普通科の生徒を熱中させる取り組み/神戸市立葺合高等学校

生徒を伸ばす指導のヒント
ベネッセコーポレーション
GTEC for STUDENTS 事業推進課
vol.44
【GTEC 通信】
http://www.gtec.for-students.jp/
<指導事例研究>
普通科の生徒を英語に熱中させる取り組み
神戸市立葺合高等学校 英語科授業見学と先生方のお話より
0:はじめに・・・
学校を訪問し、前中先生・竹下先生の授業を見学させても
らいました。新学習指導要領(案)が 2008 年 12 月に発信さ
れましたが、
「積極的にコミュニケーションを図ろうとする態
度の育成」
「まとまりのある発信をさせること」
「基本的に英
語で授業」等を既に実践されていると感じました。
授業では、生徒は先生の話す英語に「真剣に」耳を傾け自
分が話したいことを考えていました。普通科2年生の生徒は
関係代名詞を使ったり、複文を使って喋ったり、まさに「ま
とまりのある発信」をし、生徒が自分に英語力をつけようと
している姿がみられました。また、授業をされた二人の先生
はとても楽しそうに、かつ、生徒に緊張感を持たせていまし
た。
2008年3月に文部科学省フォーラムにて、
「普通科」の
生徒が公開授業(竹下厚志先生:SELHi 研究主任)で「骨太の
英語力」が身についた素晴らしい姿を見せた神戸市立葺合高
等学校はその後どうなっているのか?実は同校ではコミュニ
ケーション能力育成に力を入れたことで受験でも成果をあげ
ています。その実態に迫るため、先生方にお話を伺いました。
神戸市立葺合高校の英語指導のイメージ
①テーマ学習
英語を使う活動の明
確な設定により、英
語が使えた達成感
を持つ
「テーマ学習」「英語
を使うこと」によって
意欲喚起され、語彙
や文法を習得したく
なる
【中心】
④英語を使う雰囲気づくり
(クラスコミュニティー)
⑤生徒に選択権を持たせ
る
⑥統一の評価基準(CFF)
⑦先生方の思い
③運用能力
5技能
②語彙・文法
ポイント:テーマが新しくなるたびに、習得する語彙・文法が増え、発信できることも増え、
英語にのめりこむようになり続ける。
2:サマリーに記載した中で何を一番大事にされて
いますか?
1:事例のサマリー(竹下先生のお話より)
■ 自律的学習者・コミュニケーション能力を育成するため
の継続した仕掛けづくり
A [テーマを切り口に learn in English・task 活動]
英語ⅠⅡ+OCⅠ・W(→葺合高校ではIE科目:
Integrated English と呼ぶ)の中で task 活動(5技
能:
「やり取り」を含む)を通じて生徒が英語を使い、
達成感を味わえるようにする
B [生徒の発達段階に応じた教材配列]
教材配列を工夫し内容に関心を持てるようにする
※ この全ての土台が、このような活動を支えるクラスコ
ミュニティーづくり
→ 最終的には生徒同士が授業を行うこと目指す(教師は
モニタリング・指導の役割)
→ 葺合高校独自の統一評価基準CFF(CEFRを参
照)による指導方針の確立を目指し続ける
竹下先生:どれも欠かせない要素です。要はいろんな角度か
ら生徒が英語を使いたい、勉強したいと思ってもらう仕掛け
づくりが大事です。1 つの角度だけでは英語にのめり込みま
せん。Task 活動で生徒は英語を使えたという実感を持ち、興
味を抱き、学習への姿勢が変わります。しかし、それだけで
は長続きしません。学ぶテーマ(コンテンツ・教材配列)に
ついては生徒が関心を持つようなものを与えたり、知的好奇
心をくすぐり、日本語である程度分かるような内容のものか
ら入るなどしています。また、生徒はテーマに対しての自分
の意見を日本語であれ、英語であれ、表現できたということ
に喜びを感じます。Task 活動をおこなうのにも、表現をさせ
るのにも、クラスが自分の意見を表現できる場所でなければ
なりません。教師はそういう環境を整えることが大事だと思
っています。そういう意味でサマリーに書いていることは、
どれか 1 つでも欠けてはならない重要な要素だと考えていま
す。
また、コミュニケーション能力の育成をめざすものの、は
じめからオールイングリッシュ授業やアウトプットを求めす
ぎるのは難しいと思います。生徒のレベルを考慮した上で、
3年間の中で少しずつ身につくよう生徒を育成すると思い続
けることが大事だと思います。
3:成果はどのように出てきていますか?
