求められる雇用再生 正規雇用構築が必要 終身雇用回帰が必要 非正規雇用と働く貧困層 終身雇用制放棄 新自由主義による雇用行政転換の結果、労働者 の約4割が非正規雇用となり、今日に至るも多 くの「働く貧困層」 (=ワーキングプア)が産み 出され続けている。 非正規労働者は非常に不安定な雇用環境に置か れ、人生設計を立てることも困難であり、内需 喪失急加速の大きな要因となっている。 働く貧困層に至っては国民健康保険、国民年金 への加入も経済的に不可能に近い状態に置か れ、働く貧困層の増加が日本の社会基盤である 国民健康保険制度・国民年金制度を財政崩壊の 瀬戸際に追い込んでいる。 雇 用 崩 壊 バブル崩壊後、多くの企業が事業再構築を名目に 中高年社員の大量解雇(=リストラ)を行い、解 雇権が企業の当然の権利の如く行使され、この時 期を境に中高年の自殺は急増した。平成 10 年以 降、わが国では年間3万人以上が自殺している。 小泉政権誕生を機に新自由主義経営が拡がるに つれて、多くの企業が終身雇用制を放棄し、結 果、多くの勤労者に将来不安を生じさせ、内需 喪失が加速された。 中高年層のリストラは社員から向上心と企業に 対する忠誠心を奪うだけに止まらず、技術と生 産ノウハウの海外流出を生じさせ、企業の国際 競争力を急速に低下させた。 内需再生が必要 雇用環境悪化と内需喪失 日本経済の骨格は内需で構成されていた。 「失われた 20 年」の最大要因は内需喪失にある。終身雇用制の放棄は多くの中高年勤労者に人生設計の見直しを余 儀なくし、結果、内需喪失の大きな要因となった。新自由主義経営による非正規雇用拡大は多くの若者を「働く貧困層」(=ワーキングプア)へと陥れ、経 済循環の中心的担い手となるべき気力・体力・欲望の三要素を備えた若者を経済循環の担い手から脱落させ、内需喪失をさらに加速させている。
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