平成 26 年度 都市計画専攻 卒業論文最終発表 2015/01/28 高度成長期

平成 26 年度 都市計画専攻
卒業論文最終発表
2015/01/28
高度成長期に建設されたUR賃貸住宅団地の再編に関する課題-自治体とURの計画意向の比較を通して理工学群 社会工学類 都市計画主専攻 4 年 学籍番号 201111257 信太 一郎
指導教員:有田智一
1. はじめに
1-1 研究の背景・目的
我が国では、戦後の住宅不足に対応するため昭和 30
年代以降に日本住宅公団(現、都市再生機構。以下、
UR)によって、多くの賃貸住宅団地の開発が行われ
てきた。これらの団地開発は国の住宅政策の一環とし
て、当時の我が国の住宅不足解消に大きく貢献してき
た。しかし、建設から 50 年前後を経た現在、開発初期
の団地は、設備が老朽化・陳腐化し、住宅の規模や間
取りは現在の住宅ニーズにそぐわなくなってきている。
このような背景の中、URは平成 19 年に「UR賃貸
住宅ストック再生・再編方針」を策定した。この再編
方針に則って、URは昭和 30 年代に建設された団地に
対しては建替え事業を実施し、中には既に事業が完了
している団地も見られる。今後はより郊外部に立地し、
膨大なストックを抱える昭和 40 年代に建設されたUR
団地の再編が課題になると考えられる。一方、UR賃
貸住宅の社会的位置づけも変化しており、公団住宅(現、
UR住宅)は中堅労働者向けの住宅とされていたが、
平成 18 年の住生活基本法や翌年の住宅セーフティネッ
ト法を受けて、公営住宅とともに社会的セーフティネ
ット機能を担う役割に位置づけられている。
これらより、UR団地の再編については団地個別の
課題や再編計画のみに着目するのではなく、基礎自治
体による住宅政策の観点から団地再編について議論す
ることが重要と考えられる。特に、高度成長期に建設
された団地では、団地そのものの劣化に加え、同時期
に住民が多く入居したことによる高齢世帯の増加や、
コミュニティの崩壊、孤独死といった問題があり、団
地の再編はもはや団地管理事業者の対応だけではなく、
自治体の対応も併せて議論する必要があると言える。
団地再編に関する既往研究では、団地再編による団
地空間の変容に関するもの(1)(2)(3)、居住者の住替えに
焦点を当てたもの(4)(5)、団地再編計画への居住者参加
の方法論を考察したもの(6)が挙げられる。これらは建
替えの際に生じる問題・課題に着目しているが、建替
えが未実施の団地を対象とした研究は蓄積が少ない。
また団地管理事業者・自治体の双方の視点から団地再
編について論じたもの(7)(8)は、平成 19 年の住宅政策
転換以前の計画に基づいた場合を想定している。その
ため社会変化を踏まえた基礎自治体の住宅政策と併せ
て再度団地再編について論じる必要性があると言える。
このような背景を踏まえ、本研究では最も多くのU
R団地が供給された首都圏において、今後、衰退が懸
念される昭和 40 年代のUR団地を対象とする。特にそ
の団地の居住実態を調査・分析し、①居住実態を踏ま
えた将来的な課題を明らかにする。加えて、②対象団
地が立地する地域における基礎自治体の団地再編に対
する計画意向とURの団地再編に対する計画意向を明
らかにすることを目的とし、今後の団地再編における
政策・施策のあり方について示唆を得る。
1
1-2 研究の構成
本研究のフローは図 1 の通りである。
図 1:研究フロー
2. 高度成長期に建設されたUR団地の位置づけ
2-1 団地再編方針の整理
ここでは、URの団地再編方針を整理する。URは
平成 19 年 12 月 24 日の
「独立行政法人整理合理化計画」
の閣議決定を受け、同年 12 月 26 日に平成 30 年度まで
の方向性を示した「UR賃貸住宅ストック再生・再編
方針」を策定した。これは、UR賃貸住宅ストック約
77 万戸について、従来の供給年代ごとの単一的な管
理・整備から、団地毎の特性に応じた多様な事業手法
へ転換することを基本とし、全団地について特性に応
じて表 1 の通り 4 つの基本的類型に類型化している。
また、この方針では平成 30 年度までに約 10 万戸の
再編に着手し、約 5 万戸のストックを削減するとして
いる。さらに、平成 60 年頃までに現在のストックの概
ね 3 割を削減することを明示している。
表 1:基本的類型の手法概要
