助詞・助動詞のアクセントについての覚え書き —直前形式との複合形態の観点からの分類— 郡 史 郎 要旨 東 京 方言 の助 詞・助 動詞 に はア クセ ン ト とし てど の よう な性 質 のも のが あ るか につ いて ,直 前 形式 との ア クセ ント と して の複 合 形 態と いう 観 点を 徹底 さ せて おこ な った 整理 の結 果と ,関 連す る 理論 的問 題 につ いて の 検討 結果 を記 し た。こ こ では 助詞・助 動 詞の ア クセ ント の 性質 を「 乗っ と り型 」, 「 乗っ と られ 型」, 「協 力型 」の 3 種に 分け た が,ほと ん どの もの は 「協 力型 」 にな る。 分 類結 果と 具 体 的な アク セ ント を表 2 と付 表に 示 した 。 1 はじめ に 東 京方 言 で助 詞・助動 詞が 名 詞・動詞・形 容 詞に 付い た 場合 のア ク セン トは 辞 典や 概説 書に 書か れ た形 を見 る と非 常に 複 雑で ,無 視 で きな いゆ れ( 世 代 差 ,個 人 差 ,個 人 内 変 種 )も ある。学 習者 にと っ ては ,助 詞・助動 詞に は ア クセ ント と して どの よ うな 性質 の もの があ るの か全 体 像が 俯瞰 で き,同時 に 個別 の助 詞・助動 詞に つ いて の情 報 も得 られ る よう な簡 潔な まと め がほ しい と ころ であ る が,現行 の 辞 典や 概説 書 の記 述は あ いに くそ の よう な需 要を 満た し てく れな い 。先 行研 究 で示 され た 分 類の 中に は かな り簡 潔 で上 記の 意 味で の実 用性 があ る もの もあ る が,後述 す るよ うに 筆 者 とし ては さ らに 簡素 化 でき るよ う に思 える 。 本 稿 は, 助 詞 ・ 助 動 詞 の アク セ ン ト に つ い て , そ の 直前 の 形 式 ( 名 詞 と 動 詞 ・ 形 容 詞 の 活 用 形 ) との 複合 形 態と いう 点 から 再検 討 し, 実 用性 を意 識 しな がら お こな っ た 3 類型 への 1) 分類 結果 と ,関 連す る 理論 的問 題 につ いて の 現 時点 の考 え を書 き留 め てお くも の であ る 。 直 前形 式 との 関係 に 注目 する こ と自 体に は 取 り立 てて 新 しさ はな い 。こ こで は この 観点 から の整 理 を徹 底さ せ ,複 合語 や 文節 連続 も 含 めた 一般 的 なア クセ ン トの 複合 形 態の 中に 位置 づけ よ うと した 点 が従 来と 異 なる 。分 類 結 果は 表 2 に まと め,稿 末の 付表 に 個々 の助 詞・ 助動 詞 がと る音 調 形を 示す 。 本 稿で は 具体 的な 高 低の 形を[ ダ˹イ ジョ˺ー ブデ ス]の よう に角 括 弧で はさ ん だ表 音カ ナに 記号˹ ( 上 昇 ) と˺ ( 下 降 ) を 付 ける こと で あ らわ す。特 殊モ ーラ で の上 昇が 前 にず れた [˹ダ イジ ョ˺ーブ] も ふく めて 便 宜的 に[ ダ˹イジョ˺ーブ ]と 書 く。 2 先行研 究 辞 書に お ける 解説 と して『 国 語発 音ア ク セン ト辞 典 』 『明 解 国語 辞典 』 『新 明解 国 語辞 典 ( 三 版 ま で )』『 明 解 日 本 語 ア ク セ ン ト 辞 典 』『 新 明 解 日 本 語 ア ク セ ン ト 辞 典 』『 全 国 ア ク セ 1) 本 稿 で は 東 京 方 言 を 母 語 と し な い 日 本 語 母 語 話 者 を 念 頭 に お い た 実 用 性 の 観 点 か ら , 学 校 文 法 の 枠 組 み を 利 用 す る 。し か し ,助 詞・助 動 詞 に は 固 有 の ア ク セ ン ト 的 特 徴 が あ る と 考 え る 本 稿 の 立 場 か ら す れ ば ,学 校 文 法 式 の 活 用 形 と 助 詞・助 動 詞 で 考 え る か ,あ る い は 語 根 と 接 辞 の 組 み 合 わ せ で 考 え る か の 違 い が ,助 詞・助 動 詞 あ る い は 接 辞 の ア ク セ ン ト 的 性 質 の 分 類 結 果 に 実 質 的 な 差 を も た ら す こ と は な い 。 — 63 — ント 辞典 』の もの が ある 。多 くの 助 詞・助 動 詞 のア クセ ン トが 記載 さ れた もの に 佐久 間鼎 (1929),三宅武 郎(1934),永 田吉 太 郎(1935),林大 (1954),早田輝 洋(1965),清 水め ぐ み(2001) ( 助 詞 の み ) があ る 。資 料性 の 判断 がむ ず かし い が小 森法 孝(1987),酒 井 裕(1992)もあ る。 助 詞・助 動詞 の 側か ら見 た 分類 案と し ては ,和田 實(1969),木 部 暢子(1983),匂 坂 芳 典 ・ 佐 藤 大 和(1983), 清 水(2001), 田 中 宣 廣(2005),李 連 珠(2010)が あ る 。 和 田(1969)は 「 独 立 する 辞 」 「従 属す る 辞」 「 融 合す る辞 」の 3 分類を 示す 。有益 な 考察 が多 い が ,個 々の 助 詞 ・ 助動 詞の 性 格付 けと し ては 不徹 底 な面 があ る よ うに 本稿 の 筆者 には 思 われ る。木部(1983) は活 用形 の 特徴 も含 め た分 類で あ るた め複 雑 で ある。匂 坂・佐 藤(1983)と佐 藤(1998)は「従 属 型 」「 不 完 全 支配 型 」「 融 合型 」「 支 配 型」 の 分 類を 示 す が ,提 示 例 以 外の 助 詞 ・ 助動 詞 をど の型 と 見る のか わ かり にく い。清水(2001)は他 より 若 い話 者の 資 料と いう 点 で貴 重だ が,直 前形 式の 品 詞と 表 面的 な高 低 にと らわ れ た分 類に な って いる 。田 中(2005)は東 京式 アク セン ト 以外 も扱 う が ,東 京に つ いて は「従 接式 」 「 声調 式 」 「 独 立式 」 「 下接 式 」 「支 配 式」で 説 明す る。分類 の 枠組 みに は 賛同 でき る とこ ろが 多 いが,直 前形 式の 品 詞に よる 区 別を して い る点 など に つい てさ ら なる 整理 が 可 能で ある よ うに 思わ れ る。李(2010)は前部 要素 のア ク セン トを 手 がか りと し た 3 規則 を 設 定し ,ど の 規則 が適 用 され るか と いう 観点 から 動詞 に 付く 助詞・助動 詞を 分 類し てい る 。本稿 の筆 者 は,助詞・助動 詞は 固 有の アク セン ト的 特 徴を 持ち ,その 基本 的 性質 は前 部 の アク セン ト 型か らは 独 立で ある と 考え るの で, 李案 は とら ない 。 ただ ,そ の 分類 結果 は 後 述す る筆 者 のも のと ほ ぼ重 なる 。 助 詞・助動 詞,ある い は助 詞・助動 詞が 付 い た語 形全 体 のア クセ ン トの 説明 原 理を 扱っ た理 論 的研 究と し ては , 上記 の早 田(1965)の ほ か,McCawley, J. (1968), 奥田邦男(1980), Higurashi, Y. (1983),屋名 池誠(1987),岡 田英 俊(1988),Zamma, H.(1992),Haraguchi, S. (1999), Yamaguchi, K.(2010)などさ まざ ま ある 。助 詞・助動 詞が 付 いた 語形 の アク セン ト を規 則や 機械 学習 の 形で 導く 工 学的 立場 か らの 研究 も 上 記の 匂坂・佐 藤(1983)以来 さま ざ まあ るが , 本稿 の目 的 から は外 れ るた め省 略 する 。 3 アクセ ン トの 複合 形 態 本 稿で は 2 つの要 素 のア クセ ン ト面 での 複 合 形態 とし て ,前 部要 素 と後 部要 素 それ ぞれ 2) のア クセ ン ト的 特徴 が生か され る か生 かさ れ な いか とい う こと を考 え る。 そし て ,そ の 組み 合わ せ によ って で きる 4 つの 複合 形態 を「 対等 合併 型 」, 「後 部 支配 型 」 「 前部 支配 型 」 「自 立・協力 型」と それ ぞれ 名 づけ る。こ れら を後 部要 素 ( 本 稿 の 場 合 ,助 詞・ 助 動 詞 ) の 側 か ら見 る と 「 対等 合 併 型 」「乗 っ と り 型 」「 乗 っ と られ 型 」「 協 力型 」 と な る。 こ の よ うな 複合 形態 の 類型 は複 合 語に も同 様 に観 察さ れ る が, 複合 語 につ いて の 詳 細 は 別 稿 に 譲 る 。 