PBLの進め方

工学セミナ
4CN
番
(担当:草間)
氏名
v2.0 Aug.2015
1. この文章の目的
工学セミナを実施する上での最低限のことを文書化して事前に確認し合うことで,限られた時間をお互いに有効に使える
ようにするためのものです。
2. PBL とは?
Problem Based Learning (PBL) または,Project Based Learning (PBL) というように,与えられた課題に対する問題解決のた
めにグループ全体で計画的且つ組織的に取り組む学習方法の一つとして広く認識されるようになっています。この他にも
様々な学習方法があり,“完全独習”,板書を写す形態の“授業”,事前に必須知識を自宅学習した際に生じた疑問点を,授
業時間に質問や問題演習を通して理解する“反転授業”や,決められた手順がテキスト化されていて得られる結果も大体分
かっている“実験授業”などがあります。これに対して,“PBL”は決められた手順を記したテキストがなく(あっても最低限の知
識のみ),得られる結果も未知なものを対象としているので,授業や実験とは趣を異にしている研究に近いと言えるでしょう。
ただし,一般的に研究は 1 人の人間が主体的に取り組む位置付けが強いのに対して,PBL は複数の人間が組織化して行う
ものです。このような形態は,企業がとある新製品開発に取り組もうとするケース,自治体や国家が新たな時事・外交・社会問
題に取り組もうとするケースでも同じです。
3. グループリーダと連絡手段
(1) グループリーダの決定・・・通信,コミュニケーションに例えると情報の窓口,基地局アンテナの設置に相当します。
(PBL における指導教員の役割は,自ら動く移動局ではなく,データセンターか保守管理者のようなものです)
(2) 指導教員との連絡手段の確認・・・通信手段を確立し,実際に通信できるか確認します。
(3) 途中経過報告の頻度・・・実際の通信のタイミング,頻度を決定します。
4. 予定確認
(1) 本科目の全授業回数と日程の確認・・・まず,この課題に与えられた(使うことが許された)時間を確認する。
(2) 年間予定表の確認・・・今,自分に与えられている問題はこの課題1 つだけということはまずありません。自分が取り組ま
なければならない現実の諸問題を時系列で並べた一覧表を見ながら,今回のお題がどこに,どれだけのウエイト・労力
として入るのかを全体のバランスを見ながら検討する。もしも,与えられたお題が数年越しに跨る内容ならば,10 年ス
パンの全体予定に照らし合わせて見る必要も生じてくるでしょう。
(3) 科目詳細のおおまかな決定・・・詳細が未決定の段階では,当然何をどう計画したらよいかも曖昧です。ただし,最低限
やらなければならないこと,先に知らなければ後で大きな損失に繋がることもあります。以下の 5 項目は,取組前に分
かっていること,または最低限知らなければならないことです。これを詳細の中に組み込んでみましょう。これらは必ず
しも順番通りというわけではなく,必要に応じて前後したり,元に戻ったり,先に進んだりすることがあります。
① 事前知識・・・教えを請う立場の一人として,虚心坦懐に与えられた条件と最低限必要な知識を身に付ける。
② 過去調査・・・テーマが与えられたということは,同じようなテーマを与えられて躓き,それを乗り越えることができ
た先人達が必ずいるということ。これを先人の知恵と呼びます。
③ 今回の可能性・・・過去を知った上で,自分たちはそれをどうするのか,どうしたいのか,どうあらんとするか,そし
てそれが何の役に立つのか,ここで初めて自分の願いが混合せされます。これが温故知新です。
④ 実践・着手・・・まず,過去に同じ問題に取り組んだ先人達が,何をどのようにしてそこまで辿り着いたのか,その
足跡を実際に辿ってみることが必要です。ここで新たな気づきや発想が降ってくることも多々あります。自分の実
力・現状と照らし合わせながら,場合によっては今回の目標の見直しを迫られることもあります。
⑤ 報告資料作成と練習・・・今回のお題のまとめです。それを他に伝えるために各グループに与えられる時間も限ら
れています。
(4) 次ページは本課題の予定表と年間予定表の例です。これを参考にまず自分で全体スケジュールを把握してください。
1
本課題予定表の例
回数
年月日
曜日
時間
内容
実施○×
詳細
1 2015/4/14
火
1.5
GP1
導入
2 2015/4/21
火
1.5
GP2
PBL の進め方について(草間)
3 2015/4/28
火
1.5
GP3
メールの送り方(草間)
4 2015/5/8
金
1.5
GP4
PPT の基礎(草間)
5 2015/5/12
火
1.5
GP5
6 2015/5/19
火
1.5
GP6
7 2015/5/26
火
1.5
GP7
8 2015/6/2
火
1.5
GP8
9 2015/6/9
火
1.5
GP9
10 2015/6/23
火
1.5
GP10
11 2015/6/24
水
1.5
GP11
12 2015/6/30
火
1.5
GP12
13 2015/7/7
火
1.5
GP13
スライド原案提出
14 2015/7/14
火
1.5
GP14
発表会
15
予備
16
計
21
年間予定表の例
4月
5月
連休
就
職
組
4
年
生
/
専
攻
科
1
年
生
6月
中間
インターン選考会
インターン希望調書
進
学
組
7月
8月
期末 夏休み
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
中間
冬休み
期末
春休み
進路ガイダンス1
ガイダンス2
ガイダンス3
インターン説明会
インターン報告会
各インターン先へ派遣
Web筆記試験、SPI検査
合同
学科会社
大学オープンキャンパス
大学オープンキャンパス
国家試験1
国家試験2
共
通
準卒配属
保護者懇談1
国家試験1
専
攻
科
準卒発表
進路調査1
中四国交流会
保護者懇談2
保護者懇談3
国家試験2
ソサイエティ大会
四国支部大会
夏季研究室報告会
オープンキャンパス
内定式
総合大
中間発表1年
ガイダンス4
面接講習
面接実技
就職推薦先決定
就職(推薦・自由)
大学推薦先決定
進
専攻科(推)
専攻科(学)
学
組
国公立大学(推薦・学力)
私立大学(推薦・学力)
進路最終調査
国家試験1
期末発表
就
職
組
5
年
生
/
専
攻
科
2
年
生
共
卒研本配属
通
保護者懇談4
専
攻
科
中四国交流会
夏季研究室報告会
卒研中間発表
保護者懇談5
オープンキャンパス
国家試験1
ソサイエティ大会
四国支部大会
中間発表2年
夏季研究室報告会
オープンキャンパス
国家試験2
卒論目次提出
発表練習
卒論添削
卒論発表
卒論提出予稿提出
卒業式
国家試験2
総合大会
学位論文提出
期末発表2年
予稿提出
以上
2