お手伝いについて 実習をすると、明らかに「仕事を覚えるのが早い」生徒の存在 に気付きます。全くしたことがない初めての仕事なのに、上達が早いのです。面談等で 話を聞くと、必ず「家庭でお手伝いをしている」という話が出ます。「お手伝い」の中 には、お仕事に必要なことが詰まっています。必要な段取りを考える、様々な動きを学 ぶ等です。「子どもに任せるより、自分でやったほうが早いし、確実」と、周りがして しまうとできるようにはなっていきません。最初は大変だと思いますが、見守っていた だきたいと思います。そして、いきなり難しいことはできませんので、例えば、洗濯物 を畳む(Tシャツだけに限定する等)、自分の部屋に掃除機をかける、料理中にお皿を 並べる、洗ったお皿を拭いてもらう等、お仕事を切り取って「お手伝い」をさせてもら いたいと思います。できる範囲で結構ですので、お願いいたします。 2 公共交通機関の利用について 卒業後には公共の交通機関を使う機会が多く出てきます。一般企業では、自力通勤を 求められますし、福祉事業所でもひかり工房の就労移行支援を利用する場合には自力通 勤が基本となります。通勤だけではなく、余暇として休日の買い物に利用する人もいる かもしれません。交通機関の利用が卒業後の世界を広げると思います。学校でも校外学 習などでバスの練習をしますが、回数が少なく経験としては足りません。高等部の実習 でバスに乗る必要が出ることもありますので、中学部 3 年生や高等部の 1 年生頃から練 習を始めておくと良いと思います。よろしくお願いいたします。 お問い合わせ等ありましたら下記までご連絡ください。 小千谷市立総合支援学校 担当:進路指導主 事 渡邉 憲将 TEL 0 2 5 8 - 8 2 - 1 8 7 8 FAX 0258-82-1889
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