ニュースレター No.5 [PDFファイル/3.11MB]

浪江町の新しい水産業デザイン実現化事業
ニュースレター No.5
平成 27 年 3 月
(1)第二工期の報告
第二工期に行ったアンケート・聞き取り調査結果から漁業者、仲買人、漁協、浪江
町と共に高度衛生管理型施設の視察(魚津漁港、西三河漁港)
、底建網の視察・研修
(北海道、青森)
、アワビの生息調査等を行いました。試験操業ではカレイ網、沖タ
コ、コウナゴ、サバ網等を行ってきました。1 月で第二工期が終わり、浪江町の新し
い水産業デザイン実現化事業も 2016 年 1 月(8 ヶ月間)までとなりました。今後第三
工期は請戸漁港の未来をより良いものにしていくために具体的なアクションを各関
係者と続けたいと考えています。次に各活動の写真を紹介します。
2014 年 4 月 3 日コウナゴ試験操業(第八海勝丸)2014 年 4 月 12-13 日上架施設・底建網視察
2014 年 5 月 23 日柴栄水産新事務所開設 2014 年 6 月 9 日魚津漁協加工場・市場視察
2014 年 6 月 26-28 日 底建網研修(青森県大畑漁協)
2014 年 7 月 7 日沖タコ漁(效漁丸)
2014 年 9 月 18 日
ホッキ飯、ツブごはん試作品作成会
2014 年 7 月 24 日底建網検討委員会
2014 年 11 月 15 日マグロ曳き釣り
2015 年 1 月 17-18 日 日本橋ふくしま館 MIDETTE 出展
2015 年 2 月 13 日マガレイ試験操業(效漁丸)
浪江町の新しい水産業デザイン実現化事業
ニュースレター No.5
平成 27 年 3 月
(2)試験操業
マガレイの試験操業は 4 月から 7 月ま
で週に 1 回行われる予定です。また、3
月 16 日(月)よりコウナゴの試験操業
が開始されました。第八海勝丸の鎌田さ
んより最近の海の状況を聞きました。
「コウナゴのサイズはまだ小さく群
れがまとまっていない。もう少し日にち
がたてば大きくなってくるだろう。今年
はシラウオが大量にいる。なざ(沿岸)
だけでなく沖でも反応がある。こんなこ
とは今までなかった。獲ってないと魚は
増えるんだな!!単価が高い魚だけに悔しいなぁ…。
」と。
(3)浪江町請戸地先でのサンプリング調査
請戸地先のサンプリング調査は漁業者の
操業機会を増やすことと、20km 圏内の水産
物の放射性物質データの収集を行っていま
す。サンプリングは請戸支所の漁業者により、
各漁法(船曳網、刺し網、ガゴ、釣り)での
漁獲後、福島県の水産試験場を通して福島県
農業総合センターにて放射能測定を実施し
ています。
※結果表別添参照(2015 年 3 月現在)
調査の結果から、41 検体中 12 検体(メイ
タガレイ、ヒラメ、アイナメ、コモンカスベ、
マコガレイ、ババガレイ、シロメバル)で放
射性セシウム値が検出されましたが、規制値
である 1 キロ当たり 100 ベクレルを下回って
いました。さらに検出された検体はいずれも
国の出荷制限魚種で、請戸地先海域も他の海
域と同様に試験操業を行うことが可能であ
ると示唆されます。引き続き調査を実施し、
請戸地先漁場での試験操業対象魚種のサン
プリングデータを蓄積し、漁協の操業自粛海
域の縮小化を議論することが必要です。
コラム「トップ引き」
築地市場、今や世界でも有名な中央卸売市場だろう。東京の食を満たすだけではなく、
築地市場に集まった各地の生産物は全国各地に届けられる。いわば日本の食料物流の心
臓部である。また、海外観光客の行ってみたい場所でも上位にあが
臓部である。また、海外観光客の行ってみたい場所でも上位にあがる有名観光スポット
あがる有名観光スポット
でもある。しかし、場内で
でもある。しかし、場内で毎日行われている
毎日行われている取引
行われている取引の実体を知っている人は
取引の実体を知っている人はなかなかいな
の実体を知っている人はなかなかいな
い。築地と言ったら水産物である。前置きが長くなったが、福島県請戸漁港から
い。築地と言ったら水産物である。前置きが長くなったが、福島県請戸漁港からは
からは 「常
磐もの」として築地市場に鮮魚・活魚を下ろして来た。請戸の仲買人の会社社長はいう。
「うちの魚は築地でトップ引きだ!築地で一番いい魚を卸している!」
「トップ引き」とは最初にセリにかけられる魚である。つまり、
「トップ引き」の
「トップ引き」の魚が
基準となり、
基準となり、価格の
価格の形成が行われる。セリ人は相場をあげるために「トップ引き」には
最高品質の魚を用い
最高品質の魚を用いて
用いてセリを始め、
セリを始め、少しでもセリ値を釣り上げようとする。この請戸の
卸売業者の発砲箱
卸売業者の発砲箱には日本一の魚と大きく書いてある。請戸漁港の自信、ブランドを復
活させ、「トップ引き」
トップ引き」に返り咲く魚を早く出荷できる体制を見たい。
海底土から放射性物質取り込まず
東京電力福島第1原発事故後の福島県沖の状況を想定した魚の飼育実験で、汚染し
た海底の土から直接、魚に放射性物質が移行することはほとんどなかったとの研究結
果を横浜市にある水産総合研究センター中央水産研究所のグループが26日までに
まとめた。27日から東京海洋大(東京都港区)で開かれる日本水産学会の大会で発
表する。グループは今後、餌の生物を通じて魚がどの程度セシウムを取り込むか調べ
る必要があるとしている。実験は福島県いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」
で実施。
2015/03/26 16:49
【共同通信】より引用
以上
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