①センター試験の得点に影響が現れました。
筆記
リスニング
2007年度生
2007年度生
(SELHi対象 2006年度生 (SELHi対 2006年度生
学年)
象学年)
葺合高校
138
137
31.8
32.7
全国平均
125.26
131.9
29.45
32.5
全国のセンター試験の平均点がダウンしたものの、SELHi 学
年(普通科)では得点を維持しました。コミュニケーション
能力の育成が入試にも良い影響を与えています。
②高校卒業後も英語を勉強したいという生徒が全体の71.
4%います(生徒アンケートより)
。
③普通科(約 200 名:平成 17 年度入学生)3年間の GTEC に
よる成績推移では全国平均を上回る成長をし、卒業段階では
TOTAL スコア平均 554.9 になっています。
【Grade6】
610∼
650
601
600
612
580
550
G6
G5
G4
平成17年度入学生
554.9
545.7
548
519.1
500
519
493
531
【Grade5】
520∼
479.2
450
450
451.9
428
421.1
405
400
371
442
【Grade4】
平均レベル440∼
高校生3年生時平均レベ
ル
に到達した生徒の1年生
推
350
1年
2年
3年
卒業時
※点線は卒業時に各グレードに到達した生徒の平均的な成長カーブ
今回は、サマリーの中に記載した葺合高校の特徴である「英
語を使う雰囲気づくり→4」
「テーマ学習の題材の与え方→5
「Task 活動と問題解決型学習→6」そして、その根本となる
「統一の評価基準→7」
「先生方が英語を生徒にどう語ってい
るか?英語を通じてどんな生徒に育って欲しいか→8」につ
いて、取材してみました。
4: 普通科で ALL English の授業をされています
が、生徒が英語をすぐに話しますか?また、生徒に
ペアワーク等させるのにどんな工夫をしています
か?
村上先生:実は普通科の生徒でも入学時のアンケートでは8
0%の生徒が「英語を喋れるようになりたい」と答えていま
す。この結果をしっかりと受け止めたいと思います。題材を
配慮すれば英語で授業を進めることは可能だと思います。特
に1年生の IE 科目は日常のものが多いので、All English に
生徒の抵抗感は少ないです。それでも普通科生徒に発話を促
すことは簡単ではありません。発話量を徐々に増やしていく
など段階を踏む活動が不可欠です。また教師側が生徒に分か
る英語を喋る、言い換えることも大事だと思います。ペア・
グループ活動に関しては、最初は1人で発表、次に2人で発
表、次に4人で発表など形態を変化させましたが、その経験
を通じて話すことの楽しさを学ぶようです。1人では頑張れ
ない生徒でも集団でなら頑張れるということが分かりました。
※
1年生(入学時:4月、終了時:3月)段階での普通科
生徒のアンケート
質問:外国人の人に自分の伝えたいことを英語でいえ
るようになりたいですか?
100.0
90.0
80.0
70.0
ぜひそうなりたい
60.0
できればそうなりたい
50.0
なれたらいいと思う
40.0
30.0
あまりなりたいとは思
わない
20.0
10.0
0.0
普通科 普通科
4月
3月
茶本先生:生徒が喋りたくなる状況や、答えてみたくなる質
問をつくることが大切だと思います。この問題についてあな
たならどうする?という質問に段階を追って答えられるよう
にするとか。あとは、先輩のビデオをモデルとして見せるこ
とで、英語が使えることにあこがれを持たせ、意欲を引き出
すことも大事だと思います。
竹下先生:生徒以前に、教師が楽しそうに授業をし、先生は
英語が好きなんだなと思わせることが、とても大きいと思い
ます。 I love English という言葉を使わずに。雰囲気づく
りがとても重要だと思います。生徒が英語を使うようになっ
てきたら、とにかくほめる→問題を解決させるまで考えるよ
うに仕向けることがその後大事になってきます。今後大事だ
と思うのが、 accuracy と、教室内の教師側が使う英語のレ
ベル・内容です。そのあたりを教師側で話し合う必要がある
と考えています。
5:生徒を英語にのめりこませるための教材の配列
の工夫はどのようにされましたか?
