Endogenous neuropeptide S tone influences sleep–wake rhythm in

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Title
Author(s)
Endogenous neuropeptide S tone influences
sleep‒wake rhythm in rats
Oishi, Masafumi
Citation
Issue Date
URL
2015-09-30
http://hdl.handle.net/10129/5665
Rights
Text version
author
http://repository.ul.hirosaki-u.ac.jp/dspace/
医共リポ様式1
機 関 リポジトリ登 録 用 論 文 の要 約
論文提出者氏名
脳神経科学領域麻酔疼痛制御医学教育研究分野
氏名 大石将文
(論文題目)
Endogenous neuropeptide S tone influences sleep–wake rhythm in rats
(内因性神経ペプチド S はラットにおける睡眠覚醒リズムに影響を与える)
(内容の要約)
はじめに
ニ ュ ー ロ ペ プ チ ド S( NPS) は 、 外 因 的 に 投 与 さ れ た 場 合 に 覚 醒 促 進 、 鎮 痛 作 用 、 お
よ び 抗 不 安 作 用 を 発 揮 す る 内 因 性 ペ プ チ ド で あ る 。 し か し 、 内 因 性 の NPS が 睡 眠 覚 醒
サ イ ク ル 、ま た は 自 発 行 動 の 制 御 に 関 与 し て い る か は 決 定 さ れ て い な い 。内 因 性 の 物 質
の生理活性を検証する際に受容体の拮抗物質を投与して効果を判定する方法は確立さ
れた方法である。
本 研 究 で は 、選 択 的 NPS 受 容 体 拮 抗 薬 で あ る [D-Cys( t Bu) 5 ]NPS の 生 理 的 睡 眠 及 び 常
同行動に対する効果を調べた。
材料と方法
本 研 究 は 弘 前 大 学 動 物 実 験 委 員 会 の 承 認 を 得 て 行 わ れ た 。研 究 に は 350〜 430g の 合 計
37 匹 の 雄 の Sprague-Dawley ラ ッ ト を 用 い た 。す べ て の ラ ッ ト は 、12 時 間 の 明 暗 周 期 、
室 温 24±0.5℃ 、 湿 度 40%の 環 境 で 1 週 間 以 上 飼 育 し た 上 で 手 術 を 行 っ た 。 こ の 間 の 食
物 お よ び 水 は 自 由 に 与 え た 。 [D-Cys( t Bu) 5 ]NPS は 公 開 さ れ て い る 方 法 に 従 い 共 著 者 の
Guerrini 博 士 が 合 成 し た も の を 使 用 し た 。
手術と脳波記録
す べ て の 手 術 は 、ケ タ ミ ン - キ シ ラ ジ ン( 35mg/kg お よ び 5mg/kg)麻 酔 下 で 行 っ た 。
行 動 記 録 群 で は 脳 室 投 与 用 カ ニ ュ ー レ を 移 植 し 、10 日 間 を 回 復 期 間 と し 飼 育 し た 。睡 眠
記録群 では、脳室内 投 与用カ ニュー レ、脳 波 および 筋電図 導出 用電 極を装 着した 。手術
後にラ ットを 睡眠 記録 室へ移 動させ、各電 極 と信号 増幅器 のケ ーブ ル接続 を行い、記録
環 境 に に 馴 化 さ せ る た め 睡 眠 記 録 室 内 で 室 温 24+/-0.5〬C、12 時 間 明 暗 周 期 の 条 件 で 10
日間飼育した。
EEG は 0.5Hz 以 下 お よ び 40 Hz 以 上 で の フ ィ ル タ リ ン グ を 行 い 、 128Hz で デ ジ タ ル
化 し フ ー リ エ 解 析 を 行 っ た 。 デ ー タ は 10 秒 区 切 り で 保 存 し 、 そ れ ぞ れ 覚 醒 、 ノ ン レ ム
睡 眠 ( NREMS)、 レ ム 睡 眠 ( REMS) の 3 状 態 に 分 類 、 判 定 し た 。 判 定 は 従 来 報 告 さ れ
ている基準に従い行った。
実験プロトコル
睡 眠 の 研 究 で は 、 始 め に 生 理 的 食 塩 水 を 脳 室 内 投 与 し コ ン ト ロ ー ル EEG の 計 測 を 行
っ た 。 [D-Cys( t Bu) 5 ]NPS の 脳 室 内 投 与 の 量 は 0 nmol 群 、 2.0 nmol 群 、 20.0 nmol 群
の 3 群 ( そ れ ぞ れ n = 7) に 分 け た 。 コ ン ト ロ ー ル 計 測 と は 別 の 日 に 脳 室 内 投 与 を 行 い
EEG の 計 測 を 行 っ た 。 脳 室 内 投 与 は 暗 期 の 開 始 時 (AM8:00)で 行 っ た 。
行 動 の 研 究 で は 、生 理 食 塩 水 群 と [D-Cys( t Bu) 5 ]NPS 20nmol 群 の 2 群( そ れ ぞ れ n =
8) に 分 け た 。 テ ス ト 1 時 間 前 に ラ ッ ト を 実 験 室 に 移 動 さ せ 環 境 に 馴 化 さ せ た 後 、 脳 室
内 投 与 を 行 っ た 。脳 室 内 投 与 30 分 後 に 正 方 形 の プ ラ ス チ ッ ク ケ ー ジ( 60 ㎝ ×60 ㎝ )に
入 れ 、ラ ッ ト の 行 動 を 5 分 間 記 録 し た 。中 央 ゾ ー ン は ケ ー ジ の 中 央 30cm×30cm と 定 義
