第8章 1 介護保険制度運営の適正化 監査体制の構築 利用者の自立支援や高齢者の虐待防止、身体拘束の廃止など、サービスの質の確保・ 向上を目的とした「指導」の実施を基本とし、不正などが疑われる事業者に対しては、迅 速かつ厳正に「監査」を実施して、法令遵守の徹底を図ります。 (1)事業所監査指導 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 現状と課題 ・利用者に対する適切な介護サービスを確保することにより、介護保険制度 の信頼感を高めるとともに、介護給付費や保険料の増大を抑制し、持続可 能な介護保険制度とすることが大切です。 ・介護保険サービス利用者が、安心してサービスを受けられるよう、介護サ ービス事業者に対する指導・助言を行うことが重要です。 今後の取組み ・「介護給付費適正化事業計画」に基づき、「要介護認定の適正化」 「ケアマネ ジメントのなどの適正化」 「事業者のサービス提供体制及び介護報酬請求の適 正化」を実施します。 【関連する主な事業】 事業名 事業内容 事業所監査指導 地域密着型サービス事業者に対しては、要綱に基づき本市が直 接監査指導を行い、それ以外の市内の介護保険サービス提供の 事業者については、 県との合同監査指導により計画的に指導 監査を実施。 【実績及び計画値】 平成 24 年 平成 25 年 平成 26 年 平成 27 年 平成 28 年 平成 29 年 介護保険 計画値 事業所 指導監査 実績値 (件) ※平成 26 年度実績は見込み値 6 6 6 10 12 12 9 14 ※12 ― ― ― 117 ■ ■ 2 介護給付の適正化 介護給付の適正化は、介護給付を必要とする被保険者を適切に認定し、受給者が真に 必要とする過不足のないサービスを事業者が適切に提供するよう促すことであり、適切 なサービスの確保とその結果としての費用の効率化を通じて介護保険制度への信頼を高 めるとともに、介護給付費や保険料の増大を抑制することを通じて、持続可能な制度の 構築に資するものです。 (1)介護給付適正化事業 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 現状と課題 ・介護給付適正化を実現するためには、保険者が介護給付を必要とする被保 険者を適切に認定したうえで、受給者が真に必要とするサービスを適切に 提供するよう促す事が必要です。 今後の取組み ・利用者の自立支援に資する適切な介護サービスの質の確保と向上を図るた め、国、県の指針を踏まえ、「要介護認定の適正化」 「ケアプランの点検」 「住 宅改修等の点検」「縦覧点検・医療情報との突合」「介護給付費通知」の主要 5事業について、介護給付適正化事業と位置づけて、重点的かつ計画的な推 進を図ります。また、国保連合会から送られてくる給付実績を活用し、医療 情報との突合及び縦覧点検を実施し、介護報酬請求の適正化を進めます。 118 ■ ■ ■ 【適正化主要5事業】 事業名 実施方法 要介護認定は、全国一律の基準に基づき客観的かつ公平、公正 に行うべきものであり、認定調査の公平・公正性の確保、人権 に配慮した調査を行うため、認定調査員に対する研修などを実 施するとともに、適切な判定を行うため、調査時に家族などの 同席者の協力などにより実態の把握に努めます。また、介護認 定審査会委員の判断基準を平準化するため、委員に対する研修 を行うほか、定期的に委員の構成を変更します。 ケアマネジメントは、利用者の自立を促進し、生活の質を高め るものでなければなりません。 そのためにも、利用者の自立支援に資する適切なケアプランの 推進のために、ケアプランの点検を実施します。また、資質の 向上を図るためアセスメントからケアプランの作成等につい て研修会等情報提供を行います。 住宅改修費の支給については、利用者の状態にそぐわない不適 切又は不要なものではないかを、施行する前に申請理由などで 審査し、工事見積書の点検及び必要に応じ実態確認し、施工後、 竣工写真等により施工状況等を点検します。 福祉用具購入については、利用者の福祉用具購入等の必要性及 び利用状況等について点検を行い、身体の状態に応じて必要な 福祉用具の利用を進めます。 国保連合会から送られてくる給付実績を活用し、医療情報との 突合及び縦覧点検を実施し、介護報酬請求の適正化を進めてい きます。 介護保険のサービス利用者に対して、年2回介護給付費通知書 を送付することにより、サービス利用内容の確認を通じて適切 なサービス利用及び介護費用の請求がなされるよう啓発しま す。 要介護認定の適正化 ケアプラン点検 住宅改修等の点検 縦覧点検・医療情報との突合 介護給付費通知 【実績及び計画値】 平成 24 年 平成 25 年 平成 26 年 平成 27 年 平成 28 年 平成 29 年 ケアプラン 点検 (件) 計画値 6 6 6 15 15 15 実績値 3 15 ※15 ― ― ― 適正化によ る介護給付 費の点検 (件) 計画値 ― ― ― 200 200 200 実績値 ― ― ― ― ― ― 介護給付費 通知発送 (件) 計画値 ― ― ― 3,000 3,000 3,000 実績値 2,926 2,937 2,977 ― ― ― ※平成 26 年度実績は見込み値 119 3 サービスの質の確保と向上 介護保険制度の定着によりサービス利用件数は年々増加しており、それに伴ってサー ビスの質の向上、事業者やケアマネジャー等の資質の向上が求められています。 事業者、サービスに従事する職員及びケアマネジャーの資質の向上については、介護 保険サービス事業者に対する指導・監査、並びに地域密着型サービス事業者に対する集 団指導、実地指導を定期的に行い、サービスの質を高めます。また、人材面では、サー ビスの質の確保のため、サービス従事者のスキルアップに向け、事業者が自主的に研修 機会を設けてレベルアップを図るように働きかけます。 (1)介護支援専門員の資質・専門性の向上に対する支援 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 現状と課題 ・介護支援専門員の資質・専門性の向上に対する支援については、主体的に自 己研鑚でき、実践につながるように企画を工夫することが必要です。 今後の取組み ・研修に関する情報提供や兵庫県や関係機関と連携した研修などを実施する など介護人材の質的向上を図ります。 ・介護保険サービス事業者間の連携を一層充実し、ケアマネジャー相互の意見 や情報交換の機会を設けるとともに、主任ケアマネジャーを中心に支援体制 の整備に努めます。 (2)サービス評価事業への取組み ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 現状と課題 ・利用者の安心・信頼を獲得するため、質の向上を図ることが重要であり、公 正・中立な第三者機関が専門的・客観的な立場で行う第三者評価の受審促進 に努め、評価結果を公表することが必要です。 今後の取組み ・介護サービスの質の向上といった観点から、サービス事業者自らが行う自己 評価システムや外部評価としての第三者評価について、事業者に対し導入・ 受審の働きかけを行い、市民にとって利用しやすい苦情処理システムの確立 に努めます。 120 ■ ■ ■
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