3) 次に 複合 形 態の 各タ イ プに つい て 説明 する が ,表 1 にそ の 全体 像を 示 して おく 。 表 2 に は複 合形 態 ごと に分 類 した 助詞・助 動詞 の 一覧 を示 す。表で は助 詞・助 動詞 の内 部 と直 前 で の 下 が り 目 を 記 号ˈ で 示 し て い る 。 分 類 に 用 い た 音 調 形 は 秋 永 一 枝 ( 編 ) (2014)の 「 ア クセ ント 習 得法 則」と本 文に 記 載の もの で ある 。同書 に 記載 のな い 語形・音 調形 も 一部 書 2) 重 要 な の は 下 が り 目 の 有 無 と 位 置 。上 が り 目 の 有 無 と 位 置 は 環 境 依 存 だ が ア ク セ ン ト の 一 部 と 見 る 。 後述する「乗っとられ型」のように複合形でのみアクセントを発揮することを特徴とす るもの もある 。 3) こ の 部 分 の 記 述 は 拙 稿 ( 予 定 ) と 重 な る 点 が 多 い が , そ こ で は 複 合 語 の 例 を 中 心 に 説 明 し て い る 。 — 64 — 表 1 アク セ ント の 複合 形 態の 一 覧 前 部 要 素 の ア ク セ ン ト 的 特 徴 が 生 か さ れ な い 後 部 要 素 の ア ク セ ン ト 的 特 徴 が 生 か さ れ な い 生 き る 対等 合併 型 前部 支配 型 (後 部要 素と して は乗 っと られ 型) 前部と後部それぞれの本来のアクセントとは 例 : 〈さ 〉せ る , 〈さ 〉れ る , な が ら 「 泳 ぐ ・ 笑 う 」 [ オ ˹ヨ ˺グ ・ ワ˹ラ ウ ] に 対 し て オ っ た ア ク セ ン ト 型 に 融 合 す る 。「 短 期 大 学 」, ˹ヨ ガ セ ˺ル ・ ワ ˹ラ ワ セ ル の よ う に , 前 部 の ア ク セ 「 練 習 問 題 」 な ど 複 合 語 に は 多 い 。 ント的特徴が複合形全体のアクセントを決める。 無関係に,一致協力して全体としてある決ま 後部 支配 型 自立 ・協 力型 (後 部要 素と して は乗 っと り型 ) (後 部要 素と して は協 力型 ) 生 例 : ま す , ま し ょ う き 「 泳 ぐ・ 笑 う 」[ オ ˹ヨ ˺グ・ ワ ˹ラ ウ ]に 対 し る 助 詞 ・ 助 動 詞 の 多 く 「 空 ・桜 」 [˹ソ˺ラ ・サ˹ク ラ ] に 対し て [˹ソ˺ラ て オ ˹ ヨ ギ マ ˺ス ・ ワ ˹ ラ イ マ ˺ ス の よ う に , 後 ガ , サ ˹ク ラ ガ ] あ る い は [ ˹ソ˺ラ マ デ 部のアクセントに合わせる形で複合形全体の ア ク セ ン ト が 決 め る 。 ˹p マ ˺デ ,サ ˹ク ラ マ ˺デ ]の よ う に ,前 部 が 自 立 し , ˹ソ˺ラ 後 部 は 自 分 の ア ク セ ン ト 的 特 徴 を 生 か し つ つ 協 力 。 表 2 複 合 形態 別 の助 詞 ・助 動 詞 の一 覧 乗っ とら れ 型 ( 平 板 型 動 詞 に つ く 場 合 , 下 が り 目 ⁽ˈ⁾は な く な る ) 〈さ〉せ⁽ˈ⁾る # ・ 〈さ 〉⁽ˈ⁾せ た # , そ ⁽ˈ⁾う[だ] ( 推 量 ) # ,⁽ˈ⁾な い # ,⁽ˈ⁾なˈい ( 新 形 )* # ・ ⁽ ⁾なˈか っ た * # ・⁽ˈ⁾なˈい で* # , な⁽ˈ⁾が ら # , 〈ら 〉れ⁽ˈ⁾る # ・〈ら 〉⁽ˈ⁾れ た # 乗 っ と ら れ 型 ・ 乗 っ と り 型 の 両 方 あ り : た ˈい # , た が ˈる # 乗っ とり 型 ( 前 部 要 素 を 平 ら に し て こ こ に 示 す 助 詞 ・ 助 動 詞 の ア ク セ ン ト を つ け る ) ˈつ つ ∼ つ ˈつ , な # ・ な さˈい ( 命 令 ) * # , ま ˈす # ・ まˈし た # ・ ま せˈん # ・ ま し ょ ˈう # , 〈 よ 〉 ˈう # ( 意 思 ) 乗 っ と り 型 ・ 協 力 型 の 両 方 あ り : くˈら い , だ け ・ だ けˈは , ばˈか り # , ら しˈい 協力 型 ( 前 部 要 素 に す で に 下 が り 目 が あ る 場 合 , 強 調 し な い か ぎ り 冒 頭 のˈは な く な る ) ▼ が ( 格 助 詞 ) , ˈが ( 逆 説 ) ,ˈか っ た ( 形 容 詞 ) , か ら ・ か ら ˈは , く ▼ ˈく て ( 形 容 詞 ) ,ˈけ ど , さˈえ , ˈし ( 列 挙 ・ 理 由 ) , ˈし か し ˈか ˈく ・ く ˈは ( 形 容 詞 ) , し か , そ ˈう[だ] ( 伝 聞 ) , だ・ だˈっ た *,だˈっ て*・ だˈと*,た・ たˈら・ た ˈり , ▼ だ ろ ˈう ,て・ て ˈは・ てˈる・ て ˈた・ てˈ て ,で・でˈは ( 格 助 詞 ) , ▼ で し ょ ˈう ,で ˈも ,でˈす・でˈし た ,と ( 条 件 *) ,ˈと ( 引 用 ) , ▼ と ・ とˈか・ と ˈで ( 並 列 ) ,ˈな ( 禁 止 ) , ( なˈど , なˈら [ば], なˈり , ▼ に・ にˈは ( 格 助 詞 ) , に し に 行 く ) , の ( 格 助 詞 ) ,ˈの だ・ˈの で ,の ˈみ , ▼ は ,ˈば ( 仮 定 ) ,へ・ へ ˈは ,ほ ど・ ほ ど ˈ は , ま ˈで , みˈた い [だ], ▼ も , や ・ や ˈら , 〈よ 〉ˈう [だ] ( 推 量 ) , ▼ よ ˈり , ▼ を ・ 記 号 ˈ: そ こ に 下 が り 目 が あ る こ と を 示 す 。 ・ 記 号 : 平 板 型 動 詞 に 低 く 付 く こ と を 示 す ( 「 す ぐ 泣 く か ら 」 [ ˹ス ˺グ ナ ˹ク˺カ ラ ] ) 。 ・記 号 : 平 板 型 動 詞 に 低 く 付 く 言 い 方 が あ る こ と を 示 す(「 負 け る が 勝 ち 」 [ マ ˹ケ ル ˺ガ カ ˹チ ])。 ▼ ・ 記 号 # : 「 動 詞 音 便 形 + て 」 の 形 ( テ 形 ) に 接 続 す る と き は 協 力 型 に な る 。 — 65 — き 入 れ た が ( 右 に *印 ), 話 し こ と ば 的 で な い 助 詞 ・ 助 動 詞 は 除 外 し た 。 イ ン ト ネ ー シ ョン の情 報が よ り重 要な 終 助詞 につ い ては 轟木 靖 子(2008)に譲 り, 表に は 含め なか っ た。 3.1 活用形 のア クセ ン ト 動 詞に 助 詞・ 助動 詞 が付 いた 語 形全 体の ア ク セン トは , ひと つの 動 詞の ( 学 校 文 法 式 の ) 活用 形は 共 通の アク セ ント を持 ち ,そ れが 助 詞・助 動詞 の アク セン ト と複 合す る と考 える こと で説 明 でき る。動 詞に は活 用 部分 に下 が り 目が ない タ イプ と,最 後か ら 2 モ ーラ 目の 後に 下が り 目が ある タ イプ のふ た つが ある 。下 がり 目が な いタ イプ の 例と して「笑 う」と 「浴 びる 」 で言 えば , 活用 形は [ ワ˹ラ ワ・ ワ˹ライ ・ワ˹ラッ ・ ワ˹ラ ウ・ ワ˹ラエ・ ワ ˹ラ オ ],[ ア˹ ビ ・ ア˹ ビ ル ・ ア˹ ビ レ ・ ア˹ ビ ロ ] で , 単 独 で 使 用 さ れ な い 形 も 含 め て す べ て下 がり 目 がな いと 考 える 。下が り 目が ある タ イプ の「泳 ぐ 」と「 調 べる 」なら[ オ˹ヨ˺ ガ・ オ˹ヨ˺ギ・ オ˹ヨ˺イ・ オ˹ヨ˺グ・ オ˹ヨ˺ゲ・ オ˹ヨ˺ゴ],[シ˹ラ˺ベ ・シ˹ラベ˺ル・ シ 4) ˹ラベ˺レ・ シ˹ラ ベ˺ロ ]と ,み な 最後 から 2 モ ーラ 目の 後 に下 がり 目 を持 つと 考 える 。 形容 詞 は 学 校文 法 の 「 赤か ろ ・ 赤 かっ ・ 赤 く ・ 赤い ・ 赤 け れ」 そ の ま まで は な く ,「く 5) ある 」に 由 来す る部 分 を独 立さ せ て考 える 。そ して その 前 の部 分に 下 がり 目が な いタ イ プ,た と えば「 赤 い」に 対 する[ ア˹カ・ア˹カイ]と ,そ の最 後 から 2 モー ラ目 の後 に 下 がり 目が あ るタ イプ ,た とえ ば「白 い 」に 対 す る[˹シ˺ロ・シ˹ロ˺イ ])が ある と 考え る 。 3.2 複合形 態① :対 等 合併 型 対 等合 併 型は ,前 部 と後 部の ア クセ ント 的 特 徴が どの よ うな もの で あれ ,複 合 時に は一 致協 力し て 全体 とし て ある 決ま っ たア クセ ン ト 型に 融合 す るタ イプ の 複合 形態 で ある 。 複 合 語 の 例 と し て 「 短 期 大 学 」 で 言 う と 「 短 期 」 と 「 大 学 」 が [˹タ˺ ン キ + ダ˹イ ガ ク → タ˹ン キ ダ˺イ ガ ク ] の よ う に 融 合 する 。 