等しい大きさにする方法についての興味・関心を高めよう

小学校5年 【単位量あたりの大きさ 1・2/13時間】
(平成27年度教科書:新しい算数5下 P2~4)
単
元
等しい大きさにする方法についての興味・関心を高めよう
の
導入
ねらい
・平均の意味と求め方について理解する。
【学習課題の把握,見通す】
~P2の砂場の写真から ,「レーキで砂を平らにしていること」を確認させましょう。~
くふう
「ならすこと」へ
の興味・関心を高
め,学習課題の設定に結
び付ける。(A-ア)
P2に,ブロックを積み重ねた写真があります。たくみさん
とかおりさんは,どのようにならしていますか?
1
・たくみさんは,多いところから少ないところへ移動させている。
・かおりさんは,全部集め直してから同じ高さにしている。
~P2の写真を基に,たくみさんとかおりさんのならし方の違いを捉えさせましょう。~
~「ならす」とは,「平らにする」「同じ高さや同じ量にする」ことを確認させましょう。~
右の表は,6個のオレンジからしぼったジュースの量を表し
たものです。6個のオレンジから同じ量ずつしぼれたとする
と,1個当たり何mLのジュースがしぼれたことになりますか?
しぼったジュースの量
オレンジ ① ② ③ ④ ⑤ ⑥
ジュースの量(mL)
70 90 85 75 65 95
・同じ量にするには,どうすればいいのかな。
・一番多いのが95mLで,一番少ないのが65mLだから,1個当たりは80mLぐらいかな。
~ジュースの最大値と最小値から1個当たり何mLぐらいになるかを予想させましょう。~
P2のたくみさんの考え方を使って,右のグラフを等しくな
るようにならしましょう。
・1個80mLと予想したので,この予想を目安に考えよう。
~P3のグラフの高さをならす作業をさせ,オレンジ1個当たり
80mLになることを確認させましょう。~
~毎回グラフをかくのは大変であることに気付かせましょう。~
※P3のグラフ
(mL)
P2のかおりさんの「一度全部集めて分け直す」という考え
方を使って,考えることはできませんか?
・ジュースを「全部集めた量」は,たし算が使えないかな。
・「等しくなるようにならす」は,わり算で求められるのかな。
~P2のかおりさんのならし方を基に,式に表せないかを考えさせましょう。~
【自力解決,集団解決】
※P4の図
ならした量を,計算で求めましょう。
(式)70+90+85+75+65+95=480
480÷6=80
(答え)480mL
~自力解決では,計算の結果とP4のような図で表現させ,結果を確かめさせましょう。~
式に表した理由や計算の結果を,図と結び付けながら説明し
ましょう。
くふう
立式の根拠や計
算の結果を,図
と関連付けて説明させ
る。(A-カ)
2
・全部集めた量とあるので,始めにジュースの量を全部たす。一度
全部集めて分け直すのだから,全部たした量を,オレンジの数で
割って求めることができた。
~集団解決では,立式や計算結果について図と関連付けて説明させ ,「一度全部集めて分け直す」
という意味の理解を確実にさせましょう。~
【まとめ・振り返り】
いくつかの数量を,等しい大きさになるようにならしたもの
を平均と言います。
~まとめを基に平均を求める式(平均=合計÷個数)を紹介し,確認させましょう。~
~P4の適用問題を解決させ,平均の求め方の確実な定着を図りましょう。~
今日は,ジュースの量,卵の重さ,魚の長さの平均を考えま
した。ほかにも,身の回りで利用されていませんか?
くふう
今後の学習への
意欲付けとなる
ような,投げ掛けをす
る。(B-タ)
3
・「テストの平均点」という言葉を聞いたことがある。
・体力テストで反復横跳びを記録するときに,平均が利用されていた。
~平均が,日常生活で利用されていることに気付かせたり,今後,
「 平均について考えていくこと」
を確認させたりして,単元全体への意欲付けにつなげましょう。~
小学校5年 【単位量あたりの大きさ 7・8/13時間】
(平成27年度教科書 東京書籍:新しい算数5下 P10~13)
単
元
混み具合を比べることへの興味・関心を高めよう
の
展開
ねらい
・混み具合をどのように比べたらよいか,考えようとする意欲を高める。
・面積,匹数が異なる場合の混み具合の比べ方を理解し,比べることができる。
【学習課題の把握,見通す】
くふう
混み具合を比べてみ
ようとする意欲を引
き出し,学習課題の設定へ
結び付ける。(A-ア)
P10のアとイの部屋では,どちらが混んでいますか?
