ニュースレター No.7 [PDFファイル/2.69MB]

浪江町の新しい水産業デザイン実現化事業
ニュースレター No.7
平成 27 年 6 月
(1)試験操業
2015 年 5 月 15 日、コウナゴの試験操業最終日の様子をご報告します。
天気は晴れ、海況もよく時化男の汚名返上で大漁を期待していきましたが、コウ
ナゴの群れがまとまらず、結果は請戸全隻振るわずに帰港いたしました。コウナゴ
のサイズも大きくなり、漁期終盤の状況でした。また、クロダイやヒラメなども網
に入っていました。水温も温かくなり、魚食性の魚たちは活発に小魚を追いかける
ようになってきたのではないかと思います。残念ながらクロダイやヒラメは試験操
業対象魚種でないため放流しました。帰港後は網を船から網を下ろして網干しを行
いました。
今後の試験操業予定は 7 月までカレイ網、7 月から沖タコ漁、8 月からシラスのか
け回りが始まる予定です。
小女子の魚探反応
放流したクロダイ(50 ㎝)
網上げ最中
放流したヒラメ(60 ㎝)とヒガンフグ
網卸し
網干し
(2)小名浜魚市場
5 月 21 日に小名浜魚市場の放射能検査体制を視察してきました。
新魚市場は一部 5 階建てで、床面積約 7000 平方メートル、A 棟と B 棟の 2 棟に分か
れています。A 棟は沿岸漁業の魚介類を扱う密閉した空間の高度衛生管理型、B 棟は
沖合漁業の大型船2隻が同時に水揚げできる規模の閉鎖型施設です。放射性物質の検
査室、製氷・貯氷施設などを備えています。
冷凍冷蔵施設は 5 階建て、床面積約1万平方メートル。冷凍能力は日産 100 トン、
冷蔵庫の保管量は氷点下 30 度が 4400 トン、氷点下 60 度が 2000 トン。加工ラインも
整うなど東北有数の規模と能力で、カツオ船やサンマ船などの入港が期待されていま
す。
(河北新報記事より引用)
小名浜魚市場を管理する小名浜機船底曳網協同組合の柳内さんは「将来は海外への
輸出を視野に入れている。高度衛生管理型の魚市場で安心安全な海産物を届けたい。
」
と話しておりました。また、いずれは放射能検査を行わなくなることを信じて検査室
は加工場として使えるように保健所の許可が出る設計をしていました。放射性検査体
制は県漁連が定める検査体制マニュアルに従い、いわき市漁協と相双漁協で同じ検査
体制と基準で行っています。平成 29 年度完成予定の請戸漁港魚市場でも福島県内 2
番目となる高度衛生管理型荷捌き施設を目指します。
閉鎖型高度衛生管理型の小名浜魚市場
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ニュースレター No.7
加工施設としても使える検査室、荷捌き施設からガラス窓一枚で魚を搬入できる
(3)上架作業
5 月 22 日船の上架作業現場に立ち会
いました。現在、請戸船籍は真野川漁
港で上架しています。料金は 5 トン以
上 6,000 円、お湯使用で 16,000 円とな
っています。上架された船を見ると大
きさに驚きます。平成 29 年に復旧予定
の新市場に併せて上架施設も建設する
予定です。
(4)商品開発
6 月 2 日女性部鎌田部長、只野さん、小松さん、漁協の玉野さん、網谷さんと共に
ホッキ味噌、アンコウのとも和え、サケのフレークのサンプルを作りました。これを
商品化するために必要な食品の細菌検査に提出しました。この検査をクリアーしない
と商品として販売することができません。結果は今月末に出ます。細菌が基準値以下
になっていることを願うばかりです。
アンコウの肝を炒める
切り干しとアンコウの身を和える
ホッキを煮詰めネギと大葉を入れる
汁けがなくなるまで煮詰める
(4)第 5 回浪江町水産業ワーキンググループ会議
6 月 3 日浪江町本庁舎にて第 5 回浪江町水産業ワーキンググループ会議を開催いた
しました。会議では第三工期の取り組み方針「底建網、アワビ調査、商品開発、放射
能検査体制」と事業終了後の取り組みについて協議しました。
コラム「アンコウの
コラム「アンコウの経済学」
経済学」
常磐もので有名なものにヒラメ、カレイ類等の活魚、またアンコウ(キアンコウ)が上げられるであろう。
冬の味覚アンコウといえばどぶ汁にあん肝、鍋にとも和え、から揚げと美味しいメニューが頭に浮かぶ。先日
漁師さんにアンコウの漁期と価格をお聞きし驚いたことがあった。
一般的にアンコウの旬は冬で、漁獲量も冬が多い。しかし、常磐沖では 1~2 月以外も水揚げされていた。刺
し網の漁師さんから聞くと
「5 月から産卵のためなざ(沿岸)にのっこんでくる(入ってくる)アンコウがたくさんいるんだ!」
図鑑を見るとキアンコウの産卵期は 4 月~6 月となっていた。さすが漁師さん魚の生態を実学で学んでいる。
これら冬以外に漁獲されるアンコウは肝も小さく市場の需要も少ないため、浜値 100~300 円/㎏。しかし、冬
はアンコウの肝も大きく値段も 1500~3000 円/㎏と高く取引される。そこで水産錬金術士である業者の腕の見
せ所である。旬の冬以外の安いアンコウを買い冬に向けて冷凍ストックしておくのである。冬になるとストッ
クして置いたアンコウを提供する。賢い仕組みである。魚の値段は市場の需要と供給に合わせ変動するため安
い時に買って、高い時に出す。何の商売もそうであるが、業者は美味しいものを届けつつも試行錯誤しながら
利益を出す必要がある。浜での漁師さんの会話に出てくる現場の実学は本当に驚くことが多い。
以上
発行:一般社団法人マリノフォーラム21 阿高麦穂
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