2015.8 No.6 吉村 靜馬 先生

2015.8
No.6
今回は理学療法学科長の吉村靜馬先生にお話を伺いました。
【略歴】
S.25 生まれ
S.49 大学社会福祉学科卒
S.49~S.52
愛知県心身障害者コロニーこばと学園
S.55 国立療養所近畿中央病院付属リハビリテーション
学院卒
S.55~S.62
東大阪市社会福祉事業団東大阪市療育センター
S.62~H.7
社会福祉法人恩賜財団山口済生会山口総合病院
H.7~現在
学校法人山口コア学園
山口コ・メディカル学院
現在
NPO 法人
子育て支援センターしらさぎキッズ理事長
理学療法学科学科長
NPO 法人
三匹のこぶた副理事長
吉村 靜馬
先生
○何故理学療法士になろうと思われたのですか。
大学を卒業してから、愛知県の職員として施設の心身障害の子どもの生活指導に
関わっていてね。その中で、
「もっと子どもたちがいきいきと生きられる手助けがで
きないかな。施設ではなく、家庭での生活を送らせてあげることができないかな」
と考えるようになったのがきっかけだな。26 歳から専門学校(3 年制)で学んだわけ。
卒業してからは、病院だけじゃなくて保育所とかあちこちに行っていたね。という
のは、病院で 30 分リハビリというのだけが本当のリハビリテーションではないから。
やっぱり、小児に関していうと一番大変な時期に親御さんの子育て・療育に道筋を
つけてあげたりすることが大事だと思うね。小児専門は 7 年で、全般的に 30 年やっ
てきたなあ。
○今までの仕事で一番印象に残っていることは何ですか。
一つ目は、バングラディシュに 2006 年から 7・8 年間車椅子や装具を持って行っ
て、リハビリテーションに関わったことかな。バングラディシュは生活するのに精
いっぱいで子どもにまで手が回らない。その親にこちらの思いがなかなか伝わらな
い。そんな中、持って行った装具がぼろぼろになるまで使ってくれていた子もいた
ね。
二つ目は、山口コ・メディカル学院ができて右も左も分からない中、一期生が卒
業した 2000 年かな。
「学校をつくりたい」というオーナーの話で関わるようになっ
て、
「こんなセラピストがいたらいいな」という思いでやってきた。あれからだいぶ
ん丸くなったと思うよ。でも、伝えたい思いは変わらない。
○学生時代はどんな学生でしたか。
「よく勉強、よく子守」だったな。結婚して子どももいたからね。年齢もあって、
覚えたことも次の日には忘れて大変だった。自慢できることは、再試を一回もとら
なかったことかな。
○大切にしている時間は何ですか。
学生に授業している時。言いたいことや思いを伝えられること。
○今興味があることは何ですか。
自分が面倒を見てもらうようになるかもしれない 5 年 10 年先に、教え子のセラピ
ストがどうなっているかは気になるね。明日は我が身だからね。教えたことがちゃ
んと伝わっているかなあ。
○今の学生へのアドバイスがあればお願いします。
「よく遊び、よく学べ」かな。遊び心・心のゆとりは生きるエネルギーになるか
ら。
○山口コ・メディカル学院創立 20 周年に思うこと。
もう 20 年も経ったのかあ。(卒業生の)何人に僕らの思いが脈々と続いているだろ
うね。
○これからのリハビリテーションについて
これからは、オールマイティーでないといけない。他職種の仕事をとるというの
じゃなくて、人は専門ごとに区切られるような存在じゃないからね。医者に総合診
療医がいるのと同じこと。
ありがとうございました。