混んでいると考えた理由も述べましょう。
1
・イは,子供たちが固まっているので,イが混んでいる。
・固まっている子供たちをならせば,アとイの混み具合は同じだ。
~アとイの比較から,混み具合は ,「固まっている(集まっている)人をならせば比べられる」こ
とを捉えさせましょう。~
~P10のウとエ,オとカの比較も行わせ ,「人数が同じときは面積の大きさ 」「面積が同じときは
人数の多さ」に着目して混み具合を比べる必要があることを捉えさせましょう。~
うさぎ小屋に1匹うさぎを放すとしたら,A,B,Cどの
小屋に放しますか。面積とうさぎの数に着目して ,3つ
のうさぎ小屋の混んでいる順番を調べてみましょう。
・面積が一番広く,うさぎの数が一番少ないBの小屋が一番空いている。
・AとCは,うさぎの数と面積が違うので,比べられない。
~「できるだけ混んでいない小屋にうさぎを放す」という条件
うさぎ小屋の面積とうさぎの数
を伝えましょう。~
面積(㎡)うさぎの数(ひき)
~P11,P12の挿絵と表を基に,AとCは面積と数が異なるこ A
6
9
とに気付かせ ,「どうすれば比べられるのだろうか」という疑
B
6
8
問を引き出しましょう。~
C
5
8
面積をそろえて比べたり,「畳1枚に何人いるか」で比べ
たりすることはできないでしょうか?
・面積が6㎡と5㎡をそろえるにはどうすればいいのかな。
・「畳1枚に何人いるか」の考えを利用すれば ,「1㎡に何匹いるか」と考えられないかな。
~P10のアとイで扱った「畳1枚に何人いられるか」という考え方と,ウとエ,オとカで扱った
「面積と人数の一方の数値をそろえれば比べられる」という考え方を基に,問題解決の見通し
をもたせましょう。
~問題解決のときに,図や表,数直線を使って考えることを確認させましょう。~
【自力解決,集団解決】
小屋の混み具合を,
図,表,数直線の図
を基に考えさせ,解決方法
を表現させる。
(B-カ)
くふう
AとCの混み具合を,図や表,数直線などを手掛かりにし
て求めましょう。
【表 】
A
2
【 数直線 】
A
AとCの面積を同じ数に
そろえて比べる。
A:面積 6×5=30(㎡)
数
9×5=45(匹)
C:面積 5×6=30(㎡)
数
8×6=48(匹)
(答え)Cの方が混んでいる
C
1㎡にいるうさぎの数で比べる。
A:9÷6=1.5(匹)
C:8÷5=1.6(匹)
(答え)Cの方が混んでいる
C
~集団解決では,上記の解決方法を説明させ,結果が同じになること確認させましょう。~
Dのうさぎ小屋があります。A,C,Dのうさぎ小屋の混
んでいる順番を調べましょう。
うさぎ小屋の面積とうさぎの数
D
面積(㎡ )うさぎの数(ひき)
9
14
(答え)D→C→A→Bの順
・公倍数でそろえて考えても「1㎡に何匹うさぎがいるか」で考えても,Dが混んでいる。
~公倍数で比べる方法は,うさぎ小屋の数が増えると難しくなることを捉えさせましょう。~
【まとめ・振り返り】
混み具合を比べるときに,大切にしなければならない考
え方は何だったでしょうか?