し、ラットの移動総距離と中央ゾーンで過ごした時間を計測した。
値 は す べ て 平 均 ±SEM と し て 表 記 。統 計 分 析 は 睡 眠 に は ANOVA 法 と Bonferroni 法 、
行 動 に は T 検 定 を 用 い 、 p <0.05 を 統 計 学 的 な 有 意 水 準 と し た 。
結果
コ ン ト ロ ー ル の 睡 眠 記 録 で は ラ ッ ト の 通 常 の 日 内 変 動 を 示 し た 。0 nmol 群 、2.0 nmol
群 で は 、 コ ン ト ロ ー ル と の 間 に 有 意 差 を 認 め な か っ た 。 20nmol 群 で は 覚 醒 時 間 の 減 少
( control 782.5±25.5 分 vs treatment 751.7±28.2 分 、 p = 0.012)を 認 め 、NREMS
時 間 の 増 加 ( control 572.6±17.2 分 vs treatment 600.2±26.1 分 、 p = 0.028) を 認 め
た 。 REMS 時 間 に は 統 計 学 的 に 有 意 な 差 を 認 め な か っ た 。 (control 84.9 ±26.2 分 vs
treatment 88.1±28.3 分 、 p = 0.628)。
行動の研究では、総移動距離と中央ゾーンで過ごした時間共に生理食塩水群と
[D-Cys( t Bu) 5 ]NPS 20nmol 群 の 間 に 有 意 差 を 認 め な か っ た 。
考察
本 研 究 で は 、[D-Cys( t Bu) 5 ]NPS は 覚 醒 時 間 を 減 少 さ せ NREMS 時 間 を 増 加 さ せ る こ
と が 判 明 し た 。 過 去 の 研 究 で 外 因 性 NPS が 生 理 的 睡 眠 と 薬 物 に よ る 睡 眠 両 方 の 睡 眠 時
間 を 減 少 さ せ る と 報 告 さ れ て お り 、NPS の 覚 醒 促 進 作 用 を 示 唆 し て い る 。今 回 の 結 果 は 、
選 択 的 NPS 受 容 体 ア ン タ ゴ ニ ス ト で あ る [D-Cys( t Bu) 5 ]NPS が 、生 理 的 睡 眠 覚 醒 調 節 に
お け る 内 因 性 NPS の 役 割 を 阻 害 す る こ と に よ り 、 覚 醒 時 間 の 減 少 と NREMS 時 間 の 増
加を示したと考えられる。
本 研 究 で は 、 [D-Cys( t Bu) 5 ] NPS の NREMS に 対 す る 効 果 は REMS よ り 優 位 性 を 示
し た 。 哺 乳 類 の 生 理 的 な 睡 眠 で は 、 最 初 に 覚 醒 か ら NREMS へ 状 態 が 移 行 し 、 そ の 後
REMS が 発 生 す る 。 睡 眠 中 は NREMS と REMS の 周 期 が 繰 り 返 さ れ る 。 種 に よ っ て 周
期 の 長 さ に 違 い は あ る が 、 生 理 的 な 睡 眠 で は REMS の 成 立 に は 先 行 し て NREMS が 成
立 す る 必 要 が あ り 、NREMS は REMS よ り 介 入 の 影 響 を 受 け や す い と い え る 。し た が っ
て 、[D-Cys( t Bu) 5 ] NPS の NREMS に 対 す る 効 果 が REMS よ り 優 位 性 を 示 し た こ と は 、
内 因 性 の NPS は 生 理 的 な 睡 眠 構 造 を 生 成 す る メ カ ニ ズ ム に 関 与 し て い る こ と を 示 し て
いる。
本 研 究 で は 、 [D-Cys( t Bu) 5 ] NPS 自 体 は ラ ッ ト の 常 同 行 動 に 影 響 を 及 ぼ さ な か っ た 。
別 の 種 類 の NPS 受 容 体 ア ン タ ゴ ニ ス ト で あ る [ t Bu-D-Gly 5 ] NPS や SHA 68 で も 同 様 の
結 果 が 報 告 さ れ て い る 。ま た 別 の 研 究 で は 、NPS 受 容 体 ノ ッ ク ア ウ ト マ ウ ス と 野 生 型 マ
ウ ス と の 間 の 常 同 行 動 に 差 が な か っ た と 報 告 さ れ て い る 。こ れ ら の 結 果 は 、内 因 性 NPS
/ NPS 受 容 体 経 路 が 常 同 行 動 の 制 御 に 影 響 を 及 ぼ さ な い こ と を 示 唆 し て い る 。
本 研 究 で 用 い た [D-Cys( t Bu) 5 ] NPS は 、 い く つ か の 研 究 グ ル ー プ に よ り NPS の 作 用
を 調 査 す る た め 使 用 さ れ て い る が 、 こ れ ま で NPS 受 容 体 以 外 へ の 効 果 は 報 告 さ れ て い
な い 。 し た が っ て 、 本 研 究 で は [D-Cys( t Bu) 5 ] NPS の NPS 受 容 体 遮 断 に よ っ て 覚 醒 の
減 少 が 誘 発 さ れ た 直 接 的 な 証 拠 は な い が 、我 々 は オ フ タ ー ゲ ッ ト 効 果 に よ る 可 能 性 は 極
めて低いと考えている。
結語
今 回 の 結 果 か ら NPS / NPS 受 容 体 経 路 は 、 生 理 的 な 睡 眠 構 造 に 関 与 し て い る が 、 運 動
活 性 の 増 強 に は 関 与 し て い な い と 示 唆 さ れ た 。NPS / NPS 受 容 体 経 路 は 異 常 な 行 動 を 誘
発することなく、睡眠調節に応用できる可能性を秘めていると考えられた。