子 供 も ス ト レ スを 感じている 夫 は 家 事 や 育 児に 協力的。専業主婦で あ る 妻 の 負 担 を減 らしている 夫 が 疲 労 を 感 じて いる可能性がある 身体的・精神的な配 慮が必要 エホバの集会で録 音したものを持っ てきている サ ポ ー ト が 十 分に あ る か ら 治 療 に専 念できる 電話することで、母 親としても治療を 頑張れる 帰宅時には退行症 状がある 子供の世話をして くれる 夫:毎週、東京からお 見舞いに来ている 両親:夫とともに入 院中の子供の世話 をしている 子:8 歳と 5 歳の兄弟 M さん 39 歳 女性 専業主婦 身長 158cm 体重 51kg BMI 20.9 健 康 に は 特 に 気を 使 っ て は い な かっ た。少し運動はして いた。 エ ホ バ の 商人 を信 仰 宗教の仲間 入院前は週に二日、 エホバの集会に参 加していた 自宅にいるときと 同じように宗教が 近くにある環境に している 強み 病室には使い古さ れた聖書が置かれ ている 壁にはエホバの施 設の写真が飾られ ている 信仰心を保っている 直接的なデータの 改善ができない 母親として、子供に寂 し い思いを させてい ると自覚している 急性リンパ性白血病 もともと寝つきは良くない 月 経 が 来 な い よう にする(プラノバー ル内服) エ リ ス ロ ポ エ チン 皮下注(ネスプ) 生理がこないこと も気になるが、ヘモ グロビンが下がる ことの方が心配 自己の産生能力を 頼る必要がある 入院期間が長引く 可能性がある 入院 赤血球の産生低下 夜間入眠困難 副作用 昼夜逆転傾向 個室 ムーンフェイス 易感染状態 発熱 (37℃台の持続) 夫が看護に協力的 感染リスク状態 他者との接触がない 腎不全 ラスリテック投与 血中の尿酸を分解 腫瘍崩壊症候群 核酸・カリウム・リ ン酸の大量放出 腫瘍細胞の死滅 神経障害 脱毛 酸 味 の あ る 食 べ物 は食べていない 消化器症状 味覚障害 悪心・嘔気 両手・両足の痺れ 食事摂取量の低下 便秘 ボディイメージ混乱 体力低下 夫 が 差 し 入 れ を持 ってきている 透析 高尿酸血症 会話によるストレ ス解消や気分転換 が図りにくい 全身痛 帽子・ウィッグの着用 夫 は 妻 が 抗 が ん剤 の 副 作 用 で 食 事量 が 減 っ て い る こと を理解している 思いの傾聴 副作用 口内炎・口腔・咽頭痛 ハチアズレ内服 不安 プ ラ イ バ シ ー が守 られる 家族計画よりも、今 は 治 療 に 専 念 すべ きだと考えている 骨髄抑制 貧血 トイレに行こうと したが、手すりにも たれかかっている。 顔面蒼白、倦怠感、 息切れがある [コーンの受容過程] ショック⇔否認⇔怒り・悲し み⇔適応⇔再起 日中うとうとしている 白血球の産生低下 好中球の減少 出血リスク 平成 23 年 5 月 再発 環境の変化 月経状況、 RBC、Hb 値 を確認する G-CSF 製剤 (グランシリンジ) 平成 22 年 11 月 完全寛解 プレドニン内服 (朝 50mg 昼 50mg) 思いの傾聴 出血傾向(PLT 28.8 万個/μl) 抗がん剤治療 10/6 VP 療法 11/8 L-アスパラキナーゼ投与 11/29 メソトレキセート投与 貧血、血小板減少、 芽球が認められる 検査 副作用:血圧上昇、ほてり 貧血や 出血傾向の 改 善には時間がかかる 精神的安定 毎日電話している 宗教上の理由で輸 血ができない 平成 22 年 9 月 左頚 部リンパ節腫脹 日 中 は ト イ レ 以外 臥床している ロキソニン内服 副作用 眠気 食欲低下 転倒のリスク 筋力低下 下痢 繰り返している ☆ポイント☆ [基本] 骨髄、脾臓といった血液をつくる器官(造血器)で白血球系細胞が無制限に増殖する病気で、いわば造血器のがん、ともいうべき病気である。 白血病の頻度は低いが、年々、高齢化とともに増加傾向にあり、一度発症すると生命にかかわることが多い点が問題である。 確かな原因はまだ不明だが、ウイルス感染、放射線の照射、発がん性のある薬物、有機溶媒(有機物を溶かすために使う液体)との接触、発病しやすい遺伝的な因子などが誘因となって発症すると 考えられている。 大人におこる成人T細胞白血病は、レトロウイルスと呼ばれるウイルスの一種の感染でおこる。