vol.266 国交省が二世帯リフォームに減税措置を検討

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2015 年 11 月27 日号
266
ハウジング・トリビューン【ウィークリー】
http://www.sohjusha.co.jp
今週のトピック解説
国交省が二世帯リフォームに減税措置を検討
リフォーム投資型減税
国土交通省が2016年度の税制改正で、二世帯リフォーム
限度額
最大控除額
耐震
250万円
25万円
バリアフリー
200万円
20万円
を対象とした減税措置を検討していることがわかった。子育
て世代で共働きの家庭が増えるなか、三世代同居を促し、世
代間の助け合いによる子育てしやすい環境を整備する狙いが
ある。同省が今夏に財務省に提出した税制改正要望にはなか
ったものだが、安倍政権の指示もあり新規で盛り込むことを
検討している。
安倍政権は9月に経済成長の推進力として「新・三本の矢」
省エネ
250万円
25万円
三世代同居
250万円
25万円
控除率
リフォームローン型減税
対象工事限度額
生率1.8がかなう社会の実現」を目標に掲げた。目標を達成
バリアフリー・省エネ・
2.0%
三世代同居
250万円
工事限度額
する方策として「三世代同居・近居」の推進を国交省に指示。
1.0%
を発表。このなかで「夢を紡ぐ子育て支援」として「希望出
二世帯リフォームを対象とした減税措置はこれを受けたもの
だ。
その他
工事限度額
750万円
最大控除額
62.5万円
(5年間)
は最長で5年間、ローン残高の2.0%を控除する。
「やはり子育て支援を推進する内閣府と共同で来年度の税
制改正において要望する」
(住宅局 住宅生産課)としている。
内閣府の調査によると、子育て世代である30〜40歳代の
控除の対象となるには、キッチンや浴室、トイレまたは玄
関のうち少なくとも1つを増設し、いずれか2つ以上が複数
個所になる工事を実施する必要がある。
男性の19%、女性の12%が親と子と祖父母での三世代同居
また、三世代同居としているが子どもがいない子世帯や独
を理想の住まい方と考えているものの、実際には三世代同居
身の子世帯が同居する場合も利用できる。同居によって二世
の世帯数は減少傾向にあり、2013年で約274万世帯と、全
帯化すればいいわけだ。
体の5.2%にとどまっている。国交省によると、住宅を三世
耐震やバリアフリー、省エネ改修に係る特別控除と合わせ
代同居とするには、キッチンやトイレ、浴室などを増設・改
て利用することも可能。とくにバリアフリー改修は親世帯の
修するのが一般的で、そのためには250万円程度の掛かり
将来の高齢化を考えれば、三世代同居対応工事と同時に行う
増し費用が必要になる。そこで、三世代同居に対応したリフ
ケースが増えそうだ。
ォーム工事を行う場合に、減税措置を講じ、三世代同居を促
進。子育て世代が親の協力を得ながら働ける環境を整備する。
工事費の一定割合を所得税から減税
子育て世代で共働きの家庭が増えているなかで、子育てや
家事などの面で親世帯の助けが得られる〝同居〟が見直され
つつある。
「ここへ来て改めて二世帯住宅に関心を持つ人も
増えている」という住宅関係者の指摘もある。今回の減税措
リフォームを対象とした減税措置では、耐震やバリアフリ
置により、リフォーム市場でも二世帯化を図る工事が活性化
ー、省エネ改修に係る所得税の特別控除の制度があり、国交
する可能性がある。とくに10月で省エネ住宅ポイントが終
省ではこの制度に三世代同居対応工事を加えたい考えだ。リ
了しただけに、設備メーカーなどにとっては、キッチンや浴
フォーム投資型減税の場合は、工事費(上限250万円)な
室、トイレといった水まわりのリフォームを促進するうえで、
どの10%を所得税額から控除。リフォームローン型減税で
追い風になりそうだ。
今週の主なニュース
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11 26
・スウェーデンハウス 豊洲モデルハウスに東京芸大の染
色作品を展示 スウェーデンのクリスマスをテーマに
・ネクスト 不動産事業者向け業務効率化アプリを提
供 スマホで物件検索などが簡単に
・TOTO 中部エリア初、YKK とのコラボショールー
ムを開設 中部エリアを強化
・LIXIL 弾性に優れた樹脂系の内装用目地材を発売 パステルカラーからダークカラーまで全8色を展開
・アキレス 硬質ウレタンボードと石膏ボードを一体化させた
断熱複合パネルを開発 壁や天井の上から簡単に施工可能
・日本インシュレーション 珪石などを利用したバスマッ
トを開発 優れた吸水性を発揮、抗カビ・抗菌性も付与