(参考文献 10 より筆者作成)
基本的類型
①団地再生
②ストック活用
③用途転換
④土地所有者への
譲渡、返還等
手法
建替え、リニューアル等
計画的修繕、バリアフリー化
住宅用途以外で活用
全面借地方式市街地住宅、特別借受賃貸
住宅は、土地所有者へ譲渡・返還
2-2. 団地再編の現状と動向の把握
URによる建替え事業の実施状況を整理した。図 2
をみると昭和 30 年代の団地の建替えは、概ね建替え事
業実施、または着手済みとされており、今後は昭和 40
年代の団地再生に順次、着手するとしている。昭和 40
年代の団地再生も昭和 30 年代の団地と同様、順調に建
替え事業が実施されることが予想される中、今後の団
地再編の中心になるのは、昭和 40 年代団地の中でも膨
大なストックを抱えるストック活用団地であると考え
られる。ストック活用に分類されている団地への対応
は、計画的な修繕やバリアフリー化のみとなっており、
建替えや抜本的な住戸改善に向けた追加投資は行われ
ないとされている。以後、本研究では今後の団地再編
の中心になると予想される昭和 40 年代のストック活用
団地に着目する。なお、昭和 40 年代のストック活用団
地は、首都圏に約 14 万戸、118 団地立地している。
3-2 日野市概要と町田市概要
図 3 に示したように、日野市、町田市ともに都心か
ら西に約 35km に立地し、大規模団地開発を契機に市街
地化が進行した。日野市は、昭和 33 年に建設された多
摩平団地の建替えにおいて、日野市・UR・住民の 3
者で勉強会を開催し、多摩平団地の建替えとその後の
方向性の計画策定に注力してきた経緯がある。町田市
は、1970 年に「団地白書」、2003 年には「団地白書 21」
、
2013 年には「町田市団地再生基本方針」を策定するな
ど、これまで団地再編について議論・検討してきた自
治体である。
図 2:管理開始年代別の建替え実施戸数
(参考文献 9 より筆者作成)
図 3:日野市と町田市の立地図
(参考文献 9 を用いて筆者作成)
3. 昭和 40 年代UR団地における居住実態の把握
3-1 対象地域の選定
対象地域の選定に当たっては、URが策定した団地
別整備方針書 (9)に記載されているデータを使用する。
表 2 の対象地域選定フローの通り、①と②の抽出を
実施した。表 3 に①の選定において抽出された自治体
と団地数を示す。
対象とする団地の基本情報を表 4 に示す。なお、今
発表では、高幡台団地と山崎団地を取り上げる。
(百草
団地と藤の台団地に関しては卒業論文参照)
表 4:研究対象団地の基本情報
(参考文献 9 を用いて筆者作成)
表 2:対象地域選定フロー
①今後、荒廃が懸念される団地の抽出
・昭和 40 年代に管理開始されたストック活用団地の抽出
・将来的に需要の低下が懸念される団地の抽出
(団地別整備方針書における「将来的に需要の低下が懸
念される」という記載を基に抽出)
・最寄り駅からバス圏(徒歩 10 分以上)の交通脆弱地域に
立地している団地の抽出
②①で選定した団地が立地する自治体の選定
・①により、12 自治体に立地する 16 団地を抽出。続いて、
住宅マスタープラン・住生活基本計画において、団地再
編について積極的に検討している自治体を選定
3-3 高幡台団地、山崎団地の居住実態把握
本節では、アンケート調査の集計・分析を通して、
対象 2 団地の居住実態の把握と将来的な再編課題を明
らかにする。アンケート調査に関しては、
「全国公団住
宅自治会協議会」が実施した「第 10 回団地の生活と住
まいアンケート」を活用する。本節における分析結果
は、筆者が自治協から「アンケート原票」4,290 票を借
り、独自に集計・分析したものである。なお、自治協
による集計・分析結果では全国のUR団地の単純集計
結果の合計値のみが公開されており、個別団地の集計
結果については公開されていない。分析に関しては、
筆者が団地自治会から依頼されたものでもあることに
触れる。アンケート調査の概要について表 5 に示す。
アンケート調査内容については、卒業論文付録参照。
上記の選定方法により、本研究では「日野市」と「町
田市」を選定する。対象団地は日野市の高幡台団地、
百草団地、町田市の山崎団地、藤の台団地とする。
(①の選定により抽出された 16 団地の内の 2 団地)
表 3:①の選定方法により抽出された自治体と団地数