複 合 名 詞 に は こ の 例の よ う に 後 部 要 素 の 冒 頭モ ーラ の 後に 下が り 目を 持つ 型 にな るも の が 多い 。「捜 査機 関 」[ ˹ソ ˺ー サ + ˹キ˺カ ン → ソ ˹ー サ キ ˺カ ン ]は 後部 の 本来 のア ク セン トが 本 来 の形 で継 承 され てい る よう に見 え るが , 「教 育大 学 」[ キ ョ ˹ー イ ク + ダ ˹イ ガ ク → キ ョ ˹ー イ ク ダ ˺イ ガ ク ] や 「 教育 機 関 」[ キ ョ ˹ー イ ク + ˹キ˺カ ン → キ ョ ˹ー イ ク キ ˺カ ン ] な ど の 類 例 を 考 え る と , す べ て 後 部 要 素 の 冒 頭 モ ー ラ 後 に 下 が り 4) た と え ば「 調 べ る 」 [ シ ˹ラ ベ ˺ル ]と「 調 べ た 」 [ シ ˹ラ ˺ベ タ ]で は ア ク セ ン ト が 違 う よ う に 見 え る が , そ の 違 い は 以 下 の よ う に 説 明 さ れ る 。[ シ ˹ラ ベ ˺ル ] は 全 体 と し て ひ と つ の 単 位 と し て そ の 最 後 か ら 2 モ ー ラ 目 の 後 に 下 が り 目 が あ る と 考 え る 。[ シ ˹ラ ˺ベ タ ] の 方 は , 学 校 文 法 で の 扱 い の よ う に シ ラ ベ と タ の ふ た つ の 単 位 に 分 け ,シ ラ ベ に は そ の 最 後 か ら 2 モ ー ラ 目 の 後 に 下 が り 目 が あ り ,そ の 後 に「 協 力 型 」( 後 述 ) の タ が 接 続 し た も の と 考 え る ( シ ˹ラ ˺ベ +タ )。 こ の 扱 い に よ り , 動 詞 の ア ク セ ン ト に は 活 用 部 分 に 下 が り 目 が な い タ イ プ と ,活 用 部 分 の 最 後 か ら 2 モ ー ラ 目 の 後 に 下 が り 目 が あ る タ イ プ が あ る と い う 規 則 が ,「 調 べ る 」 に も 「 調 べ た 」 に も 生 き て い る と 見 る こ と が で き る 。 学 校 文 法 の 枠 組 み を 離 れ る と す れ ば , si˹ra˺be と い う 語 根 に 最 後 か ら 2 モ ー ラ 目 の 後 に 下 が り 目 を 持 つ と い う 性 質 が あ る と 考 え , si˹rabe˺ru は , 語 根 の ア ク セ ン ト 的 性 質 に 全 体 が 乗 っ と ら れ る 形 で 「 乗 っ とられ型」 ( 後 述 )の 接 辞 ru が 付 く た め に 全 体 の 最 後 か ら 2 モ ー ラ 目 の 後 で 下 が る 姿 を と り ,si˹ra˺beta は 協 力 型 の 接 辞 ta が 付 く た め に 語 根 の ア ク セ ン ト の 位 置 は 動 か ず , 全 体 の 最 後 か ら 3 モ ー ラ 目 の 後 で 下がる姿をとると見る。 5) こ れ は ,「 白 く 」 は[ ˹シ˺ロ ク ]( 伝 統 形 )だ が ,「 赤 く 」に は[ ア ˹カ ク ]と[ ア ˹カ˺ク ]の 両 形 が あ ることを説明するためには「く」をアクセントのふるまいの点で独立させる必要があることによる。 — 66 — 目 を持 つ 型 を とる 仲 間 で あり ,「 機 関 」が 本 来 頭 高型 で あ る こと に よ る 見か け 上 の 継承 で ある 。連 用 形接 続の 複 合動 詞 ( 新 形 ) は「動 き始 める 」[ ウ ˹ゴ˺キ + ハ ˹ジ メ ル → ウ ˹ゴ キ ハ ジ メ ˺ ル ] の よ うに 最終 モ ーラ の前 に 下が り目 を 持つ 型に なる 6) 。 3.3 複合形 態② :後 部 支配 型( 助 詞・ 助動 詞 か ら見 ると 「 乗っ とり 型 」) 前 部の ア クセ ント 的 特徴 とは 無 関係 に,後 部 のア クセ ン トに 合わ せ る形 で複 合 形全 体の アク セン ト が決 まる タ イプ の複 合 形態 であ る 。 複 合名 詞 でも 後部 が 長い もの は「 スー パ ーコ ンピ ュー タ」が[˹ス˺ー パー +コ˹ンピ ュ˺ ータ →ス˹ーパ ー コン ピュ˺ータ ]のよ うに 複 合 形全 体に 対 して 後部 の アク セン ト が適 用さ れる 形, つ まり 後部 要 素の 特徴 が 全体 を支 配 す る形 で複 合 する 。 助 詞・助 動詞 では「 ます 」が 典 型的 な乗 っ と り型 であ る 。 「 泳 ぎ」「 笑い 」に「 ます 」が 付く と ,[オ˹ヨ˺ギ ][ ワ˹ライ ] に 対し て [オ˹ヨギ マ˺ス ][ ワ˹ライ マ˺ス ]と な り, 否 定 形 だ と [ オ˹ ヨ ギ マ セ˺ン ][ ワ˹ラ イ マ セ˺ ン ] と な る 。 全 体 と し て 見 れ ば 前 部 の ア ク セ ン トの 特徴 に かか わら ず 後部 要素 の 都合 で全 体 の アク セン ト が決 まる 。つま り,後 部要 素の 性質 が全 体 を乗 っと る 乗っ とり 型 であ る。 た だし ,「泳 い でま す 」「 笑っ て ます 」だ と [ オ˹ヨ˺イデ ][ ワ˹ラッ テ] に対 し て[ オ ˹ヨ˺イ デ マ ス]( オ ˹ヨ イ デ マ ˺ス ),[ワ˹ ラッ テ マ˺ス ] と な り , 後 述の 協 力 型 の 形 を と る 。 動 詞 連 用 形 に 付 け る 命 令 の 「 な さ い 」 も [ オ˹ ヨ ギ ナ サ˺ イ][ ワ˹ ラ イ ナ サ˺イ ] と い う 乗 っ と り 型 だ が , や は り 「 て 」 が 付 い た 形 ( テ 形 ) に 対 し て は [ オ˹ヨ˺ イ デ ナ サ イ][ ワ˹ラ ッ テ ナ サ˺イ] と い う 協 力 型に な る 。 こ れ に つ い て は ,乗 っ と り 型 の 助 詞・ 助 動 詞 が 付く 動詞 がテ 形 にな って い る場 合は , それ を乗 っ と るこ とが で きな いと 考 えれ ばよ い 。 3.4 複合形 態③ :前 部 支配 型( 助 詞・ 助動 詞 か ら見 ると 「 乗っ とら れ 型」) 後 部の ア クセ ント 的 特徴 とは 無 関係 に,前 部 のア クセ ン ト的 特徴 が 複合 形全 体 のア クセ ント を決 め るタ イプ の 複合 形態 で ある 。た だ し ,前 部要 素 の単 独発 音 時の アク セ ント がそ のま ま複 合 形に 生か さ れる とは か ぎら ない 。 短 い複 合 名詞 には こ のタ イプ の もの があ る 。 「 素足 」 「 素顔 」 「 素肌 」は , 「足 」 [ ア ˹シ ˺], 「顔 」[ カ ˹オ ], 「 肌 」[ ˹ハ˺ダ ] のア ク セン トに か かわ らず[˹ス˺アシ ][˹ス˺ガオ ] [˹ス˺ ハ ダ] と頭 高 型に なる 。 複合 形全 体 のア クセ ン ト を前 部要 素 が決 めて い るわ けで あ る。 助 詞・助動 詞 では「 せ る・させ る」と「 れる・ら れる」が 典型 的な こ のタ イプ の 助動 詞 であ る 。「 泳 ぐ 」「 笑 う」 の[ オ˹ヨ˺グ ]「ワ˹ラ ウ] に 対し て ,[ オ˹ヨガ セ˺ル] [ワ˹ラワ セル],[オ˹ヨガ レ˺ル][ワ˹ラワ レ ル]と な り,全 体 でひ とつ の アク セン ト 型を とる 。 ここ では 前 部の 動詞 の アク セン ト とし て最 後 か ら 2 モー ラ 目に 下が り 目が ある タ イプ( 泳 ぐ )と下 がり 目 がな いタ イ プ( 笑 う )の 違い が 複 合形 全体 に 引き 継が れ てい るわ け であ る。 表面 的に は 前部 の本 来 のア クセ ン トと は異 な る 形に なっ て いる が,前 部要 素の 特 徴が 複合 形全 体の ア クセ ント を 決め てい る とい うこ と な ので ,後 部 要素 から 見 れば 乗っ と られ 型と 6) 助 詞 ・ 助 動 詞 に は 明 ら か に 対 等 合 併 型 と 呼 べ る も の は な い 。「 く ら い 」「 ば か り 」 の 一 用 法 ( 空 く ら い[˹ソ ˺ラ → ソ ˹ラ ク ˺ラ イ ], 読 む ば か り[ ˹ヨ ˺ム → ヨ ˹ム バ ˺カ リ ]) と「 つ つ 」( 読 み つ つ[ ˹ヨ ˺ミ → ヨ ˹ミ ˺ツ ツ ヨ ˹ ミ ツ ˺ ツ ]) は , 上 述 の 「 捜 査 機 関 」 と 同 様 の 対 等 合 併 型 と も 考 え う る 。 し か し , こ こ で はこれらの助詞が語彙的特徴として全体の音調形を支配していると考えて次の後部支配 型に分 類する 。 — 67 — いう こと に なる 。 