竹下先生:なるべく食いつきのいい題材を探し、生徒を取り
巻く環境に応じて1:
「身近な話題」→2:
「国内社会問題」
→3:
「国際問題」の順で具体的内容から徐々に抽象度の高い
ものにしました。結果として、学習者は単語だけを学ぶより、
テーマ学習を通した方が、語彙の定着率が高いことが判明し
てきています。ただし、いくら興味を持つことが可能そうな
素材でも生徒は日本語で理解できないものを、英語で与えて
もあまり学習がすすみません。例えば、高校3年生にユニセ
フに関わる文を読ませると、葺合の生徒は涙する生徒もでて
きますが、これを1年生でやったときは、ダメでした。本来
英語を習得させたり、視野を広げようとしているのに、目的
にあわないようになります。大事なのは、教材が生徒の精神
年齢にあっていること、社会や国語でどんなことを勉強して
いるのか?を少し意識しておくと英語「で」学びやすくなり
ます。英語「で」学ぶことが進むと、生徒は勝手にインター
ネット等で英語の素材を探すようになります。もちろん1年
生のはじめからは無理です。しかし、続けることでそういう
姿になり「世界の中の自分」が見えるようになってくるのだ
と思います。教師が教科書の配列を生徒にあうように変えた
り、教科書を補足するような素材を検索したりするだけで、
英語を勉強し続けたいと思うものです。参考までに、ある学
年で取り組んだ教科書の配列は次の通りです。
※ 普通科IE科目
【1年】
1:自己紹介
2:人物紹介「貞子」
「シャラポア」など(教科書+国内出版
物)
3:有名ホテル・レストランの紹介(ALT作成自主教材)
4:先輩スピーチ「夢」
(葺合高校国際科生徒の県スピーチコ
ンテスト優勝商品とそのビデオ映像)
5:ファッション(教科書)
6:学校の規則(インターネット情報)
7:E-mail VS Letter (教科書)
8:robopet VS real pet (教科書)
9:ペットと人間社会(葺合高校職員作成の自主教材+動物愛
護団体の出版物)
10:家事分担(教科書)
11:バリアフリー社会(教科書)
【2年】
1:ストレス(教科書)
2:地域の安全(インターネット情報+英字新聞)
3:テレビの是非(教科書)
4:男女平等(ELS教材)
5:日本文化(国内出版物)
6:少年犯罪(インターネット情報+英字新聞)
【3年】
1:国際問題全般(全国エッセイコンテスト優秀作品)
2:地雷(教科書+インターネット情報)
3:児童労働(教科書+インターネット情報)
※竹下先生 ELEC 賞論文より抜粋
上記2年次・2の「地域の安全」以降は、扱う教材を1種類
ではなく複数用意し、同じテーマでありながら複数の教材を
使って指導。1つのテーマに8時間∼24時間、平均13時
間程度時間を費やしました。1つのテーマで深く考えるのは、
結果としての表現活動を活性化させるためです。複数の教材
によるテーマの理解→表現活動により言語のネットワーク化、
言語形式の定着が比較的容易になります。特に語彙の面でこ
の傾向が顕著です。
6:教材をどう教えてらっしゃいますか?
