マーケットレポート 公示地価とJ-REIT ~公示地価とJ

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マーケットレポート
公示地価とJ-REIT
2016年3月24日
~公示地価とJ-REIT市場への影響~
■ 地価動向は引き続きJ-REITに追い風
3月22日、国土交通省より平成28年の公示地価の発表がありました。今回特徴的だったのは全国平均(全用
途)が8年ぶりに上昇に転じたことです(図1参照)。これは地価上昇の広がりが着実に進んでいることを示すも
のと考えられます。
J-REITとの関連では、主要投資地域である東京、大阪、名古屋の三大都市圏の住宅地、商業地ともに3年連
続で上昇となっており、保有不動産の価値向上を通じて、引き続きJ-REIT市場にとってプラス要因となります。
一方、不動産価格の上昇は新たに取得する物件の投資利回り低下につながる可能性もありますが、地方中
枢都市の商業地が上昇基調を強めるなど、投資先の広がりが期待できる状況と考えられます。
J-REIT市場は、日銀のマイナス金利導入で改めて注目度が高まり、2月の投資部門別売買状況では海外投
資家が大幅買い越しとなっているほか(図2参照)、国債による資金運用が困難になりつつある地域金融機関等
も一部J-REITへ資金を振り向けるとの観測もあります。今回の公示地価で示された堅調な不動産のファンダメ
ンタルズは、こうした流れを後押しするものと期待されます。
なお、今回の公示地価は2016年1月1日時点であることから、1月29日に日銀が発表したマイナス金利導入の
影響は反映されていません。今後、マイナス金利導入の効果が不動産価格に波及することで、さらなる上昇の
可能性もあります。
(図2)海外投資家のJ-REIT買い越し額の推移
(図1)全国(全用途)と三大都市圏公示地価変動率の推移
(%)
12
8
4
(平成17年~平成28年、年次)
三大都市圏平均 住宅地
三大都市圏平均 商業地
全国平均 全用途
(2014年2月~2016年2月、月次)
(億円)
1,600
1,200
全国(全⽤途)は8年ぶり上昇
三⼤都市圏は3年連続上昇
買い越し
2⽉1,167億円
⼤幅買い越し
800
400
0
0
-4
-400
売り越し
-8
-800
17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
(年)
(出所)国土交通省のデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
14/2 14/5 14/8 14/11 15/2 15/5 15/8 15/11 16/2
(年/月)
(出所)東京証券取引所のデータを基に三井住友トラスト・アセット
マネジメント作成
【平成28年公⽰地価の主なポイント】
全国(全用途)は8年ぶりに上昇
三大都市圏商業地は上昇基調を強める
三大都市圏を上回る地方中枢都市の上昇
※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当資料は、三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、
証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。
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【平成28年公⽰地価の主なポイント】
全国(全用途)は8年ぶりに上昇
(図3)平成28年公示地価の変動率
前述の通り、全国平均(全用途)は8年ぶりに上昇に転
じました。全国平均(住宅地)は前年比▲0.2%と8年連続
で下落となったものの、下落幅は前年より0.2%縮まりま
した。住宅地では緩やかな景気回復基調のなか、低金
利政策の継続や住宅ローン減税、住宅取得等資金に係
る贈与税の非課税措置などを受け、上昇の継続または
下落率の縮小が見られました。
(%)
全国
三⼤都市圏
東京圏
一方、全国平均(商業地)も+0.9%と8年ぶりに上昇、商
業地では国内外からの観光客の増加等を背景に店舗、
ホテル等の需要が強く、オフィスについても空室率が概
ね低下傾向であることから、一部地域では賃料の改善が
見られるなど、商業地としての収益性の向上が見られま
した。さらに、金融緩和による法人投資家等の資金調達
環境が良好なこともあり、不動産投資意欲は強く、商業
地の地価は概ね堅調に推移しています。
⼤阪圏
名古屋圏
地⽅圏
地⽅中枢都市
その他
全⽤途
住宅地
商業地
0.1
(▲0.3)
1.1
(0.7)
1.1
(0.9)
0.8
(0.3)
1.3
(0.9)
▲0.7
(▲1.2)
3.2
(1.8)
▲1.1
(▲1.5)
▲0.2
(▲0.4)
0.5
(0.4)
0.6
(0.5)
0.1
(0.0)
0.8
(0.8)
▲0.7
(▲1.1)
2.3
(1.5)
▲1.0
(▲1.3)
0.9
(0.0)
2.9
(1.8)
2.7
(2.0)
3.3
(1.5)
2.7
(1.4)
▲0.5
(▲1.4)
5.7
(2.7)
▲1.3
(▲1.8)
※平成28年1月1日時点の対前年比、カッコ内は前年のデータ
※地方中枢都市・・・札幌市、仙台市、広島市、福岡市
(出所)国土交通省のデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジ
メント作成
三大都市圏商業地は上昇基調を強める
東京、大阪、名古屋の三大都市圏では、商業地の
変動率が前年の+1.8%から+2.9%へと上昇率が大き
く拡大しました。
東京圏の商業地では、銀座が所在する中央区の上
昇率が高く、銀座地区においては、外国人観光客の
増加に伴う購買需要が旺盛で、店舗賃料が上昇傾向
にあるほか、ブランド店、免税店等の開設が相次いで
おり、再開発事業の進捗も見られるなど、繁華性が高
まる動きがさらに強まっています(図4参照)。
大阪圏の商業地では、心斎橋が所在する中央区の
上昇率が高く、心斎橋地区においては外国人観光客
の増加を受け消費動向が旺盛であり、物販店等にお
ける収益性の向上から新規出店需要が強いことや、
周辺部でのホテル用地としての需要が高いことが地
価の上昇要因となっています(図4参照)。
(図4)平成28年公示地価における東京圏および
大阪圏の商業地対前年上昇率上位
9.6
東京都中央区
7.6
東京都港区
東京都渋谷区
7.6
東京都千代田区
7.4
6.5
東京都目黒区
12.8
大阪市中央区
大阪市北区
10.7
大阪市西区
10.6
9.4
大阪市福島区
8.1
京都市中京区
0
5
10
15 (%)
(出所)国土交通省のデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
三大都市圏を上回る地方中枢都市の上昇
地方圏全体では住宅地、商業地とも下落幅は縮小するも、未だ上昇には至っていませんが、札幌市、仙台市、
広島市、福岡市の地方中枢都市に関しては、住宅地、商業地とも上昇率は三大都市圏平均を上回りました(図3
参照)。背景としては、国内外からの観光客の増加等がプラスに働いていると見られます。
この4都市以外にも新幹線開通により賑わう金沢などにも、地価上昇に広がりが見えてきています。
※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当資料は、三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、
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