乳・乳製品を動物検疫の対象とすることについて(PDF:296KB)

平 成 28 年 3 月 17 日
消費・安全局動物衛生課
乳・乳製品を動物検疫の対象とすることについて
1.経緯及び現状
(1)現在、我が国畜産物の輸出促進のため、「農林水産物・食品の国
別・品目別輸出戦略」に従って検疫協議を推進している中、今般の
TPP 協定大筋合意により諸外国への市場アクセス改善が見込まれ、
協議の加速化の必要性が高まっている。
(2)こうした状況を踏まえ、現在、米国及び欧州と動物検疫システム
の相互認証に係る協議を実施するなど、検疫協議を戦略的に実施し
ているが、協議においては、相手国により我が国の動物検疫体制が
評価されることから、国際基準や諸外国と同等の水準の検疫体制を
構築しておくことが必要となる。
(3)一方、我が国は、乳・乳製品のうち「生乳」のみを動物検疫の対
象としているが、畜産をめぐる状況の変化やアジアにおける乳業の
発展がみられる中、今後、口蹄疫非清浄地域を含む多様な国・地域
において生産される乳・乳製品の我が国への輸入が見込まれるとこ
ろ。
(4)こうした状況を踏まえ、本年 1 月 25 日、乳・乳製品(携行品及び
乳・乳製品を原料として製造された一部の製品を除く)を動物検疫
の対象とすることについて家畜衛生部会に諮問し、3 月 1 日、牛豚等
疾病小委員会において、技術的議論を行った。
2.牛豚等疾病小委員会における技術的議論の結果
(1)事務局が行ったリスク評価(案)の方法及び結果については、妥
当であるとして、了承された。
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(2)事務局が作成した以下のリスク管理措置案については、国際基準
(OIE コード)に従う十分な病原体不活化措置が要件として提案され
ており、妥当であるとして了承された。
<リスク管理措置案(別紙参照)>
①リスク評価の対象とした乳・乳製品(携行品及び乳・乳製品を
原料として製造された一部の製品を除く)を動物検疫の対象に
加えること
②その輸入に当たって、輸出国政府機関が発行した以下の要件に
ついて記載した検査証明書の添付を求めること
a)原料について、
i) 口蹄疫清浄国由来の場合、口蹄疫清浄国由来であるこ
と
ii) 口蹄疫非清浄国由来の場合、その製造工程において、
適切な加熱処理等の病原体不活化工程を経たものであ
ること(その本来の製造工程において加熱処理等の病
原体不活化工程を経ている場合にはその旨、本来の製
造工程において適切な病原体不活化工程を経ていない
場合には追加的な病原体不活化措置が講じられた旨)
b)健康な動物に由来する乳を原料として製造されたこと(も
しくは、輸出国国内法に基づき、家畜の伝染性疾病に感染
している動物由来の乳を原料として用いてはならないこ
ととされていること)
c)生乳の生産から乳・乳製品が日本に輸入されるまでの間
に、口蹄疫ウイルスに汚染されない方法で、製造、包装、
保管、輸送されたこと
③病原体不活化措置としては、国際基準(OIE コード第 8.8.35.条
及び 8.8.36.条)に基づくこと
(3)なお、これらの措置を確実に実行するため、必要な人員の確保等、
動物検疫体制の強化・徹底を行い、十分な周知期間・準備期間を設
ける必要がある。
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別紙
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