くふう
問題解決を通して見
い出した考え方を引
き出しながら,学習をまと
める。(B-サ)
3
~公倍数で比べる方法と,1㎡当たりの数(1匹当たりの面積)で
比べる方法はともに ,「1つの量をそろえてからもう1つの量と
比べている」ことを確認させ,学習のまとめに結び付けましょう。~
~まとめで,「1㎡当たりの数」で表すことが分かりやすいことを確認させましょう。~
~P13の適用問題に取り組ませ,混み具合の比べ方の理解を確実にさせましょう。~
小学校5年 【単位量あたりの大きさ 13/13時間】
(平成27年度教科書 東京書籍:新しい算数5下 P17)
単
元
の
終末
単位量当たりの大きさを活用しようとする態度を育てよう
ねらい
・単位量当たりの大きさを活用して,県の人口密度を調べることができる。
・単位量当たりの大きさが,日常生活に活用できるよさを捉える。
【学習課題の把握,見通す】
~九州地方の白地図に,人口10万人を●で示し,児童に提示しましょう。~
この地図の●は,人口10万人を表しています。地図にある県
で,人口密度が一番高い県はどこでしょうか?また,二番目
に高い県はどこでしょうか?
くふう
既習事項から疑問
点を引き出し,学
習課題を設定する。
(B-ア)
1
・人口が一番多い福岡県が,一番高いと思う。
・宮崎県や熊本県の人口が多いので,人口密度が二番目に高そうだ。
~人口の多さに着目して考える児童に対して ,「人口が一番多い」という情報だけで人口密度が一
番高いと言えるかどうかを投げ掛けましょう。~
人口密度は,何が分かれば表すことができますか?
・人口と面積が分かれば表すことができた 。「人口密度=人口÷面積」の計算で求めた。
・都道府県の混み具合は,1㎢当たりの人口で表せた。
・地図からは,正確な面積が分からない。面積はどれくらいなのかな。
~人口密度は,人口と面積の二つの量を基に表すことができたことを確認させましょう。~
~人口と面積に着目させながら,一番高い県や二番目に高い県を予想させ,自力解決に結び付けま
しょう。~
~グループごとに九州地方の人口密度を求めることと,P17に示されている人口と面積の数値を
基に,電卓で計算することを確認させましょう。~
【自力解決,集団解決】
九州地方の各県の人口密度を求めましょう。
~人口密度を求めたら,求めた結果から分かることをノートに書かせましょう。~
各県の人口密度を発表しましょう。また,求めた結果から
気付いたことを発表しましょう。
くふう
求めた各県の人口
密度と,面積,人
口との関係について話し
合わせる。(B-ク)
2
・予想通り,福岡県の人口密度が一番高かった。
・佐賀県は九州地方の中で人口が少ないけど,面積は小さいから
人口密度が二番目に高いのだと思う。
・「人口が多いと人口密度が高い」とは,必ずしも言えない。
~集団解決では,グループごとに結果を発表させ,各県の人口密度を確認させましょう。~
~求めた結果から気付いたことを発表させ,予想とずれが生じた理由を考えさせましょう。~
宮城県の人口密度はどれくらいでしたか?また,東北地方
で人口密度が一番高い県はどこでしょうか?
・東北地方では,宮城県の人口密度が一番高いと思う。二番目に高いのは何県かな。
~東北地方の人口と面積を提示して,求めさせましょう。~
~P14で求めた宮城県の人口密度も手掛かりに,結果を予想させてから求めさせましょう。~
~問題解決後,東北地方で一番高い県を確認させたり,福岡県の人口密度は宮城県の何倍かを比較
させたりしましょう。~
~本時で取り上げなかった都道府県の人口密度を予想させ,家庭学習への意欲付けにつなげまし
ょう。~
【まとめ・振り返り】
皆さんの身の回りで,単位量当たりの大きさの考えが使わ
れている場面はありませんか?
くふう
単位量当たりの大
きさが,日常生活
で活用されている場面を
紹介する。(A-セ)
3
・混み具合や収穫量のほかに,どんなものがあるのかな。
・「100g当たり○○円」というのを見たことがある。
~P17の写真を基に,日常生活で活用されていることを捉えさせましょう。~
~第6学年で学習する「速さ」も単位量当たりの大きさで表されることを紹介し ,「速さ」の学習
への意欲付けにつなげましょう。~
~単元の振り返りを通して,目には見えない量(人口密度等)を二つの量を基にして表すことがで
きることのよさを実感させましょう。~
【日常生活や他教科等の学習との関連】
・振り子の運動で実験を複数回行い,揺れる時間の平均を求める 。(小5理科)