「〈さ〉せる」 と 「〈ら〉れる 」は 動 詞化 接辞 な ので ,も し 下が ると す れば 最後 から 2 モー ラ目 の後 で ある。つ まり ,そ こに 潜 在的 な下 が り目 があ る。実際 に 下が るか ど うか 決め る のは 直前 形 式で ある 。 助 詞「な が ら 」も こ の乗 っと ら れ型 であ る 。「 泳ぎ 」[ オ ˹ヨ˺ギ ], 「 笑い 」[ ワ ˹ラ イ ] に 対 し て [ オ˹ヨ ギ ナ˺ ガ ラ ] [ ワ˹ラ イ ナ ガ ラ ] と な り , 前 部 要 素 の 下 が り 目 の 有 無 が 複 合 形 全体 に継 承 され てい る 。た だ,「 泳ぎ なが ら 」が「 な」の 後で 下が る のは「な が ら」に潜 在 的 な 下 が り 目 が あ る こ と を 示 す 。 助 動 詞 「 な い 」 は 伝 統 形 の [ オ˹ヨ ガ˺ ナ イ ] [ ワ˹ラ 7 ワナ イ] は 乗っ とら れ 型で ,潜 在 的な 下が り 目 が「 ない 」 の前 にあ る ) 。 3.2 節で 乗っ とり 型 の助 詞・ 助 動詞 は動 詞 の テ形 の乗 っ とり がで き ない こと を 見た が, 乗っ とら れ 型に つい て も同 じこ と が言 える 。 「 泳 いで られ る 」 「笑 っ てら れ る 」は[ オ˹ヨ˺ イデ ラレ ル ][ ワ˹ラッ テラ レル ] とな り, 協 力 型の 形を と る。「 泳い でな い 」[ オ ˹ヨ˺イ デ ˹p ナ˺イ ], 「笑 っ て ない 」[ ワ ˹ラ ッ テ ナ ˺イ ] に お け る「 な い 」も 同 様 。つ ま り , 乗っ と られ 型の 助詞 ・ 助動 詞は , それ が付 く 形が 動詞 の テ 形で ある 場 合は 乗っ と ら れ る こ と は な い 。 3.5 複合形 態④ :自 立 ・協 力型 ( 後部 要素 か ら 見る と「 協 力型 」) 前 部が 自 立し ,後 部 は自 分の ア クセ ント 的 特 徴を 生か し なが らも 協 力す るタ イ プで ある 。 複 合名 詞 で言 うと ,「正 体 不明 」[ ˹シ ョ ˺ー タ イ フ˹p メ ー ] あ るい は「中 国南 部 」 [ ˹チ ュ ˺ ー ゴ ク ˹p ナ˺ン ブ ] のよ う に, 全体 と して ひと つ の アク セン ト 型に 融合 せ ず前 部と 後 部の アク セン トが そ のま ま連 結 する タイ プ のも ので あ る 。た だ,発 音と して は 後部 要素 の 高さ の動 きが 抑え ら れ ( 記 号 p は そ の こ と を 示 す ),抑 え 方 が大 きい と「 正 体不 明」が[˹ショ˺ータ イ フメ ー]の よう な発 音 にも なる 。後部 要素 の ア クセ ント の 音声 的実 現 度を 弱め て 抑え るこ とで 全体 と して の一 体 感を 持た せ るた めと 考 え られ る。前 部は 自立 し てい て後 部 が前 部に 協力 する こ とで 一体 と なる とい う こと で自 立・協力 型と 呼 ぶ。これ は「 黒い 猫」や「 秋 の 空」 のよ う な, 意味 的 な限 定関 係 があ る文 節 連 続に 生じ る プロ セス と 同じ であ る 。 助 詞・ 助 動詞 の多 く がこ のタ イ プに 属す る が ,助 詞・ 助 動詞 の側 か ら見 ると 「 協力 型」 とい うこ と にな る。典型 的と し て「ま で」を取 り上 げる と,この 助 詞が「 空 」[ ˹ソ ˺ ラ ] に 付く 場合 ,助 詞の 意味 を 際だ たせ た けれ ば[˹ソ˺ラ˹p マ˺デ ]の よ うに「 空 」で も「 まで 」 8 でも 上昇 と 下降 をさ せ る ) 。ただ し, 記 号 p ( 音 楽 の 強 弱 記 号 の piano) で示 した よう に 「ま で」自身 の上 昇 下降 の大 き さは「空 」に 比べ て 抑え られ る。し かし ,中 立的 な 通常 の発 音 では[˹ソ˺ラ マデ ]のよ う に, 「 ま で 」の 上昇 下 降は 完全 に 消え る形 に なる 。秋永 一 枝(編 ) 9 (2014)などで は助 詞・ 助 動詞 内の 上 昇下 降が 消 えた 形の み が記 載さ れ てい る ) 。 7) 新 形 は[ オ ˹ヨ ガ ˺ナ イ ][ ワ ˹ラ ワ ナ ˺イ ]。ふ る い ま い が 例 外 的 だ が ,前 部 要 素 し だ い で 下 が り 目 の 位 置 が 変 わ る と い う 意 味 で 乗 っ と ら れ 型 。 な お , 新 形 と 言 っ て も 1930 年 前 後 生 ま れ の 層 に も こ の 言 い 方 を す る 人 が 少 な く な い ( 御 園 生 2014)。 秋 永 ( 編 ) (2014)に は 記 載 が な い が 「 な か っ た 」 「 な い で 」 は 伝 統 形 の 話 者 で も こ れ と 同 じ と こ ろ で 下 が る 。や は り 秋 永( 編 )に は 記 載 が な い が ,書 き こ と ば 的 な 否 定 の 「 ず ( に ) 」 も ゆ れ が あ る よ う だ ( オ ˹ヨ ˺ガ ズ [ ニ ] オ ˹ヨ ガ ˺ズ [ ニ ] ) 。 8) 前 川 喜 久 雄 ・ 五 十 嵐 陽 介 (2006)も 参 照 。 9) た だ し , 同 書 の 「 ア ク セ ン ト 習 得 法 則 」に は ,「 み た い 」と「 よ う だ 」 に つ い て だ け で は あ る が そ の — 68 — こ れに 対 し, 「ま で」が「 桜 」 [ サ ˹ク ラ ]に付 く 場合 は通 常[ サ˹クラ マ˺デ]な どと なり , 「 桜」 の 平 板 型が 生 か さ れ ,「 ま で 」 の下 降 も 生 かさ れ て い る。 こ の 場 合で も 「 ま で」 の 意味 を特 に 際だ たせ た いと きは [ サ˹ク ラ˹マ˺デ]と なり う る。 この よ う に ,「ま で 」 が 付く 場 合 は 前部 要 素 の アク セ ン ト は変 容 を 受 けな い 。 そ して 助 詞 自身 は , 表 面的 な 実 現 形は 抑 え ら れる こ と が あ って も ,「 ま 」の 後 で 下 がる ア ク セ ント を持 って い るこ とは 明 らか であ る 。つ まり ,こ れは 自分 の アク セン ト の表 面的 な 実現 形を 抑え て前 部 要素 のア ク セン トを 生 かす とい う 協 力型 の助 詞 であ る。 3.6 自立・ 協力 型に 関 する 補足(1): 「 が」 な どの 扱い に つい て 格助 詞 の 「 が・ を ・ に ・で ・ か ら ・と 」 や 「 は ・も 」「 ほ ど 」も 協 力 型 と考 え る こ とが でき る 。 「が 」で代 表さ せ て考 える と , 「桜 が 」 [ サ ˹ク ラ ガ ], 「空 が 」 [ ˹ソ ˺ラ ガ ]の よう に「桜 」 「空 」の ア クセ ント を 変え るこ と なく ,そ の 末 尾と 同じ 高 さで 接続 す る。 た だ し , 和 田 (1969)は 上 記 の 助 詞 を 「 従 属 す る 辞 」 と し ,「 ま で ・ よ り ・ な ど 」 な ど の 「独 立す る 辞」と は 別の 類型 に 分類 する。 ま た ,川上(1966)は 1 モー ラの 助詞 は アク セン トの 型を 持 って おら ず ,2 モ ーラ のも の と性 格 が異 なる と する 。 上 記の 助 詞が 名詞 に 付く とき ,名詞 のア ク セ ント をそ の まま 生か す 形で 接続 す る。その 点に 注目 す ると ,本 稿 の枠 組み で は前 部要 素 が 全体 のア ク セン トを 決 めて いる と いう 意味 で乗 っと ら れ型 にも 見 え,した がっ て「 ま で」等と は異 な るよ うに も 思え る。しか し,こ うし た助 詞 は「に は 」 「 で は」 「 か らも 」のよ う な複 合形 で は「ま で 」等 と同 じ ふる まい を し, 「 桜に は 」 [ サ˹クラ ニ˺ワ ] ( サ ˹ク ラ ˹ニ˺ワ ), 「空 でも 」 [˹ソ˺ラデ モ ] ( ˹ソ˺ラ ˹p デ˺モ ]) とな る。これ は,これ ら の助 詞が 本 来乗 っと ら れ型 では な いこ とを 示 す。乗 っ とら れ型 に も見 える の は単 独で は 内部 に下 が り目 がな い か らで ある 。アク セン ト 的に 自立 す る前 部要 素に 対し て ,内 部に 下 がり 目は な いと いう 特 徴 を生 かし つ つ協 力す る とい うこ と で,上記 の助 詞も「 まで 」等と 同 じく 協力 型 であ ると 考 える 10 ) 。 「が」 「 は・も 」の後 には 他 の助 詞 は付 かな い が,そ れ以 外で「 に・で 」等 と異 な る 音調 的ふ る まい はし な いの で同 様 に扱 う 。 