看護技術演習室“寺子屋”開設から2年間の運用

序論
新人看護職員の臨床現場への適応を促進し、リアリティショックを
予防することを目的に、平成25年4月に看護技術演習室寺子屋
を開設し、新人教育担当看護師を配置して3年目を迎えた。
A病院新人教育研修体制
集合教育
Off-JT
夜間の急変
怖い!
採血が出来
ない!
職場内教育
OJT
寺子屋
看護記録これでい
いの?
『寺子屋 ミニレクチャー』
人工呼
吸器?
Ⅰ.集合教育
平成26年度新人看護職員(クリニカルラダーⅠ)
12
月
11
月
10
月
9月
7月
6月
5月
4月
2月
○12ヶ月フォロ―アップ
○心電図モニターの見方
○技術指導の再確認
判定要約を学ぶ
○急変時のシュミレーション
○放射線部検査・放射線治療
○爪のケア
○事故報告書からGWを通して学ぶ
1年間を振り返る
○自己ストレスに対応する
○電子カルテについて(見直し)
○事例を通して記録方法を振り返る。
○一泊研修
○入職時研修(10日間)
○摂食・嚥下障害と訓練
3月
Ⅱ.職場内教育
Point !
✿職場全体で支援する屋根瓦式
教育体制
✿パートナーシップ導入
・・・・・ 主任看護師
・・・・・ プリセプター
・・・ プリセプティ
看護チームメンバー
部署全体
✿入職時よりプチセプターによる
マンツーマン指導
✿入職時2週間目までの教育計
画と年間教育計画による丁寧な
教育指導
✿新人教育ガイドライン(厚生労
働省)に沿った「赤穂市民病院
新人看護職員経験チェック表」を
使用した看護技術指導
Ⅲ.寺子屋
目的 1)新人看護職員に対して、臨床現場への適応を促進する
2)新人看護職員のリアリティショックを緩和する
内容 1)基礎看護技術の復習
2)DVD鑑賞 3)電子カルテ
4)輸液ポンプ・シリンジポンプの練習 5)ラング(呼吸音)
6)気道管理モデル 7)ディルーム(新人看護職員の仲間
づくり)
Ⅳ.寺子屋ミニレクチャー(平成25年度・26年度)
12/26
人工呼吸器の使用方法
7/29
看護記録
(A/P・P/Aをも
う一度確認しま
しょう)
6/30
採血のコツ(血
管の選び方、採
血の仕方)
9月
7月
4月
12
月
判定要約を学ぶ
○一泊研修
○入職時研修(10日間)
○摂食・嚥下障害と訓練
○12ヶ月フォロ―アップ
1年間を振り返る
3/7
○自己ストレスに対応する
挿管の介
11
3/9・11・13
助・CVC
月
○心電図モニターの見方
急変時のシミュレー
挿入の介
助
10
ション(5人グループ
月
○技術指導の再確認
で1時間コース研修
(中途採用看護師
○電子カルテについて(見直し)
と合同研修)
○事例を通して記録方法を振り返る。
10/24
新人看護職員のための
○急変時のシュミレーション
夜勤・交代制勤務を充
○放射線部検査・放射線治療
実させるセルフマネジメン
○爪のケア
ト(日本看護協会オン
○事故報告書からGWを通して学ぶ
デマンド研修)
6月
5月
2月
3月
方法
対象:平成25年度・26年度入職の新人看護職員26人
寺子屋ミニレクチャー出席の期間:平成25年4月より平成27年3月
方法:寺子屋利用状況報告書、寺子屋ミニレクチャー調査票の評価
(中途採用者4人2年目以上の看護師18人を含む)
対象者
平成25年・26年度
新人看護職員 26人
10
10
4
2
平成25年度
平成26年度
男子
女子
(新人看護職員とは免許取得後に初めて就労する看護職員のことである。)
結果
1)寺子屋利用者延べ人数
251
158
平成25年入職新人14人 →158人
平成26年入職新人12人 →251人
2)演習モデルの利用状況
平成25年度
平成26年度
3)寺子屋ミニレクチャー受講状況
人工呼吸器の使用方法
0
挿管の介助・CVC挿入の介助
0
看護記録(A/P・P/Aをもう一度確認しよう
0
急変時シミュレーション
新人看護師
14
1
1
採血のコツ
夜勤交替制勤務を充実させるためのセルフ…
12
5
12
1
0
6
2
12
9
12
3
0
中途採看護師
2年目以上の看護師
4)今後の看護に役立つか
人工呼吸器の使用方法
0
0
0
挿管の介助・CVC挿入の介助
0
0
0
採血のコツ
0
0
0
看護記録(A/P・P/Aをもう一度確認しよう
0
0
17
16
13
20
1
夜勤交替制勤務を充実させるための… 000
急変時シミュレーション
はい
いいえ
8
15
0
0
0
どちらともいえない
未記入
5)今後の看護実践に役に立つ理由
研修名
人工呼吸器の使用方法
自由記載
・2回しか見たことがないので参考になりました。
・急変時に役立てます。
挿管の介助・CVC挿入の ・実際に病棟でも必要な手技だから経験できて良かった。
・今後の処置に生かせそうです。慌てず声をかけ合い頑張ります。
介助
採血のコツ(血管の選び
方・採血の仕方)
・血管を選ぶコツを知ることができて良かった。
・血管が分かりにくい患者さんの血管を見つけるコツを学べた。
看護記録(A/P・P/Aを ・丁寧に自分の記録の間違っているところを直してくださって、自
もう一度確認しよう)
分の間違いに気づくことができた。
・自分の記録が添削されており、分かりやすく理解できた。
夜勤・交代制勤務を充実
させるためのセルフマネジ
メントスキル
・夜勤開始前なので、今後どういう生活をしていけば良いのか
学ぶことができた。
・自分の生活習慣の改善につなげていきたい。
急変時シミュレーション
・いつ急変にあたるかのか、夜勤の時はいつも不安でした。今
日学んだことを活かしていきます・
・今まであやふやだった緊急時の対応を知ることができた。
結論
新人の今困っていることをキャッチし、
寺子屋ミニ レクチャーを実施する
↓
新人が、タイムリーに必要な事について
学び、確認する機会になっている。
これら寺子屋の取り組みは、新人の不安の
軽減に寄与し、離職防止に繋がっている。