デスクトップ SLA3D プリンター用樹脂市場についての考察 ジャパンコンサルティング合同会社 代表コンサルタント 前田健二 1 ジャパンコンサルティング合同会社 無断転載禁止 目次 2 デスクトップ 3D プリンターの市場規模 3 デスクトップ SLA3D プリンターの誕生 3 デスクトップ SLA3D プリンター用樹脂の開発 4 メーカージュース・ラブズ 5 スポット A マテリアルズ 5 メイド・ソリッド 6 考察 7 ジャパンコンサルティング合同会社 無断転載禁止 デスクトップ 3D プリンターの市場規模 アメリカの調査会社ガートナーによると、、2013 年にアメリカ国内で出荷された価格 10 万ドル(約 1,230 万円)以下の 3D プリンター数は 56,507 台と推定される。それらのほどんどが FDM(Fused deposition modeling, 熱溶解積層法)と呼ばれる方式の 3D プリンターであるが、一方で、比較的古 くからある光造形方式・SLA 方式の 3D プリンターも相応のシェアを有していると推測される。 世界中の 3D プリンターをネットワークしているオランダのベンチャー企業、3D ハブズ1は、同社が ネットワークした 3D プリンターの機種、メーカーシェア、利用目的、満足度等を月次でまとめてレポ ートにして公開しているが、同社の 2015 年 6 月時点の機種別シェアでアメリカのデスクトップ SLA3D プリンターメーカー、フォームラブズのフォームワン・プラスが 2.5%となっている。デスクトップ SLA3D プリンターメーカーはフォームラブズの他に KUDO3D、フル・スペクトラム・レーザー等複数 あり、仮にアメリカ市場でのシェアが 2.5%であるとしても、少なくとも 1,412 台のデスクトップ SLA が出 荷されたと推定出来る。なお、ガートナーは 2014 年の価格 10 万ドル以下の 3D プリンター数を 98,065 台と推定しているが、仮にシェアを同じとした場合、2014 年のデスクトップ SLA3D プリンター のアメリカでの出荷台数は 2,451 台となる。 デスクトップ SLA3D プリンターの誕生 SLA3D プリンターの歴史は古く、その中核技術であるステレオリソグラフィー2は 1980 年に日本人 技術者小玉秀雄が発明、後 1984 年にスリーディーシステムズ創業者チャック・ハルによって特許出 願された。ステレオリソグラフィーの原理は比較的単純で、3D モデルを元に紫外線硬化樹脂に紫 外線を照射し、積層的に造型するものである。3D プリンターでのモノづくりには紫外線硬化樹脂ま たは光硬化樹脂を用いる必要があり、樹脂は 3D プリンターにとって必要不可欠なものである。 ところで、SLA3D プリンターは長らく光造形機として世界中のモノづくり現場で試作品製造等に使 われてきた。日本のモノづくりの現場でも SLA3D プリンターと言うよりも光造形機と言った方が話が 通じやすいであろう。一方、2011 年 11 月にマサチューセッツ工科大学メディアラボの研究員だった マキシム・ロボブスキー、ナタン・リンダー、デビッド・クレーナーが世界初のデスクトップ SLA3D プリ ンター開発を目的にフォームラブズ3を設立、デスクトップ SLA3D プリンターの歴史の幕が開けた。 なお、フォームラブズの設立にはメディアラボ所長で日本人企業家伊藤譲一、グーグル CEO エリッ ク・シュミットも投資家として参加している。 1 2 3 3 3D ハブズ(3D Hubs) https://www.3dhubs.com/ ステレオリソグラフィー(Stereolithography) 光造形のこと。SLA と略される。 フォームラブズ(Form Labs) http://formlabs.com/ ジャパンコンサルティング合同会社 無断転載禁止
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