竹下先生:基本的にはラウンド制です。英語が通じたと思わ
せることと、テーマに対して問題解決型の学習ができたと思
ってもらうことが大事です。1つの教材を
Reading/Listening/Writing/Speaking/interaction(やり取
り)の task 活動につなげます。大事なのは、各技能を別個に
扱うのではなく、相互に関連付けながら指導していくことで
す。また学習者からすればある1つの与えられたテーマ(問
題)に基づき思考を深めてから自己表現(解決策)ができ、
その意見を基に他者と意思疎通ができれば、それは 1 つの学
習の流れになります。この点から、問題解決型学習を取り入
れました。本校が考える問題解決型の学習は「テーマについ
て自分との関係を見つける」→「与えられた時間内に目標が
達成(解決)できるように見通す」→「思考を深める」→「自
分の考えを広げる(意見を交換する)
」→「一連の学習を振り
返る→当該授業以外で活用する」という流れを意味します。
これは本来的な問題解決型学習とは少し異なりますが、学習
者が常に自分の考え(解決策)を捜し求めるという点では同
じです。以下が典型的な指導の流れです。
① スキーマ構築(テーマに対する概念の活性化)
例えば、
「労働」についてのテーマであれば、If you were paid
only 10 yen per hour, would you like? If you were
forced to work by your parents, what would you do? If
your family were in trouble economically, would you like
to go to work instead of going to school?などの質問を英
語で行います。ここでの留意点は「自分」を意識させること
で、このことが問題解決型の出発点で、これなくしては、聞
く活動や読む活動の意義が失われる危険性があります。また、
言語の点では、仮定法の復習と進出単語を質問で意識させる
ことも考えています。
② リスニング・タスク
③ リーディング・タスク
④ 内容再現(サマリー)による内容取り込みタスク
⑤ ライティング・タスク
⑥ スピーキング・タスク+インターアクション・タスク
①∼⑥のタスクは基本的に①→⑥で流れますが、どこに音読
活動を入れていくか?などにもこだわりを持って組み手立て
ています。例えば意味理解をしていない英文を音読活動はさ
せないこともその 1 つです。また、常にこれらの task の中で
はじめは、生徒が発話できたことを褒めちぎることが大事で
す。しかし、ある一定レベルまで生徒が話せるようになって
くると‘What is the solution for this problem?’という問いを
教師側がした時に、
生徒に‘I don’t know’と言わせないように
する、つまり何が何でも答えを生徒が出すということを求め
続けることが、問題解決型の授業につながると思います。生
徒が分からない場合は、‘Help’と周囲の生徒に言って助けさ
せてでも、答えを自分もしくは周囲の人と一緒に解決しても
らうようにする姿勢が大事だと思っています。
※竹下先生 ELEC 賞論文より一部抜粋
7:CFF(葺合高校独自の評価基準)を作成され
ていますが、何に使われていますか?
竹下先生:生徒の英語のコミュニケーションレベルを見立て
るのに教師側で使っています。今の生徒はどのレベルで、次
にどんな指導すればいいのか?が CFF(Common Fukiai
Framework)をみると分かるようになってきました。例えば、
ある生徒のやりとりを B1 レベルまで引き上げたい場合、リー
ディングレベルが B2 だったとします。リスニングは A2、ス
ピーキングも A2、ライティングも A2 だったらリーディング
ではなく、一旦他の技能をやらせてみるとか、題材レベルを
調整するなどを検討していくなど次の指針が立てられるよう
になります。教材の配列や文法事項だけのシラバスだと、ど
うも活動や指導に落とし込むことができないのと、コミュニ
ケーションレベルの目標になりにくいのです。
「生徒がどこま
で英語(文法・語彙・構文)を知っているのか?」ではなく、
「どのレベルまで英語を使えるか?」が大事だと思っていま
す。
もともとは、CEFR(Common European Framework of Reference
for Languages)の原文を見たときに、
「これは使える」と思い、
分析し自分の学校に合うように改訂を加えています。ちなみ
に、本校では、CFF の C レベルは普通科3年生次の目標にし
たいと思っているレベルです。GTEC のスコアでいえば、600