3.7 自立・ 協力 型に 関 する 補足(2):助 詞・ 助動 詞を 重ね る 場合 「か らˈは , だけˈで , でˈは, にˈも ,ほ どˈは 」の よ う に ,協 力 型 の助 詞 で 単 独で は 下 がり 目を も たな いも の が別 の協 力 型の 助詞 に 連 続す ると き には ,両 者 の境 界に 下 がり 目が 生じる 11) 。 ただ し , 後 部 の 助 詞を 強 調 し て 発 音 す る 場 合 は下 が り 目 は 消 え る 。ま た 「 ま ˈ では ,まˈでに は 」等 は最 初 の下 がり 目 が生 きる 。 ア ク セ ン ト が 顕 在 化 し う る 旨 の 注 釈 が あ る ( 表 9,10 の 注 1)。 10) こ れ ら の 助 詞 は 直 前 形 式 と 一 体 化 し て 全 体 と し て 1 ア ク セ ン ト 単 位 の 1 語 と 同 じ ふ る ま い を す る (「 タ イ ガ 」 と「 鯛 が 」,「 柏 」 と「 貸 し は 」な ど )。「 が 」( 逆 説 )「 け ど 」「 し 」「 た 」「 て 」「 と 」「 な 」 の よ う に 直 前 で 下 が る 助 詞 も 同 様 で あ る 。こ れ に 対 し て「 ま で 」等 は 直 前 形 式 と 一 体 化 し て 1 ア ク セ ン ト 単位と同じふるまいをすることが多いという点でこれらの助詞群とやや異なる。 11) こ れ を , 助 詞 自 体 に 次 に 下 げ る 力 が あ る た め と す る 考 え 方 が あ る 。 奥 田 (1980)は そ の ひ と つ で , 助 詞 末 の 下 げ が 文 で は あ ら わ れ な い こ と に つ い て「 文 節 末 の ア ク セ ン ト 核 は ,音 声 表 示 の レ ベ ル で は 下 が り 目 と し て 実 現 さ れ な い 」と 言 う 。し か し ,文 節 末 の 下 が り 目 が 音 に あ ら わ れ る こ と は「 花 見 た 」と「 鼻 見 た 」が 区 別 さ れ る こ と か ら 明 ら か で( 川 上 蓁 1963 参 照 ),助 詞 自 体 に 次 で 下 げ る 力 が あ る と 考 え る と 逆 に 矛 盾 が 生 じ る 。 こ こ で は 下 が り 目 の 挿 入 は 複 合 形 の 特 徴 と 見 る 。 協 力 型 で は な い が 「 な ˈい で 」 も 「ない」と「て」の間に下がり目が入り,それが特殊モーラのために前にずれると考えておく。 — 69 — 3.8 自立・ 協力 型に 関 する 補足(3):「 順接 」 と 「低 接」 に つい て こ の節 と 次節 では , 実用 的観 点 から の重 要 性 は小 さい が 理論 的な 問 題を 検討 す る。 「 桜 ま で 」 の 通 常発 音 で あ る [ サ˹ク ラ マ˺デ ] で は,「 ま で 」 の 冒 頭 は「 桜 」 の 末 尾 の 高さ をそ の まま 引き 継 いで いる 。 「空 まで 」[ ˹ソ˺ラ マ デ ] で も同 様で あ る。この よう に,協 力型 のう ち 通常 の発 音 で直 前の 高 さを 受け 継 ぐ 接続 形式 を 順接 と呼 ぶ こと にす る 12 ) 。 こ れに 対 し,助詞 では な いが 名詞 に 付く「た ち 」は 協力 型で 典 型的 な低 接 の接 辞で あ る。 平板 型 名 詞の 「 私 」[ ワ ˹タ シ ] に 対し て は「 私 た ち 」[ ワ ˹タ シ ˺タ チ ] の よう に 末 尾に 対 して 一段 低く 付 き ,起 伏式 の「 ぼく 」に対 し ては「 ぼく たち 」[ ˹ボ˺ク タ チ ] と 付く 。 「 ぼく 」の 末尾 では す でに 低く な って いる の で,それ 以上 積極 的に 下 げて 付く と いう こと は ない ( ボ か ら ク へ の 下 降 を 引 き 継 ぐ 形 で タ チ で も 下 が っ て は い く が 積 極 的 な 下 げ で は な い )。 終 助詞 の「よ 」に は順 接 の用 法と 低 接の 用 法 があ る ( 轟 木 靖 子 2008 参 照 )。本 稿 では 扱 わ ない が, 終 助詞 類の 音 調を 考え る 際に は順 接 と 低接 の区 別 が重 要に な る。 3.9 自立・ 協力 型に 関 する 補足(4):平 板型 動詞 の平 板型 と 尾高 型の 発 音に つい て 助 詞 「 な ど 」 は 協 力 型 だ が ,「 笑 う な ど」[ ワ ˹ラ ウ ˺ナ ド ],「 浴 び る な ど 」[ ア ˹ビ ル ˺ ナ ド ] のよ うに ,平板 型と 言 われ る動 詞 の終 止連 体 形 に対 して 低 く付 く。実 用上 は「 な ど」が協 力型 で,平 板型 動詞 に 低く 付く こ とが わか れ ば よい 。し か し,ある 助 詞・助動 詞 が低 く付 くか らと 言 って ,そ れ は助 詞・助 動詞 が上 述 の 低接 の性 質 を持 って い るた めだ と は限 らな い 13 ) 。動詞の 方 が実 はア ク セン トと し て平 板型 で はな く尾 高 型で ある と 考え ると 都 合が よ い場 合が あ る。 「 など 」 「 なり 」 「 やら 」がそ うで ある 。これ らは 平 板型 名詞 に「 桜な ど 」 [サ ˹ク ラ ナ ˺ド ]のよ うに 同 じ高 さで 付 く点 を見 れ ば 順接 タイ プ の助 詞で あ る。同じ 機 能の 助詞 であれば名詞に付く場合も動詞に付く場合もアクセントとしての性質は同じと考えるの が 自然 だ が , そう だ と す ると ,「 笑 う など 」 に お ける 「 笑 う 」の ア ク セ ント は 尾 高 型で あ り,そ れ に順 接の「な ど」が付 い てい ると 考 え るこ とで 先 行の 品詞 に よら ない 一 貫し た説 明が でき る。また , 「笑 う場 面 」 [ ワ ˹ラ ウ バ メ ン ] では「 笑 う」は平 板型 と 考え られ る ので , 平板 型と さ れる 動詞 の 終止 連体 形 には 実は 平 板 型と 尾高 型 の両 形が あ るこ とに な る 14 ) 。 12) 「 順 接 」 は 和 田 (1969)の 用 語 だ が , 本 稿 で は 和 田 氏 の 用 法 と は 違 い , 助 詞 助 動 詞 の 内 部 で の 変 化 の 有無にかかわらず,接続のしかたがどうかのみに注目した概念として用いている。和田氏自身は「が」 は 順 接 だ が「 ま で 」は 順 接 と は 見 ず「 独 立 す る 辞 」と す る 。こ れ は 内 部 で 下 降 す る 点 に 独 立 性 を 見 る か ら で あ ろ う 。接 続 の し か た と 内 部 で の 変 化 と い う ふ た つ の 次 元 が 混 在 し た 概 念 に な っ て い る よ う で あ る 。 13) 理 論 的 に は 以 下 の 可 能 性 が あ る 。① 動 詞 に 付 く 場 合 の「 な ど 」は 低 接 の 性 質 を 持 つ; ② こ の 場 合 の 「笑う」は尾高型である;③「など」が動詞に付くのは,動詞が引用として使われている場合であり, 引用された形式の後にはイントネーション的現象として下降が入る;④以上のうちのい くつか の複合 。 ③ に つ い て ,引 用 の「 と 」は 平 板 型 の 名 詞 に 付 く 場 合[ サ˹ク ラ ˺ト ]の よ う に な り が ち だ と さ れ る( 秋 永 一 枝 編 2014,表 5 注 1)。た だ し ,現 代 の 実 態 と し て は 下 が ら な い こ と も 多 い よ う で あ る 。ま た , 「立 派 な 」 や 「 と き ど き 」 は 「 立 派 な 人 」[ リ ッ ˹パ ナ ヒ ト ] や 「 と き ど き 見 ま す 」[ ト ˹キ ド キ ミ マ ˺ス ] で は 平 板 型 だ が , ク イ ズ の 答 え を 「 正 解 は 『 立 派 な 』 で す 」[ リ ッ ˹パ ナ ˺デ ス ],「 正 解 は 『 と き ど き 』 で す」 [ ト ˹キ ド キ ˺デ ス ]と 言 う 場 合 は「 で す 」の 前 で 下 が る よ う で あ る 。し か し「 正 解 は『 桜 』で す 」 [サ ˹ク ラ デ ˺ス ]は「 で す 」の 前 で 下 が ら な い 。こ う し た 現 象 が 生 じ る の は ,引 用 で あ る こ と を 意 識 し た 発 音では引用部の末尾を下げる(そしてポーズを置く)と考えるのが妥当かと思われる。 14 ) 平 板 式 動 詞 の 終 止 連 体 形 の ア ク セ ン ト に 平 板 型 と 尾 高 型 の 解 釈 が で き る こ と へ の 言 及 は 以 前 か ら あ る( 金 田 一 春 彦 1957,和 田 1969)。