自治体
吉川市
久喜市
上尾市
世田谷区
清瀬市
北区
該当団地数
1
1
2
1
1
1
自治体
町田市
東久留米市
日高市
日野市
八潮市
立川市
該当団地数
2
1
1
2
1
2
表 5:研究対象団地の基本情報
2
3-3-1. 居住属性
対象 2 団地の居住者属性について整理した。高幡台
団地、山崎団地の高齢化率はそれぞれ約 49.9%、約
60.5%と、非常に高い高齢化率を示している。また、0
~19 歳の割合は、高幡台、山崎それぞれ約 6.5%、5.0%
となっており、少子高齢化が顕著である。さらに両団
地の単身世帯層に着目すると、高幡台では最も大きな
割合を占めており、山崎では 2 人世帯に次いで大きな
割合となった(それぞれ約 43.2%、約 30.2%)。世帯
収入に関しては、高幡台・山崎ともに 200 万円未満が 3
割を超えており、低額所得階層が集積していると分か
る。高齢化率から推察するに、世帯収入が低い原因は、
年金生活者が多いためだと考えられる。
以上、居住属性・転出層・継続居住者層から、両団
地では、高齢者等の住宅弱者が集まり、若年層が集ま
りにくい居住サイクルとなっている事を明らかとした。
3-3-3. 居住サイクルを生み出す要因
表 7 の通り、ヒアリング調査を実施し、このような
居住サイクルを生み出す要因が明らかとした。現状の
居住サイクルを生み出す要因は大きく 4 つあり、それ
は、①「民間賃貸住宅の住宅弱者に対する入居制限の
存在」、②「UR 賃貸住宅の入居に係る障壁の低さ」、③
「若年層のニーズに対する住戸水準の低さ」、④「家賃
の割高さ」である。①に関しては、住宅弱者には民間
賃貸住宅への入居制限が存在し、このような層がUR
住宅へ入居希望する。②に関しては、UR住宅の特徴
が関係している。UR住宅は礼金・仲介手数料・更新
料・保証人が不要であり、民間賃貸住宅に入居できな
い住宅確保要配慮者が比較的入居しやすい構造になっ
ている。この 2 つが住宅弱者を集める要因となってい
る。一方、若年層は、③に示したように、UR住宅の
住戸水準とニーズが一致していないこと、④に示した
ようにUR住宅の家賃が割高であり、同水準の民間賃
貸住宅へ入居する傾向があることが、若年層の入居・
定住を抑制している要因となっている。
3-3-2. 転出と継続居住の傾向
転出と継続居住の傾向について分析した。高幡台団
地において、過去 10 年以内に入居した居住者は全体で
約 29.7%である。一方、山崎団地では 20.3%となって
おり、高幡台団地の方が転入割合は高い。続いて、両
団地において 10 年以内入居した居住者年齢層を分析す
ると図 4 のようになっており、若年層(20~30 歳代)
よりも高齢者層(60 歳以上)の方が多く入居する傾向
があることが分かる。
表 7:ヒアリング調査概要
図 4:10 年以内に入居した居住者年齢層
続いて、現在の居住者のうち、10 年後も住み続けて
いる居住者の年齢層を表 6 の通り推計した。
表 6:継続居住者の推計方法
①継続居住意向の抽出
・アンケート調査の継続居住意向に関する質問(問 11)
において、
「このまま住み続けたい」と回答した世帯主
を 10 年後も継続居住している仮定する。
②高齢者施設への入居に係る転出者の除外
・①で抽出した継続居住意向がある居住者のうち、10
年以内に 85 歳の年齢に達する居住者は高齢者施設への
転出者とした。85 歳の年齢設定は、厚労省の「有料老
人ホームの入居者【実態把握】
」を基に設定している。
以上の方法により、図 5 に示した居住者年齢層を推
計した。結果、継続居住者は高齢者層が 6 割を超えて
おり、若年層に継続居住者が少ないことが分かる。
4. 自治体およびURによる計画意向と現在の取組
4-1 URの計画意向と日野市・町田市の計画意向比較
続いて、URと日野市・町田市の計画意向について
は、ヒアリング調査から図 10 が明らかになった。
図 5:現在の居住者における継続居住者層
図 6:UR、日野市・町田市の団地再編に対する計画意向
3
図 6 に示したように、URでは建替えやリニューア
ルの実施意向はないこと、一方自治体側は建替えやリ
ニューアルを求めていること、URが空き家の解消を
目的にしているのに対し、自治体側が若年層の入居促
進を求めていることといったように、URと自治体に
は齟齬があることが明らかとなった。
5.
