総合東京病院 通信 総合東京病院 通信

Southern TOHOKU Healthcare Group.
Tokyo General Hospital
Vol. 01
南東北グループ 医療法人財団 健貢会
総合東京病院
通信
Tokyo General Hospital Communication Paper
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因
子
脳
梗
塞
は
こ
う
し
て
起
き
る
脳血管障害である脳卒中は日本人の死亡原因の上位を占めています。その中
でも脳梗塞は死亡率が高く、発症率は依然として高いままです。発症すると麻
痺や言語障害、認知症などの後遺症が残ることもありますが、予防は不可能な
病気ではありません。
◎脳卒中と脳梗塞の関係=「脳卒中」とは一般
によく使われる言葉ですが、これは病名とい
うよりも1つの症状を意味する用語なので
す。脳を流れる血管の病変によって脳に機能
的・器質的な障害をきたすことを「脳血管障
害」と総称していますが、この障害が急激に
起きた場合を「脳卒中」と呼ぶのです。卒中と
は〝突然、あたる〟という意味です。この脳
卒中は脳出血・クモ膜下出血・脳梗塞の3つに
大別されます。
◎脳梗塞はこうして起きる=なんらかの原因
で脳の動脈の内側(内腔)が塞がれて、そこか
ら先の組織に血液が流れなくなると、血液が
運んでいる酸素や栄養分が行き届かなくな
り脳の組織が部分的に壊死します。この状態
が脳梗塞です。脳梗塞は血管の塞がり方で種
に乗って流れて脳の血管に詰まった場合を
いいます。脳血栓も脳塞栓も脳細胞が壊死し
た部位によって現れる症状は異なります。よ
く知られている症状としては「麻痺」
「知覚障
害」
「 失語」などです。また通常の動作が出来
なかったり、道に迷う、人の顔が判別出来な
い、
などの症状もあります。
◎こんなサインが危険信号=「朝起きた時に手
足が思うように動かない」、
「よだれが止まら
ない」、
「 しびれた感じがある」などの症状が
みられ、さらに周りの人からも「なんとなく、
いつもと違って様子が変だ」と見られるとき
は脳梗塞の可能性があります。また、脳梗塞
の特有の症状として一過性の発作が起こる
例も多くみられます。
「一過性脳虚血発作」で
す。脳梗塞と同じ症状ですが、一時的に脳の
類が分けられます。1つは「脳血栓」で脳の血
管そのものが動脈硬化を起こし、そのために
血管が詰まったり、動脈の強い狭窄によって
起こるものです。しかし血栓が自然に溶けた
出来た血の固まり(血栓)が徐々に大きく
なって血管を塞いでしまう状態を指します。
2つは「脳塞栓」という状態です。これは心臓
など脳以外の場所で出来た血栓などが血流
り流れたりして、血管の詰まりがとれて短時
間で症状が治まります。程度の違いはありま
すが、数秒から数分(多くは15分以内)長く
ても24時間以内に回復します。この一過性
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※この冊子は左開きが「総合東京病院」の広報誌、右開きが「江古田の森」の広報誌です。
P-B10141
この広報誌は、環境に配慮した
資材と工場で製造されています。
この広報誌は責任ある森林管理により生まれた
FSC 認証紙を使用しています。
2012.11
Vol.