ぐらいです。GTEC も本校の目標として柱にしていますが、校
内の指標と校外の指標をあわせて利用することでより校内の
指標が強化され、生徒にも自信をもって教えることができま
す。生徒も両方があることで、刺激をうけるのだと思います。
レベル
全体的特長
聞くこと
2
扱う内容の
概要につい
て自分の意
見を持ちな
がら、批判
的に聞くこと
ができ、質
問できる。
C
情報の概要を捉え
ることに優れてい
る段階である。話
し言葉、書き言葉
の両方において理
解力に優れその内
容を簡潔にまとめ
ることができる。学
習した内容であれ
ばかなり自然とコ
ミュニケーションが
とれ、breakdownを
起こすことは稀で
ある。表現内容に
ついてもglobal
errorはほとんど見
られない。
communication
strategyはかなり
所有している。
1
扱う内容の
概要につい
て予備資料
があれば理
解でき、話し
言葉、書き
言葉で簡潔
に要約する
ことができ
る。
※「3年生普通科の目標レベル」≒「GTEC スコア 600」
※ CFF は継続的に改訂を重ね客観的な尺度を目指
されています(途中段階のものです)
詳細は http://gtec.for-students.jp/ より CAN−
DO のバナーをクリック→中学校・高校の作成事例と現
物をクリック→葺合高校の事例がご覧になれます。
茶本先生:
A1:英語を学ぶことは、知識を得たり、世界を広げたりす
ることに加えて、人と人とのコミュニケーション(対話によ
る人との相互理解)における言葉の持つ力に気づくことでも
あると思います。このような言葉の持つ大きな力を、すぐに
通じてしまう日本語だけではなく、英語を通じて体験できる
のです。
A2:生徒達にはよく「世界平和に貢献できる人になってほ
しい。
」と言っています。皆が将来国際社会で働くわけではあ
りませんが、幼稚園の先生になっても子供たちに平和にかか
わることで教えることはたくさんあるし、職場や家庭でも広
い視野を持って平和を考えてほしいのです。人間教育を大切
にした英語教師でありたいと思います。
村上先生:
A1:英語学習の意義の一つに言語を通して文化を学べるこ
とがあると思います。そして英語が使えると情報量が増える、
意思疎通ができる人が増えるなど実用面でも役に立ちます。
自分自身の体験からも、英語によって世界が広がるというこ
とを実感しています。
増見先生:
A2:今は隣の子が何を考えているのかも分からない生徒が
多いんです。最終的な目標は世界平和に貢献できる人材です
が、まずは学校では隣の人のことを分かるようになって欲し
いです。他の授業でも言えることかもしれないですが、英語
を通じて隣の人のことが理解できるようになるということを
教えているつもりです。
9:編集後記
8:Q1「英語を学ぶ意味」を先生は生徒にどう語っ
てらっしゃいますか?また、Q2「どういう生徒を育
成されたい」と思ってらっしゃいますか?
竹下先生:
A1:人間にとってうれしいことの 1 つは、
「選択権」が持て
ることだと思います。英語が習得できることで確実に世界は
広がるし、視野も広がる。そして英語に関わる仕事も選択す
ることができる。英語を学ぶことは英語ができるようになる
だけでなく、世界のことも分かるようになる。そう教えてい
ます。こういう意味も含めて、生徒にはなるべく英語の授業
の中でも、素材を生徒自身が選べたり(例:多読授業の中や
テスト問題)できるようなことをします。生徒は「え?選ば
してもらってええの?」って顔しますけど、それだけでもう
れしそうに勉強しますよ。しかし、このようなことをするに
は、クラスコミュニティーを意識した指導ができていないと
バラバラになってしまうんです。
A2:自分しかできないような他者との関わりが持てるよう
になって欲しいと思います。世界的な諸問題に対して何らか
のかかわりをもってくれるようになって欲しいですね。今の
世の中、難しいことが多いですが、その人にしかできないか
かわり方があると思うんです。葺合にいる間は一緒に考えま
すし、その後は自分で考えていけるようになって欲しいと思
っています。
授業の後、英語科主任:増見先生運営のもと、英語科の研修
会にも参加させてもらいました。SELHi 終了後、もう一度緊
張感を持とうと、学期に1回皆でお互いの授業を見学しあっ
て、放課後に研修会を持ち意見交換をする取り組みをされて
います。また、毎週のように英語科で今日の教材はどうだっ
た・・・など感想を言いあう機会があります。生徒だけでな
く、先生も学びあう・コミュニケーションしあうことをされ
ているからこそ、生徒も英語でコミュニケーションをしたり、
考え抜いたりするのだと先生の思いを聞いていると強く感じ
ました。
(聞き手:GTEC 事業推進課 青木忠司)