総括
最後に研究の成果をまとめる。
(1) 団地の居住実態を踏まえた将来的な再編課題
ここでは 3 点挙げる。1 つ目に、高齢者などの住宅弱
者が集積し、若年層の入居・定住を抑制する居住サイ
クルが生み出されていることである。これにより、今
後さらに高齢化や人口減少が進行し、団地の活力低
下・空き家の大量発生が懸念され、さらなる状況悪化
が予測される。
2 つ目に、現状の居住サイクルを生み出す要因は、①
「民間賃貸住宅の住宅弱者に対する入居制限の存在」、
②「UR 賃貸住宅の入居に係る障壁の低さ」、③「若年層
のニーズに対する住戸水準の低さ」、④「家賃の割高さ」
の 4 つであることが明らかになった。
このことからも、
特に若年層の入居・定住促進には住戸改善が必要不可
欠であると言える。
3 つ目に、現在のUR及び自治体の取組みは空き家解
消に貢献しても、居住者層に変化をもたらすことがで
きず、市が意向している目標を達成するには限界がみ
られることである。
(2) UR及び自治体の計画意向と再編誘導の可能性
ここではURと市による計画意向と取組みから明ら
かになったことについて述べる。山崎団地のように、
URと自治体の計画意向の統一のために、市が協議の
場を設けても、団地再編着手の決定権者はURであり、
市の意向が反映された団地再編着手には至らない可能
性がある。一方で、団地内で余剰地が生じ、URが再
編着手に至った場合などは、
「都市計画制度の運用」を
用いて、市がURを誘導できる可能性がある。
4-2 URの計画意向と日野市・町田市の対応
続いて、このような意向を持っている中、URと各
自治体がそれぞれ高幡台団地、山崎団地に対してどの
ような取組みを実施しているのかヒアリング調査より
把握した。
4-2-1. 高幡台団地における取組み
現在、高幡台団地では、耐震不足の 73 号棟解体に伴
う跡地活用が検討されている。平成 23 年に、高幡台団
地 73 号棟の解体が決定され、これに伴いURでは、73
号棟跡地の売却を検討し、
「一団地の住宅施設」の変更
を日野市へ要望した。しかし、日野市としては、以前
から高幡台団地に若年層を呼び込みたいという意向が
あったため、URに団地全体の再編計画に当たるまち
づくり条例に基づく「地区まちづくり計画」を策定し、
団地の再編に着手するよう要望した。日野市としては、
「地区まちづくり計画」策定後に「一団地の住宅施設」
の変更に取り掛かるとしている。これによって、現在、
URは賃貸住宅住民、分譲住宅住民、日野市と共に、
地区まちづくり計画策定に向けた勉強会を実施してい
る。このことから、
「都市計画制度の運用」を用いるこ
とで市がURを再編着手へと誘導できる可能性がある
と考えられる。
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団地別整備方針書
(10) UR賃貸住宅ストック再生・再編方針
(11) 独立行政法人都市再生機構 第三期中期目標・計画
(12) 国土交通省(2008)「UR 賃貸住宅における住宅セーフティネット施策」
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(14) 町田市(2012)「町田市木曽山崎団地地区のまちづくりに関連する報告
書」
(15) 町田市(2013)「町田市木曽山崎団地地区のまちづくりに係る検討報告
書」
(16) 日野市(2003)「日野市まちづくりマスタープラン」
4-2-2. 山崎団地における取組み
現在、山崎団地において、URは団地マネージャー
(DM)制度を用いて、再編に向けた取組みを行って
いる。DM制度は、各団地またはエリア単位で、DM
を配置し、日常の管理業務を超えて団地毎にオリジナ
ルのソフト施策を行い、団地の再編、活性化を目的と
する制度である。また、町田市は山崎団地の周辺地域
も含めた 5 つの学校跡地の活用について検討しており、
すでに 2 跡地で子育て拠点としての保育園と防止拠点
としての消防署を誘致して活用している。さらに「地
域協議会」を設置し、URと市と住民が協議する場を
作り、再編に向けて取り組んでいる。
このように、山崎団地はUR・市が積極的に力を入
れて再編着手している先駆的事例と言える。これらの
取組みの効果もあり、平成 25 年から平成 26 年にかけ
て、UR団地の空き家数は 704 戸から 574 戸まで減少
した。しかし、第 3 章でみたように、居住者層は依然
として高齢化率が高く、若年層の入居など居住者層に
変化をもたらすほどの影響はみられない。このことか
ら、現状の再先駆的なUR及び自治体の取組み(ソフ
ト施策)においても、居住者層に変化を与えるには至
らず、限界がみられることが明らかになった。
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