早 田 (1965)は 動 詞 語 幹 に 両 形 を 設 定 し て 整 理 を お こ な い ,轟 木 (1995, — 70 — 4 個別の 助 詞・ 助動 詞 の分 類と 具 体的 な音 調 形 アク セ ン ト の複 合 形 態 ごと に 分 類 し た助 詞 ・ 助 動詞 の 一 覧 は表 2 の とお り で あ る 。順 接 ・低 接 の 区 別と 平 板 型 動詞 の 平 板 型と 尾 高 型 の 区別 は 実 用 的に は 不 要 なの で 省 略 した 。 ま た,50 音 順に 並 べ た 助詞 ・ 助 動 詞 につ い て 具 体的 な 音 調 形を 稿 末 の 付表 に ま と め た。 付表 では+記号 は ,そ の前 後 で分 か れる 協力 型 の アク セン ト であ るこ と を示 す 。+˺+は下 が り目 が先 行 形式 のも の か助 詞・助 動詞 の もの か 決め がた い か,どち ら でも な いこ とを 示 す 。 先 述の よ うに いず れ の表 も秋 永 一枝( 編)(2014)の「アク セン ト 習得 法則 」と 本文 に 挙 げら れた 音 調形 を整 理 した もの だ が,同書 で 前 部要 素が こ のま まの 形 で記 載さ れ てい ない もの も付 表 には 含ま れ る。 語形 と 音調 形の 右 に*印を 付け た もの は同 書 に記 載が な い。 謝辞 草 稿 の 内 容 へ の コ メ ン ト と 情 報 を い た だ い た 角 道 正 佳 氏 と 轟 木 靖 子 氏 に 感 謝 し ま す 。 2008)は こ の 区 別 を 終 助 詞 類 に 適 用 し て い る 。 『 新 明 解 国 語 辞 典 』の 第 四 版 か ら 第 六 版 ま で は 平 板 型 動 詞 の 終 止 形 の ア ク セ ン ト を 尾 高 型 と し て い た ( 柴 田 武 1989 参 照 )。 し か し , そ の 根 拠 は 引 用 の 助 詞 「 と 」 を 付 け た 形 で の 調 査 結 果 で あ り ,そ れ は 助 詞 の 影 響 と 見 る と い う こ と で 第 七 版 で は 尾 高 型 は 記 載 さ れ て い な い ( 上 野 善 道 2012)。 上 村 幸 雄 (1989)は す べ て 尾 高 型 と 見 て い る よ う で あ る 。 平 板 型 動 詞 の 終 止 連 体 形 に 平 板 型 と 尾 高 型 が あ る と 見 る 根 拠 と し て ,轟 木 (1995)は 終 助 詞「 か 」と「 さ 」 が 名 詞 に は 同 じ 高 さ で 付 く が ,動 詞 の 終 止 連 体 形 に は 通 常 低 く 付 く こ と を あ げ る 。本 稿 本 文 で 述 べ た「 な ど」 「なり」 「 や ら 」の ほ か , 「 だ ろ う・で し ょ う 」 「 さ え 」,格 助 詞「 が 」の ふ る ま い も 傍 証 に な り う る 。 た と え ば「 桜 で し ょ う 」は[ サ ˹ク ラ デ シ ョ ˺ー ]だ が( 順 接 ), 「 笑 う で し ょ う 」は[ ワ ˹ラ ウ デ シ ョ ˺ー ] と [ ワ ˹ラ ウ ˺デ シ ョ ー ] の 両 形 が あ る 。 後 者 は 三 省 堂 編 修 所 ( 編 ) (1958)等 に は 記 載 が な く , 新 し い 形 か と 思 わ れ る 。こ こ で 動 詞 に 付 く「 で し ょ う 」の ア ク セ ン ト が 順 接 か ら 低 接 に 変 化 中 だ と 考 え る と ,名 詞 に 付 く と き に 順 接 し か な い こ と が 説 明 し に く い 。そ れ よ り も「 笑 う 」に 平 板 型 と 尾 高 型 の 2 種 類 が あ る と 考 え ,「 で し ょ う 」 が 付 く 場 合 は 平 板 型 か ら 尾 高 型 に 変 化 中 だ と 考 え る 方 が 合 理 的 で あ る 。 格 助 詞 「 が 」 の 場 合 は ,「 桜 が 」[ サ ˹ク ラ ガ ] の よ う に 名 詞 に は 順 接 す る 。 こ れ に 対 し ,「 笑 う が 」 は [ ワ ˹ラ ウ ˺ガ ] が 現 状 で は 優 勢 の よ う だ が [ ワ ˹ラ ウ ガ ] も あ る 。 三 省 堂 編 修 所 ( 編 ) (1958)に は 後 者 の み が あ が り , 秋 永 一 枝 ( 編 ) (2014)で は 格 助 詞 と 明 記 の 上 で 両 形 が 記 載 さ れ て い る 。 佐 久 間 (1929)は 動 詞 に 付 く「 が 」な ど は 後 者 式 の 発 音 だ と す る が ,例 外 も 認 め る 。も し 動 詞 に 付 く「 が 」に 順 接 と 低 接 の 2 種 類 が あ る と 考 え る と ,名 詞 に 付 く と き に 順 接 し か な い こ と が 説 明 し に く い 。こ こ で も「 笑 う 」に 平 板 型 と 尾高型の 2 種類があると考え,助詞が付く場合の現在の主流は尾高型だと考える方が合 理的で あろう 。 た だ し ,上 で 傍 証 に な り う る と し た も の に は ,直 前 形 式 を 引 用 形 扱 い す る た め に 下 が る 発 音 が 含 ま れ ている可能性がある。尾高型と引用の 2 要因が複合していると考えるのが現実的かもしれない。 平 板 型 と 尾 高 型 の 区 別 は , 平 板 型 動 詞 の 音 便 形 に 「 た 」「 て 」 が 付 く 形 ( タ 形 ・ テ 形 ) や 連 用 形 , そ し て 平 板 型 形 容 詞 の 終 止 連 体 形 に 対 し て も 考 え る の が 有 用 で あ る 。「 笑 っ た 顔 」[ ワ ˹ラ ッ タ カ オ ],「 笑 って許す」 [ ワ ˹ラ ッ テ ユ ル ˺ス ]の「 笑 っ た 」 「 笑 っ て 」は 平 板 型 だ が , 「笑ったやら」 [ ワ ˹ラ ッ タ ˺ヤ ラ ], 「 笑 っ て か ら 」[ ワ ˹ラ ッ テ ˺カ ラ ]と い う 発 音 に お け る「 笑 っ た 」 「 笑 っ て 」は ,本 文 に 記 し た 考 え 方 を す れ ば 尾 高 型 と な る 。「 笑 っ て は 」「 笑 っ て た 」も 同 様 。連 用 形 は ,「 桜 さ え 」[ サ ˹ク ラ サ ˺エ ]に 対 す る 「笑いさえ」 [ ワ ˹ラ イ サ ˺エ ワ ˹ラ イ ˺サ エ ]の ゆ れ が 平 板 型 と 尾 高 型 の 設 定 に よ り 説 明 し や す く な る 。 「 さ え 」 は 佐 久 間 (1929), 金 田 一 (1952)で は 低 く 付 く 形 だ け が 出 て い る 。 助 詞 が 付 く 連 用 形 は 終 止 連 体 形 と は 逆 に 尾 高 型 か ら 平 板 型 へ の 変 化 傾 向 が 考 え ら れ る が ,「 笑 い は し な い 」[ ワ ˹ ラ イ ˺ ワ ] は 尾 高 型 。 た だ し ,名 詞 に は 直 接 付 か な い 助 詞・ 助 動 詞 で は , 禁 止 の「 笑 う な 」[ ワ ˹ラ ウ ˺ナ ]の「 な 」や ,「 笑 う け ど 」[ ワ ˹ラ ウ ˺ケ ド ] の 「 け ど 」 の よ う に , 要 素 境 界 で の 下 降 が 活 用 部 分 の 特 徴 な の か 助 詞 ・ 助 動 詞の性格なのかが決められないものがある。 — 71 — 引用 文献 秋 永 一 枝 ( 編 ) (2014)『 新 明 解 日 本 語 ア ク セ ン ト 辞 典 第 2 版 』 三 省 堂 . 上 村 幸 雄 (1989)「 現 代 日 本 語 音 韻 」 亀 井 孝 他 ( 編 )『 言 語 学 大 辞 典 第 2 巻 』 1692-1716, 三 省 堂 . 上 野 善 道 (2012)「 ア ク セ ン ト 表 示 に つ い て 」『 新 明 解 国 語 辞 典 第 七 版 』 三 省 堂 . 岡 田 英 俊 (1988)「 東 京 方 言 の 複 合 語 ア ク セ ン ト 記 述 の 体 系 」『 言 語 研 究 』 94, 50-74. 奥 田 邦 男 (1980)「 生 成 音 韻 論 か ら 見 た 辞 の ア ク セ ン ト 」『 国 語 教 育 研 究 』( 広 島 大 学 ) 26 上 ,473-482. 川 上 蓁 (1963)「『 花 高 し 』 と 『 鼻 高 し 』 —東 京 ア ク セ ン ト 段 階 観 の 限 界 — 」『 音 声 学 会 会 報 』 82,6-8. 川 上 蓁 (1966)「 体 言 に つ く 一 拍 の 助 詞 の ア ク セ ン ト 」『 音 声 の 研 究 』 12, 239-253. 