1
南東北グループ 医療法人財団 健貢会
総合東京病院通信 Vol.1
●平成 24 年 11 月 11 日発行
●編集・発行/総合東京病院
●印刷/石井電算印刷株式会社
この広報誌は、環境にやさしい
ベジタブルインキを使用しています。
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総合東京病院
病院の理念
すべては患者さんのために∼PRO VONO AEQUNOROSA∼
病院の目標
診
□ 患者さんに公正な医療を提供します
□ 医師による説明と患者さんの選択に基づく医療を進めます
療
□ 患者さんのプライバシーを尊重します
□ 診療情報を患者さん自身にお伝えします
科
□ より良い医療が行われるよう研修・研鑚いたします
目
□ 患者さんの人生が最後まで豊かであるように、その意志を尊重します
脳虚血発作は脳梗塞の大発作の前触れとみられ脳梗
塞に移行する確率が高いことが知られています。で
すから、症状が治まったといっても、すぐ病院での検
査が必要です。
◎治療は迅速な対処を=脳の細胞は酸素や栄養分の不
足にとても弱く、血流が途絶えると周囲の細胞は15
分∼1時間ほどで壊死してしまいます。ですから脳梗
塞の治療は一刻も早く開始することが重要です。治
療は薬物療法が中心になります。
「血栓溶解剤」
「抗凝
血剤」
「抗血栓剤」などの投与を行い、急性期には血管
内に注射する方法もあります。
「 rt-PA」
( アルテプ
ラーゼ静注療法)がこれです。内科的な治療法で、今
までは発症から3時間以内の脳梗塞患者さんが対象
でしたが、2012年8月より発症4.5時間までの患者さ
んに適応が広がりました。この方法でも途絶えた血
流が改善されなかった場合や、太い血管の閉塞など
●内科 ●消化器内科 ●循環器内科 ●呼吸器内科
●神経内科 ●外科 ●消化器外科 ●整形外科
●形成外科・美容外科 ●脳神経外科 ●心臓血管外科
●血管外科 ●呼吸器外科 ●婦人科 ●眼科 ●皮膚科
●泌尿器科 ●麻酔科 ●小児科 ●放射線科 ●耳鼻咽喉科
●歯科口腔外科 ●心療内科 ●リハビリテーション科
では手術することもあります。これを外科的治療法
といい、総合東京病院では、積極的に外科的治療も
行っています。不幸にして半身麻痺や言語障害など
機能的障害が残った場合、機能を出来る限り回復さ
せるためには早いうちにリハビリテーションを開始
することが大切です。これで完全回復は無理でも日
常生活に不自由しない程度まで回復させることも可
能です。
◎予防するには=危険因子を取り除くことです。一番
の危険因子は高血圧です。血管に高い圧力が加わる
ため動脈硬化を起こし、これが脳梗塞の原因になり
ます。同じ理由で高脂血症も重大な危険因子です。さ
らに糖尿病・心臓疾患(特に弁膜症、不整脈)を持つ人
は梗塞を起こしやすいので、こうした病気をキチン
と治しておくこと、つまり生活習慣病への対策が予
防策となるのです。
特 集 2
インフルエンザ
予防特集
インフルエンザは例年12月頃から発生し、1月下
旬から2月ごろをピークに爆発的に感染者が増えま
す。インフルエンザは風邪に比べ症状が重く、突然
38度から40度の高熱と全身のだるさ、頭痛、筋肉痛
などの全身症状が起こり、これと同時か、少し遅れ
てのどの痛みや鼻水、咳などの呼吸器症状が現れる
のが特徴です。これに対し普通の風邪はのどの痛み
や鼻水、咳などの症状が中心で全身症状があまり見
られません。
インフルエンザは感染力が強く短期間に子供か
ら高齢者まで急激に広がります。高齢者は肺炎など
合併症を引き起こしやすく、死亡率も高く要注意で
す。潜伏期間は1∼5日(3日以内が多い)。咳やくしゃ
みで飛んだウイルスを吸い込むか、そのウイルスが
付着したテーブルやドアノブに触れて感染します。
感染してしまったら水分を十分にとり自宅で安静
2
が一番。
あとは抗インフルエンザ薬の投与ですが、発
症後48時間以内の投与が効果があるといわれます。
インフルエンザの感染を防ぐには①こまめな手洗
い②咳・エチケット③予防接種―が3大柱。帰宅時の
手洗い・うがいは当然ですが、
つばや鼻水が手につい
たら石鹸で丁寧に洗い流して下さい。咳で1・5㍍、く
しゃみで3㍍ウイルスを含むしぶきが飛散すると言
われます。
咳・くしゃみのある方はマスクをし、
咳・く
しゃみが出そうになったら腕で口と鼻を押さえて下
さい。
それが感染を広げないエチケットです。
病院に
行くときも勿論マスク励行です。予防接種はワクチ
ンの効果が出るのが接種後約2週間かかるので流行
前にして下さい。卵アレルギーや重症疾患にかかっ
ている人、過去にけいれん・免疫不全、気管支喘息の
ある人は接種に注意が必要で医師の指示を受けて下
さい。
なお、
当院での接種にはご予約が必要です。
(予約電話番号 03-3387-5421)