事例 14【情報伝達】 ①災害に強いまちづくり 大分県中津市 ②河道・流域特性:上流部では河川沿いに河岸段丘が分布する細長い谷底平野が形成さ れ、その河床勾配は、上中流部で 1/200 以上、下流部でも 1/500~1/1000 程度と急 こう配となっている。平均年間降水量は、平野部の中津でも約 1500mm である。 ③対策のポイント ・情法伝達の強化 ・場面を想定しての避難訓練 ・住民の自主防災の意識向上 ④対策の概要 *災害情報伝達体制の充実 中津市は平成 17 年に旧中津市と下毛郡の 3 町 1 村が合併しため情報伝達体制に地域 による違いがある。 ・旧下毛地域 テレビ難視聴の解消として行った情報化ネットワーク事業(CATV)とあわせ各世帯 に FM 告知放送による個別受信機を設置し、無線の屋外拡声器を有線化して戸別受 信機と屋外拡声器による災害情報の伝達を行った。そのため平成 24 年 7 月の九州豪 雨の際、屋内、屋外両方で充分な伝達が行えた。 ・旧中津市 MCA 無線により市内 53 カ所に設置された屋外拡声器を利用し、災害情報を発信し ていた。しかし屋外拡声器だけでは充分な伝達ができないと考えられた。 そこで地元の FM ラジオ局に協力してもらいラジオへの緊急割り込み放送を行う準 備を進めた。これにより屋内、車内にいる人への情報伝達の充実を図っている。 *防災訓練 大分県中津市大島地区では平成 24 年 7 月の九州北部豪雨の際に避難所が浸水し、急 きょ別の避難所へ避難した。そのためその後の避難訓練では新しい避難所を選定し、 地域の若者が不在の平日の昼間を想定し、残った住民だけで要支援者をどのように避 難させるかという課題を持って実施された。また避難所が小学校なので小学生も訓練 に参加し、要支援者を助けながら訓練が行われた。 *補助金 自主防災組織の充実を図るために「自主防災組織活動事業費補助金」を設けた。 ⑤対策の契機 平成24年7月の九州北部豪雨において短期間で2回山国川が氾濫し、人的被害として は行方不明者1名、住宅被害としては全壊10戸、大規模半壊5戸、半壊66戸、床上浸 水304戸、床下浸水92戸の被害が出た。この被害を契機として対策がなされた。 ⑥対策の効果 不明 ⑦参考情報 鳴 良彦 自主防災組織の充実・強化による「災害に強い地域づくり」 日本河川協会 河川 69 巻 2013
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