木 部 暢 子 (1983)「 付 属 語 の ア ク セ ン ト に つ い て 」『 国 語 学 』134, 23-42. 金 田 一 春 彦 (1943)「 標 準 語 ア ク セ ン ト の 解 説 」『 明 解 国 語 辞 典 』 三 省 堂 . 金 田 一 春 彦 (1952)「 標 準 ア ク セ ン ト の 手 引 き 」『 明 解 国 語 辞 典 改 訂 版 』 三 省 堂 . 金 田 一 春 彦 (1957)「 日 本 語 ア ク セ ン ト 卑 見 」『 国 語 研 究 』( 国 学 院 大 学 ) 7, 1-32. 郡 史 郎 ( 2015 予 定 )「 ア ク セ ン ト の 複 合 形 態 と 長 い 複 合 語 の ア ク セ ン ト 」 . 小 森 法 孝 (1987)『 日 本 語 ア ク セ ン ト 教 室 』 新 水 社 . 匂 坂 芳 典・佐 藤 大 和 (1983)「 日 本 語 単 語 連 鎖 の ア ク セ ン ト 規 則 」 『 電 子 情 報 通 信 学 会 論 文 誌 D』J66-D (7), 849-856. 佐 久 間 鼎 (1929)『 日 本 音 声 学 』 京 文 社 ( 風 間 書 房 復 刻 版 1963). 酒 井 裕 (1992)『 音 声 ア ク セ ン ト ク リ ニ ッ ク 』 凡 人 社 . 佐 藤 大 和 (1989)「 複 合 語 に お け る ア ク セ ン ト 規 則 と 連 濁 規 則 」『 講 座 日 本 語 と 日 本 語 教 育 2 日 本 語 の 音 声 ・ 音 韻 ( 上 )』 233-265. 三 省 堂 編 修 所 ( 編 ) (1958)『 明 解 日 本 語 ア ク セ ン ト 辞 典 』 三 省 堂 . 柴 田 武 ( 1989)「 ア ク セ ン ト 表 示 に つ い て 」『 新 明 解 国 語 辞 典 第 4 版 』 三 省 堂 . 清 水 め ぐ み (2001)「 東 京 語 の 助 詞 の ア ク セ ン ト 」『 国 語 研 究 』( 国 学 院 大 学 ) 64, 32-63. 神 保 格 ・ 常 深 千 里 (1932)『 国 語 発 音 ア ク セ ン ト 辞 典 』 厚 生 閣 . 田 中 宣 廣 (2005)『 付 属 語 ア ク セ ン ト か ら み た 日 本 語 ア ク セ ン ト の 構 造 』 お う ふ う . 田 中 ゆ か り (2010)『 首 都 圏 に お け る 言 語 動 態 の 研 究 』 笠 間 書 院 . 轟 木 靖 子 (1995)「 終 助 詞 か ら 見 た 平 板 型 動 詞 の ア ク セ ン ト 」『 音 声 学 会 会 報 』 208, 1-8. 轟 木 靖 子 (2008)「 東 京 語 の 終 助 詞 の 音 調 と 機 能 の 対 応 に つ い て —内 省 に よ る 考 察 —」 『 音 声 言 語 Ⅵ 』5-28. 林 大 (1954)「 ア ク セ ン ト 私 見 」『 跡 見 学 園 紀 要 』1, 71-82. 早 田 輝 洋 (1965)「 動 詞 ・ 形 容 詞 な ど の 活 用 と ア ク セ ン ト 」『 文 研 月 報 』 4 月 号 , 30-39/73, 折 り 込 み 付 表 . 平 山 輝 男 (1960)『 全 国 ア ク セ ン ト 辞 典 』 東 京 堂 出 版 . 前 川 喜 久 雄 ・ 五 十 嵐 陽 介 (2006)「2 モ ー ラ 有 核 助 詞 の 韻 律 上 の 独 立 性 —『 日 本 語 話 し 言 葉 コ ー パ ス 』 の 分 析 —」『 音 声 研 究 』 10(2),33-42. 御 園 生 保 子 (2014)「 高 年 齢 層 生 え 抜 き 話 者 に お け る 東 京 方 言 動 詞 否 定 形 の ア ク セ ン ト 」『 日 本 方 言 研 究 会 第 99 回 研 究 発 表 会 発 表 原 稿 集 』 屋 名 池 誠 (1987)「 述 部 の ア ク セ ン ト —現 代 東 京 方 言 述 部 の 形 態 =構 文 論 的 記 述 [3]—」 『 学 苑 』573, 106-91,. 李 連 珠 (2010)「 動 詞 活 用 形 に お け る ア ク セ ン ト 交 替 規 則 」『 日 本 語 研 究 の 12 章 』 444-457, 明 治 書 院 . 永 田 吉 太 郎 (1935)「 旧 市 域 の 音 韻 語 法 」 斎 藤 秀 一 ( 編 )『 東 京 方 言 集 』18-143, 私 家 版 .( 活 字 復 刻 版 : 国 書 刊 行 会 1976) 和 田 實 (1969)「 辞 の ア ク セ ン ト 」 『国語研究』 ( 国 学 院 大 学 )29, 1-20.( 徳 川 宗 賢 編『 論 集 日 本 語 研 究 2 ア ク セ ン ト 』 有 精 堂 出 版 1980 所 収 ) Haraguchi, Shosuke (1999) "Accent." in Natsuko Tsujimura (ed.) The Handbook of Japanese Linguistics, 1-30. Blackwell. Higurashi, Yoshiko (1983) The accent of extended word structures in Tokyo Standard Japanese. Tokyo: Educa Inc. McCawley, James D. (1968) The phonological component of a grammar of Japanese. Hague : Mouton. Yamaguchi, Kyoko (2010) "The difference in accentuation between the present and the past tenses of verbs in Japanese"『 音 声 研 究 』 14(3), 1-10. Zamma, Hideki (1992) "The accentuation system of Japanese inflection." Tsukuba English Studies 11, 117-148. — 72 — — 73 — 乗っ ② 動詞化 ワ˹ラウ˺+カラ ワ˹ラウ+˺+ガ 「浴びる」 ア˹ビル˺+カラ ア˹ビル+˺+ガ ①ア˹ビル˺+ガ,②ア˹ビル+ガ 「白い」 「赤い」 ア˹カ˺イ+カラ ア˹カ+˺カッ+タ シ˹ロ˺イ+カラ ア˹カ˺イ+ガ ˹シ˺ロ+カッ+タ シ˹ロ˺+カッタ* ア˹カ˺イ+ガ シ˹ロ˺イ+ガ シ˹ロ˺イ+ガ 形容詞 平板式 ② たが(ˈ)る () サ˹クラ+デ˺ス サ˹クラ+デ˺モ ˹ソ˺ラ+デス ˹ソ˺ラ+デモ でˈも サ˹クラ+デショ˺ー ○ サ˹クラ+デ ˹ソ˺ラ+デショー サ˹クラ+ダロ˺ー ˹ソ˺ラ+ダロー ˹ソ˺ラ+デ サ˹クラダケ ①ソ˹ラダケ ②˹ソ˺ラ+ダケ サ˹クラ+ダ サ˹クラ+ダ+˺+ッタ* ○ でしょˈう 動詞連用形 動詞化 形容詞化 ˹ソ˺ラ+ダ ˹ソ˺ラ+ダ+ッタ* シ˹ラ˺ベ+テ シ˹ラ˺ベ+テ+ル* シ˹ラ˺ベ+テ+タ* オ˹ヨ˺イ+デ オ˹ヨ˺イ+デ+ル* オ˹ヨ˺イ+デ+タ* シ˹ラベ˺ルデショー ①シ˹ラベ˺ツ△ツ ②シ˹ラベツ△˺ツ ①オ˹ヨギ˺ツ△ツ ②オ˹ヨギツ△˺ツ オ˹ヨ˺グデショー シ˹ラベ˺ル+ダロー ①シ˹ラベルダケ ②シ˹ラベ˺ル+ダケ シ˹ラベタガ˺ル シ˹ラベタ˺イ シ˹ラ˺ベ+タ シ˹ラベ˺ル+ソーダ シ˹ラベ˹ソ˺ーダ シ˹ラベ˺ル+シ△カ シ˹ラベ˺ル+シ オ˹ヨ˺グ+ダロー ①オ˹ヨグダケ ②オ˹ヨ˺グ+ダケ オ˹ヨギタガ˺ル オ˹ヨギタ˺イ オ˹ヨ˺イ+ダ オ˹ヨ˺グ+ソーダ オ˹ヨギソ˺ーダ オ˹ヨ˺グ+シ△カ ①サ˹クラ+シ△カ ②サ˹クラ+˺シ△カ 動詞連用形 オ˹ヨ˺グ+シ サ˹クラ+ダ+˺+シ* シ˹ラベサセ˺ル シ˹ラベサ˺セ+タ* オ˹ヨガセ˺ル オ˹ヨガ˺セ+タ* ˹ソ˺ラ+ダ+シ* シ˹ラベ˺ル+サエ/ シ˹ラ˺ベ+サエ シ˹ラベ˺ル+ケド ①シ˹ラベ˺ル+クライ ②シ˹ラベルク˺ライ オ˹ヨ˺グ+サエ/ オ˹ヨ˺ギ+サエ オ˹ヨ˺グ+ケド ①オ˹ヨ˺グ+クライ ②オ˹ヨグク˺ライ 「しˈか」も ˹ソ˺ラ+シ△カ あり サ˹クラ+サ˺エ サ˹クラ+ダ+˺+ケド* ˹ソ˺ラ+ダ+ケド* ˹ソ˺ラ+サエ サ˹クラ+ク˺ライ ①˹ソ˺ラ+クライ ②ソ˹ラク˺ライ でˈす,でˈし△た* ○ ①② で,でˈは ①② ② ○ ①② ① ① て,てˈは, てる*,ている*,てみˈる* てˈた*,てˈて* ˈつ△つ / つ△ˈつ だろˈう だけ,だけˈは* ○ ○ だ, だˈった*,だˈって*,だˈと* た(ˈ)い ○ た,たˈら,たˈり ①② ○ ○ ○ ○ ○ ① ①② そˈう[だ] (伝聞) そ⁽ˈ⁾う[だ] (推量) し△か / ˈし△か ˈし (列挙・理由*) 〈さ〉せ⁽ˈ⁾る・〈さ〉⁽ˈ⁾せた* さˈえ ˈければ (形容詞) ˈけど くˈらい く / ˈく (形容詞) くˈは ①ワ˹ラウデショ˺ー ②ワ˹ラウ˺デショー