中学校1年 単 元 【正負の数 正負の数の学習への興味・関心を高めよう の 導入 1/26時間】(東京書籍:新しい数学1 P6,7) ねらい ・身の回りの負の数に関心をもち,その意味について考えようとする。 ・事前に,身の回りから「-」のついた数を探してくるように話しておきます。また,それらを写真に撮 らせたり,記載されているものを持って来させたりして,授業で紹介できるように準備させましょう。 【学習課題の把握,見通す】 ~身の回りにある「-」の付いた数を,実物投影機等で写しながら紹介させましょう。~ 身の回りから見付けた「-」の付いた数を 紹介し合いましょう。 くふう 1 ・新聞やテレビの天気予報やスポーツコーナーで 見付けた 。(図1,図2) ・電柱の標示の中に見付けた 。(図3) ~生徒が紹介した「-」の付いた数を基に考えさせましょう。~ ・今日の天気の「-3」は,前日の気温から3℃ 図1 図2 図3 低いということかな。 ・ゴルフのスコアの「-4」はどういう意味だろうか。 ・海面よりも1m低いということかな。 ~「-」の付いた数について,疑問を引き出し,その意味を考える意欲付けにつなげましょう。~ 【自力解決,集団解決】 ~P6,7の天気予報の画面,ゴルフのスコアを見せて,考えさせましょう。~ 旭川の最低気温,石川遼選手のスコアは, 両方とも「-4」ですが,これは何を表し ていますか? くふう 2 ・最低気温の「-4」は,0℃を基準として,4℃低いことを表している。 ・スコアの「-4」は,規定打数より4打少なかったことを表している。 ・基準が違うから,同じ「-4」でも,表していることは違うんだ。 ~「-4」という同じ表現でも,それぞれの場合で「-4」が何を表しているのかを考えさせ, 「基準 となる量」があることに気付かせましょう。~ ・(図1)前日の気温が基準になっている。 ・(図2)規定打数が基準になっている。 ・(図3)海面の高さが基準になっている。 ~身の回りから探してきた「-」の付いた数の「基準となる量」を確認させ,理解を深めましょう。~ 【まとめ・振り返り】 ~身の回りでは ,「基準となる量」を基に ,「-」を用いて,いろいろな数量が表されていること を振り返らせましょう。~ 旭川の最高気温と最低気温の温度差は何度 ですか? くふう 3 ・旭川の温度差は,最高気温の「-1℃」から「-4℃」 をひいて求められるけど,どうやって計算すればいい のかな。 ~負の数の意味や負の数の計算について考えさせることで,計算方法についての疑問を引き出し, 単元全体への意欲付けにつなげましょう。~ 中学校1年 単 元 【正負の数 東西への移動から,乗法の計算方法を考えさせよう の 展開 14/26時間】(東京書籍:新しい数学1 P27~29) ねらい ・正の数の乗法の意味を負の数にも拡張できることを理解し,正負の数の乗法の 計算ができる。 【学習課題の把握,見通す】 ・(速さ)×(時間)=(道のり)なので,4×2=8(㎞) ~既習事項である「速さ」「時間」「道のり」の関係を確認させましょう。~ 現在の位置を基準として,○時間前や○時間 くふう 1 後の位置を求めてみましょう。 ・○時間前は「-」,○時間後は「+」が使えそうだ。 ・正負の数のかけ算は,どのように計算することがで きるのだろうか。 ~正負の数の乗法について疑問を抱かせ,課題解決への意欲付けにつなげましょう。~ 【自力解決,集団解決】 ~P27問1の図を拡大して黒板に提示し,加法の計算方法を考えた際と同じ「東西への移動」の 場面を想起させましょう。~ ~東への移動,○時間後を「+」,西への移動,○時間前を「-」を使って表すことと,符号が付 くことで「方向」と「速さ」の二つを意味することを確認しておきましょう。~ ・(1)省略 ・(2)東に向かって毎時4㎞は「+4」,2時間前は「一2」と表すことができることから, 道のりを求める式は ,(+4)×(-2)となる。 図から2時間前は,西へ8㎞にいたことから,答えは ,「-8」になる。 よって,等式として ,(+4)×(-2)=-8 が成り立つ。 ~式や「 +」, 「-」が付いている数の意味を明らかにしながら説明させることで, 「 東西への移動」 のイメージをもたせましょう。~ ~イメージしたことを式化することで, (+)×(-)→(-)であることを理解させましょう。~ 西へ向かって毎時4㎞で歩く場合についても くふう 2 考えてみましょう。 ・(-4)× (+2)=-8(㎞) ↑西へ向かって時速4㎞ ↑2時間後 ↑西へ8㎞の地点 ・(-4)× (-2)=+8(㎞) ↑西へ向かって時速4㎞ ↑2時間前 ↑東へ8㎞の地点 ~「方向」と「時間」に着目させ,符号がどう変わるのかを 考えさせながら,式と答えの関係から,正負の数の積の符 号決定について理解させましょう。~ ~正負の数の乗法についてまとめましょう。~ ・2つの数の積を求めるには, 同符号の数では,絶対値の積に「+」をつける。 異符号の数では,絶対値の積に「-」をつける。 【まとめ・振り返り】 ~適用問題としてP29たしかめ1,たしかめ2,問6,問7に取り組ませ,乗法の計算技能の確実 な定着を図りましょう。~ (-5)×(+2)=-10 を東西への移動 くふう 3 の場面を想定して文章にしてみましょう。 ・西に向かって時速5㎞の速さで移動しているとき, 2時間後は,現在の位置から西へ10㎞の地点にいる。 ~東西への移動の場面から,文から式を考えさせるだけ でなく,式から文を考えさせることで,相互の意味のつながりを確認させ,乗法の計算方法につ いての理解を深めましょう。~ 中学校1年 単 元 の 終末 【正負の数 25/26時間】(東京書籍:新しい数学1 P43~45) 正負の数を利用するよさを実感させ,活用しようとする態度を育てよう ねらい ・具体的な場面で正の数,負の数を用いて表現したり,正の数,負の数を利用し て処理したりすることができる。 【学習課題の把握,見通す】 ~P43バスケットボール部員8人の身長から,既習の平均の求め方を確認させましょう。~ ・小学校で ,( 「 平均)=(合計)÷(個数 )」を学習した。 (153+148+152+155+150+159+147+152)÷8=152(㎝) ~0㎝を基準として,計算されていることを確認させましょう。~ 正負の数を利用して,身長の平均を求めて みましょう。 くふう 1 【自力解決,集団解決】 ~P44問1に取り組ませ,式やグラフから100㎝を基準にして,平均を求める方法を理解させま しょう。~ (㎝) さくらさんの求め方を,式やグラフの意味 150 を明らかにしながら説明してみましょう。 ・100㎝を基準にして,身長の平均を求めた。 100 53+48+52+55+50+59+47+52 =416 ↑100㎝を基準にした際の身長の合計 50 416÷8=52 ↑100㎝を基準とした際の身長の平均 100+52=152(㎝) 0 A B C D E F G H ↑基準 ~式や数値の意味を確認させましょう。~ ~100㎝を基準にしたことで,0㎝を基準した計算よりも計算がしやすくなったことを気付かせま しょう。~ もっと簡単に計算ができる基準はないで くふう 2 しょうか? ・150㎝を基準にして,身長の平均を求めてみよう。 (+3)+(-2)+(+2)+(+5)+0+(+9)+(-3)+(+2) =+16 ↑150㎝を基準とした際の身長の合計 (+16)÷8=+2 ↑150㎝を基準とした身長の平均 150+(+2)=152(㎝) ↑基準 ~P44問2の150㎝を基準にして身長を示した表を基に,平均を求めさせましょう。~ ~基準を実際の平均に近いと思われる値としてとれば,計算が簡単になることに気付かせましょう。~ 【まとめ・振り返り】 ~P45問5,問6に取り組ませ,基準を決めて表したり,計算したりすることのよさに気付かせましょう。~ 正負の数は,日常生活で気温やゴルフのス コアなど,いろいろな場面で使われていま す。また,社会科の地理分野で「日本と世界各 国の時差」を学習するときにも使います。 くふう 3 ・日常生活で,正負の数がいろいろな場面で使われていることが分かった。 ・社会科の授業でも,正負の数を使うことがあるんだ。 ~単元の導入で用いた気温やスコアについて振り返らせ,正負の数が日常生活で活用されているこ とを確認させたり,他教科の学習とのつながりを紹介したりしましょう。~ ~次時は「章の問題A」に取り組ませ,本単元で習得した知識・技能,考え方の定着を図りましょう。~ 【日常生活や他教科等との関連】 ・定期テストで五教科の平均点を求める 。(日常生活) ・一試合当たりの平均得点数を求める 。(日常生活) ・時差の関係から,世界各国の現在の時間を求める 。(中1社会科)
© Copyright 2024 ExpyDoc