TOP Interview PR 車載エレクトロニクスの課題にアナログ技術で挑む グ技術」こそが重要と考えています。 最先端アナログ技術は 車載エレクトロニクスの進化に必要不可欠 ここでいうアナログ技術とは、たとえ 電子化が進むクルマでは、増えつつあるECUの搭載スペースの確保などさまざまな課題が浮上している。 どを可能にする技術を指します。 リニアテクノロジーは高度なアナログ技術と顧客ニーズを汲み取った製品開発を通じて、 ば電源電圧の安定的な供給、消費電力 の削減と発熱の抑制、外来電磁波ノイ ズに対する堅牢性の確保、寒冷地から リニアテクノロジー 東日本地区 統括セールスマネージャ 畠山 竜声 氏 暑熱地まで対応した幅広い温度範囲で の安定動作、精度の高いセンシングな ECUに搭載されているマイコンな 車載エレクトロニクスの課題に挑戦する。 どのデジタルデバイスを安定的に動作 させるには、実はこうしたアナログ技 術が欠かせません。将来の自動運転へ ―クルマの電子化と電動化が急速に しかもそれぞれのECUはスタンドア するために半導体デバイスやその周辺 と至るクルマのさらなる電子化を考え 進んでいます。また、自動運転の実現 ロンではなく相互にネットワークでつ 回路にはより一層の小型化が求められ ると、デジタル技術を高度化していく 原則として製造を中止することは 畠山:ADASのような安全系でのエレ に向けた技術開発も盛んです。こうし ながるようになってきました。安全性 るようになっています。 だけでは不十分で、アナログ技術をい ありません。実際に1980 年代の創 クトロニクスの広がりで、部品の信頼 た変化をどう見ていますか? の確保は大前提としながら、システム また、ETC、イモビライザ(盗難防 かに高めデジタルと融合していくかが 業時に発売したICを今でも製造し 性がかつてないほど重要になってきて 畠山:クルマの技術革新においては、 が複雑化しつつあるというのが現状か 止装置) 、キーレスエントリーなど、電 鍵を握ることは間違いありません。 ています。 います。 やはり自動運転の実現に向けた流れが と思います。 波を利用した機能が増えていることも つまり、アナログ技術は差別化の源 大きいと感じます。クルマが公道を完 ―そうした複雑なシステムの実現に あり、半導体デバイスや回路が外来の 全に自動で走るのにはまだクリアすべ あたって、どのような課題があると考 き課題が多いと思いますが、衝突被害 (2)す べての生産工程に冗長性を持た 当社は、製品全体で 0.1FIT(動作10 泉のひとつなのです。 せることにより、BCP(事業継続計 億時間あたりの推定故障率)というき 電磁波ノイズに強く、かつ、自らがそ ―アナログ技術の重要性を唱えるリ 画)を確立しています。 わめて高い信頼性を実現しているほ えられますか? うした電磁波ノイズを出さないことも ニアテクノロジーとは、どのような会 軽減ブレーキに代表される先進運転支 畠山:ECUの台数が増えシステムが 重要です。 援システム(ADAS)のように、人間の 複雑化していることに対して、一般に 運転をクルマがアシストする方向に向 (3)す べての製品をウエハとして在庫 か、最新のDC/DCコンバータLT86シ 社なのですか? することで、短納期と安定供給を リーズでは国際無線障害特別委員会が アイドリングストップ機能もハード 畠山:リニアテクノロジーは1981年 実現しています(ダイ・バンク) 。 定める「CISPR 25 Class 5」規格を はソフトウェアの開発工数の増大が指 ウェアから見ると大きな課題です。ス に米カリフォルニアのシリコンバレー (4)高 い設計品質と長期及び短期信頼 大幅にクリアする電磁ノイズ放射を実 かっていることは確かです。 摘されますが、ハードウェアの観点か ターターモーターが回るときに、ECU で創業した半導体ベンダーで、“デジタ 性試験に代表される様々なテスト 現するなど、クルマ用のエレクトロニ ADASの普及も一因となって、エン らもさまざまな課題が浮上しています。 に供給されるバッテリ電圧が一瞬だけ ル技術が発展すればそれを支えるアナ を組み合わせて、高品質と信頼性 クスが抱えるさまざまな課題の解決に ジン、トランスミッション、ブレーキな 最大の課題が ECUの搭載スペースで 大きく低下する「コールドクランク」 ログ技術の発展もより重要となる”と を保証しています。 取り組んでいます。 ど、クルマのあらゆる部分の電子化が す。居住スペースや荷物スペースを確 と呼ぶ現象が発生するためで、こうし の考えのもと、回路に安定的な電圧を (5)当 社のアナログエンジニアがアナ また、米国本社のエンジニアが日本 加速しています。メカや油圧のみで動 保しながら多くのECUを搭載し、かつ、 た条件でもECUは安定的に動作を続 供給する電源 IC や微細な信号の計測 ログ IC 周辺の回路設計や基板設計 のお客様を足繁く訪問し、市場におけ 作していたところが ECU(Electronic ネットワークを含む内部配線を引き回 けなければなりません。 に使われるオペアンプ・基準電源・A/ などを徹底的に無償サポートしま る課題をヒアリングして、お客様から Control Unit)できめ細かく制御され、 さなければなりません。ECUを小型化 そのほか、イグニッションキーがオ Dコンバータなどを中心に、さまざま す。 のインプットをベースに、ニーズに フの状態で回路が消費する「暗電流」 なアナログ半導体製品を手がけてきま こうした価値の提供によって、国内 合った製品開発を進めています。 をいかに削減するか、なども課題にの した。自動車市場においても20年以上 外のクルマメーカーおよびサプライヤ これからも優れたアナログ技術と特 ぼっています。 の実績を持っています。 から厚い信頼をいただいています。 徴ある製品を提供しながら、未来のク 当社では製品そのものの性能もさる ―現在そして将来のクルマ産業に向 ルマの実現に向けて、日本のお客様を ことながら、 「仕様書には書かれていな けた取り組みを教えてください。 サポートしていきます。 ● 回路の小型化 LT8610 小型超高効率同期整流式モノリシック 降圧レギュレータ (5×4mmMSOP) 12V in(+B) 3.3V out /2.5A 実装面積80%削減 従来コントローラ型製品回路規模 40mm×35mm LT8610回路規模 15mm×18mm 五つの顧客価値を中核に 車載ニーズを満たす IC を展開 いリニアテクノロジーの五つの顧客価 ―そうした課題を解決するポイント 値」を標榜しており、これらがすべて はどこにあるのでしょうか? 合わさって初めてお客様に対する良い 畠山:いろいろな見方があると思いま サービスとなると考えております。 すが、リニアテクノロジーは「アナロ (1)お 客様からオーダーがある製品は リニアテクノロジー株式会社 〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-6 紀尾井町パークビル8F TEL 03-5226-7291 FAX 03-5226-0268 URL http://www.linear-tech.co.jp/
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