ワ˹ラッ+テ ワ˹ラッ+テ+ル* ワ˹ラッ+テ˺+タ* ①ア˹ビルデショ˺ー ②ア˹ビル˺デショー ア˹ビ+テ ア˹ビ+テ+ル* ア˹ビ+テ˺+タ* ①ア˹ビ˺ツ△ツ ②ア˹ビツ△˺ツ ①ア˹ビル+ダロ˺ー ②ア˹ビル˺+ダロー ①ワ˹ラウ+ダロ˺ー ②ワ˹ラウ˺+ダロー ①ワ˹ライ˺ツ△ツ ②ワ˹ライツ△˺ツ ア˹ビルダケ ①ア˹ビタガ˺ル ②ア˹ビタガル ワ˹ラウダケ ア˹ビタイ 《ア˹ビタ˺イ*》 ①ワ˹ライタガ˺ル ②ワ˹ライタガル ア˹ビ+タ ア˹ビル+ソ˺ーダ ア˹ビソーダ ①ア˹ビル+シ△カ ②ア˹ビル˺+シ△カ ア˹ビル+˺+シ ア˹ビサセル ア˹ビサセ+タ* ①ア˹ビル˺+サエ/ア˹ビ˺+サエ ②ア˹ビル+サ˺エ/ア˹ビ+サ˺エ ア˹ビル+˺+ケド ア˹ビル+ク˺ライ ワ˹ライタイ ワ˹ライタ˺イ* ワ˹ラッ+タ ワ˹ラウ+ソ˺ーダ ワ˹ライソーダ ①ワ˹ラウ+シ△カ ②ワ˹ラウ˺+シ△カ ワ˹ラウ+˺+シ ワ˹ラワセル ワ˹ラワセ+タ* ①ワ˹ラウ˺+サエ/ワ˹ライ˺+サエ ②ワ˹ラウ+サ˺エ/ワ˹ライ+サ˺エ ワ˹ラウ+˺+ケド ワ˹ラウ+ク˺ライ シ˹ロ˺イ+デス シ˹ロ˺イ+デショー ˹シ˺ロ+ク△+テ →シ˹ロ˺ク△+テ シ˹ロ˺イ+ダロー ①シ˹ロイダケ ②シ˹ロ˺イ+ダケ シ˹ロ˺イ+ソーダ シ˹ロソ˺ーダ シ˹ロ˺イ+シ ア˹カ˺イ+デス ①ア˹カイ+デショ˺ー ②ア˹カ˺イ+デショー ア˹カ+˺ク△+テ ①ア˹カイ+ダロ˺ー ②ア˹カ˺イ+ダロー ア˹カイダケ ア˹カイ+ソ˺ーダ ア˹カソーダ ア˹カ˺イ+シ ア˹カイ+サ˺エ ア˹カ+˺ケレバ ˹シ˺ロ+ケレバ シ˹ロ˺+ケレバ* シ˹ロ˺イ+サエ ア˹カ˺イ+ケド シ˹ロ˺イ+ケド ①シ˹ロ˺イ+クライ ア˹カイ+ク˺ライ ②シ˹ロイク˺ライ くなˈる* (形容詞) シ˹ラベ˺ル+カラ シ˹ラベ˺ル+ガ 「笑う」 ①ワ˹ラウ˺+ガ,②ワ˹ラウ+ガ 形容詞 起伏式 ア˹カ+˺ク△+テ オ˹ヨ˺グ+カラ オ˹ヨ˺グ+ガ 「調べる」 シ˹ラベ˺ル+ガ 動詞 平板式 ˹シ˺ロ+ク+ナル ア˹カ+ク+ナˈル →シ˹ロ˺ク+ナル サ˹クラ+ダ+˺+カラ* ˹ソ˺ラ+ダ+カラ* 「泳ぐ」 オ˹ヨ˺グ+ガ 動詞 起伏式 ˹シ˺ロ+ク△+テ →シ˹ロ˺ク△+テ サ˹クラ+カラ ˹ソ˺ラ+カラ サ˹クラ+ダ+˺+ガ* ˹ソ˺ラ+ダ+ガ* 「桜」 サ˹クラ+ガ ˹ソ˺ラ+ガ 「空」 名詞 平板式 ˈく△て (形容詞) ○ †から,からˈは 名詞 起伏式 ①ア˹カ+ク ②ア˹カ+˺ク ○ ˈかった (形容詞) 注10参照 注 ˹シ˺ロ+ク ○ 型 ˈが(逆接) 型 協力 ①② ○ 乗っ とり が(格助詞) 型 れ とら — 74 — れ を 〈ら〉れ⁽ˈ⁾る,〈ら〉⁽ˈ⁾れた* らしˈい よˈり よˈうだ (推量) ① ○ や,†やˈら ①② ② ①② ○ ○ も ○ ○ みˈたい[だ] 〈よ〉ˈう (意思) ○ まˈで ○ ○ まˈす・まˈし△た,ませˈん・ ましょˈう ○ ほど,ほどˈは* ① ばˈかり へ,へˈは*,へˈも* ○ ①② ˈば (仮定) は ○ のˈみ 特殊 ○ ○ しに行く・来る) ˈのだ,ˈので,ˈのに,ˈのは ( なのだ) の に ( ○ ② ○ †なˈり (=なりと,でも) ①② ○ †なˈら[ば] に,にˈは* ○ †なˈど な⁽ˈ⁾がら ○ ○ ⁽ˈ⁾なˈかった*,⁽ˈ⁾なˈいで* ⁽ˈ⁾なˈい《新形》* てなˈい*,くなˈい* ○ ⁽ˈ⁾ない《伝統形》 ○ ○ ˈな (禁止) な,なさˈい* (命令) ○ ①② 型 ˈと (引用) ○ 型 協力 ○ 型 乗っ とり と(条件*) と,とˈか,とˈで(並列) 乗っ とら 名詞 サ˹クラ+˺ト ˹ソ˺ラ+ト サ˹クラ+ニ ˹ソ˺ラ+ニ サ˹クラ+モ サ˹クラ+ヤ(˺ラ) ˹ソ˺ラ+モ ˹ソ˺ラ+ヤ(ラ) 注10参照 動詞化 ˹ソ˺ラ+オ サ˹クラ+オ サ˹クララシ˺ー サ˹クラ+ヨ˺リ サ˹クラ+ミ˺タイ ˹ソ˺ラ+ミタイ ˹ソ˺ラ+ヨリ サ˹クラ+マ˺デ サ˹クラ+ホド ˹ソ˺ラ+ホド ˹ソ˺ラ+マデ サ˹クラ+エ ˹ソ˺ラ+エ サ˹クラ+ワ ˹ソ˺ラ+ワ サ˹クラ+バ˺カリ オ˹ヨ˺グ+ノミ シ˹ラベ˺ル+オ シ˹ラベラレ˺ル シ˹ラベラ˺レ+タ* オ˹ヨガレ˺ル オ˹ヨガ˺レ+タ* オ˹ヨ˺グ+オ ①シ˹ラベルラシ˺ー ②シ˹ラベ˺ル+ラシー シ˹ラベ˺ル+ヨリ ①オ˹ヨグ+ラシ˺ー ②オ˹ヨ˺グ+ラシー オ˹ヨ˺グ+ヨリ シ˹ラベ˺ル+ヨーダ シ˹ラベヨ˺ー オ˹ヨゴ˺ー オ˹ヨ˺グ+ヨーダ シ˹ラベ˺ル+ヤラ シ˹ラベ˺ル+モ シ˹ラベ˺ル+ミタイ シ˹ラベ˺ル+マデ シ˹ラベマ˺ス シ˹ラベ˺ル+ホド ①シ˹ラベ˺ル+バカリ ②シ˹ラベルバ˺カリ シ˹ラベ˺レ+バ シ˹ラベ˺ル+ワ シ˹ラベ˺ル+ノミ シ˹ラベ˺ル+ノ+ダ シ˹ラ˺ベ+ニ シ˹ラベ˺ル+ニ シ˹ラベ˺ル+ナリ シ˹ラベ˺ル+ナラ シ˹ラベ˺ル+ナド シ˹ラベナ˺ガラ オ˹ヨ˺グ+ヤラ オ˹ヨ˺グ+モ オ˹ヨ˺グ+ミタイ オ˹ヨ˺グ+マデ オ˹ヨギマ˺ス オ˹ヨ˺グ+ホド ①オ˹ヨ˺グ+バカリ ②オ˹ヨグバ˺カリ オ˹ヨ˺ゲ+バ オ˹ヨ˺グ+ワ オ˹ヨ˺グ+ノ+ダ サ˹クラ+ノ˺ミ オ˹ヨ˺ギ+ニ オ˹ヨ˺グ+ニ オ˹ヨ˺グ+ナリ オ˹ヨ˺グ+ナラ オ˹ヨ˺グ+ナド オ˹ヨギナ˺ガラ オ˹ヨ˺イ+デ+˹ナ˺イ* シ˹ラ˺ベ+テ+˹ナ˺イ* シ˹ラベ˺ナカッタ* シ˹ラベ˺ナイ* オ˹ヨガ˺ナカッタ* オ˹ヨガ˺ナイ* シ˹ラベナ シ˹ラベ˺ル+ナ シ˹ラベ˺ル+ト シ˹ラベ˺ル+ト シ˹ラベ˺ル+トカ 「調べる」 シ˹ラベ˺ナイ ˹ソ˺ラ+ノミ ①˹ソ˺ラ+バカリ ②ソ˹ラバ˺カリ 動詞 起伏式 オ˹ヨガ˺ナイ オ˹ヨギナ オ˹ヨ˺グ+ナ オ˹ヨ˺グ+ト オ˹ヨ˺グ+ト オ˹ヨ˺グ+トカ 「泳ぐ」 ˹ソ˺ラ+ナ+ノ+ダ サ˹クラ+ナ+˺+ノ+ダ サ˹クラ+ノ サ˹クラ+ナ˺リ サ˹クラ+ナ˺ラ* ˹ソ˺ラ+ナリ ˹ソ˺ラ+ナラ* サ˹クラ+ナ˺ド サ˹クラ+ダ+˺+ト* ˹ソ˺ラ+ナド サ˹クラ+ト˺カ 「桜」 ˹ソ˺ラ+ダ+ト* ふさわしいの ①ソ˹ララシ˺ー 意では①のみ ②˹ソ˺ラ+ラシー 注10参照 注10参照 名詞 平板式 ˹ソ˺ラ+トカ 「空」 起伏式 2モーラ以上 ˹ソ˺ラ+ノ の尾高型を 平板型化 ヤ˹マ+ノ(山) 動詞連用形 注10参照 要注意 注 「笑う」 「浴びる」 ①ワ˹ラウ˺+オ,②ワ˹ラウ+オ ワ˹ラワレル ワ˹ラワレ+タ* ①ア˹ビル˺+オ,②ア˹ビル+オ ア˹ビラレル ア˹ビラレ+タ* ア˹ビルラシ˺ー ①ア˹ビル˺+ヨリ ②ア˹ビル+ヨ˺リ ワ˹ラウラシ˺ー ア˹ビル+ヨ˺ーダ ①ワ˹ラウ˺+ヨリ ②ワ˹ラウ+ヨ˺リ ア˹ビヨ˺ー ア˹ビル˺+ヤラ ①ア˹ビル˺+モ,②ア˹ビル+モ ア˹ビル+ミ˺タイ ア˹ビル+マ˺デ ア˹ビマ˺ス ア˹ビル+ホド ア˹ビル+バ˺カリ ワ˹ラウ+ヨ˺ーダ ワ˹ラオ˺ー ワ˹ラウ˺+ヤラ ①ワ˹ラウ˺+モ,②ワ˹ラウ+モ ワ˹ラウ+ミ˺タイ ワ˹ラウ+マ˺デ ワ˹ライマ˺ス ワ˹ラウ+ホド ワ˹ラウ+バ˺カリ ア˹ビレ+˺+バ ①ア˹ビル˺+ワ/ア˹ビ˺+ワ ②ア˹ビル+ワ ①ワ˹ラウ˺+ワ/ワ˹ライ˺+ワ ②ワ˹ラウ+ワ ワ˹ラエ+˺+バ ア˹ビル+ノ˺ミ ア˹ビル+˺+ノ+ダ ワ˹ラウ+ノ˺ミ ワ˹ラウ+˺+ノ+ダ ア˹ビ+ニ ①ア˹ビル˺+ニ/ア˹ビ˺+ニ ②ア˹ビル+ニ ①ワ˹ラウ˺+ニ/ワ˹ライ˺+ニ ②ワ˹ラウ+ニ ワ˹ライ+ニ ア˹ビル˺+ナリ ア˹ビル˺+ナラ ア˹ビル˺+ナド ア˹ビナガラ ア˹ビ+テ+ナ˺イ* ア˹ビナ˺カッタ** ア˹ビナ˺イ* ア˹ビナイ ア˹ビナ ア˹ビル+˺+ナ ア˹ビル+˺ト ア˹ビル+ト ①ア˹ビル˺+トカ ②ア˹ビル+ト˺カ ワ˹ラウ˺+ナリ ワ˹ラウ˺+ナラ ワ˹ラウ˺+ナド ワ˹ライナガラ ワ˹ラッ+テ+ナ˺イ* ワ˹ラワナ˺カッタ* ワ˹ラワナ˺イ* ワ˹ラワナイ ワ˹ライナ ワ˹ラウ+˺+ナ ワ˹ラウ+˺ト ワ˹ラウ+ト ①ワ˹ラウ˺+トカ ①ワ˹ラウ+ト˺カ 動詞 平板式 形容詞 形容詞 ア˹カ˺イ+ト ア˹カイ+ト ①ア˹カ˺イ+トカ ②ア˹カイ+ト˺カ 「赤い」 平板式 ア˹カ˺イ+ワ ア˹カイ+ノ˺ミ ア˹カ˺イ+ノ+ダ ア˹カ˺イ+ニ ア˹カ˺イ+ナラ* ア˹カ˺イ+ナド ①ア˹カ˺イ+ヨリ ②ア˹カイ+ヨ˺リ ア˹カイ+ヨ˺ーダ ア˹カ˺イ+ヤラ ア˹カ˺イ+モ ア˹カイ+ミ˺タイ ア˹カイ+マ˺デ ア˹カイ+ホド シ˹ロ˺イ+オ ア˹カ˺イ+オ ①シ˹ロイラシ˺ー ア˹カイラシ˺ー ②シ˹ロ˺イ+ラシー シ˹ロ˺イ+ヨリ シ˹ロ˺イ+ヨーダ シ˹ロ˺イ+ヤラ シ˹ロ˺イ+モ ˹シ˺ロイ+ミタイ シ˹ロ˺イ+マデ シ˹ロ˺イ+ホド ①シ˹ロ˺イ+バカリ ア˹カイ+バ˺カリ ②シ˹ロイバ˺カリ シ˹ロ˺イ+ワ シ˹ロ˺イ+ノミ シ˹ロ˺イ+ノ+ダ シ˹ロ˺イ+ニ シ˹ロ˺イ+ナラ* シ˹ロ˺イ+ナド ˹シ˺ロ+ク+˹ナ˺イ* ア˹カ+ク+ナ˺イ* シ˹ロ˺イ+ト シ˹ロ˺イ+ト シ˹ロ˺イ+トカ 「白い」 起伏式
© Copyright 2024 ExpyDoc