この白血病は、欧米に比べて日本で多くみられ、輸血などによって人から人へと感染するといわれて いる。 白血病は、増殖する悪性の細胞の種類や病気の経過などから、急性白血病と慢性白血病に分けられ、治療の方法も予後も異なる。 [基本2:急性白血病] 血液中の血液細胞は、骨髄でつくられる。初めは未熟だが(芽球) 、やがて成熟し、完全な細胞に分化する。急性白血病はこの成熟・分化の能力を失った未熟な細胞(白血病細胞)が、骨髄内で無制 限に増殖してくる病気である。このため、骨髄での血液をつくるはたらきが低下し、貧血、好中球減少、血小板減少といった血液組成の異常がおこってくる。また、悪性の細胞が血液の流れととも に全身をめぐるために、いろいろな臓器に侵入し、そこに障害をおこす。 増殖する白血病細胞の種類によって、急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病に大きく分けられている。 骨髄性白血病とリンパ性白血病の割合は、成人では 4 対 1、逆に小児では、1 対 4 の割合になる。 ①急性骨髄性白血病 白血球のうち、とくに顆粒球となるはずの芽球ががん化する。ペルオキシダーゼ染色という特殊な検査で反応する芽球が 3%以上ある白血病である。早期発見できれば、治癒が可能である。 ②急性リンパ性白血病 リンパ球ががん化し、血液や骨髄中で増殖する。ペルオキシダーゼ染色に反応する芽球は 3%未満である。 [基本3:慢性白血病] 徐々におこってくる白血病で、慢性骨髄性白血病と慢性リンパ性白血病の 2 種類がある。慢性骨髄性白血病と慢性リンパ性白血病の比率は、約 8 対 1 となっている。 ①慢性骨髄性白血病 フィラデルフィア染色体という異常な染色体をもった細胞が、成熟・分化しながら無制限に増殖する白血病である。 患者は、40~50 歳の人に多く、とくに男性に多くみられる。 ②慢性リンパ性白血病 体内に侵入した病原微生物と闘うなどの免疫学的なはたらきをもたない成熟小リンパ球が増殖して、全身の臓器に侵入する白血病である。 日本では少ない白血病である。白血病全体に占める割合は、2~3%にすぎない。 [症状] 疲れやすい、動悸、息切れ、顔面蒼白などの貧血の症状のほか、発熱、寝汗などがおこる。 歯肉出血、鼻出血、皮下出血などをおこしやすい出血傾向がみられることも多く、とくに急性前骨髄球性白血病は出血がおこりやすい。 また、病気が進行すると、白血病細胞が増殖して臓器に浸潤するため、胸骨(胸の中央に縦に長く触れる骨)を指先で軽くたたくと痛む叩打痛、リンパ節の腫れ、肝臓と脾臓の腫れなどもおこる。 白血病細胞が脳髄膜に浸潤すると、頭痛などの髄膜刺激症状を呈する。 [治療] 白血病では白血病細胞を抗がん剤で殺し、寛解(一時的に正常に近い状態に戻ること)を目指す。まず化学療法(抗がん剤療法)により寛解導入療法(白血病細胞を殺し白血病から回復させる療法)を行い 完全寛解をめざす。 完全寛解とは骨髄中の白血病細胞が 5%未満になり他の臓器の浸潤も消失し、一時的に良くなった状態をいう。治った(治癒した)と言わずに寛解というのは、完全寛解になっても患者の体内には少数 の白血病細胞が残存しているため、放っておけば必ず再発するからである。 そこで完全寛解のあとに寛解後療法を行う。これには導入療法と同じ程度の強さの治療をする地固め療法と、退院後外来通院中に行う維持・強化療法の二つがある。 白血病の治療法は、多種類の抗白血病剤を組み合わせて使う多剤併用療法を行うのが普通である。これは、互いの抗白血病作用を増強し、個々の薬剤が持つ副作用を少なくするためである。 新しい薬剤の開発などにより化学療法の成績もあがっているが、白血球抗原(HLA)の適合や患者さんの年齢・健康状態などの条件がそろえば、フィラデルフィア染色体をもつ細胞の増殖を根本 的に抑える治療として、骨髄移植が検討されることもある。 白血球抗原の形が一致する骨髄提供者から採取した骨髄を、静脈から輸血することで移植する(同種骨髄移植)。移植後は、約 1 か月無菌室に入り、感染症や合併症の予防などの管理が行なわれる。 慢性骨髄性白血病では、患者さんが 45 歳以下で、血縁者に白血球抗原(HLA)が適合する人がいる場合には、まず、骨髄移植が検討される。
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