平成20年度教育研究推進事業(萌芽研究)成果報告書 事 業 計 画 名 溶液法有機単結晶を用いた電流注入励起発光デバイス 代 所 表 属 ・ 氏 者 高分子機能工学部門 ・ 山雄 健史 名 主 な メ ン バ ー 同上 所 属 ・ 氏 名 電流励起で偏光発光する有機結晶発光デバイスの構築を目的に、①結 晶内での両極電荷の再結合の効率化、および②有機結晶への両極電荷の 注入の効率化、を図るべく事業を遂行した。発光デバイスには、電界効果ト 事 実 施 概 ランジスターを選択した。この素子は、電流が流れるソースおよびドレイン電 業 要 極と、その電流を制御するゲート電極からなるデバイスである。①では、昨 年度の本助成にて新規開発した発光有機トランジスターの交流駆動方法を 改良した。②では、電極材料をこれまでの対称電極(ソース/ドレイン電極 に同じ金属を用いる)から非対称電極(異なる金属を用いる)にした。 ① 交流駆動方法では、ゲート電極に対し交流電圧を印加する。素子から の発光は周波数の増加に伴い飛躍的に増大する。本年度、この効果を 改善すべく、交流電圧のかけ方を変更した。その結果、同じ周波数で、 10倍の発光強度を得ることに成功した。 得 ら れ た 成 果 ② ドレインおよびソース電極に正孔および電子が注入され易い金属を選ぶ ことで、両極電荷の有機層への注入は容易になる。そこで正孔に金電 極、電子にマグネシウム銀電極を用いることで、より効果的な電荷注入を 実現した。
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