一流の文化に触れる 校 長 永浜 裕之 秋を感じる清々しい陽気の中、2学期中間考査を経て、間もなく文化祭です。 秋の夜長を感じるこの時期、読書や絵画鑑賞、音楽鑑賞など、多くの芸術に 触れてほしいと思います。 皆さんは、 『高級なオーディオ機器を買っても、それを堪能できる、いわゆる 「よい耳」がなければ無駄である』という考えをどう思いますか。その通りで あると思いますか。 40年以上前の冬、中学生だった私は、ラジオカセットレコーダを買っても らうために、父親と秋葉原に行きました。様々な商品が陳列されていましたが、 「どうせ買うなら良い物を」という父のアドバイスにしたがわず、 『自分は、い わゆる、 「よい」耳を持っていない』という理由で、比較的、安価な製品を選び ました。 家に帰り、FM放送を聴いてみると、以前聴いていた、真空管アンプ、スピ ーカ、レコードプレイヤ一体型の、モノラル再生のオーディオ機器との音の違 いに驚きました。そのとき、「失敗した」と強く感じました。 なるほど、いわゆる「よい耳」がなければ、よいオーディオ機器を楽しむこ とはできない。 しかし、 『肝心の「よい耳」を育てるためには、実力以上の高級なオーディオ 機器を買い、良い音とは何かを耳に教え込まなければならないのだ』と思いま した。 人間が成長するという認識が欠けていたのです。 冒頭の言葉は、 『いわゆる「よい耳」を育むためには、高級なオーディオ機器 を買い、良い音とは何かを学ぶべきである』と考えるべきだと思いました。 世の中には、優れた本や音楽など、一流の文化ととらえることができる著作 物が存在し、また、幸運なことに、東京は一流の文化に触れやすい環境にあり ます。 是非、本や音楽、絵画など、興味がある一流の文化に触れる機会を多くもち ましょう。そのことにより、あなたの中で、何かが育まれるはずです。 何が一流なのか、どうすればわかるでしょうか? おすすめは、その道の専門家である、各教科の先生に尋ねることです。きっ と新しい発見があると思います。
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